9 / 12
番外編1 初めての“恋人”としての朝
番外編1 初めての“恋人”としての朝
しおりを挟む
夏休み最後の朝。
目を覚ますと、まだ少し眠い頭のままスマホを手に取る。
画面には、君からのメッセージ。
《起きてる? 今日会いてぇ》
その一行だけで、胸が温かくなる。
昨日まではただの“幼なじみ”だったのに。
今はもう——恋人。
その言葉の重さに、少しだけくすぐったくなる。
《起きてる。どこで会う?》
送ってすぐに既読がつく。
《いつものとこ。今から行く》
短いやり取りなのに、
それだけで一日が特別になる。
待ち合わせ場所に着くと、
君はもうそこにいた。
俺に気付くと、軽く手を上げる。
「おはよ」
「おはよう」
それだけの挨拶なのに、
昨日までと少し違う空気。
次の瞬間、君は当たり前みたいに手を取った。
指が絡む。
一瞬だけドキッとするけど、
もう振りほどいたりはしない。
「……昨日からさ」
歩き出しながら、君がぽつりと言う。
「ずっとお前のこと考えてた」
その言葉に、心臓が跳ねる。
「……俺も」
小さく答えると、
君は少しだけ嬉しそうに笑った。
「じゃあさ」
歩みを少し緩めて、こっちを見る。
「もう恋人ってことでいいよな?」
照れてるくせに、
手だけはしっかり繋いだまま。
その不器用さが、たまらなく愛おしい。
「うん」
そう頷くと、
君は安心したみたいに息を吐いた。
「よかった」
その一言が、やけに優しくて。
繋いだ手に、少しだけ力を込める。
“恋人としての一日”が、
静かに始まった。
目を覚ますと、まだ少し眠い頭のままスマホを手に取る。
画面には、君からのメッセージ。
《起きてる? 今日会いてぇ》
その一行だけで、胸が温かくなる。
昨日まではただの“幼なじみ”だったのに。
今はもう——恋人。
その言葉の重さに、少しだけくすぐったくなる。
《起きてる。どこで会う?》
送ってすぐに既読がつく。
《いつものとこ。今から行く》
短いやり取りなのに、
それだけで一日が特別になる。
待ち合わせ場所に着くと、
君はもうそこにいた。
俺に気付くと、軽く手を上げる。
「おはよ」
「おはよう」
それだけの挨拶なのに、
昨日までと少し違う空気。
次の瞬間、君は当たり前みたいに手を取った。
指が絡む。
一瞬だけドキッとするけど、
もう振りほどいたりはしない。
「……昨日からさ」
歩き出しながら、君がぽつりと言う。
「ずっとお前のこと考えてた」
その言葉に、心臓が跳ねる。
「……俺も」
小さく答えると、
君は少しだけ嬉しそうに笑った。
「じゃあさ」
歩みを少し緩めて、こっちを見る。
「もう恋人ってことでいいよな?」
照れてるくせに、
手だけはしっかり繋いだまま。
その不器用さが、たまらなく愛おしい。
「うん」
そう頷くと、
君は安心したみたいに息を吐いた。
「よかった」
その一言が、やけに優しくて。
繋いだ手に、少しだけ力を込める。
“恋人としての一日”が、
静かに始まった。
0
あなたにおすすめの小説
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。
でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。
もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……?
表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。
全年齢作品です。
ベリーズカフェ公開日 2022/09/21
アルファポリス公開日 2025/06/19
作品の無断転載はご遠慮ください。
二十年以上無視してきた夫が、今さら文通を申し込んできました
小豆缶
恋愛
「お願いです。文通から始めてもらえませんか?」
二十年以上会話もなかった夫――この国の王が、ある日突然そう言ってきた。
第一王妃マリアは、公爵家出身の正妃。だが夫はかつて、寵愛する第三王妃の話のみを信じ、彼女を殴ったことがある。その事件が原因で、マリアは男性恐怖症が悪化して、夫と二人きりでは会話すらできなくなっていた。
それから二十年。
第三王妃はとある事故で亡くなり、夫は反省したらしい。だからといって――今さら夫婦関係をやり直したいと言われても遅すぎる。
なのに王は諦めない。毎日の手紙。花を一輪。夜食の差し入れ。
不器用すぎる求愛に振り回されるうち、マリアの中で止まっていた感情が少しずつ動き始める。
これは、冷えきった政略夫婦が「文通」からやり直す恋の話。
※本作は「存在されていないことにされていた管理ギフトの少女王宮で真の家族に出会う」のスピンオフですが、単体で読めます。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる