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番外編 ライオネル視点(本編)
誰が触れていいと言った?
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俺は左大臣と共に、フェシャティナフィアの監獄送りになった。
離小島の監獄で、重罪人用の監獄だ。
「この裏切り者ー!!
お前のせいで、まろはこのような目にあったでおじゃる!!!」
元左大臣、マロマロ卿が今日も雄叫びをあげている。
うるさいことこの上ないが、俺は受けた恩の分は働いた。
今更なんの義理もない。
大体、好きな女性をモノにするために取った手段そのものが問題があるのに、そこには目もくれない。
「うぅ・・・ライカ姫ー!!
まろは会いたいでおじゃるー!!
こんな・・・こんな扱いは、何のためでおじゃるか!?
焦らしているにしては、辛いばかりでおじゃる!」
と、言っている。
振られたとも思ってないとは、見上げた根性だ。
なるべく関わらないようにする。
俺の刑期は3ヶ月と言われた。
ティモシー王子が手を回して、大幅に刑期短縮を王に進言したと聞いている。
ありがたいことだ。
終わったらこの国を出て故国に戻ろう。
ケルフェネスが皇太子になって、落ち着いたはずだ。
向こうでなら、彼女に会わなくてすむ。
・・・もう俺には管理者としての力はない。
離れた場所から、彼女を見ることはできなくなった。
その代わりレモニーが頻繁に面会にやってくるが、会わないようにしている。
せっかく名誉を回復したのだ。
わざわざ、共謀を疑われるような真似はしないでほしい。
そのうち、10日後にプレイヤーライカとティモシー王子の結婚式が行われると聞いた。
つまり、もうすぐレモニーパートが始まるわけだ。
彼女はレモニーパートのヒロインだから、これから出会う男たちは、皆彼女に恋するはずだ。
その中から彼女の心が選ぶ相手と、幸せになればいい。
・・・待てよ、ヒロインになるということは・・・。
そう思っていると、いきなり喧嘩が始まった。
ここでの喧嘩は刑期を重くするので、よほどのことがないと避けられているはずなのに。
嫌な予感がして、マロマロ卿の方を見ると、案の定どさくさに紛れて逃げ出そうとしていた。
俺は思わず駆けつけて、喧嘩に巻き込まれる。
もちろん全員のしてやった。
俺も無傷ではないが。
昔から格闘に関しては鍛え抜いてきからな。
それは、昔誰かを守れなかった悔恨の念からきている。
誰かは本当にわからないが。
マロマロ卿を引きずり戻して、椅子に座らせたところに所長のキリが来た。
「点数稼ぎのつもりか?
ライオネル。」
と、言われて首を振る。
あほらしい。
この男が外に出るのは危険だからだ。
こいつは、このゲームのヒロインに執着する傾向がある。
いくらヒロインによって、男たちが軒並み魅了されるとはいえ、よりによってレモニーに恋着されてはかなわない。
こいつとレモニーがどうにかなるとは思わないが、何をするか分からん男だからな。
彼女にも手紙を書こう。
決してくるなと。
俺は喧嘩に参加した罪で、10日ほど地下の牢屋にぶち込まれた。
ようやく一般房に戻れた日は、ちょうどティモシー王子とプレイヤーライカの結婚式の日。
国中が結婚式に注目しているはずだ。
そんな日なのに、看守からレモニーが面会に来ているという話を聞いた。
・・・なぜきた!?
面会室に来るには、あの男の入っている牢屋の前を通る必要がある。
ヒロインになったレモニーが、あいつに会うのは危険だ・・・!!
俺は大慌てで、面会室に飛び込んだ。
「何故来たんですか!?
来てはいけません!!」
俺は面会室のガラスの向こうに座る、レモニーを見つけるや否や叫んだ。
「そ、そんなこと言わないで。
あなたに会いたかっ・・・。」
「危険だから来るなと手紙を出しました!
すぐにお帰りください!!
読んでいないのですか!?」
「手紙なんて、知りません。
いつそんな・・・。」
彼女と話が噛み合わない。
おかしい、手紙は地下牢にぶち込まれる前に出したはずなのに・・・!
その時レモニーの後ろに立つメイドのシャーリーンが、面会室に音もなく入ってきた囚人たちに捕らわれるのが見えた。
こいつらどうやって出た!?
「レモニー様!!
お逃げください!!」
と、シャーリーンが叫び声をあげる。
ハッとなって面会室の扉を見ると、マロマロ卿がレモニーに向かって突進するのが見えた。
「レモニー。
捕まえたでおじゃるー。」
元左大臣が、レモニーを羽交い締めにして連れていこうとする。
「きゃーーーー!!!」
「レモニー様!!」
全身が一瞬でカッと熱くなる。
よくも俺の目の前で彼女に触れやがったな!!
離小島の監獄で、重罪人用の監獄だ。
「この裏切り者ー!!
お前のせいで、まろはこのような目にあったでおじゃる!!!」
元左大臣、マロマロ卿が今日も雄叫びをあげている。
うるさいことこの上ないが、俺は受けた恩の分は働いた。
今更なんの義理もない。
大体、好きな女性をモノにするために取った手段そのものが問題があるのに、そこには目もくれない。
「うぅ・・・ライカ姫ー!!
まろは会いたいでおじゃるー!!
こんな・・・こんな扱いは、何のためでおじゃるか!?
焦らしているにしては、辛いばかりでおじゃる!」
と、言っている。
振られたとも思ってないとは、見上げた根性だ。
なるべく関わらないようにする。
俺の刑期は3ヶ月と言われた。
ティモシー王子が手を回して、大幅に刑期短縮を王に進言したと聞いている。
ありがたいことだ。
終わったらこの国を出て故国に戻ろう。
ケルフェネスが皇太子になって、落ち着いたはずだ。
向こうでなら、彼女に会わなくてすむ。
・・・もう俺には管理者としての力はない。
離れた場所から、彼女を見ることはできなくなった。
その代わりレモニーが頻繁に面会にやってくるが、会わないようにしている。
せっかく名誉を回復したのだ。
わざわざ、共謀を疑われるような真似はしないでほしい。
そのうち、10日後にプレイヤーライカとティモシー王子の結婚式が行われると聞いた。
つまり、もうすぐレモニーパートが始まるわけだ。
彼女はレモニーパートのヒロインだから、これから出会う男たちは、皆彼女に恋するはずだ。
その中から彼女の心が選ぶ相手と、幸せになればいい。
・・・待てよ、ヒロインになるということは・・・。
そう思っていると、いきなり喧嘩が始まった。
ここでの喧嘩は刑期を重くするので、よほどのことがないと避けられているはずなのに。
嫌な予感がして、マロマロ卿の方を見ると、案の定どさくさに紛れて逃げ出そうとしていた。
俺は思わず駆けつけて、喧嘩に巻き込まれる。
もちろん全員のしてやった。
俺も無傷ではないが。
昔から格闘に関しては鍛え抜いてきからな。
それは、昔誰かを守れなかった悔恨の念からきている。
誰かは本当にわからないが。
マロマロ卿を引きずり戻して、椅子に座らせたところに所長のキリが来た。
「点数稼ぎのつもりか?
ライオネル。」
と、言われて首を振る。
あほらしい。
この男が外に出るのは危険だからだ。
こいつは、このゲームのヒロインに執着する傾向がある。
いくらヒロインによって、男たちが軒並み魅了されるとはいえ、よりによってレモニーに恋着されてはかなわない。
こいつとレモニーがどうにかなるとは思わないが、何をするか分からん男だからな。
彼女にも手紙を書こう。
決してくるなと。
俺は喧嘩に参加した罪で、10日ほど地下の牢屋にぶち込まれた。
ようやく一般房に戻れた日は、ちょうどティモシー王子とプレイヤーライカの結婚式の日。
国中が結婚式に注目しているはずだ。
そんな日なのに、看守からレモニーが面会に来ているという話を聞いた。
・・・なぜきた!?
面会室に来るには、あの男の入っている牢屋の前を通る必要がある。
ヒロインになったレモニーが、あいつに会うのは危険だ・・・!!
俺は大慌てで、面会室に飛び込んだ。
「何故来たんですか!?
来てはいけません!!」
俺は面会室のガラスの向こうに座る、レモニーを見つけるや否や叫んだ。
「そ、そんなこと言わないで。
あなたに会いたかっ・・・。」
「危険だから来るなと手紙を出しました!
すぐにお帰りください!!
読んでいないのですか!?」
「手紙なんて、知りません。
いつそんな・・・。」
彼女と話が噛み合わない。
おかしい、手紙は地下牢にぶち込まれる前に出したはずなのに・・・!
その時レモニーの後ろに立つメイドのシャーリーンが、面会室に音もなく入ってきた囚人たちに捕らわれるのが見えた。
こいつらどうやって出た!?
「レモニー様!!
お逃げください!!」
と、シャーリーンが叫び声をあげる。
ハッとなって面会室の扉を見ると、マロマロ卿がレモニーに向かって突進するのが見えた。
「レモニー。
捕まえたでおじゃるー。」
元左大臣が、レモニーを羽交い締めにして連れていこうとする。
「きゃーーーー!!!」
「レモニー様!!」
全身が一瞬でカッと熱くなる。
よくも俺の目の前で彼女に触れやがったな!!
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