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第14話:美人来訪
第14話:美人来訪
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ある日のこと、森の奥深くにあるログハウスの前を、一人の少女がゆっくりと歩いていた。
金髪を風に揺らし、赤い瞳をきらめかせながら、彼女はまるで森の精が現れたかのような美しさを放っていた。
その名はミラ。
年齢は18歳。
見知らぬ土地に足を踏み入れた彼女は、少し戸惑いながらも、どこか楽しげな笑みを浮かべていた。
「ここが⋯⋯噂のログハウスか⋯⋯。本当に森の中にこんな立派な家があるなんて、信じられないな⋯⋯」
彼女は小走りで玄関に近づき、木の扉をノックした。
中からは慌てた足音が聞こえ、やがてドアが開いた。
現れたのは、茶髪に翡翠色の瞳を持つ少年――ネロだった。
「あっ、誰? 知らない人⋯⋯?」
ネロは警戒しながらも、目の前の少女の美しさに思わず見とれてしまった。
その様子に、ミラはにっこりと笑った。
「こんにちは! 私はミラっていうの。ちょっと迷子になっちゃって⋯⋯ここでちょっと休ませてもらえないかな?」
「えっと⋯⋯まあ、いいけど⋯⋯兄ちゃんに聞いてみるよ」
ネロは中へ戻り、居間にいた俺――シュウ・タチバナに事情を伝えた。
俺は16歳の見た目をしているが、中身は元地球人で55歳の経験豊かなおっさん。
かつては甥っ子を育て上げたこともあるし、神様のミスで異世界に転生させられ、チート能力を与えられて貴族となり、エレスティア王国の王から公爵の爵位まで授かっている。
そんな俺の元には、次々と個性的な面々が集まっている。
「兄ちゃん、外に美人の女の子がいるよ。名前はミラって言ってる。ちょっと休ませてくれって」
「美人? ⋯⋯まあ、いいだろう。とりあえず中に入れよう。森の中で迷子になったなら、危ない目に遭うかもしれないしな」
俺がそう言うと、ネロは再び外へ走っていった。
やがてミラが居間に招き入れられ、俺は彼女と対面した。
その美貌に、思わず「これはまずい」と感じた。
なぜなら、この家にいる男たち――特にフェイ、アレン、リオ、ネロ――全員が、毎日欠かさずオナニーをしているという、極めてデリケートな事情を抱えているからだ。
「はじめまして、シュウさん。とっても素敵な家ね。まるで絵本の中みたい」
ミラはにこやかに笑いながら、俺に話しかけてきた。
その声も、仕草も、どこか懐かしく、そして危険に感じられた。
「ありがとう。でも、どうしてこんな奥地に?」
「実は⋯⋯フェイさんを探してたの。騎士団長のフェイさん。聞いたことがある?」
「ああ、いるよ。ちょうど今、離れの温泉で湯浴みしてるかもしれないな」
「えっ、本当!? ありがとう!」
ミラは嬉しそうに立ち上がり、離れへと駆けていった。
俺は「まずい」と思った。
フェイは今まさに、温泉の湯船の中で股間を弄りながら、日々のストレスを発散している最中だったのだ。
「待て、ミラ! ちょっと――!」
俺の制止も虚しく、ミラは温泉の脱衣所に入り扉を開けてしまった。
中では、フェイが湯船に浸かり、片手を股間に這わせながら恍惚とした表情を浮かべていた。
「あっ⋯⋯!? だ、誰だ!?」
フェイは慌てて手を引っ込め、湯船に潜り込んだ。
ミラは一瞬驚いたが、すぐに笑顔を浮かべた。
「フェイさん! やっと会えた! とっても憧れてたの! 騎士団長としての活躍、全部知ってるよ!」
「そ、そうか⋯⋯? そりゃ、ありがたいけど⋯⋯その⋯⋯今ちょっと⋯⋯」
「あ、ごめん! 邪魔しちゃった? でも、本当に嬉しくて⋯⋯!」
ミラはまったく悪気なく、むしろ純粋な憧れを込めて話す。
フェイは困惑しながらも、その純真さに少しだけほっとしたのか、湯船から出て服を着始めた。
その頃、リオも戻ってきていた。
黒髪に茶色の瞳、黒狼族の末裔で星の守護者の血を引く少年。
彼もまた、俺の養子で「兄さん」と呼ぶ。
彼はミラの存在に警戒しながらも、その美しさに思わず見とれた。
「兄さん、あの子⋯⋯誰?」
「ミラっていう。フェイを探してたらしい。⋯⋯でも、どうも様子が変だ」
「変って?」
「いや⋯⋯男を股に掛けようとしてる気がする」
俺の言葉に、リオは眉をひそめた。
そして、アレンも戻ってきた。
エレスティア王国の第1王子だったが、王位継承権を弟に譲り、俺の元で自由な生活を送っている。
彼もまた、股間を弄るのが好きで、毎晩ベッドの中で夢中になるほどだ。
「シュウ、あの子⋯⋯誰だ? なんか、俺のことガン見してたぞ?」
「ミラっていう。フェイとお前にもちょっかい出してるらしい」
「⋯⋯俺にも?」
アレンは苦笑いを浮かべた。
彼は自分が人気があることは自覚しているが、こんなに露骨に近づかれるのは初めてだった。
「フェイも好きだし、アレンも好き。もちろん、シュウも好きだよ」
ミラはそう言って、にっこりと笑った。
その言葉に、俺は思わず「これはまずい」と感じた。
まるで男を順番に寝取ろうとしているかのような発言。
フェイとアレンは顔を赤らめ、ネロとリオは困惑気味に見つめた。
「お前、俺たちを全員⋯⋯股に掛けようとしてんのか?」
俺がそう尋ねると、ミラは首を傾げた。
「え? 股に掛ける? なにそれ? 意味わかんない」
「⋯⋯いや、つまりだな。俺たち男全員に好意を向けて、何か企んでるのかって聞いてるんだ」
「ああ、そういうこと! 違うわ。私はただ⋯⋯憧れてるだけ。フェイさんはカッコイイし、アレンさんは殿下様みたいで、シュウさんは公爵様で、すごい人たちだもん。だから、好きって言ってるだけ」
「憧れ⋯⋯?」
俺は思わず目を丸くした。
つまり、ミラは恋愛感情ではなく、純粋な憧れで接していたのか。
彼女の明るさと純真さが、誤解を招いていただけだった。
「⋯⋯そうか。なら、安心した」
「でも、もしお邪魔じゃなかったら⋯⋯ここに一緒に住んでもいいかな? 家事も得意だし、掃除も洗濯も全部やるよ!」
ミラの言葉に、俺たちは一瞬凍りついた。
女性が同居?
しかも、毎日オナニーしている男たちの生活に?
これは一大事だ。
「待て、ミラ。それは⋯⋯ちょっと⋯⋯」
「お願い! 森は怖いし、一人でいるのも寂しいんだもん。それに、皆と一緒なら楽しいだろうし!」
彼女の懇願に、俺は渋々ながらも了承した。
神様のチート能力で、ログハウスは広いので、部屋は十分にある。
だが、問題はその後だ。
「兄ちゃん⋯⋯どうしよう。これからオナニーどうするの?」
ネロが真剣な顔で尋ねてきた。
リオも「俺も⋯⋯毎晩やってるし⋯⋯」と不安げに言う。
フェイとアレンも、顔を見合わせてうなだれた。
「⋯⋯まずいな。女性がいるってことは、自由に股間を弄れないってことだ」
「そうだよ! 音とか、匂いとか、絶対バレるよ!」
「⋯⋯なら、会議だ。オナニー会議をしよう」
俺の提案に、全員が真剣な表情で集まった。
居間のテーブルを囲み、俺が議長として進行する。
「まず、現状を整理する。ミラが同居することになった。彼女は家事が得意で、明るく優しいが、男たちのオナニーには全く気付いていない。しかし、このままでは毎日の習慣が妨げられる。対策が必要だ」
「トイレは? 個室だし、鍵もかかる」
「でも、音が漏れる可能性がある。それに、長時間閉じこもってたら怪しまれる」
「温泉風呂場はどう? 湯船に浸かりながらなら、自然に手を動かせるし」
「⋯⋯でも、ミラが入ってきたらどうする? まさか、彼女が湯船に入ってくるかもしれないぞ」
「うわっ⋯⋯それだけは勘弁⋯⋯」
「じゃあ、離れの石造りの倉庫はどうだ? 温泉浴室と隣接してるし、鍵もついてる。誰も使わないし、完全にプライベート空間だ」
「⋯⋯いい案だな。でも、寒いぞ? 冬になったら凍えそうだ」
「そこは魔法で暖を取ればいい。俺が火の精霊に頼んで、常時暖房をかけてもらおう」
「それなら⋯⋯いけるかも」
「あとは、時間帯の調整だ。ミラが寝静まった夜中がベスト。朝は避けろ。彼女が早起きだったらまずい」
「了解。俺は毎晩2時から3時の間にやる」
「俺は1時半から」
「私は2時半に温泉で」
「俺は倉庫で3時から」
「⋯⋯全員バラバラにしろ。同時にやると、誰かが移動するときに見つかる可能性がある」
「ああ、そうだな」
こうして、オナニー会議は終了。
俺たちは新たなルールのもと、ミラとの共同生活に踏み出した。
しかし、ミラは依然として、俺たちの行動に全く気づかず、毎日明るく家事をこなす。
掃除、洗濯、料理――すべて完璧にこなす彼女に、俺たちは感謝しつつも、内心では「このままバレずに続けられるのか⋯⋯?」と不安を抱えていた。
「シュウさん、今日の夕飯、何がいい?」
「⋯⋯肉がいいな」
「了解! じゃあステーキにしよう!」
ミラはにっこりと笑い、キッチンへと向かう。
その背中を見ながら、俺は思わずため息をついた。
「⋯⋯まったく、神様のミスで転生させられたとはいえ、こんな展開になるとはな⋯⋯」
その時、森の奥から銀狼フェンリルのウォルフが現れた。
人語を話す森の守護者だ。
「シュウよ、お前の家の騒ぎ、森中に響いておるぞ。特に夜中の倉庫と温泉から、妙な気配が⋯⋯」
「⋯⋯黙っててくれ」
「ふむ。だが、ミラの心は清らかだ。彼女はお前たちを悪く思ってはおらん。ただ、憧れに過ぎん。その純粋さを汚すなよ」
「⋯⋯わかってるよ」
そして、生命樹の守護者にして智慧者――九尾の銀狐のラムも現れた。
「シュウ、お前たちのオナニー事情、私も感知しておる。だが、ミラが気づかぬように導こう。彼女はいずれ、お前たちの本当の姿を知ることになるだろう。その時、どう接するかが試される」
「⋯⋯それもわかってる。今は、ただ平和に過ごしたいだけだ」
俺はそう言いながら、ログハウスを見渡した。
ミラが笑い、ネロが本を読み、リオが剣の練習をし、フェイとアレンが裏庭で話をしている。
一見、何の問題もない平和な日々。
だが、夜が訪れれば、それぞれが静かに部屋を抜け出し、倉庫や温泉、トイレへと向かう。
そして、誰にも気づかれぬよう、日々の儀式を執り行う。
ミラは今も、俺たちのことを「公爵様」「騎士団長」「王子様」「未来視の少年」「守護者の少年」として崇めている。
恋愛感情ではなく、憧れの対象として。
だが、いずれ彼女も気づくだろう。
この家に住む男たちが、毎晩股間を弄りながら、孤独と欲望と戯れていることを。
その時、彼女はどう反応するのか――。
今はまだ、その日が来ぬように、男たちは静かに、そして慎ましく、オナニーの時間を守り続けていた。
金髪を風に揺らし、赤い瞳をきらめかせながら、彼女はまるで森の精が現れたかのような美しさを放っていた。
その名はミラ。
年齢は18歳。
見知らぬ土地に足を踏み入れた彼女は、少し戸惑いながらも、どこか楽しげな笑みを浮かべていた。
「ここが⋯⋯噂のログハウスか⋯⋯。本当に森の中にこんな立派な家があるなんて、信じられないな⋯⋯」
彼女は小走りで玄関に近づき、木の扉をノックした。
中からは慌てた足音が聞こえ、やがてドアが開いた。
現れたのは、茶髪に翡翠色の瞳を持つ少年――ネロだった。
「あっ、誰? 知らない人⋯⋯?」
ネロは警戒しながらも、目の前の少女の美しさに思わず見とれてしまった。
その様子に、ミラはにっこりと笑った。
「こんにちは! 私はミラっていうの。ちょっと迷子になっちゃって⋯⋯ここでちょっと休ませてもらえないかな?」
「えっと⋯⋯まあ、いいけど⋯⋯兄ちゃんに聞いてみるよ」
ネロは中へ戻り、居間にいた俺――シュウ・タチバナに事情を伝えた。
俺は16歳の見た目をしているが、中身は元地球人で55歳の経験豊かなおっさん。
かつては甥っ子を育て上げたこともあるし、神様のミスで異世界に転生させられ、チート能力を与えられて貴族となり、エレスティア王国の王から公爵の爵位まで授かっている。
そんな俺の元には、次々と個性的な面々が集まっている。
「兄ちゃん、外に美人の女の子がいるよ。名前はミラって言ってる。ちょっと休ませてくれって」
「美人? ⋯⋯まあ、いいだろう。とりあえず中に入れよう。森の中で迷子になったなら、危ない目に遭うかもしれないしな」
俺がそう言うと、ネロは再び外へ走っていった。
やがてミラが居間に招き入れられ、俺は彼女と対面した。
その美貌に、思わず「これはまずい」と感じた。
なぜなら、この家にいる男たち――特にフェイ、アレン、リオ、ネロ――全員が、毎日欠かさずオナニーをしているという、極めてデリケートな事情を抱えているからだ。
「はじめまして、シュウさん。とっても素敵な家ね。まるで絵本の中みたい」
ミラはにこやかに笑いながら、俺に話しかけてきた。
その声も、仕草も、どこか懐かしく、そして危険に感じられた。
「ありがとう。でも、どうしてこんな奥地に?」
「実は⋯⋯フェイさんを探してたの。騎士団長のフェイさん。聞いたことがある?」
「ああ、いるよ。ちょうど今、離れの温泉で湯浴みしてるかもしれないな」
「えっ、本当!? ありがとう!」
ミラは嬉しそうに立ち上がり、離れへと駆けていった。
俺は「まずい」と思った。
フェイは今まさに、温泉の湯船の中で股間を弄りながら、日々のストレスを発散している最中だったのだ。
「待て、ミラ! ちょっと――!」
俺の制止も虚しく、ミラは温泉の脱衣所に入り扉を開けてしまった。
中では、フェイが湯船に浸かり、片手を股間に這わせながら恍惚とした表情を浮かべていた。
「あっ⋯⋯!? だ、誰だ!?」
フェイは慌てて手を引っ込め、湯船に潜り込んだ。
ミラは一瞬驚いたが、すぐに笑顔を浮かべた。
「フェイさん! やっと会えた! とっても憧れてたの! 騎士団長としての活躍、全部知ってるよ!」
「そ、そうか⋯⋯? そりゃ、ありがたいけど⋯⋯その⋯⋯今ちょっと⋯⋯」
「あ、ごめん! 邪魔しちゃった? でも、本当に嬉しくて⋯⋯!」
ミラはまったく悪気なく、むしろ純粋な憧れを込めて話す。
フェイは困惑しながらも、その純真さに少しだけほっとしたのか、湯船から出て服を着始めた。
その頃、リオも戻ってきていた。
黒髪に茶色の瞳、黒狼族の末裔で星の守護者の血を引く少年。
彼もまた、俺の養子で「兄さん」と呼ぶ。
彼はミラの存在に警戒しながらも、その美しさに思わず見とれた。
「兄さん、あの子⋯⋯誰?」
「ミラっていう。フェイを探してたらしい。⋯⋯でも、どうも様子が変だ」
「変って?」
「いや⋯⋯男を股に掛けようとしてる気がする」
俺の言葉に、リオは眉をひそめた。
そして、アレンも戻ってきた。
エレスティア王国の第1王子だったが、王位継承権を弟に譲り、俺の元で自由な生活を送っている。
彼もまた、股間を弄るのが好きで、毎晩ベッドの中で夢中になるほどだ。
「シュウ、あの子⋯⋯誰だ? なんか、俺のことガン見してたぞ?」
「ミラっていう。フェイとお前にもちょっかい出してるらしい」
「⋯⋯俺にも?」
アレンは苦笑いを浮かべた。
彼は自分が人気があることは自覚しているが、こんなに露骨に近づかれるのは初めてだった。
「フェイも好きだし、アレンも好き。もちろん、シュウも好きだよ」
ミラはそう言って、にっこりと笑った。
その言葉に、俺は思わず「これはまずい」と感じた。
まるで男を順番に寝取ろうとしているかのような発言。
フェイとアレンは顔を赤らめ、ネロとリオは困惑気味に見つめた。
「お前、俺たちを全員⋯⋯股に掛けようとしてんのか?」
俺がそう尋ねると、ミラは首を傾げた。
「え? 股に掛ける? なにそれ? 意味わかんない」
「⋯⋯いや、つまりだな。俺たち男全員に好意を向けて、何か企んでるのかって聞いてるんだ」
「ああ、そういうこと! 違うわ。私はただ⋯⋯憧れてるだけ。フェイさんはカッコイイし、アレンさんは殿下様みたいで、シュウさんは公爵様で、すごい人たちだもん。だから、好きって言ってるだけ」
「憧れ⋯⋯?」
俺は思わず目を丸くした。
つまり、ミラは恋愛感情ではなく、純粋な憧れで接していたのか。
彼女の明るさと純真さが、誤解を招いていただけだった。
「⋯⋯そうか。なら、安心した」
「でも、もしお邪魔じゃなかったら⋯⋯ここに一緒に住んでもいいかな? 家事も得意だし、掃除も洗濯も全部やるよ!」
ミラの言葉に、俺たちは一瞬凍りついた。
女性が同居?
しかも、毎日オナニーしている男たちの生活に?
これは一大事だ。
「待て、ミラ。それは⋯⋯ちょっと⋯⋯」
「お願い! 森は怖いし、一人でいるのも寂しいんだもん。それに、皆と一緒なら楽しいだろうし!」
彼女の懇願に、俺は渋々ながらも了承した。
神様のチート能力で、ログハウスは広いので、部屋は十分にある。
だが、問題はその後だ。
「兄ちゃん⋯⋯どうしよう。これからオナニーどうするの?」
ネロが真剣な顔で尋ねてきた。
リオも「俺も⋯⋯毎晩やってるし⋯⋯」と不安げに言う。
フェイとアレンも、顔を見合わせてうなだれた。
「⋯⋯まずいな。女性がいるってことは、自由に股間を弄れないってことだ」
「そうだよ! 音とか、匂いとか、絶対バレるよ!」
「⋯⋯なら、会議だ。オナニー会議をしよう」
俺の提案に、全員が真剣な表情で集まった。
居間のテーブルを囲み、俺が議長として進行する。
「まず、現状を整理する。ミラが同居することになった。彼女は家事が得意で、明るく優しいが、男たちのオナニーには全く気付いていない。しかし、このままでは毎日の習慣が妨げられる。対策が必要だ」
「トイレは? 個室だし、鍵もかかる」
「でも、音が漏れる可能性がある。それに、長時間閉じこもってたら怪しまれる」
「温泉風呂場はどう? 湯船に浸かりながらなら、自然に手を動かせるし」
「⋯⋯でも、ミラが入ってきたらどうする? まさか、彼女が湯船に入ってくるかもしれないぞ」
「うわっ⋯⋯それだけは勘弁⋯⋯」
「じゃあ、離れの石造りの倉庫はどうだ? 温泉浴室と隣接してるし、鍵もついてる。誰も使わないし、完全にプライベート空間だ」
「⋯⋯いい案だな。でも、寒いぞ? 冬になったら凍えそうだ」
「そこは魔法で暖を取ればいい。俺が火の精霊に頼んで、常時暖房をかけてもらおう」
「それなら⋯⋯いけるかも」
「あとは、時間帯の調整だ。ミラが寝静まった夜中がベスト。朝は避けろ。彼女が早起きだったらまずい」
「了解。俺は毎晩2時から3時の間にやる」
「俺は1時半から」
「私は2時半に温泉で」
「俺は倉庫で3時から」
「⋯⋯全員バラバラにしろ。同時にやると、誰かが移動するときに見つかる可能性がある」
「ああ、そうだな」
こうして、オナニー会議は終了。
俺たちは新たなルールのもと、ミラとの共同生活に踏み出した。
しかし、ミラは依然として、俺たちの行動に全く気づかず、毎日明るく家事をこなす。
掃除、洗濯、料理――すべて完璧にこなす彼女に、俺たちは感謝しつつも、内心では「このままバレずに続けられるのか⋯⋯?」と不安を抱えていた。
「シュウさん、今日の夕飯、何がいい?」
「⋯⋯肉がいいな」
「了解! じゃあステーキにしよう!」
ミラはにっこりと笑い、キッチンへと向かう。
その背中を見ながら、俺は思わずため息をついた。
「⋯⋯まったく、神様のミスで転生させられたとはいえ、こんな展開になるとはな⋯⋯」
その時、森の奥から銀狼フェンリルのウォルフが現れた。
人語を話す森の守護者だ。
「シュウよ、お前の家の騒ぎ、森中に響いておるぞ。特に夜中の倉庫と温泉から、妙な気配が⋯⋯」
「⋯⋯黙っててくれ」
「ふむ。だが、ミラの心は清らかだ。彼女はお前たちを悪く思ってはおらん。ただ、憧れに過ぎん。その純粋さを汚すなよ」
「⋯⋯わかってるよ」
そして、生命樹の守護者にして智慧者――九尾の銀狐のラムも現れた。
「シュウ、お前たちのオナニー事情、私も感知しておる。だが、ミラが気づかぬように導こう。彼女はいずれ、お前たちの本当の姿を知ることになるだろう。その時、どう接するかが試される」
「⋯⋯それもわかってる。今は、ただ平和に過ごしたいだけだ」
俺はそう言いながら、ログハウスを見渡した。
ミラが笑い、ネロが本を読み、リオが剣の練習をし、フェイとアレンが裏庭で話をしている。
一見、何の問題もない平和な日々。
だが、夜が訪れれば、それぞれが静かに部屋を抜け出し、倉庫や温泉、トイレへと向かう。
そして、誰にも気づかれぬよう、日々の儀式を執り行う。
ミラは今も、俺たちのことを「公爵様」「騎士団長」「王子様」「未来視の少年」「守護者の少年」として崇めている。
恋愛感情ではなく、憧れの対象として。
だが、いずれ彼女も気づくだろう。
この家に住む男たちが、毎晩股間を弄りながら、孤独と欲望と戯れていることを。
その時、彼女はどう反応するのか――。
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