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5.鶫の涙ほどの
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つまらない日々だ。なんの意義も希望も見いだせない。
周りのバカやってる奴らがむしろ羨ましい。すごく楽しそうだ。
それで俺、村瀬 恭介はと言うと。
そいつらの表情を見様見真似で猿真似して、腹の中では空っぽの何かを抱えて生きてる。
……そんなワケで今日も以前からしつこく誘われていた飲み会に、渋々行ったわけだ。
『村瀬を連れて来いって、女の子達がうるさいから』だっていうけど、正直褒められた気分はしない。
だって結局、彼女達は俺の何を見てるんだ? 顔と俺の家柄か。あとは金か。
ひけらかす訳じゃあないが、俺の家は一般的な呼び方で言うところの『金持ち』らしい。
とは言っても単に親父とお袋、兄貴も幾つか会社をやっていたりと経済活動に精を出していただけだ。
俺自身は何もやっていない。
むしろこうやって、遊んで暮らしていると同様の生活をしているのだから世話無いよな。
ある時からそんな俺を苛んでいたのは、一種の無力感だ。
この好意的なの言葉や視線の数々も蜃気楼のようなモノで『村瀬 』というブランドに惹かれているだけじゃないかな。
この顔だって、他人が思うほど良いものではないと思う。
人は骨に張り付いた肉や皮膚の形を容姿と呼んで、その優劣を付けたがる。しかしそれってとても不毛な事だとは思わないか。
まぁ、こんな事を言えば『上から目線』だと批難されるだろうから決して口には出さないけれど。
……そんな密かに鬱屈した中で、彼に出会った日を思い出してみよう。
瀬上 誠に一目惚れした。
すごく綺麗な人だったから。
あんなに人間の容姿云々、語っていた奴が一目惚れした理由は『顔』なわけだから。
つくづく俺はどうしようもないクズ男だな。
―――その日はいわゆる朝帰りってやつで、いつもとは違う駅を使った。
ふと目に入った、やけに険しい顔で電車を待ってる男。
切れ長の目はまっすぐ前を向いていて。
通った形の良い鼻梁に、強く結ばれた小さな唇。
服装と様子から多分社会人だな、と思った。でも俺とあまり変わらない。新社会人かなって感じの。
サラリーマンなんて若いのからオッサンまで、沢山いるこの時間帯。何故か俺の目は彼から離れることが出来なかった。
その目だ。どうも言い表せないが、その目には色んな感情が渦巻いていた。
焦燥感、不安、苛立ち、奮起……そして希望。色んな色が綯い交ぜになったような表情。
……直ぐに分かった。
彼は俺にないモノを全て持っている、と。
無気力が懸命にもがいて生きる人間に惹かれたんだ。
まぁ、難しい事は置いておこう。
とにかく俺はこの時、人生で初めての恋をしたんだ。
恋って良いものだよな。ふわふわして。自分がとてつもなく弱くて、そして少しだけ強くなれる気がする。
でも問題は幾つかある。
まず相手は俺を知らない。次に同性同士だということ。あとカノジョがいるらしい。
でも三つ目の件は解決した。無事別れたらしい。
俺が何かしたのかって?
まぁ多少手は回したかな。そんな大したことじゃあないよ。
あの女の子、見た目と同様に割とユルい感じだったから他に男でもこれから見つけて、よろしくやっているんじゃないの。
ほら愛は勝つっていうじゃん。
あれ、違う?
……ともあれ初めて勝ち取りたいって思える人を見つけちゃったからさ。こりゃ頑張らなきゃ駄目だなって。
だから『少々』調べたり手を回したりしただけ。
こんなの普通でしょ?
―――そうそう。
初めて抱いた日、あれはもう嬉しくて嬉しくて仕方なかったなぁ。
カノジョにフラれてヤケ酒煽ってたから、危ないなぁって思って声かけたんだけど。
まさかああいう形で進展するとは思わなかったから。
『隣良い?』とかなんかで声掛けて、当然無視されたけど無言の了承とって遠慮なく座った。
そしたらやっぱり機嫌悪くて、やたらと強がるものだから思わず言った言葉に彼は超激怒。
『そういうところがカノジョにフラれる原因なんじゃないの?』って言っちゃった。
その瞬間、思い切りビンタされて『表へ出ろ』ときたもんだ。
初めて親以外から受けた張り手に、もう興奮しちゃって。
あ、別にMっ気の意味じゃなくて。うん、まぁ多少……いやでもどっちかと言えば逆かな。Sの方。優しくも酷くもしたいし泣かせられたら最高。
……速攻あの手この手でもう二軒くらい連れ回して、酔い潰してやった。
それからホテルへ連れ込む。
我ながら最低だとは思うけど、仕方ないんだ。止められなかった。
この腕の中にずっと手に入れたかったモノがあったら、誰だって絶対に絶対に離したくないでしょ?
あ。勿論、お互い初めてだった。
俺の方は仕入れまくった知識と、女の子を抱く時のテクニックをフルに発揮したよね。
この一晩で全力かけて彼を堕とす気だったから。
……そりゃもう可愛い声を上げてくれたよ。
まずはとことん優しく、恭しく甘やかしたかった。そうして『男とのセックスも悪くないな』って思って欲しかったから。
ま、そんな訳でここ半年はいわゆる身体の関係、っていうのが続いている。
でも大丈夫。身体の関係があれば、あとは心だけ。
ま、人間のどこに心があるのか知らないけれどね。
「恭介君ってぇ、カノジョいるのぉ?」
―――俺の思考は、隣からの鼻についた甘い声で遮られた。
見ればいつ間に割り込んだのか、やたら胸部をギリギリまで露出した女が上気したような顔色でこちらを見上げているではないか。
その努力とバイタリティは尊敬しなきゃいけない所だ。
女の子って言うのは確か、化粧品や服とかにすごくお金も知能も使うのだろう。
だから食事代は男が払え! と恋人に詰められたと言ってた友達がいたな。
そもそも払う払わない以前に俺の好みではない。
とは言え俺には女の好みというものはないかも。
「カノジョかぁ、残念ながらね」
苦笑いで答えれば女の……あー、めんどくさいからトリ美で。なんか鳥っぽい。
彼女は頭を微妙に左右に振りながら、器用な首の動きで傾げてみせた。
「えー、うそぉ。こんなにカッコイイのにぃ?」
「あはは……ありがと」
褒められたのだから一応お礼は言おう。最低限の礼儀だよ。
するとトリ美、なんだか気分が乗ってきたのかやたら俺に触り始めた。
「ねぇ、あたしも彼氏募集中なんだけどぉ」
へぇ。そりゃあ頑張れ。でも俺は募集した覚えは無いな。
「恭介、みたいな人。超タイプなんだけどぉ」
なんだけど……なんだよ。あともう呼び捨てされてる。俺は君の名前すら覚えてないのに。
「ちょっと! 恭介君困ってんじゃん」
トリ美とは反対側から別の女……パンダだな。目の縁どりが強烈過ぎて、パンダにしか見えない。
あとなんだか、ふくふくしい感じが。
「ハァ!? 困ってないしぃ。相手にされないからって僻まないでくれるぅ?」
「ハァァッ!? あんたこそ! ベタベタベタベタ、必死過ぎんのよぉぉ!」
「キィィィッ!」
「〇△✕□☆#%#*&!!」
パンダとトリが罵倒の小競り合い始めた。
まぁそれはそれで面白いから見守っていたら、男の1人が俺の肩を叩き『すまん』と謝った。
そこは俺が謝られる事はないから、肩を竦めて『こっちこそ』と笑った。
まぁ酒が入ると人間気が短くなるよな。
―――彼女達のアニマルバトルも見飽きた頃、スっと俺に目配せした女がいた。
なんだ。こいつもか……なんて曖昧に笑って視線を逸らそうと努める。
しかし彼女は笑顔のまま小さく首を横に振ったのだ。
どういう意味だろう。
「……私、もう帰るね」
俺が考えあぐねている間に、女はそう宣言して立ち上がる。
ええーっ、とかなんとか複数の声が掛けられたが。女は眉を下げた笑みを浮かべて、ごめんごめんと帰って行った。
それでも特に場が白けなかったのは、このアニマル達の存在感のおかげだろうか。
再び俺以外の奴らは心から楽しんだ顔をして、盛り上がり始めた。
……俺? まぁ取り繕うことはするよ、普通に。
「あの子さ、空気読めない子なのよねぇ」
いつの間にバトル終了したのか、パンダがこちらに擦り寄ってきた。
「うちの会社のバイトの子なんだけどぉ。ちょっと天然? まぁ男の人ってそういう子好きなのかもだけど……あ、可愛いんだけどね!」
あー、はいはい。
天然を軽いディスりの言葉に使いつつ、語尾はおざなりにでも褒めとく事で『そんな子にも優しいアタシ』を演出ね。
「でもちょっと地味っていうかぁ」
そう口を挟んだのはトリ美だ。
彼女は確かになかなか着飾っている。目の上のラメは目がチカチカしてくるし、爪の鋭利さはさぞかし強そうだな。
「あー、そうなんだ……ごめん、ちょっと」
おざなりな返事を返して俺は立ち上がる。
トイレに行くと言いつつ、人々の声が溢れる店の外に出た。
周りのバカやってる奴らがむしろ羨ましい。すごく楽しそうだ。
それで俺、村瀬 恭介はと言うと。
そいつらの表情を見様見真似で猿真似して、腹の中では空っぽの何かを抱えて生きてる。
……そんなワケで今日も以前からしつこく誘われていた飲み会に、渋々行ったわけだ。
『村瀬を連れて来いって、女の子達がうるさいから』だっていうけど、正直褒められた気分はしない。
だって結局、彼女達は俺の何を見てるんだ? 顔と俺の家柄か。あとは金か。
ひけらかす訳じゃあないが、俺の家は一般的な呼び方で言うところの『金持ち』らしい。
とは言っても単に親父とお袋、兄貴も幾つか会社をやっていたりと経済活動に精を出していただけだ。
俺自身は何もやっていない。
むしろこうやって、遊んで暮らしていると同様の生活をしているのだから世話無いよな。
ある時からそんな俺を苛んでいたのは、一種の無力感だ。
この好意的なの言葉や視線の数々も蜃気楼のようなモノで『村瀬 』というブランドに惹かれているだけじゃないかな。
この顔だって、他人が思うほど良いものではないと思う。
人は骨に張り付いた肉や皮膚の形を容姿と呼んで、その優劣を付けたがる。しかしそれってとても不毛な事だとは思わないか。
まぁ、こんな事を言えば『上から目線』だと批難されるだろうから決して口には出さないけれど。
……そんな密かに鬱屈した中で、彼に出会った日を思い出してみよう。
瀬上 誠に一目惚れした。
すごく綺麗な人だったから。
あんなに人間の容姿云々、語っていた奴が一目惚れした理由は『顔』なわけだから。
つくづく俺はどうしようもないクズ男だな。
―――その日はいわゆる朝帰りってやつで、いつもとは違う駅を使った。
ふと目に入った、やけに険しい顔で電車を待ってる男。
切れ長の目はまっすぐ前を向いていて。
通った形の良い鼻梁に、強く結ばれた小さな唇。
服装と様子から多分社会人だな、と思った。でも俺とあまり変わらない。新社会人かなって感じの。
サラリーマンなんて若いのからオッサンまで、沢山いるこの時間帯。何故か俺の目は彼から離れることが出来なかった。
その目だ。どうも言い表せないが、その目には色んな感情が渦巻いていた。
焦燥感、不安、苛立ち、奮起……そして希望。色んな色が綯い交ぜになったような表情。
……直ぐに分かった。
彼は俺にないモノを全て持っている、と。
無気力が懸命にもがいて生きる人間に惹かれたんだ。
まぁ、難しい事は置いておこう。
とにかく俺はこの時、人生で初めての恋をしたんだ。
恋って良いものだよな。ふわふわして。自分がとてつもなく弱くて、そして少しだけ強くなれる気がする。
でも問題は幾つかある。
まず相手は俺を知らない。次に同性同士だということ。あとカノジョがいるらしい。
でも三つ目の件は解決した。無事別れたらしい。
俺が何かしたのかって?
まぁ多少手は回したかな。そんな大したことじゃあないよ。
あの女の子、見た目と同様に割とユルい感じだったから他に男でもこれから見つけて、よろしくやっているんじゃないの。
ほら愛は勝つっていうじゃん。
あれ、違う?
……ともあれ初めて勝ち取りたいって思える人を見つけちゃったからさ。こりゃ頑張らなきゃ駄目だなって。
だから『少々』調べたり手を回したりしただけ。
こんなの普通でしょ?
―――そうそう。
初めて抱いた日、あれはもう嬉しくて嬉しくて仕方なかったなぁ。
カノジョにフラれてヤケ酒煽ってたから、危ないなぁって思って声かけたんだけど。
まさかああいう形で進展するとは思わなかったから。
『隣良い?』とかなんかで声掛けて、当然無視されたけど無言の了承とって遠慮なく座った。
そしたらやっぱり機嫌悪くて、やたらと強がるものだから思わず言った言葉に彼は超激怒。
『そういうところがカノジョにフラれる原因なんじゃないの?』って言っちゃった。
その瞬間、思い切りビンタされて『表へ出ろ』ときたもんだ。
初めて親以外から受けた張り手に、もう興奮しちゃって。
あ、別にMっ気の意味じゃなくて。うん、まぁ多少……いやでもどっちかと言えば逆かな。Sの方。優しくも酷くもしたいし泣かせられたら最高。
……速攻あの手この手でもう二軒くらい連れ回して、酔い潰してやった。
それからホテルへ連れ込む。
我ながら最低だとは思うけど、仕方ないんだ。止められなかった。
この腕の中にずっと手に入れたかったモノがあったら、誰だって絶対に絶対に離したくないでしょ?
あ。勿論、お互い初めてだった。
俺の方は仕入れまくった知識と、女の子を抱く時のテクニックをフルに発揮したよね。
この一晩で全力かけて彼を堕とす気だったから。
……そりゃもう可愛い声を上げてくれたよ。
まずはとことん優しく、恭しく甘やかしたかった。そうして『男とのセックスも悪くないな』って思って欲しかったから。
ま、そんな訳でここ半年はいわゆる身体の関係、っていうのが続いている。
でも大丈夫。身体の関係があれば、あとは心だけ。
ま、人間のどこに心があるのか知らないけれどね。
「恭介君ってぇ、カノジョいるのぉ?」
―――俺の思考は、隣からの鼻についた甘い声で遮られた。
見ればいつ間に割り込んだのか、やたら胸部をギリギリまで露出した女が上気したような顔色でこちらを見上げているではないか。
その努力とバイタリティは尊敬しなきゃいけない所だ。
女の子って言うのは確か、化粧品や服とかにすごくお金も知能も使うのだろう。
だから食事代は男が払え! と恋人に詰められたと言ってた友達がいたな。
そもそも払う払わない以前に俺の好みではない。
とは言え俺には女の好みというものはないかも。
「カノジョかぁ、残念ながらね」
苦笑いで答えれば女の……あー、めんどくさいからトリ美で。なんか鳥っぽい。
彼女は頭を微妙に左右に振りながら、器用な首の動きで傾げてみせた。
「えー、うそぉ。こんなにカッコイイのにぃ?」
「あはは……ありがと」
褒められたのだから一応お礼は言おう。最低限の礼儀だよ。
するとトリ美、なんだか気分が乗ってきたのかやたら俺に触り始めた。
「ねぇ、あたしも彼氏募集中なんだけどぉ」
へぇ。そりゃあ頑張れ。でも俺は募集した覚えは無いな。
「恭介、みたいな人。超タイプなんだけどぉ」
なんだけど……なんだよ。あともう呼び捨てされてる。俺は君の名前すら覚えてないのに。
「ちょっと! 恭介君困ってんじゃん」
トリ美とは反対側から別の女……パンダだな。目の縁どりが強烈過ぎて、パンダにしか見えない。
あとなんだか、ふくふくしい感じが。
「ハァ!? 困ってないしぃ。相手にされないからって僻まないでくれるぅ?」
「ハァァッ!? あんたこそ! ベタベタベタベタ、必死過ぎんのよぉぉ!」
「キィィィッ!」
「〇△✕□☆#%#*&!!」
パンダとトリが罵倒の小競り合い始めた。
まぁそれはそれで面白いから見守っていたら、男の1人が俺の肩を叩き『すまん』と謝った。
そこは俺が謝られる事はないから、肩を竦めて『こっちこそ』と笑った。
まぁ酒が入ると人間気が短くなるよな。
―――彼女達のアニマルバトルも見飽きた頃、スっと俺に目配せした女がいた。
なんだ。こいつもか……なんて曖昧に笑って視線を逸らそうと努める。
しかし彼女は笑顔のまま小さく首を横に振ったのだ。
どういう意味だろう。
「……私、もう帰るね」
俺が考えあぐねている間に、女はそう宣言して立ち上がる。
ええーっ、とかなんとか複数の声が掛けられたが。女は眉を下げた笑みを浮かべて、ごめんごめんと帰って行った。
それでも特に場が白けなかったのは、このアニマル達の存在感のおかげだろうか。
再び俺以外の奴らは心から楽しんだ顔をして、盛り上がり始めた。
……俺? まぁ取り繕うことはするよ、普通に。
「あの子さ、空気読めない子なのよねぇ」
いつの間にバトル終了したのか、パンダがこちらに擦り寄ってきた。
「うちの会社のバイトの子なんだけどぉ。ちょっと天然? まぁ男の人ってそういう子好きなのかもだけど……あ、可愛いんだけどね!」
あー、はいはい。
天然を軽いディスりの言葉に使いつつ、語尾はおざなりにでも褒めとく事で『そんな子にも優しいアタシ』を演出ね。
「でもちょっと地味っていうかぁ」
そう口を挟んだのはトリ美だ。
彼女は確かになかなか着飾っている。目の上のラメは目がチカチカしてくるし、爪の鋭利さはさぞかし強そうだな。
「あー、そうなんだ……ごめん、ちょっと」
おざなりな返事を返して俺は立ち上がる。
トイレに行くと言いつつ、人々の声が溢れる店の外に出た。
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