Sakura Generation  ~絶望を希望に変える少女たち~

にわかばでぃ

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第二章 二度とBANされるものか

思ったよりは寂しくないね

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――りん――

爆風が、空気を裂いた。

「散開して! 原爆ドーム跡地に集合、各自判断で向かって!」

G1リーダー香織さんの声が響く。

その直後、視界が反転した。

ヘイトの巧妙な挟撃。
逃げ場を切り刻むような動きに、櫻小隊は個別に引き離されていく。

「……了解」

短く答えたけれど、その声は誰に届いたのだろう。

気が付けば、私は一人だった。

草原の一本道。

(……静かすぎる)

戦闘の直後とは思えないほど、世界は無音だった。

しばらく歩くと、道の先に違和感があった。

鉄くずや木片を積み上げただけの、粗末なバリケード。

その向こうに――人がいた。

「……コロニー?」

ヘイトの気配はない。

資源も、エネルギー反応も、ほとんど感じられない場所。
なるほど。
だから、ここは見捨てられていた。

原始的な暮らし。
火を起こし、手で作物を育て、互いに寄り添って生き延びる人たち。

そのバリケードの手前――叫び声がした。

「やだ! 来ないで!」

小さな影が一つ。
自分と同じ年ごろの少女の背後に、大きなイノシシが迫っていた。

考えるより先に、身体が動く。

「――下がって!」

大剣を振る。
鈍い衝撃。

イノシシは地面に叩きつけられ、動かなくなった。

少女は、呆然と私を見上げている。

「……だいじょぶ?」

そう声をかけると、少女はこくこくとうなずいた。

「守ってくれてありがとう!」
「おねえさん……強いね!」

その言葉に、胸の奥が少しだけ熱くなる。

(ああ、そうか)

私はもう、守られる側じゃない。
誰かの憧れになる場所に、立っている。

「いつかね」

私は膝をついて、目線を合わせた。

「君も大きくなったら、私みたいになれるかもしれない」
「ほんと!?」
「うん。一緒に戦おう」

少女の目が、星みたいに輝いた。
別れ際、何度も振られる小さな手。
私はそれに応えるように、大きく手を振った。

再び、一本道を歩き出す。

一人。

変わらないはずなのに。

(……さっきより、足取りが軽い)

未来のIDOLに会えた。

それだけで、胸の奥に温かいものが残っている。

戦いは続く。

別れも、孤独も、なくならない。

それでも。

「……思ったよりも、寂しくはないね」

ぽつりと呟いて、私は前を向いた。
この世界に、まだ希望がある限り。
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