名前の読み方が同じだから聖女として間違い召喚されました。勇者活動より弟妹の食費稼ぎを優先します

とみっしぇる

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51 初めてのバトルロイヤル

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ミヤギエリアに来て、センダイの街歩きする間もなくバイオレンスだ。

マサムネ・ダテ伯爵主催の武闘会、まだ先の予定だったけど挑戦者が2000人を越えた。そしたら、伯爵が勝手に締め切った。

間に合って良かったけどよ、伯爵が適当人間なのは分かった。

ただ第3のオーブを山ほどのガラクタから見分ける心眼スキルは侮れん。

シロウの実家で歓迎会&激励会をやってくれた。フクシマエリアでアリアへの差別意識にムカついてたから、尚更嬉しかった。

◆◆
センダイ闘技場は人だらけ。

挑戦者、応援者のどちらにもエルフ、獣人までいる。ヒト族以外が2割くらい。ダテ伯爵が他種族容認を公言してるだけある。

今回は2065人がエントリー。

決勝トーナメントには32人が行ける。バトルロイヤルでふるいにかける。

まず、4つある会場で15~16人が乱戦する。

最後まで試合場から出ないか、立っていた1人が次のステージへ。

次のステージには4人一緒の戦い。残った1人が決勝トーナメントに進める。

マサムネ・ダテ伯爵、イロハ姫は明日から来る。

アリアは第31ブロックのA。私は第8ブロックのB。シロウは第29ブロックのD。

「よかった。シロウ、アリアのどちらとも、予選で潰し会いにならねえな」
「サラとシロウさんは余裕だよ。頑張って、私も勝ち上がりたいな」

恐らくアリアも大丈夫。ビリバリが有効。

この会場の闘技スペースは一辺が30メートルの正方形。

ルールは魔法アリで、武器は自前。

ヒーラーが30人も雇われてるけど死なないとは限らない。

深刻な怪我をしてもダテ家に文句を言わないと、念書も書かされた。

魔法もアリ。なのに、周囲に魔法使いっぽいのはいない。

詠唱でタイムロスがある魔法使いには、絶対的に不利な狭さ。複数の敵の攻撃をかわしながら詠唱するのはきつい。

さらに最初がバトルロイヤル。混戦の中で魔法詠唱なんて難しすぎ。

その中で女神印の電気魔法、氷魔法を持つアリアは、ただ1人の例外。

詠唱いらず。「ビリバリ」って考えた瞬間に発動する。

普通のビリバリは「カミナリの子よ姿を現し、光の速さで敵を撃ち抜け」の詠唱。そのあとに、指先に魔力を集めてから「ビリバリ」って言って発射だ。

アリアは今回、オユキサンを封印するつもり。私は命の危険を感じたら使えって言ってある。

◆◆
観客がすごい。当主マサムネのアイデアで場所がいい。低い丘の、くぼんだ場所に闘技スペース。

当主一族、周辺貴族の席しか設置してないけど、斜面だから沢山の人が座って闘技を観戦できる。

何千って客がいる。

初戦から4会場が大盛り上がり。第1ブロックのAステージで最後に残ったのは、エルフ剣士とヒト族の斧使い。

いきなり白熱のカード。最後はエルフが斧持ちを倒した。


いよいよ私の出番だけど男達に取り囲まれた。身体にぴっちりの革製装備に鉄のナックルガード。弱そうだろ。

対戦相手は男ばかり。熊獣人、虎獣人、ムキムキのヒト族戦士の黒髪美男15人に囲まれた。

「アネさん、綺麗な顔に傷付く前に舞台から降りろ」
「美人だからって、誰も手加減できねえからな」
「戦いを舐めてたら一生後悔するぞ!」

コメント欄、アストリア女子
『聖女、なによその逆ハー状態』
『私も綺麗とか美人とか言われながら、黒髪美男子に囲まれてみたい』
『聖女がモテるなら、同じモブ顔の私もモテるはず』

『そっちの世界に行きたい!』

シロウとアリアへのスパチャを投げ込んでくれるみなさんだけど、よく聞けよ。
「綺麗」「美人」とか言ったあと、恫喝されてるだろが。

こんなん逆ハーじゃねえよ!

戦闘が始まって、私は素早く闘技場の端に寄った。そんで、戦いの流れで寄ってきたやつを押して場外に出した。

最後は熊獣人の2メートル美丈夫が残った。

「姉さん、よく残ったな。だが幸運もここまでだ。ベアボンバー!」

太い右腕が大きく回転しながら迫ってきた。私は頭を抱えてしゃがんだふりをして回避。中腰で後ろに回って背中をドンッ。

ころん、と転がって熊獣人は場外に出た。

ヤマト世界で私は美人。大番狂わせが起きたと、場内で大歓声が起こった。

そして頭の中に入って来るアストリア熊獣人女子のコメントは、かなり手厳しかった。

次にシロウは楽勝すぎて割愛。ただ女性視聴者から称賛だらけ。ごめん、今はそこを気にしてらんない。

アリアの登場だ。今回、ただ一人のハーフエルフ。

戦闘に向かないとか、半端もんのくせに高級装備が生意気とか言われてる。

けどアリアは戦いが始まっても動じなかった。レベルは72でステータスがオール572。瞬時に勇者スキルの方の「パワーアップ」で攻撃力は3分間30パーセント増しの743。

周囲はレベル38~42。攻撃力が最高の男で700くらい。

4人が一斉にアリアに向かった。アリアは冷静に、一番遅いヒト族の背後に回って首筋に鉄のナイフを当てた。

「どうしますか、まだ続けますか」アリアが降参を促す。

「うるせえ!」「ビリバリ!」バチバチッ。

警告を無視して戦闘を続行しようとした相手にゼロ距離からビリバリを食らわせた。相手は泡を吹いている。

このために、アリアの新装備を電気耐性のやつにした。

アリアが本当に強くなってる。

結局、6人を倒して次のステージに進んだ。

降伏勧告した相手に無視されたときだけ、ビリバリを使った。ナイフと体術で先手を取り続けた。

第31ブロックの勝者を決める4人同時の戦いでも危なげなく勝って、決勝トーナメント進出。

コメント欄
『アリアちゃんが、頑張って育ってくれたな』
『子供の成長を見守る親の気分だね』
『↑の人、子供いるの?』
『いや、おらんけど』

『まあ、気持ちは分かるよ』

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