ここは血塗れ乙女亭!

景丸義一

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デザート 誰得ナニナゼうんちくコーナー

第9回 迷宮と迷路とダンジョンと

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※ 主菜第8話「そう、それは男の浪漫」までをお読みになってからのお目通しを推奨します。




 はっぷーぱっぷーぱらりこぷー!

 知らなくても問題ない、むしろ知ったからってなんになる? な自己満足的蛇足閑話、『誰得ナニナゼうんちくコーナー』の時間だよーっ!
 最近、本編内での時系列がちょくちょく前後しちゃってるケド、みんな混乱してないかな~?

 っとゆーワケでどーゆーワケで!?
 今回のお題は!

 迷宮!
 ラビリンス!

 いや~ようやくファンタジーっぽい感じになってきたねっ?
 でもさ、ちょっと不思議に思った人、いるんじゃない?

「なんでダンジョンじゃないの?」

 そう思った人、挙手ー。
 ハイ、そんなアナタのために解説しちゃいますっ!


 まずはタイトルどおり迷宮から、かつ現実世界における違いだよ!
 迷宮っていうのは、ギリシャ神話のミノタウロスのお話に登場したもので、ミノタウロスを閉じ込めておくためにミノス王がダイダロスさんに命じて造らせたモノなんだ。そしてその構造体の名前を、ラビリンスと呼んだワケ。
 んで、実は構造がかなり特徴的。
 なんと、迷宮本来の定義は、交差点がひとつもないんだよ!
 びっくりした?
 あたしはしたー!
 ずう~~~っと一本道なんだって!
 だから道に迷うことはないんだけど、一度奥まで行ったら同じ道をとおらないと出てこれないから、往復にはすんごい時間かかっちゃうの。

 あ、この作品世界でもミノタウロスっているけど、それはあくまで種族名であってギリシャ神話のように個人名じゃないし、迷宮の起源も無関係だからね!

 さて、お次は迷路!
 迷う道……
 迷宮は、迷わないよねえ?
 でも迷路は迷うんだ。
 なんでかってゆーと、交差点がいっぱいだから!
 一本道でひたすら時間がかかるだけの面倒な構造を迷宮と呼び、それとは反対に交差点いっぱいで最短ルートがわかれば楽だけどわかるまでがひたすらメンドクサいのが、迷路! メイズ!
 当て字で「迷図」なんて書くけど、ウマいこと考えたね~。


 そんじゃあ、ファンタジーの代名詞ともいえる「ダンジョン」ってなんぞや?
 ななな、なんと。
 その起源は……

 お城の天守!

 そう、お城そのものともいえるあの一番立派な建物のことを指したんだよ!
 日本のお城を想像するとわかりやすいと思うけど、西洋のお城にも平時には城主の居館となっていたキープ、ドンジョンといわれた塔状の部分がこれに当たるから、ここでは天守で統一するね。

 そもそも天守って、お城の最重要部分であって、もしお城を攻められて内部に敵が入り込んできた場合、守備側の最後の砦ともなる場所なんだよね。だから壁の強度を損なわないように天守下部の壁には窓もなく、とにかくガンジョー一点張り!
 それがやがて、戦争が減って城主の居館としての機能を優先したお城ができるようになると、戦争用のお城の天守はその頑丈さとイイ感じの密閉具合から囚人を閉じ込めておく牢獄として使われるようになったんだ。
 これこそが、今日のファンタジーにおけるダンジョンの始まり!

 牢獄となったダンジョンは地下に作られることが多く、また地下納骨堂として使われることもあって、
「古城の地下には財宝が隠されているが、そいつを護るモンスターがウヨウヨいるんだぜェ~」
 な~んてウワサされるようになったのさっ!
 ダンジョンズ&ドラゴンズって知ってるかな?
 多分今のファンタジーの形をハヤらせるきっかけになったのがこのゲームなんじゃないかな!


 っとゆーワケで、ざっくり迷宮と迷路とダンジョンの違いを解説したけど、じゃあこの作品世界における「ラビリンス」ってなにさ?


 ダンジョンです。


 ええ、いわゆる一般的な意味での、ダンジョンです。


 せやったら普通にダンジョンゆーとけばええやないかああああいっ!
 って声が聞こえてきそうだね、そうだね、そのとーりだね。あたしもそー思う。

「だって本来の意味を知っちゃったらなんか違うって思っちゃったんだもんっ!」

 などと、作者を名乗る不審な男性は供述しており、その結果、「昨今の一般的な解釈によるダンジョン」という意味を込めての「ラビリンス」という名称を使用することにしますた。

 そゆワケだから、この作品世界におけるラビリンスは一本道の単調な構造じゃなく、迷路的な要素をもった現代解釈のダンジョンだと思ってちょんまげ!

 現場からは以上っ!
 お相手はアナタの読書の恋人、本編登場希望の声が殺到中間違いなしの獣人アイドル、ピリムちゃんでしたーっ!

 ばいばいび~!
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