名前の読み方が同じだから聖女として間違い召喚されました。勇者活動より弟妹の食費稼ぎを優先します

とみっしぇる

文字の大きさ
48 / 73

48 久しぶりに魔王軍を見た

しおりを挟む
グンマエリアから一気に北東に動いてフクシマエリアに入った。

フクシマエリアはコオリヤマ伯爵領。

私とアリアは、チェキボーのチェキとチェコが背中に乗せてくれた。

シロウはラピードホースって馬魔獣に獣魔の首輪を付けて乗ってる。

ところで霊峰タカサキダンジョン、アリアとシロウの初回クリア特典は、魔鉄製品だった。

◆◆
道中盗賊が出なかった。強者のオーラ出まくりのシロウがいるからだよ。

かなり普通すぎて、視聴者からの反響は少なかったな。

代わりに目的のイワキの街まで、スムーズに来た。

すごい、賑わってる。

「いやあ、この街って鐘とか鳴って、人も走り回ってるよな」
「サラ、なんだかお祭りみたいね」

初めて見る街と走り回る人々、私とアリアは感想を言ったら、シロウに突っ込まれた。

「お二人とも悪いですが、あれは警報の鐘です。お祭りではござらぬ・・」

「ありゃ」「・・あはは」

イワキの港に魔王軍の船が海から2隻来てた。

アリアと私で知り合ってから、どこかの街に入った途端のバイオレンスもあった。動じなくなってっかな・・

アストリア視聴者に聞くと、勇者5の必須イベントも1個ある。とりあえず港に向かった。


「アタイも戦わせろ!」

小さな女の子が叫んだ。

「ダメだノムコ殿。あんたに何かあったら、誰が武器を作る」
「そうですよ。ノムコ殿は保護区画に戻って下さい」

整然と並んだ軍隊の先頭にいる、剣と丸盾の男子が断った。横には銀髪に染めた女。

ニセの勇者と使徒は両方とも制服着用。フクシマエリア公式の、ご当地勇者セットだな。

ご当地勇者に文句たれてる女は、身長120センチくらいなのに手足が太い。

女を鑑定したらレベル40。HP、物理系、MPが640もある。代わりに魔法の攻防力や敏捷が低め。

コメント欄
『お、「勇者5」の勇者候補の5人目だ』
『ドワーフのノムコだ』
『リアルは黒髪のロリ美女だよ』
『ゲームの設定も、こういう風にすれば良かったのに・・』

『ヤマト世界のリアル勇者候補は、美男美女だな』
『アリアちゃんには及ばんがな』
『だな!』

勇者5の勇者候補10人の5人目、ドワーフのノムコだ。

シロウが現れたときのように熱気がないと思ったら、RPGの設定が原因だった。

ゲームのノムコは、こんな黒目黒髪の美少女ではない。アストリア世界のドワーフに忠実に、茶髪、大きくてグリーンの瞳をしたキャラだ。

それじゃ、日本人召喚者が言うところの『ウクライナ系』。アストリアじゃモブ顔だ。

それはともかく、魔族は簡単に退けられた。

女神の適当神託のせいで、魔王軍も各部隊で重視すべき侵攻地が決めにくく、少数でジペング各地を攻めてるって話だもんな。

そのとき視聴者から疑問が投げ掛けられた。

ドロンは戦闘に参加できず、悔しそうなノムコを映してる。

『あれ、ドワーフのノムコが戦ってないぞ』
『なんで?』
『ここで勇者と戦闘中に合流して、意気投合。続いてダンジョンを1個攻略のはずなのに』

種族間に垣根がないアストリア人は分かっていない。

「ヤマト世界のヒト族の大半が異種族を嫌ってんだよ。勇者候補1番目のカラッパなんてあからさまだったろ。シロウが例外なんだよ」

みんなサイタマのミリー、マリーですら以前はヒト族至上主義者だったと思い出したみてえだ。

『あ・・』
『そうだった』
『ストーリーの強制力より、差別の力が上回るハードモードの世界かよ』

ノムコは、偏見のせいで戦闘参加を断られたんだよな。

魔王軍を海に押し戻して盛り上がっているヒト属の軍を遠目に、シロウがノムコに話しかけた。

「ノムコ殿、約束の物を持ってきました」

「あれ、シロウさんじゃねえか。え、まさかもう、ミスリル鉱石採ってきたのか?」

「はい。あのお二人に大変世話になり、採取に成功しました」

ノムコの表情が明るくなった。私とアリアも紹介された。そんで促され、ノムコの工房に招かれた。

歩くとき、アストリア視聴者、特に女子から頼まれ私だけ10メートル後ろを歩かされた。

『ごめんね聖女。お詫びにスパチャ出すね』
『シロウ様の右にアリアちゃん、左にノムコ。なんかいい!』

『シロウ様とノムコがくっついてもいいなあ』
『聖女、頼んだわよ』

だから、なにをだ?

ただドワーフのノムコ登場で、人気のある、なしで何が起こるか分かった。

ノムコも間違いなく美少女。158歳でもロリ美人だ。

だけど私の、聖女サラチャンネルの人気を加速させた『勇者と5つのオーブ』では人気がなかった。だから今、視聴者から何のリクエストもない。

ぼそっ。「それ考えると、肝心の『勇者5』の枠外キャラなのに、配信の主役で大人気のアリアってすげえよな」

ノムコの工房でお茶を出されてんだけど、思わずアリアの頭を抱いた。

「な、なに、サラ?」
「何でもねえよ」

ところで、私達が持ってきたミスリル鉱石をほんの少し出したけど、その量はノムコが予想してた量の30倍。

総ミスリルのジペング刀を頼んだ。ノムコの鍛冶スキルで作製可能らしいけど、今のノムコのMP量では生成前に間違いなくガス欠だそうだ。

なので、勇者5のストーリーと同じく、4人でオイワキ上級ダンジョンに潜ることになった。

ここは、強制力かね?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

追放された荷物持ち、【分解】と【再構築】で万物創造師になる~今更戻ってこいと言われてももう遅い~

黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーから「足手まとい」と捨てられた荷物持ちのベルク。しかし、彼が持つ外れスキル【分解】と【再構築】は、万物を意のままに創り変える「神の御業」だった! 覚醒した彼は、虐げられていた聖女ルナを救い、辺境で悠々自適なスローライフを開始する。壊れた伝説の剣を直し、ゴミから最強装備を量産し、やがて彼は世界を救う英雄へ。 一方、彼を捨てた勇者たちは没落の一途を辿り……。 最強の職人が送る、痛快な大逆転&ざまぁファンタジー!

勇者の隣に住んでいただけの村人の話。

カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。 だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。 その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。 だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…? 才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。

勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~

名無し
ファンタジー
 突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。  自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。  もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。  だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。  グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。  人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

処理中です...