(R18) Lisztomania ~ アル中の女軍人が男とセックスしまくる純愛物語

Purified Water

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(1) 2080年夏、東京

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「あなたに、今恋人がいないわけがないでしょう。」

唇の端を上げ、皮肉な笑顔を浮かべてミロは言った。それはまったくその通りだったので、忍は、ミロの目を見ながら右手の人差し指で彼女の唇に触れた。ミロの表情は、途端に泣きそうになった。だから、忍はミロに口づけをした。ミロは、目を閉じなかった。忍はそのままミロを抱きしめた。ミロは泣いていた。

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ミロから連絡があったのは、8月のお盆を前にした暑い日のだった。忍は、本部に何日か泊まり続けて仕事をした後、深夜にようやく帰宅しようとしていた。路駐していたSUVに乗り込み、イグニッションをオンにしようとしていると、携帯が鳴った。

「私。誰かわかる?」

蒸し暑い8月の夕刻、新宿西口のロータリーで忍はミロを待っていた。タバコに火を付けて深く吸い込む。忍は、初めてミロと出会った日のことを思い出していた。ミロは、赤いランドセルを背負って京王線改札口付近で立ち尽くしていた。午後の熱気と、エアコンの冷気が混ざり合う場所で、忍は10年前に戻ったような錯覚に陥っていた。

「忍!」
という懐かしい声に我に返る。
轟音をあげてロータリーに到着したピックアップトラックの扉が開いたとたん、ミロは車内から弾丸のように飛び出して来た。あやうく転がり落ちるところだったミロを、忍は間一髪で抱き留めた。胸の中で笑い声が聞こえたので、驚いたが、彼女はひきつけを起こすようにして泣いていた。別れた時と同じように子どものように泣き続けるミロは、しかしもう大人の女性の大きさだ。忍の恋人の道子よりもかなり背が高く、ほとんどの男と並ぶと同じ高さになってしまうほど背が伸びていた。顔を見るために胸からそっと引き離すと、涙でぐちゃぐちゃになっている。どちらからともなく顔を近づけて、まるで最初からそうなるのが当然であったかのように自然に、深く長い口づけを交わすことになった。
ミロは、「ホーム」からほぼ24時間ぶっ続けでピックアップトラックを運転して、都内までたどり着いた。何よりもシャワーを浴びて休みたいだろう、と忍は考え、そのままホテルまで連れて行った。
ホテル内のレストランで簡単な食事をする。二部屋とっていたが、ミロは当然のように同じ部屋に泊まると言い張るので、広いダブルの部屋に変更させた。部屋に入ると、ミロは忍の目の前であっという間に服を脱いで、そのままシャワーに直行した。
やがてガウンだけを身にまとい、濡れた髪の毛を拭きながらミロが出てきた。大人の女の身体を持て余す子どものような仕草だった。

シャワーから出てくる忍を、ミロはベッドの上で体を起こして待っていた。隣に腰掛け、抱き寄せて口づけをする。唇から頬、首筋へと口を移動させ、それに従って完全にガウンを脱がせてしまうと、思ったよりはるかに大きくて形の整った胸がゆったりと揺れた。欲望の赴くままに、乳首を口に含んでやるとミロの瞳が緋色に変わり、顔には成熟した女の表情が浮かぶ。瞳の色が変わったのはこれまでに見たことがない。口づけをしながら首筋や乳房を丁寧に愛撫していくと、ミロはすぐに反応を示した。初めてではないかもしれない、と忍は感じた。
愛撫を少しずつ下半身に進めていっても、ミロはまったく拒まなかった。太ももの間に手を入れると、彼女はわずかに腰を浮かせて脚から力を抜き、自然に開脚するままにまかせた。
亀裂に薬指と中指を這わせると、内部から潤みがあふれ出てくるのがわかる。ミロは深呼吸をして忍の首にしがみついた。ヒダの内部を中指と薬指でゆっくりとかき混ぜる。突起が指先に触れると、ミロは小さな声を上げた。内部は嬉しくなるほどよく濡れていて、忍はその暖かな感覚と、指がたてる湿った音、そしてミロの顔をしばらく楽しんだ。やがて、ミロが長い腕を忍の首に回して抱きついた。
「どうしたい?」
と尋ねると、目を伏せ小さな声でただ
「お願い」
と答えた。忍は口づけをしながら、まずゆっくりと薬指だけを沈め始めた。内部はとても狭くすぐに締め付けてくる。ミロの呼吸が浅く速くなる。続けてすぐに中指と薬指を半分まで入れて様子を見る。「あっ」という小さな声を上げたが、それが歓喜であることはさらに体液があふれ出てきたことで確認できた。二本の指を奥まで挿入する前に抜き取ると、あからさまに残念そうな顔をして忍を見上げた。
脚をもっと広げようとしても、ミロは抵抗しなかった。普通の環境で育っていない娘にとって、羞恥心は別の場所にある。そのまま右足を持ち上げて、性器が丸見えになるようにする。ミロの銀髪の髪の毛と同じ色の陰毛が、忍が想像したよりもたくさん茂っている。外から見ただけでも十分に濡れているのがわかる。指でそっとめくると、内部はすっかり潤って準備ができており何をしてもよい状態になっている。しかし、彼女の顔の表情だけでは、このような行為が初めてなのかそうでないのかを判断するのは難しかった。
右足を折り曲げて膝の関節に手をあて押し開く。次にミロの左足をつかんで、さらに開脚させると、ぬめりの音がした。さすがにこの格好には羞恥を感じるらしく、彼女は恥ずかしそうに両手で顔を覆った。潤いがさらに増して指で触れただけで、猫がミルクを飲むような音を立てている。内部は薄いピンク色で、美しい女性器だった。先ほどの指による刺激で、もっとも敏感な部分は既に大きく膨らんでいた。その突起をそっと舌で一舐めする。ミロはたちまち全身を痙攣させて喘ぎ、快楽を伝えた。薄い色だった乳首は色味を増して完全に立ち上がっている。これを見て忍はすぐに、ミロが処女ではないことを悟った。濡れた内部の美しい突起は水を吸った豆のようにさらにぷっくりと膨らみ、存在感を主張していた。何度かそこを舌先で転がしてやると、ミロが幼かった頃の声とはまったく違う歓喜の声を上げた。舌を使いながら乳首を指でそっとひねると、彼女は自らさらに大きく足を開いた。もう入れて欲しい、と目で必死に訴えている。

「俺が最初にこれを教えたかったな」
と忍は言いながら、完全に準備のできた場所にあてがい体重をかけた。ミロはその質量に驚き、それまでのどうしようもない快楽の表情は、一瞬にして恐怖と驚愕に変わった。その表情の変化は、忍をひどく満足させた。かまわずに、まず先端を静かに押し込めると、彼女の顔がたちまち喜びと悦楽に戻っていく。小さなうめき声。それを見届けて、さらに進めるとミロは、忍の首に腕を回して上半身を押し付ける。深いため息がミロの唇から漏れる。半ばまで入れると、喉の奥から押し殺した喜びの声があふれ出る。そのまま四分の三まで進めると、ミロは制御することができずに何度か身体を痙攣させ、性器を強く締め付けて達した。
忍は、いろいろなことを思い浮かべながら持ちこたえたが、それはかつてないほど難しかった。ミロの表情は次から次へと変わる。その表情を見ているだけで、射精しそうになる。
ミロが達したのを見届けて、さらに奥まで進め自分のものを完全にミロの中に収めた。ミロが深いため息をつきながら小さな声で何かをささやいた。
うまく聞こえなかったので聞き返す。
「アレを付けないでやるのは初めて」
とミロが耳元でささやいた。一瞬、何のことかわからなかったがすぐに理解する。激しい嫉妬と征服感が絡み合った感情がこみ上げる。すぐにミロが言う。
「トオルは、付けないでやりたがった。でも藤永博士から、絶対にダメだと教わったから。こんなに気持ちがいいと思わなかった」
ミロの目からは涙が溢れているが恐らく彼女自身は気づかずにそう言う。
忍は、これまでに感じたことのない感情に突き動かされながら、ミロを抱きしめる。ミロは長い脚を忍の腰にからめ、動きを要求するがそれは本能的なものだ。忍は、自制を取り戻しつつ、ゆっくりと腰を使い始める。それに逆比例して、ミロは、忍によって与えられる性の喜びに自分を失い始めていた。快楽に素直に反応して喜びの声を上げる。何度か動かして様子を見ると、ほどなくスイートスポットが見つかった。淡い茶色の瞳が緋色に変わる。ミロの口からさらに深い喘ぎ声が断続的に漏れ、結合部分がたてる音がそれに混ざる。忍は途中で何度かわざと動きを止めた。すると、彼女はすぐに狂おしい声を上げて
「やめないで、お願いやめないで」
と哀願を繰り返す。ミロの悦びは完全に忍のコントロール下に置かれ、そのことに忍は満足した。やがて、腰から脳髄に駆け上がるような快感が断続的になり、忍の息遣いも荒くなり始める。それと同時に、ミロの悦びがさらに深まっていることもわかっていた。忍は、他の女を抱くときのように、達するまでに何度か体位を変えようと思っていたが、それはもう無理であることがわかった。自我が一つに溶け合うような喜びを感じながら、忍とミロは深い口づけを交わし、忍は、ミロの体内の奥で長く深く射精した。二人は同時に絶頂に達した。それは長く続いた。

ミロは処女ではなかったが、その身体はまだほとんど開発されておらず、教え込んで楽しむ余地が十分にあることを、忍はすぐに理解した。けだるい余韻の中で、ベッドにうつぶせになったまま、
「あなたとこれをとてもしたかったの」
と、ミロは忍の耳元で呟いた。
その夜、忍はミロの知らなかった形や方法、やり方をいくつか、教え込んだ。この9歳年下の新しい恋人はそれによく応えた。その過程を忍は存分に楽しみ、満足した。忍は何度も彼女の中で射精し、二人とも、夜が明けるまで一晩中かけて楽しんだ。
午前中いっぱいを眠って過ごし、昼頃に起きてシャワーを浴びた。シャワーを浴びる直前にまた愛を交わし、シャワーを浴びた後にもお互いの身体を諦めることができず、もう一度シャワーを浴びることになった。ようやく服を着た後にも、忍は再びミロを犯さずにはいられなかった。忍の身体の下で、彼女は再度、何度も何度も歓喜の声を上げ続けた。
ここまで溺れたのは、陽を抱いて以来だ、と忍は思ったが口には出さなかった。しかしミロは忍の心を読んだ。
「陽は私にとっても特別な人だったのよ」
とつぶやいて、忍に口づけをした。
「興奮すると、瞳の色が変わるんだな」
と言うと、ミロは首を少し傾げ
「知らなかった」
と返事をした。絶頂に達するまでに、何度か色を変えるミロの瞳の変化を、その男も見たのだろうか、と思わず考える。その心の動きを読むかのように、ミロの、今は薄い茶色の瞳が忍の顔を覗き込んで微笑み、言った
「トオルは、私の瞳のことは何も言わなかった」
午後3時ごろ、ようやく外出して二人で遅い昼食をとることにした。

夏の新宿の午後は、牛が昼寝をしているような空気が漂っている。ホテルで食事をとるのは嫌だったので、忍は外に出ることにした。
ミロは何も言わずに、忍の後について行った。ミロは、そっと忍の顔を見た。忍は、身長が190cm近くある。本部に泊まることが多く酒の付き合いも多いが、トレーニングを欠かさない。どこへ行っても周囲の目を惹いた。ミロは、再びぼんやりと前を見ながら、なぜ自分は忍のところに戻って来たのだろうと思う。今ごろは、真夏でも涼しい北海道の「ホーム」で満たされた生活をしていたはずだった。

新宿西口のホテルから、東口までのかなり長い距離を忍とミロは言葉を交わすことなく歩き続けた。ミロにとって、忍はいつも最後の命綱だ。忍がミロを見ると、ミロは泣いている。泣いていることにすら、ミロは気づいていないかもしれない。忍は、ミロの手を握った。ミロは忍を見て、まるで初めて出会った男に手を握られたような顔をした。忍は、幼かったミロがこのように成長していることに内心驚いていた。「ホーム」を着の身着のまま飛び出して来たというミロは、灰色のボロボロのカットシャツとカーゴパンツを履いているだけだ。まるで浮浪者のような恰好をしている。しかし、彼女の顔に気づいた者は、必ずといっていいほど振り返って彼女を凝視していく。
「私服を買う必要があるよな?」
と忍はミロに言ったが、ミロはまるで聞こえなかったかのように何も反応しない。
新宿御苑の近くにあるアウトドアのカフェで、忍はパストラミビーフのサンドイッチとアイスティーを注文した。ミロは何も食べたくないと言う。忍は、ミロのためにキュウリと卵のサンドイッチを取る。
「白ワインも」
と、ミロが言った。すぐに運ばれてきた1杯目の冷たい白ワインのグラスを、ミロはあっという間に飲み干した。

「あなたの今の恋人の名前は何というの」
とミロが2杯目のワイングラスを口に運びながら何気なく尋ねた。その勘の良さに、忍は感心する。
「村瀬道子」
と、忍は、名を言ってもミロにはわからない人物の名をそのまま言う。
「なるべく、その人とは一緒にならないようにする」
ミロが目を上げて低い声で続けた。
「私は、小さい頃から忍とずっと一緒にいたんだよ。忍に今、恋人がいないわけがない」
唇の端を上げ、皮肉な笑顔を浮かべてミロは言った。それはまったくその通りだったので、忍は、黙ってテーブル越しに彼女にキスをした。ミロは、キスをするときに目を閉じないことがある。何人かの周囲の客が、二人を見た。
忍は、サンドイッチを食べ終わりアイスティーを飲んだ。ミロは、食べ物にはほとんど手をつけず、白ワインを飲んでいる。
「もう1杯欲しいなら、サンドイッチを食べることだな」
と忍は言い、手を挙げてウェイトレスを呼ぼうとした。ミロは
「もう何もいらない」
と言って、サンドイッチを一つつまんで口に入れた。
忍は注文をするかわりに勘定書きを頼み、それにサインしながら言った。
「道子のことは、いずれ終わらせる」
ミロはじっと忍を見つめた。
「いつか、陽みたいに大人の女の人になって忍としてみたかったの。最初はトオルが教えてくれた。忍もトオルと同じでいろんな人とやってるんだね」
その率直な言い方に、忍は思わず笑いだしたがミロは真剣そのものだった。
「私が、忍とした後に、忍は他の女の人ともああいうことをするんだ、って考えると、あまり嬉しい気持ちでなくなってる。こんな気持ちになるとは思わなかった。トオルのときとは違う。だから道子という人の近くには行かないようにするの」

忍が立ち上がると、ミロも立ち上がった。二人とも身長がかなり高いのでそれだけで、周囲の人々が思わず彼らを見上げる。さらに忍とミロの容姿に気づくと、そのままジロジロと見られることになる。忍はそれが嫌で、すぐに店を出た。
二人で歩きだしながら、忍はミロの肩を抱き寄せて、耳元でささやいた。
「この先、何があってもお前だけだ。信じろ」
二人はそのまま肩を寄せながら歩き続ける。ミロは前を見たまま視線を落とす。忍は、彼女がまた泣いているのに気づくと立ち止まってミロを抱きすくめた。
「陽よりも、他のどの女よりも誰よりも。お前だけだ」
ともう一度繰り返した。ミロは、肉体だけが成長している。この娘の感情をどう育てていくのか。別れたときの11歳から、ミロが感情的な成長をほとんど遂げていないことに、忍は気づいていた。トオルという男は、恐らくそこには何の興味も抱かなかったのだろう。家族の愛情をまったく知らないまま成長したミロにとって、忍は父であり兄であり人間として無条件の愛情を注いでくれるただ一人の人物だった。異常に高い知能をもちながら、感情的には白痴に近い状態だったミロを実質的に育ててきたのは忍だった。
藤永ロイド博士の死後、現在ミロの調整を行っているのは大倉研究所であると聞いていたが、忍は大倉博士と会ったことがない。大倉という人物と話をする必要がある、と忍は思った。
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