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39 ◇幕間◇血の繋がらない妹
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ここはアストリア世界のレトロの街。サラが育った孤児院が建っている。
◇◇◇ハルナ◇◇◇
サラ姉ちゃん、あと2ヶ月もしないうちにレトロ魔道技術学校の受験だよ。
絶対に受かってみせるから。
あの日、日本から召喚者が現れた。逆にサラ姉ちゃんは魔法陣に連れ去られて消えた。
周りは、黒髪の美男美女が召喚魔法陣から現れて盛り上がってた。だけど、私達レトロ孤児院の人間はそれどころじゃなかった。
呆然としていると、女神ステア様の神託が下った。
夕方の空が白く輝きステア様が顕現された。今回の日本人召喚者の役割、初の勇者活動配信が行われることを神託として告げられた。
不敬だろうが、そんなのどうでもよかった。サラ姉ちゃんは?って叫びそうだったときだ。
『そして、神器による新たな配信機能のテストをしておる。アストリアとは違う、ヤマトという世界で異世界配信も行うことにした。そこで適正者をひとり、ヤマト世界に送らせてもらった』
周りはざわついた。私は「まさか・・」って言いながら上を向いた。
『聖女の力を与え、ヤマトに送った我が使徒はサラ18歳。レトロの街のEランク冒険者じゃ』
私もシスターマリアも、血の繋がらない弟妹達も、目が点になった。
そのあとは、人を間違った訳でないとか、転移魔法陣を間違っただけとか、ごにょごにょ言いながら、女神ステア様は去っていかれた。
召喚イベントも終わり、孤児院への帰路につこうとすると、ステア様から私とシスターマリアだけに神託が降りた。
というか、サラ姉ちゃんからの伝言だった・・
シスターと私の商業ギルドカードにお金を振り込むって話だ。
シスターには、金銭を孤児院とレトロの街のために使ってくれとのことだった。
私には・・
魔道技術学校に行けと。
サラ姉ちゃんには言ってなかった。行きたいけど、資料を取り寄せたところで断念した。
受験で合格しても、入学金の50万ゴールドさえ払えない。だから資料は取り寄せた次の日には捨てた。
サラ姉ちゃんと同じ冒険者になるって言ってあった。
サラ姉ちゃんの気持ちは嬉しすぎる。けど今後は、別世界で女神様の使徒として働く姉ちゃん。きっと困難で重要な使命があるはずだ。
私のことを妹って言ってくれるけど血の繋がりなんてない。私のことなんかで、心を砕く必要はない。
断ろうしたら、女神ステア様が笑いながら仰られた。
『断られては困る。サラに頼まれたのはお主らのことだけじゃ。お主とシスターマリアに金が渡るようにすることだけじゃ』
「・・・」
『神族を嘘つきにせんでくれ。これは命令だよ。いずれ帰って来るサラに、お主が夢を叶えた姿を見せるのじゃ』
いたずらっぽく笑うステア様。涙が出て言葉が出ない私が頷くと、親指を立てて笑顔で去られた。
◆◆◆
10日後には、本当にお金がギルドカードに入っていた。
次の10日後には、さらに多く振り込まれた。
私はレトロ魔道技術学校の願書をもらって、受験の申請もした。
同時に、15歳になったから孤児院を出る準備してる。
住むところは、サラ姉ちゃんが借りてるアパート。孤児院、学校の両方に近くて大家さんも知り合い。
大家さんも、女神の使徒となった人間の部屋を勝手に解約しにくい。
だけど家賃のこととか荷物のこととかあるし、困ってた。
サラ姉ちゃんの帰る場所を残しておきたいし、サラ姉ちゃんのお金から1年分の家賃を先払いしておいた。
ここで魔道技術を学びながらサラ姉ちゃんが帰って来る日を待とう。
スマホを手に入れて、ヤマト世界から配信されるサラ姉ちゃんの活躍は見ている。
面白キャラみたくなってても要所、要所では人を救ってる。やっぱサラ姉ちゃんだね。
サラ姉ちゃんは今、いわば公人。
個人的なメッセージをしてサラ姉ちゃんの心を乱すのは、なにか違うと思う。余計な書き込みはしていない。
おそらく女神様が、こちらの状況は伝えてくれているだろう。
感謝している。みんな感謝している。
勉強してたら、もう夜中になってた。窓ガラスに自分がくっきりと映る。
前より頬に肉が付いてる。サラ姉ちゃんと同じ、銀髪青目のアストリア顔だけどね。
窓を空けると、外の冷気が流れ込んできた。
「さむっ、いつの間に冷えてたんだろ」
孤児院の壁や屋根は、サラ姉ちゃんから送られてきた金銭で直させてもらった。
前だったら、外が寒くなれば孤児院の中も一気に冷えていた。
この1ヶ月間は、そんなことはなくなった。
小さい子の部屋を見に行くと、みんなフカフカの布団でぐっすり寝ている。
無理して薬草採取しなくても、ご飯が食べられる。読み書きの勉強もできて、新品の魔道テレビを見て笑ってたよ。
「サラ姉ちゃん、ありがとう。みんな元気で感謝してるよ」
サラが守りたい人々は、今夜も穏やかな眠りについている。
◇◇◇ハルナ◇◇◇
サラ姉ちゃん、あと2ヶ月もしないうちにレトロ魔道技術学校の受験だよ。
絶対に受かってみせるから。
あの日、日本から召喚者が現れた。逆にサラ姉ちゃんは魔法陣に連れ去られて消えた。
周りは、黒髪の美男美女が召喚魔法陣から現れて盛り上がってた。だけど、私達レトロ孤児院の人間はそれどころじゃなかった。
呆然としていると、女神ステア様の神託が下った。
夕方の空が白く輝きステア様が顕現された。今回の日本人召喚者の役割、初の勇者活動配信が行われることを神託として告げられた。
不敬だろうが、そんなのどうでもよかった。サラ姉ちゃんは?って叫びそうだったときだ。
『そして、神器による新たな配信機能のテストをしておる。アストリアとは違う、ヤマトという世界で異世界配信も行うことにした。そこで適正者をひとり、ヤマト世界に送らせてもらった』
周りはざわついた。私は「まさか・・」って言いながら上を向いた。
『聖女の力を与え、ヤマトに送った我が使徒はサラ18歳。レトロの街のEランク冒険者じゃ』
私もシスターマリアも、血の繋がらない弟妹達も、目が点になった。
そのあとは、人を間違った訳でないとか、転移魔法陣を間違っただけとか、ごにょごにょ言いながら、女神ステア様は去っていかれた。
召喚イベントも終わり、孤児院への帰路につこうとすると、ステア様から私とシスターマリアだけに神託が降りた。
というか、サラ姉ちゃんからの伝言だった・・
シスターと私の商業ギルドカードにお金を振り込むって話だ。
シスターには、金銭を孤児院とレトロの街のために使ってくれとのことだった。
私には・・
魔道技術学校に行けと。
サラ姉ちゃんには言ってなかった。行きたいけど、資料を取り寄せたところで断念した。
受験で合格しても、入学金の50万ゴールドさえ払えない。だから資料は取り寄せた次の日には捨てた。
サラ姉ちゃんと同じ冒険者になるって言ってあった。
サラ姉ちゃんの気持ちは嬉しすぎる。けど今後は、別世界で女神様の使徒として働く姉ちゃん。きっと困難で重要な使命があるはずだ。
私のことを妹って言ってくれるけど血の繋がりなんてない。私のことなんかで、心を砕く必要はない。
断ろうしたら、女神ステア様が笑いながら仰られた。
『断られては困る。サラに頼まれたのはお主らのことだけじゃ。お主とシスターマリアに金が渡るようにすることだけじゃ』
「・・・」
『神族を嘘つきにせんでくれ。これは命令だよ。いずれ帰って来るサラに、お主が夢を叶えた姿を見せるのじゃ』
いたずらっぽく笑うステア様。涙が出て言葉が出ない私が頷くと、親指を立てて笑顔で去られた。
◆◆◆
10日後には、本当にお金がギルドカードに入っていた。
次の10日後には、さらに多く振り込まれた。
私はレトロ魔道技術学校の願書をもらって、受験の申請もした。
同時に、15歳になったから孤児院を出る準備してる。
住むところは、サラ姉ちゃんが借りてるアパート。孤児院、学校の両方に近くて大家さんも知り合い。
大家さんも、女神の使徒となった人間の部屋を勝手に解約しにくい。
だけど家賃のこととか荷物のこととかあるし、困ってた。
サラ姉ちゃんの帰る場所を残しておきたいし、サラ姉ちゃんのお金から1年分の家賃を先払いしておいた。
ここで魔道技術を学びながらサラ姉ちゃんが帰って来る日を待とう。
スマホを手に入れて、ヤマト世界から配信されるサラ姉ちゃんの活躍は見ている。
面白キャラみたくなってても要所、要所では人を救ってる。やっぱサラ姉ちゃんだね。
サラ姉ちゃんは今、いわば公人。
個人的なメッセージをしてサラ姉ちゃんの心を乱すのは、なにか違うと思う。余計な書き込みはしていない。
おそらく女神様が、こちらの状況は伝えてくれているだろう。
感謝している。みんな感謝している。
勉強してたら、もう夜中になってた。窓ガラスに自分がくっきりと映る。
前より頬に肉が付いてる。サラ姉ちゃんと同じ、銀髪青目のアストリア顔だけどね。
窓を空けると、外の冷気が流れ込んできた。
「さむっ、いつの間に冷えてたんだろ」
孤児院の壁や屋根は、サラ姉ちゃんから送られてきた金銭で直させてもらった。
前だったら、外が寒くなれば孤児院の中も一気に冷えていた。
この1ヶ月間は、そんなことはなくなった。
小さい子の部屋を見に行くと、みんなフカフカの布団でぐっすり寝ている。
無理して薬草採取しなくても、ご飯が食べられる。読み書きの勉強もできて、新品の魔道テレビを見て笑ってたよ。
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