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9 事件の翌日
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魔族のテロリストが逮捕された一件は、翌日には首都中に知れ渡っていた。
当然魔導学院の生徒たちの間でも、その噂で持ちきりだった。
街外れの廃墟に魔族が潜んでいたという事実は、多くの者に衝撃を与えた。
「アルスくん、まだ来てないわね……」
机に肘をつきながら、空席の机をちらりと見るノエル。
昨日、あの戦いが終わった後、ほどなくして憲兵と騎士団がやってきて、ノエルとエリーゼと取り巻き達はすぐに家に帰されたが、アルスは魔族の引き渡しがあると言ってその場に残っていた。
「ノエルさん、昨日は大変でしたわね」
声のした方をノエルが振り向くと、エリーゼが立っていた。
「あのねぇ、一体誰のせいだと思ってるのよ?」
まるで他人事のように話しかけてきたエリーゼを、ノエルは不機嫌そうに見上げる。
「こうみえても私も反省してますのよ。それにあんなところに魔族が潜伏していたなんて、誰も思わないでしょう?」
「それはそうだけど……」
特に悪びれた様子もないエリーゼを、心底呆れた様子で見るノエル。
そもそも、エリーゼがノエルを拉致し、アルスをあんな所に呼び出そうとしなければ、魔族に追いかけられることも無かった。
結果としてテロを未然に防ぐことが出来た訳だが、それとこれとは話が別だ。
できることならエリーゼに平手打ちの一発でも喰らわしてやりたかったノエルだったが、後々面倒なことになりそうなのでグッと堪えることにした。
「それにしても、今日はアルスさんはまだ登校してないのですね」
「エリーゼさん、またアルスくんにちょっかいを出す気なの?」
「そんなまさか、昨日のアレを見てしまったら、もうそんな気は起こりませんわ。少なくとも、力で屈服させようなどとは思いません」
そう言い残して、エリーゼは自分の席に戻っていった。
最後の一言が妙に引っかかるノエルだったが、あまり気にしないようにした。
再びノエルは、アルスの机に視線を移しながら、一人呟く。
「彼、一体何者なの……?」
昨日の魔族との戦いで見せた圧倒的な魔法の力量と戦闘能力。
あれはどう見てもただの学生の能力を逸脱していた。
それに、相手が魔族であれ、何の迷いもなく命を絶つこともいとわない――自分たちとはまるで別の世界の住人のような彼に、ノエルは今後どう接していけばいいのか判断がつかなかった。
「もしかして、もう学校に来ないつもりなのかな……」
彼の正体はわからない、だが、何らかの大きな目的を持ち実力と正体を隠してこの学校にやってきた事だけは、ノエルも何となく察し始めていた。
恐らく昨日の一件で、もうこれ以上正体を隠しきれないと思った彼は自ら学院を去ったのではないか――そんな予感をノエルは感じていた。
まだ会ってから一日も経ってなく、友人とすら呼べる存在でもないのに、そんな自分の為にわざわざ助けに来てくれたアルス。
そんな彼に、ノエルはどうしても一言お礼を言いたかった。
ガラガラ
そんな彼女の思考は、教室の引き戸が開く音によって中断された。
「おはよう皆、今朝は用事があって少し遅れてしまった」
そう言って2年A組の教室に入ってきたのは、アルスその人だった。
教室にいた生徒の大半は、誰もお前の遅刻の理由なんかに興味ねーよと言わんばかりに挨拶を返さなかった。
クラスメイト達の抱いているアルスの第一印象は、関わるとろくなことが無い自称魔剣士の中二病患者、生産魔法だけが得意なインドア派の陰キャ。そんな彼に自ら進んで関わろうとする者などいなかった。
しかしそう思っていない生徒もほんのわずかだが存在した。
「あら、おはようございますですわ。アルスさま」
「お、おはようございますアルスさん!」
「おはようございますっス! アルスの旦那!」
エリーゼと取り巻きの二人が挨拶を返したことによって、周囲にざわめきが起こる。
確かにエリーゼたちはアルスに対して執拗に絡んではいたが、それはクラス内での力関係をはっきりさせるための行為だったと、クラスの誰もが認識していた。
だが、今の挨拶は明らかにそれとは違う、嫌味や嘲笑の含まれない、正真正銘のただの挨拶だった。
しかも取り巻き二人は明らかにアルスを羨望の眼差しで見ている。
一体この三人の心境にどんな変化があったのかと、クラスメイトたちは首をかしげていた。
一方で、エリーゼたちに先を越されて挨拶するタイミングを失ったノエルは、小さな声で「お、おはよう」とすれ違いざまにアルスに挨拶した。
「ああ、おはよう委員長。昨日は大変だったな」
それに答えるように挨拶する彼は、昨日の戦いで見せた威圧感など微塵も感じさせない、何処にでもいる少し変わった男子学生に見えた。
「う、うん、あ、あのねアルスくん、昨日は助けに来てくれてありが――」
「アルスさまl、昨日は危ないところを助けて頂いて、本当に感謝してますわぁ」
ノエルが昨日の礼を言おうとしたが、その言葉は、突如割って入ったエリーゼの言葉に遮られてしまった。
ぽかんとするノエル。
エリーゼは、昨日までの態度とは打って変わり、誰が見ても媚びているとわかるような上目遣いでアルスに話しかけていた。
昨日の放課後の一件で、アルスに対するエリーゼの評価はガラリと変わっていた。
今までの彼女にとって、アルスはただの平民で家畜同然の人間だった。
しかし今では、アルスが自分と良好な関係を築くのに値する人間だと認め始めていた。
蔑むべき家畜から、愛でるべき愛玩動物へと昇格したのだ。
この男を何としても飼い慣らしてあげますわ――そんな考えが透けて見えるような微笑みをエリーゼは浮かべていた。
「ああ、そういえば、エリーゼ、お前に渡したい物があったのを思い出した」
そう言ってアルスは、徐に自身のズボンのポケットをまさぐる。
「まぁ、何なのかしら」
「これだ」
「これは、一体なんですのはうあ!!!」
机の上に無造作に置かれたソレを見たエリーゼは、素っ頓狂な声を上げて、そのままの表情で固まった。
そこにあったのは見覚えのある一枚の紙切れ、それは昨日の放課後、エリーゼが伝令カラスに送らせた直筆の脅迫状。
魔族の騒動で、その存在をすっかり忘れていたエリーゼだった。
「筆跡に残った残留魔力を分析するのに随分と手間取ったぞ?」
「そ、その、これは……」
「俺に用があるなら直接言いに来い、委員長を巻き込むな」
アルスは低い声でそう告げ、エリーゼを静かに睨みつけた。
「あ、あの……そ、それは違いますわ、いえ、確かにそれは確かに私の書いたものですけれど――」
「そろそろ授業が始まる。話は終わりだ。お前も自分の席についたらどうだ?」
有無を言わさず話を遮られたエリーゼは、黙って自分の席へと思っていった。
当然魔導学院の生徒たちの間でも、その噂で持ちきりだった。
街外れの廃墟に魔族が潜んでいたという事実は、多くの者に衝撃を与えた。
「アルスくん、まだ来てないわね……」
机に肘をつきながら、空席の机をちらりと見るノエル。
昨日、あの戦いが終わった後、ほどなくして憲兵と騎士団がやってきて、ノエルとエリーゼと取り巻き達はすぐに家に帰されたが、アルスは魔族の引き渡しがあると言ってその場に残っていた。
「ノエルさん、昨日は大変でしたわね」
声のした方をノエルが振り向くと、エリーゼが立っていた。
「あのねぇ、一体誰のせいだと思ってるのよ?」
まるで他人事のように話しかけてきたエリーゼを、ノエルは不機嫌そうに見上げる。
「こうみえても私も反省してますのよ。それにあんなところに魔族が潜伏していたなんて、誰も思わないでしょう?」
「それはそうだけど……」
特に悪びれた様子もないエリーゼを、心底呆れた様子で見るノエル。
そもそも、エリーゼがノエルを拉致し、アルスをあんな所に呼び出そうとしなければ、魔族に追いかけられることも無かった。
結果としてテロを未然に防ぐことが出来た訳だが、それとこれとは話が別だ。
できることならエリーゼに平手打ちの一発でも喰らわしてやりたかったノエルだったが、後々面倒なことになりそうなのでグッと堪えることにした。
「それにしても、今日はアルスさんはまだ登校してないのですね」
「エリーゼさん、またアルスくんにちょっかいを出す気なの?」
「そんなまさか、昨日のアレを見てしまったら、もうそんな気は起こりませんわ。少なくとも、力で屈服させようなどとは思いません」
そう言い残して、エリーゼは自分の席に戻っていった。
最後の一言が妙に引っかかるノエルだったが、あまり気にしないようにした。
再びノエルは、アルスの机に視線を移しながら、一人呟く。
「彼、一体何者なの……?」
昨日の魔族との戦いで見せた圧倒的な魔法の力量と戦闘能力。
あれはどう見てもただの学生の能力を逸脱していた。
それに、相手が魔族であれ、何の迷いもなく命を絶つこともいとわない――自分たちとはまるで別の世界の住人のような彼に、ノエルは今後どう接していけばいいのか判断がつかなかった。
「もしかして、もう学校に来ないつもりなのかな……」
彼の正体はわからない、だが、何らかの大きな目的を持ち実力と正体を隠してこの学校にやってきた事だけは、ノエルも何となく察し始めていた。
恐らく昨日の一件で、もうこれ以上正体を隠しきれないと思った彼は自ら学院を去ったのではないか――そんな予感をノエルは感じていた。
まだ会ってから一日も経ってなく、友人とすら呼べる存在でもないのに、そんな自分の為にわざわざ助けに来てくれたアルス。
そんな彼に、ノエルはどうしても一言お礼を言いたかった。
ガラガラ
そんな彼女の思考は、教室の引き戸が開く音によって中断された。
「おはよう皆、今朝は用事があって少し遅れてしまった」
そう言って2年A組の教室に入ってきたのは、アルスその人だった。
教室にいた生徒の大半は、誰もお前の遅刻の理由なんかに興味ねーよと言わんばかりに挨拶を返さなかった。
クラスメイト達の抱いているアルスの第一印象は、関わるとろくなことが無い自称魔剣士の中二病患者、生産魔法だけが得意なインドア派の陰キャ。そんな彼に自ら進んで関わろうとする者などいなかった。
しかしそう思っていない生徒もほんのわずかだが存在した。
「あら、おはようございますですわ。アルスさま」
「お、おはようございますアルスさん!」
「おはようございますっス! アルスの旦那!」
エリーゼと取り巻きの二人が挨拶を返したことによって、周囲にざわめきが起こる。
確かにエリーゼたちはアルスに対して執拗に絡んではいたが、それはクラス内での力関係をはっきりさせるための行為だったと、クラスの誰もが認識していた。
だが、今の挨拶は明らかにそれとは違う、嫌味や嘲笑の含まれない、正真正銘のただの挨拶だった。
しかも取り巻き二人は明らかにアルスを羨望の眼差しで見ている。
一体この三人の心境にどんな変化があったのかと、クラスメイトたちは首をかしげていた。
一方で、エリーゼたちに先を越されて挨拶するタイミングを失ったノエルは、小さな声で「お、おはよう」とすれ違いざまにアルスに挨拶した。
「ああ、おはよう委員長。昨日は大変だったな」
それに答えるように挨拶する彼は、昨日の戦いで見せた威圧感など微塵も感じさせない、何処にでもいる少し変わった男子学生に見えた。
「う、うん、あ、あのねアルスくん、昨日は助けに来てくれてありが――」
「アルスさまl、昨日は危ないところを助けて頂いて、本当に感謝してますわぁ」
ノエルが昨日の礼を言おうとしたが、その言葉は、突如割って入ったエリーゼの言葉に遮られてしまった。
ぽかんとするノエル。
エリーゼは、昨日までの態度とは打って変わり、誰が見ても媚びているとわかるような上目遣いでアルスに話しかけていた。
昨日の放課後の一件で、アルスに対するエリーゼの評価はガラリと変わっていた。
今までの彼女にとって、アルスはただの平民で家畜同然の人間だった。
しかし今では、アルスが自分と良好な関係を築くのに値する人間だと認め始めていた。
蔑むべき家畜から、愛でるべき愛玩動物へと昇格したのだ。
この男を何としても飼い慣らしてあげますわ――そんな考えが透けて見えるような微笑みをエリーゼは浮かべていた。
「ああ、そういえば、エリーゼ、お前に渡したい物があったのを思い出した」
そう言ってアルスは、徐に自身のズボンのポケットをまさぐる。
「まぁ、何なのかしら」
「これだ」
「これは、一体なんですのはうあ!!!」
机の上に無造作に置かれたソレを見たエリーゼは、素っ頓狂な声を上げて、そのままの表情で固まった。
そこにあったのは見覚えのある一枚の紙切れ、それは昨日の放課後、エリーゼが伝令カラスに送らせた直筆の脅迫状。
魔族の騒動で、その存在をすっかり忘れていたエリーゼだった。
「筆跡に残った残留魔力を分析するのに随分と手間取ったぞ?」
「そ、その、これは……」
「俺に用があるなら直接言いに来い、委員長を巻き込むな」
アルスは低い声でそう告げ、エリーゼを静かに睨みつけた。
「あ、あの……そ、それは違いますわ、いえ、確かにそれは確かに私の書いたものですけれど――」
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