名前の読み方が同じだから聖女として間違い召喚されました。勇者活動より弟妹の食費稼ぎを優先します

とみっしぇる

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55 アリアVSシロウ

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いよいよ武闘会の決勝の日。

まずは16人を半分に絞る。

私の初戦は2試合目。アリアとシロウが第8試合で対戦する。

初日の対戦を見た感じでは決勝に勝ち上がれる。

マサムネ公は、優勝者にオーブだけでなくイロハ姫も付けると言ったけど、私達3人の誰かが優勝すると読んでいる。

なのでイロハが、知らない男のものになるとは考えてない。


それよかマサムネ公に頼まれたのは、ヤマガタエリアから軍勢が攻めてきたときの防衛軍の援護。

報酬は金銭多めで約束されてるし、場合によっては武闘会をリタイアする。

この展開って『勇者5』のストーリーにはない。

アストリア視聴者の勇者5ファンも戸惑ってる。

ほら、ゲーム中では武闘会決勝戦で勇者とシロウが戦ってる最中に、勇者オーブ目当ての魔族の襲撃を受けるんだ。

その襲撃を単独でやるのがレオールってキャラ。

ヤマガタの軍勢、レオール、海からの魔王軍。来るタイミングがかち合ったら面倒すぎる。

『殉愛剣士シロウ』の殉愛フラグも行方が分からない。

魔族だけなら、私が対処してシロウを助けられる。敵対貴族の動きが加わるから、ストーリー強制力の外で何が起こるか予測がつかない。

センダイの街は南北に大きな街道、西に山で東が大きな港。

武闘会の会場は小高い丘にあるけど、海から500メートルと近い。

ドロンの高性能カメラをレーダーとして利用するために、私用のやつを空高く飛ばしている。

なんで闘技場の配信はアリア用の子機でやる。

◆◆◆
まず私の戦いは、素早く済ませた。

相手はレベル42のエルフ男子。

レベル65で覚えたデバフの魔法を相手にかけ、パンチの嵐。

前日に別のエルフがハーフエルフのアリアをバカにした。だから、相手がエルフってだけで肩に力が入った。

結構、殴って勝った。相手からしたらとばっちりだ。

再び、ドロンから送られる情報に神経を傾けた。


前日以上の白熱して戦いが続き、怪我人も出た。

とうとうアリアとシロウの対戦になった。

ふたりは刃を落とした鉄の武器を持っている。昨日のうちに話し合って決めた。

他の挑戦者と違い、ふたりとも奥の手を封印して勝ち上がってきた。

シロウのミスリルソード版「斬鉄」、アリアと「オユキサン」連携技は攻撃力が高すぎる。

本気でやり合ったら、観客席に被害が及ぶ。

シロウもオユキサンのことは知らないけど、アリアが本当の力を隠してると感じている。

本当のアリアに勝とうとすれば、命の取り合いまで発展するだろうと漏らした。

なので今日はシロウはノーマル剣技、アリアはナイフと電気魔法だけで戦う。斬られたと思った方が降参する。


「シロウさん、よろしくお願いします」
「アリア殿、こちらこそ胸をお借りします」

ものすごい歓声の中、試合が始まった。

コメント欄の声援は様々
『シロウ様に勝ってほしいけどアリアちゃんも頑張って』
『俺はアリアちゃんに勝ってほしい』

『勇者5のストーリーなら決勝まで行くシロウ勝利だけど、俺はアリアファン』
『シロウ様~~』

両者ともに、間合いを詰めない。相手の強さを知ってるもんな。

シロウは知ってる。踏み込みは自分の方が速いけど、攻撃が先に届くのはアリア。ビリビリの魔法の方が速い。

それを連発できることも知ってる。

逆にアリアも迂闊に手が出せない。シロウに電気の特性をつかまれている。

シロウは構えを工夫してる。居合の構えではなく、普通に中段に構えてる。アリアが電撃を発射しても前に突き出した剣に当たる。

ダメージを大幅に軽減できる。

シロウの反射速度があればアリアの攻撃を浴びながらでも、剣を届かせられる。

けど膠着状態は続かなかった。

「やあああ!」
アリアの方が仕掛けた。

私は、そうなると思ってた。

アリアは勇者になった。それは称号だけじゃない。覚悟もある

だから・・

サイタマのオオミヤコロシアムでは、勝算が低い戦いに挑んだ。

自分だけなら逃げられたけど、アリアは逃げなかった。

そんなアリアだから、剣士のシロウに剣技で挑むと感じていた。

シロウは冷静にアリアの右手のナイフを払った。

返す刀でアリアを斬りに行った。アリアは左のナイフで受けた。けど衝撃は完全に受け流せず、後ろに1回転。

追撃してきたシロウの剣をアリアがナイフをクロスさせて受けた。

体勢が崩れたアリアに、もう一撃が来る瞬間にビリビリの魔法。シロウの動きが一瞬だけ鈍り、アリアは距離を取った。

場内もコメント欄も沸いている。

けどアリアが劣勢。

アリアは再び仕掛けた。シロウに返されて、直撃は受けてないけどダメージが入っている。

何度も向かっていって、弾かれた。刃を落とした刀でもシロウの剣技で傷が付いている。

「はあっ、はあっ。やっぱり正攻法じゃかなわない」

アリアは勝負に出た。

シロウの足に向けナイフを投げて、ナイフに向かって「ビリバリ」。

ナイフを伝う電気でシロウの足を止めようとした。

けれど、戦いのセンスはシロウの方が上だった。

なんと刀をアリアの方に投げた。電気の動きを理解していた。

バチッ、とスパークが起こったのはアリアの眼前。刀を避雷針に使われてしまった。

眩しさに視界が遮られたアリアの腹に、シロウの当て身が直撃した。

衝撃を食らって、アリアには残ったナイフを手放しながら倒れた。

シロウは空中でアリアのナイフをつかみ、首に押し当てた。


「・・完敗です」

アリアは負けた。

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