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柏原邸の下見へ②
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「花緒ちゃん、実家は松崎町だったよね?」
「はい。あ、でも、実は今友達とルームシェアしていて……」
さすがに彼氏と住んでいますとは言いにくい。さらっと彼女の家に行くと言えた島本さんが羨ましい。
「ふーん、そうなんだ……。じゃあ、行き先を自分で運転手さんに言って?」
「はい……」
タクシーに乗り、私は高野のマンション近くのコンビニで降ろしてもらうつもりで行き先を告げた。
ところがタクシーの振動が心地好く、思っていたより飲んだせいか、私はウトウトと寝てしまったのだ。
「花緒ちゃん、着いたよ。花緒ちゃーん?」
「……んー……ハッ! す、すみません、私寝ちゃって……」
「遠足の後に飲みに行ったようなものだから仕方ないよ。疲れただろう。それにもう遅いし。明日は休みだからゆっくり寝て疲れを取って」
「はい……ありがとうございます」
「うん、じゃあお疲れ様」
「お疲れさまでした。失礼します」
タクシーを降りて、副社長を見送ってから自分が高野のマンションの前にいることに気づく。
あれ、私、コンビニの場所を運転手さんに伝えただけなのに、どうしてここにいるのだろう?
酔っぱらって寝ている間に、ここの住所を言ったのかしら……?
不思議に思ったけれど、それしか理由が思い当たらなかったので、きっと自分でマンションの名前を言ってしまったのだろうと思った。
部屋に入り、スマホを取り出すと、高野からメッセージが来ていることに気づく。
『悪い、やっぱり帰れなかった』
本当なら今日は休前日で、久しぶりに高野と会えるはずだった。
そうか、仕方ないよね……と思いつつも、会えないことを寂しく思う。
高野に聞いてもらいたい話がいっぱいあった。なによりぎゅーっと抱きしめてもらって、高野を肌で感じたかった。
サイレントモードにしているスマホが明るくなり、またメッセージの通知が入る。
『花緒が不足してる』
私も、会いたい……。そう思っていると、電話を受信していることに気づいた。
「花緒? 今マンションか?」
「う、うん。今帰ったところ。びっくりした。突然受信したから」
「すぐに既読になったから、どうせなら声を聴きたいと思って」
「……うん。嬉しい」
「今帰ったのか? 随分遅くまで仕事をしてたんだな」
リビングの壁掛け時計を見てみると、時刻は22時45分。仕事で遅くなったにしては遅すぎる時間だ。
「あ、ううん。今日は現場の下見に行って、その後みんなでご飯を食べて帰ってきたの」
「みんな?」
「はい。あ、でも、実は今友達とルームシェアしていて……」
さすがに彼氏と住んでいますとは言いにくい。さらっと彼女の家に行くと言えた島本さんが羨ましい。
「ふーん、そうなんだ……。じゃあ、行き先を自分で運転手さんに言って?」
「はい……」
タクシーに乗り、私は高野のマンション近くのコンビニで降ろしてもらうつもりで行き先を告げた。
ところがタクシーの振動が心地好く、思っていたより飲んだせいか、私はウトウトと寝てしまったのだ。
「花緒ちゃん、着いたよ。花緒ちゃーん?」
「……んー……ハッ! す、すみません、私寝ちゃって……」
「遠足の後に飲みに行ったようなものだから仕方ないよ。疲れただろう。それにもう遅いし。明日は休みだからゆっくり寝て疲れを取って」
「はい……ありがとうございます」
「うん、じゃあお疲れ様」
「お疲れさまでした。失礼します」
タクシーを降りて、副社長を見送ってから自分が高野のマンションの前にいることに気づく。
あれ、私、コンビニの場所を運転手さんに伝えただけなのに、どうしてここにいるのだろう?
酔っぱらって寝ている間に、ここの住所を言ったのかしら……?
不思議に思ったけれど、それしか理由が思い当たらなかったので、きっと自分でマンションの名前を言ってしまったのだろうと思った。
部屋に入り、スマホを取り出すと、高野からメッセージが来ていることに気づく。
『悪い、やっぱり帰れなかった』
本当なら今日は休前日で、久しぶりに高野と会えるはずだった。
そうか、仕方ないよね……と思いつつも、会えないことを寂しく思う。
高野に聞いてもらいたい話がいっぱいあった。なによりぎゅーっと抱きしめてもらって、高野を肌で感じたかった。
サイレントモードにしているスマホが明るくなり、またメッセージの通知が入る。
『花緒が不足してる』
私も、会いたい……。そう思っていると、電話を受信していることに気づいた。
「花緒? 今マンションか?」
「う、うん。今帰ったところ。びっくりした。突然受信したから」
「すぐに既読になったから、どうせなら声を聴きたいと思って」
「……うん。嬉しい」
「今帰ったのか? 随分遅くまで仕事をしてたんだな」
リビングの壁掛け時計を見てみると、時刻は22時45分。仕事で遅くなったにしては遅すぎる時間だ。
「あ、ううん。今日は現場の下見に行って、その後みんなでご飯を食べて帰ってきたの」
「みんな?」
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