8 / 36
8 精密すぎる壁ゴーレム
しおりを挟む
クリスタルドラゴンを倒したあと、ジャイアントキリングの「エクストラボーナス」でもらった「壁ゴーレム」と「座標サーチ」が増えた。
4階からサハギンが出るダンジョンに入ってみた。
『エクストラスキルを一晩も放置しましたね』
「変なナビ音声だよ。使い方は・・壁に手を付いてと。うおっ」ずぶずぶずぶ。
周りを警戒するため、壁に背中を向けて手を付いていた。腕は後ろ手だ。
MPが100減って、壁に付いた両腕が肘まで吸い込まれた。腕1本MP50。
『座標を指定して下さい』
嫌な予感がする。私から10メートル離れた場所に指定した。
ぼこっ。
私の腕が肩の根本まで、15メートルに巨大化したような灰色の壁と同じ模様になって生えてきた。
「すげえ、まさにゴーレムだ。けど、私が直接動かしてるよ。普通、魔力で操作では・・」
壁に付いた手に感覚はない。代わりに壁から出たでかい手に感覚がある。
突然、右の頬が痒くなった。
右手人差し指を伸ばし、右肘を内側に曲げて頬をかこうとしたつもり・・。ゴンッ。
私の本物の腕は壁に埋まっている。実際に動いたのは、15メートルのでかい腕。
私の数十センチ右側の壁に、私の腕より太い指が激突した。
冷や汗が流れている。
「アブね。嫌な予感はこれだった。これって、操作間違うと自爆だよ」
ペタペタ、ペタペタ、ペタペタ。
悪いタイミングでサハギンが現れた。左から10匹だ。
「やばっ。マグロ頭がキモッ」
1匹目、2匹目・・7匹まで、でかい左手で払った。みんな爆散。
3匹が腕の攻撃を掻い潜ってしまった。壁に両手が埋まり、急所をさらしている私に槍を向けて突進してくる。
のちに「解除」と唱えればいいと知ったが、今は余裕がない。思わず、壁を両足で蹴って腕を引っこ抜こうとしてしまった。
ずぶずぶずぶ。「えええええ!」今度は両足まで壁に飲み込まれた。MPも100持っていかれた。
両手両足を後ろの壁に飲まれ、胸を付き出して体をのけ反らせ、急所むき出しの私。背骨がきしむ。
左からマグロ頭が迫る。ペタペタ、ぺタ。
『ゴーレムを出す座標を指定して下さい』またも、あのナビ音声が鳴った。
「左、左!左左左、左!」
どどん。どどん。
べちょっ。
瞬時に壁模様の2本のでかい足が壁から生え、サハギンをとらえた。
「あ、えと、あっ。解除」どさっ。
「すげえ威力。だけど、使い方考えないと、自分の技で死ぬ」
ダンジョン限定だか、2個目の無敵技を手に入れた。背骨の痛みに耐えながら、笑った。
◆
この「壁ゴーレム」で戦いの幅が広がるが危険すぎる。ゴブダンジョンで色々と考えることにした。壁際である。
パーツ1ヵ所をゴーレム化するごとに消費MP50。自分が触れている壁面ならどこにでも出せる。
「さて、全身が壁に飲まれてゴーレム化してくれたら、むしろ安全だけど・・。よしっ」
ゴーレム化は、頭、胸部、腰部、両手、両足の7パーツで別途使用。
さっきのように急所をさらされずに使える
「ゴーレム化したパーツは、すごい可動域が広いね」
私の真上にゴーレム化した右腕を出して90度回転させた。そして、私を手のひらで覆ってみた。鉄壁ガードを作ろうと思った。
「難しい。何も見えない上に、操作に慣れてない。自分を握り潰す危険性が大きい」
次は全身。一気にMP350が体から抜けた。
座標を地上10メートルに指定すると、一瞬で40メートルで壁模様の私が生えた。
ごんっ。「ぶっ」
ただし、10メートルの高さで壁から真横に巨大な私が生えている。向きは下で、地面に頭突きをした。痛みはないが感覚はある。
「うわ、立った状態で構築できたのか。失敗。動きはモロに私の身体能力に依存だ」
起きてみた。体の1ヵ所は1ミリでも「座標」から3メートルの円内に付ける必要がある。動作の制限はあるが、大きさ25倍。石を投げてみてもパワーは尋常ではない。
ただし、40メートルになって走り回り、安全なダンジョン徘徊は不可能である。
「超級ダンジョン一気に攻略の目論みは甘すぎたか」
髪はない。だけど顔の触り心地もある。手の指紋まで再現してある。下の方を見た。
「・・あれれ、まさか」
1度ゴーレムを解除して、首なしゴーレムを作った。壁から私の生首が生えて、目の前には巨大で裸の私がいる。
ゴーレムを寝転ばせて股を開かせ、私に局部が見えるようにした。
ぱかっ。
「あいちゃあ」
すごい再現力。昔、脛にできた古傷までゴーレムの方にも付いている。
問題はそこではない。
自分で自分のモノを見たことがないが、女性の股間にあるべきものが、全て付いている。左右対称ではない曲線がリアルで生々しい。
「私の顔より大きいケツの○○まであるよ・・。そこは、もっと適当でいいよ」
土魔法のレアスキルに「ゴーレム術」がある。
私も人前でスキルを使う必要があれば、ゴーレム術と言い張る。だけど足は開かない。
乙女だから。
◆
気を取り直して次の検証と思ったが、「壁ゴーレム」のMP消費が激しくて残りが196しかない。総量1330だけど、魔力不足の兆候がある。体がダルい。
「魔力不足寸前。もうひとつの新スキル「座標サーチ」はMP10か。試してから休もう」
『座標サーチを使いますね。いよいよですね』
またもヘンテコなナビ音声だ。
壁に手を当てて、スキルを唱えた。さっきの座標に指定すると、モノクロだけど指定座標から100メートルの範囲で全てがみえている。
私が撒き散らかしたサハギンの残骸。次に走ってきた冒険者2人と、追う10匹のサハギン軍団。そして60メートル左横の岩影にある隠し階段のスイッチ。
これも有能だ。
だけど、壁ゴーレムに苦言を言いたい。
「ゴーレムは高性能すぎて、サハギンをつかんだときの、ぬるっとした感覚まであるんだよな」
ダンジョン神は、私で遊んでないだろうか。
4階からサハギンが出るダンジョンに入ってみた。
『エクストラスキルを一晩も放置しましたね』
「変なナビ音声だよ。使い方は・・壁に手を付いてと。うおっ」ずぶずぶずぶ。
周りを警戒するため、壁に背中を向けて手を付いていた。腕は後ろ手だ。
MPが100減って、壁に付いた両腕が肘まで吸い込まれた。腕1本MP50。
『座標を指定して下さい』
嫌な予感がする。私から10メートル離れた場所に指定した。
ぼこっ。
私の腕が肩の根本まで、15メートルに巨大化したような灰色の壁と同じ模様になって生えてきた。
「すげえ、まさにゴーレムだ。けど、私が直接動かしてるよ。普通、魔力で操作では・・」
壁に付いた手に感覚はない。代わりに壁から出たでかい手に感覚がある。
突然、右の頬が痒くなった。
右手人差し指を伸ばし、右肘を内側に曲げて頬をかこうとしたつもり・・。ゴンッ。
私の本物の腕は壁に埋まっている。実際に動いたのは、15メートルのでかい腕。
私の数十センチ右側の壁に、私の腕より太い指が激突した。
冷や汗が流れている。
「アブね。嫌な予感はこれだった。これって、操作間違うと自爆だよ」
ペタペタ、ペタペタ、ペタペタ。
悪いタイミングでサハギンが現れた。左から10匹だ。
「やばっ。マグロ頭がキモッ」
1匹目、2匹目・・7匹まで、でかい左手で払った。みんな爆散。
3匹が腕の攻撃を掻い潜ってしまった。壁に両手が埋まり、急所をさらしている私に槍を向けて突進してくる。
のちに「解除」と唱えればいいと知ったが、今は余裕がない。思わず、壁を両足で蹴って腕を引っこ抜こうとしてしまった。
ずぶずぶずぶ。「えええええ!」今度は両足まで壁に飲み込まれた。MPも100持っていかれた。
両手両足を後ろの壁に飲まれ、胸を付き出して体をのけ反らせ、急所むき出しの私。背骨がきしむ。
左からマグロ頭が迫る。ペタペタ、ぺタ。
『ゴーレムを出す座標を指定して下さい』またも、あのナビ音声が鳴った。
「左、左!左左左、左!」
どどん。どどん。
べちょっ。
瞬時に壁模様の2本のでかい足が壁から生え、サハギンをとらえた。
「あ、えと、あっ。解除」どさっ。
「すげえ威力。だけど、使い方考えないと、自分の技で死ぬ」
ダンジョン限定だか、2個目の無敵技を手に入れた。背骨の痛みに耐えながら、笑った。
◆
この「壁ゴーレム」で戦いの幅が広がるが危険すぎる。ゴブダンジョンで色々と考えることにした。壁際である。
パーツ1ヵ所をゴーレム化するごとに消費MP50。自分が触れている壁面ならどこにでも出せる。
「さて、全身が壁に飲まれてゴーレム化してくれたら、むしろ安全だけど・・。よしっ」
ゴーレム化は、頭、胸部、腰部、両手、両足の7パーツで別途使用。
さっきのように急所をさらされずに使える
「ゴーレム化したパーツは、すごい可動域が広いね」
私の真上にゴーレム化した右腕を出して90度回転させた。そして、私を手のひらで覆ってみた。鉄壁ガードを作ろうと思った。
「難しい。何も見えない上に、操作に慣れてない。自分を握り潰す危険性が大きい」
次は全身。一気にMP350が体から抜けた。
座標を地上10メートルに指定すると、一瞬で40メートルで壁模様の私が生えた。
ごんっ。「ぶっ」
ただし、10メートルの高さで壁から真横に巨大な私が生えている。向きは下で、地面に頭突きをした。痛みはないが感覚はある。
「うわ、立った状態で構築できたのか。失敗。動きはモロに私の身体能力に依存だ」
起きてみた。体の1ヵ所は1ミリでも「座標」から3メートルの円内に付ける必要がある。動作の制限はあるが、大きさ25倍。石を投げてみてもパワーは尋常ではない。
ただし、40メートルになって走り回り、安全なダンジョン徘徊は不可能である。
「超級ダンジョン一気に攻略の目論みは甘すぎたか」
髪はない。だけど顔の触り心地もある。手の指紋まで再現してある。下の方を見た。
「・・あれれ、まさか」
1度ゴーレムを解除して、首なしゴーレムを作った。壁から私の生首が生えて、目の前には巨大で裸の私がいる。
ゴーレムを寝転ばせて股を開かせ、私に局部が見えるようにした。
ぱかっ。
「あいちゃあ」
すごい再現力。昔、脛にできた古傷までゴーレムの方にも付いている。
問題はそこではない。
自分で自分のモノを見たことがないが、女性の股間にあるべきものが、全て付いている。左右対称ではない曲線がリアルで生々しい。
「私の顔より大きいケツの○○まであるよ・・。そこは、もっと適当でいいよ」
土魔法のレアスキルに「ゴーレム術」がある。
私も人前でスキルを使う必要があれば、ゴーレム術と言い張る。だけど足は開かない。
乙女だから。
◆
気を取り直して次の検証と思ったが、「壁ゴーレム」のMP消費が激しくて残りが196しかない。総量1330だけど、魔力不足の兆候がある。体がダルい。
「魔力不足寸前。もうひとつの新スキル「座標サーチ」はMP10か。試してから休もう」
『座標サーチを使いますね。いよいよですね』
またもヘンテコなナビ音声だ。
壁に手を当てて、スキルを唱えた。さっきの座標に指定すると、モノクロだけど指定座標から100メートルの範囲で全てがみえている。
私が撒き散らかしたサハギンの残骸。次に走ってきた冒険者2人と、追う10匹のサハギン軍団。そして60メートル左横の岩影にある隠し階段のスイッチ。
これも有能だ。
だけど、壁ゴーレムに苦言を言いたい。
「ゴーレムは高性能すぎて、サハギンをつかんだときの、ぬるっとした感覚まであるんだよな」
ダンジョン神は、私で遊んでないだろうか。
0
あなたにおすすめの小説
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
魔法使いが無双する異世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです
忠行
ファンタジー
魔法使いが無双するファンタジー世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか忍術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです。むしろ前の世界よりもイケてる感じ?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
迷宮アドバイザーと歩む現代ダンジョン探索記~ブラック会社を辞めた俺だが可愛い後輩や美人元上司と共にハクスラに勤しんでます
秋月静流
ファンタジー
俺、臥龍臼汰(27歳・独身)はある日自宅の裏山に突如できた洞窟を見つける。
語り掛けてきたアドバイザーとやらが言うにはそこは何とダンジョン!?
で、探索の報酬としてどんな望みも叶えてくれるらしい。
ならば俺の願いは決まっている。
よくある強力無比なスキルや魔法? 使い切れぬ莫大な財産?
否! 俺が望んだのは「君の様なアドバイザーにず~~~~~っとサポートして欲しい!」という願望。
万全なサポートを受けながらダンジョン探索にのめり込む日々だったのだが…何故か元居た会社の後輩や上司が訪ねて来て…
チート風味の現代ダンジョン探索記。
異世界帰りのハーレム王
ぬんまる兄貴
ファンタジー
俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。
で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか?
異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕!
異世界帰りのハーレム王
朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる