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煮ても焼いても飲み下せぬ感情
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「あ゙ぁぁっ♡ ア゙ッ♡ ひぃ゙ぃぃ♡♡」
自分でも耳をふさぎたくなる声が止まらない。
「すっかりメスじゃないですか」
笑みを含んだアイツの言葉にも反論なんて出来るはずもなく。
「も゙っ……や゙だ、や゙めでくれ゙ぇっ♡♡」
「うーん、そんなこと言ったって」
「んぅッ♡」
後ろから重なり合うように犯してきたサビオの舌が吐息が耳に触れて、思わず肩が震える。
「こんなに僕のチンコをくわえ込んで離さないあなたのここが悪いとは思いませんか」
「そ、それはぁっ♡」
聞きたくない。
男なのに女みたいに組み伏せられて、交尾させられてるなんて。
しかもコイツのちんこがまたヤバい。
極太の先端になるほどドリルみたいな凶悪な凶器みたいなブツで、最初はなりふり構わず泣きわめいちまったレベル。
それが今では。
「ほらすっかり馴染んで」
「お゙っ♡ お゙っ♡♡」
ずりゅずりゅと水音を立てて、ヤツのちんこが俺の中を擦れて出したくもない声が出ちまう。
イヤなのに。殺したいくらい憎いハズなのに。
「もうすっかり僕専用ですよね、あなたの――」
「~~~っ!!!」
吹き込むように言われた言葉に顔から火を吹くような気分になった。
そんな、そんなひどいこと。俺は誇り高き肉食動物のオオカミの男なのに。
食われるだけの豚のコイツに、いいようにヤられて。揶揄われて、貪られて。それでも抵抗ひとつ出来ないなんて。
「ご、ごろ゙じてや゙る゙っ♡ お゙っ、お゙まえ゙なん゙てぇぇ♡♡ んぁぁ♡」
「それはアヘ顔晒して言うことですかね」
「ん゙ひぃ゙ぃッ♡♡ 」
ダメ、ダメすぎる。お尻の穴、ちんこでずりゅずりゅされたらっ、しぬっ、殺すよりさきにっ、俺がしん゙じゃゔぅぅっ♡♡♡♡
「い゙っ、イ゙ぐっ♡ も゙、や゙ばぃ♡♡」
「またですか? やれやれ。でももう何も出ないでしょ」
「ん゙~~っ♡♡♡♡」
砕けそうになる腰を無理やり上げさせられて、屈辱なんて恥ずかしいなんて感じる余裕もなくて。
「まだまだ頑張ってくださいね、僕のお嫁さん」
「へ? それってどういう…………んひゃ゙ぁぁぁっ♡♡♡♡♡」
ひときわ大きく突かれて、頭ん中が真っ白になる。
「お゙ぉ゙っ♡ お゙っ、ふ、ふかい゙っ♡♡ しょ、しょれ゙入んにゃいっ♡♡」
「入るでしょう? 昨晩も練習したじゃないですか」
「やらっ♡ やめ゙ろ゙っ、たのむ、たのむから゙ぁぁ」
一番深いとこ。よくわかんないけどアイツが。
『ルヴさんが完全な女の子になるトコロ』
って言っていたとこ。
お腹の中、苦しくて怖くて、でもイきっぱなしになっちゃうところ。
小便も漏らしちまうし、言葉すら話せなくなる。
イヤだ絶対にそこだけはイヤ。気持ちよくなるだけの生き物になっちまう。そんなの。
「ワガママいわないで」
「はなせっ! せめて休ませてくれッ、たのむっ、もうヤダだっ、交尾やだァァ゙ァッ♡♡♡♡」
「うーん? イヤイヤ期かな」
「あ゙ぁ゙ァぁぁぁぁぁっ ♡♡♡♡」
痛いくらい腰をつかまれた、次の瞬間。
「っ…………♡ 」
声なんて出なかった。突き破られた、かと思った。
でもすぐ。
「あ゙がッ♡♡ ぎっ、ぃ゙♡ 」
だ、ダメなやつ、しぬ゙、おれ゙、しん゙じゃう♡
ケツ穴からちんこで殺されるっ♡ 無様にイき殺されっ――。
「お゙っ♡ お゙っ♡ ゔっ♡♡」
「ぅ……やばいね、やっぱり」
苦笑いするような息を詰めるサビオの声が一瞬聞こえた気がしたけど、そんなどころじゃない。
「ん゙ひっ♡ い゙ 、イ゙ぐっ、ま゙だイぐぅ♡♡ とまん゙い゙っ♡♡ ぎも゙ぢぃ゙っ、とまん゙い゙ぃぃ♡♡」
ずちゅんずちゅんと叩きつけるようなちんこの動きに、なすがまま。
一突きごときイってとまらない。許して欲しいのに、もうイきたくないのに。
「ゆ゙る゙じでっ♡♡ ちん゙こっ、ゆる゙じでぇぇ♡♡」
「だーめ、まだまだ許さないよ」
「しょ゙ん゙な゙ぁぁっ♡♡」
怖い、もうこわれちまう。だから必死にあいつから逃げようと這おうとする。
腕を伸ばして、せめて少しでも遠くに。にげなきゃ、俺が俺じゃなくなるまえに。
「だ、だすげてぇぇっ♡」
「そろそろ、僕も……出そう……っ」
「!」
逃げようとした罰のつもりか、髪を雑につかまれた。
そして。
「あ゙ァァァァッ、あ゙ぉ゙ぉぉぉんん゙っ♡♡♡♡」
「くっ……」
一番イヤなのはこれ。おびただしい量の精液が俺の腹になみなみと注がれる。
ふくれる腹、苦しい。
「っ、う」
ふーっ、ふーっ、と荒々しい息を吐いているサビオはなにも言わない。
ただ後ろから俺を強く抱きしめてる。
「っ、ルヴ、さん」
「……」
呼ばれたがこたえる気力もなけりゃ、その気にもならない。
黙ったままの俺を見て寝たとでも思ったのか。のそりと起き上がり、ようやく最低凶悪なちんこも俺の中から引き抜かれる。
「んぅ……♡」
あ、ヤバい。声出ちまう。でも違和感にはすぐ気付いた。
「え゙?」
腹が、重い。苦しいしパンパンに張っている感じ。
一気に余韻が吹っ飛んだ。
「お、おいっ、これなんだ!?」
「あれ。ルヴさん起きてたんですか」
「ふざけんな! これどういう事だよッ!!」
見るからに大きくなった腹が気持ち悪い。まるで――。
「ふふ、妊婦さんみたいですね」
「!」
満面の笑みでそこを撫で回す男の不気味なこと。
思わずフリーズした俺に追い討ちがかけられる。
「ねえ、僕と暮らしませんか。いや暮らしましょうよ。ずっと仲良く、二人で」
「な、な……にを言って……」
「もうあなたはメスなんだ。僕の大事な花嫁さん。だから、ずっと一緒にいなきゃあダメでしょう?」
「ちがっ……ちがう! 俺はお前なんてっ!!」
「違わない」
「ヒッ!?」
グッと肩を掴まれ覗き込んできた瞳に言葉を失う。
確かに笑っていたんだ。幸せそうに、でも確実に正気を失った顔で。
「ずっとずっと孤独だった。兄さんたちにはいじめられて、うとまれて。母さんだって内心では僕を怖がっていたんだろう。だから一緒に家を追い出された」
そういやサビオには少し年の離れた二人の兄貴がいたよな。
藁と木の家を建てる、丸々太ってアホな兄貴どもが。
でも確かに少し違和感があったんだ。
兄貴と一緒に年下である弟が自立しろと家から出されるってのに。普通、年功序列というか少し間を開けるもんじゃねえのかって。
しかもいきなり自分で住む家から建てろってのもかなり思い切った教育方針だよな。
まあそこんとこはそれぞれの家庭があるだろうが。
とにかく、小さな身体で黙々と誰にも手助けされることなく作ったであろうこの家。
確かに孤独といえば孤独なのかもしれない。
「そんな時。あなたが会いに来てくれた」
会いに来た? いや普通に餌を食いに行っただけなんだが。
今では激しく後悔してるがな。
「何がなんでも僕を手に入れようとする情熱、すごく嬉しかった」
「じょ、情熱?」
いやめちゃくちゃ腹減ってたからな。
言ってみれば食い意地と飢餓感じゃねえかな、それは。
「あのクソ兄貴どもがあなたを釜茹でにして殺して食おうと抜かした時は逆に殺してやりたいと思ったよ」
「え……」
そういや煙突から侵入したら湯にぼちゃんって流れだったよな。
確かに熱かったが死ぬレベルじゃなかったが。もしかしてあれって。
「直前に、僕がこっそり水混ぜて少し冷やしておいたんだ」
「あ、なるほど」
それで茹でオオカミにならなかったわけか。
火傷することもなく、ただやり込められた屈辱で何度も地団駄踏んだっけな。
「……」
「ルヴさん」
うわ、なんかすごく気まずい。
俺ってもしかしてすごくコイツに好かれてたのか?
「愛してる、僕のお嫁さんになって」
「こ、断る」
「なんで」
「なんでって……」
そりゃあ男同士だし、無理矢理レイプして中出ししてくるクソ野郎だし。
それにあの悔しくて寝れなかった黒歴史の当事者だし。あと、ええっと、その。
「ねえ、お願い。僕はもうあなた無しては生きていけない」
「う……」
そういうこというなよ。情に訴えかけるというか、なんというか。
こういうの実は弱いんだよな、俺。キラキラというかウルウルした目で見つめられちまうと。
困り果てて視線をさ迷わせる俺に、サビオは更に迫ってくる。
「あなたのこと、一生大切にしますから!」
大切に、ねえ。
その割にはこんなことして、最悪な彼氏じゃねえの。
いまだにイかされ過ぎて指一本動かすのもだるい身体にため息をつく。
「もう黙れよ、お前」
「ルヴさん……」
「あとで考えてやるから、それ」
「!」
しょぼくれていたアイツの顔がいつもの満面の笑みに戻った。
ったく、我ながらチョロいというか情けない。でも今は本当に無理だ。
少しでも眠って体力回復しなきゃ……って。
「んん゙っ!?」
急にぐるぐると音がなり始めた腹。
込み上げるモノに慌てて起き上がりベッドから飛び降りた。
「どうしました、ルヴさん」
「と、トイレ!!」
「へ?」
「トイレ行くって言ってんだこの金髪クソ豚野郎!!!!」
大量に出された精液が噴出しそう。というか漏らしたらもうトラウマの黒歴史製造しちまう。
ケツと腹を押さえながら、俺は慌ててトイレに駆け込んだ。
――そこでイヤと言うほど思い知らされる。
豚が射精する時、そう簡単に排出しないよう (つまり確実にメスを妊娠させるため) 濃度の強いやつで栓をするということに。
「あ゙い゙つ……ッ、や゙っぱり゙殺じでや゙る゙ぅぅぅッ!!!!」
俺の叫びがトイレの個室にひびいた。
自分でも耳をふさぎたくなる声が止まらない。
「すっかりメスじゃないですか」
笑みを含んだアイツの言葉にも反論なんて出来るはずもなく。
「も゙っ……や゙だ、や゙めでくれ゙ぇっ♡♡」
「うーん、そんなこと言ったって」
「んぅッ♡」
後ろから重なり合うように犯してきたサビオの舌が吐息が耳に触れて、思わず肩が震える。
「こんなに僕のチンコをくわえ込んで離さないあなたのここが悪いとは思いませんか」
「そ、それはぁっ♡」
聞きたくない。
男なのに女みたいに組み伏せられて、交尾させられてるなんて。
しかもコイツのちんこがまたヤバい。
極太の先端になるほどドリルみたいな凶悪な凶器みたいなブツで、最初はなりふり構わず泣きわめいちまったレベル。
それが今では。
「ほらすっかり馴染んで」
「お゙っ♡ お゙っ♡♡」
ずりゅずりゅと水音を立てて、ヤツのちんこが俺の中を擦れて出したくもない声が出ちまう。
イヤなのに。殺したいくらい憎いハズなのに。
「もうすっかり僕専用ですよね、あなたの――」
「~~~っ!!!」
吹き込むように言われた言葉に顔から火を吹くような気分になった。
そんな、そんなひどいこと。俺は誇り高き肉食動物のオオカミの男なのに。
食われるだけの豚のコイツに、いいようにヤられて。揶揄われて、貪られて。それでも抵抗ひとつ出来ないなんて。
「ご、ごろ゙じてや゙る゙っ♡ お゙っ、お゙まえ゙なん゙てぇぇ♡♡ んぁぁ♡」
「それはアヘ顔晒して言うことですかね」
「ん゙ひぃ゙ぃッ♡♡ 」
ダメ、ダメすぎる。お尻の穴、ちんこでずりゅずりゅされたらっ、しぬっ、殺すよりさきにっ、俺がしん゙じゃゔぅぅっ♡♡♡♡
「い゙っ、イ゙ぐっ♡ も゙、や゙ばぃ♡♡」
「またですか? やれやれ。でももう何も出ないでしょ」
「ん゙~~っ♡♡♡♡」
砕けそうになる腰を無理やり上げさせられて、屈辱なんて恥ずかしいなんて感じる余裕もなくて。
「まだまだ頑張ってくださいね、僕のお嫁さん」
「へ? それってどういう…………んひゃ゙ぁぁぁっ♡♡♡♡♡」
ひときわ大きく突かれて、頭ん中が真っ白になる。
「お゙ぉ゙っ♡ お゙っ、ふ、ふかい゙っ♡♡ しょ、しょれ゙入んにゃいっ♡♡」
「入るでしょう? 昨晩も練習したじゃないですか」
「やらっ♡ やめ゙ろ゙っ、たのむ、たのむから゙ぁぁ」
一番深いとこ。よくわかんないけどアイツが。
『ルヴさんが完全な女の子になるトコロ』
って言っていたとこ。
お腹の中、苦しくて怖くて、でもイきっぱなしになっちゃうところ。
小便も漏らしちまうし、言葉すら話せなくなる。
イヤだ絶対にそこだけはイヤ。気持ちよくなるだけの生き物になっちまう。そんなの。
「ワガママいわないで」
「はなせっ! せめて休ませてくれッ、たのむっ、もうヤダだっ、交尾やだァァ゙ァッ♡♡♡♡」
「うーん? イヤイヤ期かな」
「あ゙ぁ゙ァぁぁぁぁぁっ ♡♡♡♡」
痛いくらい腰をつかまれた、次の瞬間。
「っ…………♡ 」
声なんて出なかった。突き破られた、かと思った。
でもすぐ。
「あ゙がッ♡♡ ぎっ、ぃ゙♡ 」
だ、ダメなやつ、しぬ゙、おれ゙、しん゙じゃう♡
ケツ穴からちんこで殺されるっ♡ 無様にイき殺されっ――。
「お゙っ♡ お゙っ♡ ゔっ♡♡」
「ぅ……やばいね、やっぱり」
苦笑いするような息を詰めるサビオの声が一瞬聞こえた気がしたけど、そんなどころじゃない。
「ん゙ひっ♡ い゙ 、イ゙ぐっ、ま゙だイぐぅ♡♡ とまん゙い゙っ♡♡ ぎも゙ぢぃ゙っ、とまん゙い゙ぃぃ♡♡」
ずちゅんずちゅんと叩きつけるようなちんこの動きに、なすがまま。
一突きごときイってとまらない。許して欲しいのに、もうイきたくないのに。
「ゆ゙る゙じでっ♡♡ ちん゙こっ、ゆる゙じでぇぇ♡♡」
「だーめ、まだまだ許さないよ」
「しょ゙ん゙な゙ぁぁっ♡♡」
怖い、もうこわれちまう。だから必死にあいつから逃げようと這おうとする。
腕を伸ばして、せめて少しでも遠くに。にげなきゃ、俺が俺じゃなくなるまえに。
「だ、だすげてぇぇっ♡」
「そろそろ、僕も……出そう……っ」
「!」
逃げようとした罰のつもりか、髪を雑につかまれた。
そして。
「あ゙ァァァァッ、あ゙ぉ゙ぉぉぉんん゙っ♡♡♡♡」
「くっ……」
一番イヤなのはこれ。おびただしい量の精液が俺の腹になみなみと注がれる。
ふくれる腹、苦しい。
「っ、う」
ふーっ、ふーっ、と荒々しい息を吐いているサビオはなにも言わない。
ただ後ろから俺を強く抱きしめてる。
「っ、ルヴ、さん」
「……」
呼ばれたがこたえる気力もなけりゃ、その気にもならない。
黙ったままの俺を見て寝たとでも思ったのか。のそりと起き上がり、ようやく最低凶悪なちんこも俺の中から引き抜かれる。
「んぅ……♡」
あ、ヤバい。声出ちまう。でも違和感にはすぐ気付いた。
「え゙?」
腹が、重い。苦しいしパンパンに張っている感じ。
一気に余韻が吹っ飛んだ。
「お、おいっ、これなんだ!?」
「あれ。ルヴさん起きてたんですか」
「ふざけんな! これどういう事だよッ!!」
見るからに大きくなった腹が気持ち悪い。まるで――。
「ふふ、妊婦さんみたいですね」
「!」
満面の笑みでそこを撫で回す男の不気味なこと。
思わずフリーズした俺に追い討ちがかけられる。
「ねえ、僕と暮らしませんか。いや暮らしましょうよ。ずっと仲良く、二人で」
「な、な……にを言って……」
「もうあなたはメスなんだ。僕の大事な花嫁さん。だから、ずっと一緒にいなきゃあダメでしょう?」
「ちがっ……ちがう! 俺はお前なんてっ!!」
「違わない」
「ヒッ!?」
グッと肩を掴まれ覗き込んできた瞳に言葉を失う。
確かに笑っていたんだ。幸せそうに、でも確実に正気を失った顔で。
「ずっとずっと孤独だった。兄さんたちにはいじめられて、うとまれて。母さんだって内心では僕を怖がっていたんだろう。だから一緒に家を追い出された」
そういやサビオには少し年の離れた二人の兄貴がいたよな。
藁と木の家を建てる、丸々太ってアホな兄貴どもが。
でも確かに少し違和感があったんだ。
兄貴と一緒に年下である弟が自立しろと家から出されるってのに。普通、年功序列というか少し間を開けるもんじゃねえのかって。
しかもいきなり自分で住む家から建てろってのもかなり思い切った教育方針だよな。
まあそこんとこはそれぞれの家庭があるだろうが。
とにかく、小さな身体で黙々と誰にも手助けされることなく作ったであろうこの家。
確かに孤独といえば孤独なのかもしれない。
「そんな時。あなたが会いに来てくれた」
会いに来た? いや普通に餌を食いに行っただけなんだが。
今では激しく後悔してるがな。
「何がなんでも僕を手に入れようとする情熱、すごく嬉しかった」
「じょ、情熱?」
いやめちゃくちゃ腹減ってたからな。
言ってみれば食い意地と飢餓感じゃねえかな、それは。
「あのクソ兄貴どもがあなたを釜茹でにして殺して食おうと抜かした時は逆に殺してやりたいと思ったよ」
「え……」
そういや煙突から侵入したら湯にぼちゃんって流れだったよな。
確かに熱かったが死ぬレベルじゃなかったが。もしかしてあれって。
「直前に、僕がこっそり水混ぜて少し冷やしておいたんだ」
「あ、なるほど」
それで茹でオオカミにならなかったわけか。
火傷することもなく、ただやり込められた屈辱で何度も地団駄踏んだっけな。
「……」
「ルヴさん」
うわ、なんかすごく気まずい。
俺ってもしかしてすごくコイツに好かれてたのか?
「愛してる、僕のお嫁さんになって」
「こ、断る」
「なんで」
「なんでって……」
そりゃあ男同士だし、無理矢理レイプして中出ししてくるクソ野郎だし。
それにあの悔しくて寝れなかった黒歴史の当事者だし。あと、ええっと、その。
「ねえ、お願い。僕はもうあなた無しては生きていけない」
「う……」
そういうこというなよ。情に訴えかけるというか、なんというか。
こういうの実は弱いんだよな、俺。キラキラというかウルウルした目で見つめられちまうと。
困り果てて視線をさ迷わせる俺に、サビオは更に迫ってくる。
「あなたのこと、一生大切にしますから!」
大切に、ねえ。
その割にはこんなことして、最悪な彼氏じゃねえの。
いまだにイかされ過ぎて指一本動かすのもだるい身体にため息をつく。
「もう黙れよ、お前」
「ルヴさん……」
「あとで考えてやるから、それ」
「!」
しょぼくれていたアイツの顔がいつもの満面の笑みに戻った。
ったく、我ながらチョロいというか情けない。でも今は本当に無理だ。
少しでも眠って体力回復しなきゃ……って。
「んん゙っ!?」
急にぐるぐると音がなり始めた腹。
込み上げるモノに慌てて起き上がりベッドから飛び降りた。
「どうしました、ルヴさん」
「と、トイレ!!」
「へ?」
「トイレ行くって言ってんだこの金髪クソ豚野郎!!!!」
大量に出された精液が噴出しそう。というか漏らしたらもうトラウマの黒歴史製造しちまう。
ケツと腹を押さえながら、俺は慌ててトイレに駆け込んだ。
――そこでイヤと言うほど思い知らされる。
豚が射精する時、そう簡単に排出しないよう (つまり確実にメスを妊娠させるため) 濃度の強いやつで栓をするということに。
「あ゙い゙つ……ッ、や゙っぱり゙殺じでや゙る゙ぅぅぅッ!!!!」
俺の叫びがトイレの個室にひびいた。
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初めまして。イケメンの金髪豚野郎、大笑いでしたw3匹の子ブタの童話にこんな後日談があったとは😀狼ルヴさんの弱点が尻尾なのもツボでした。面白くて笑わせていただきました😆