塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける

吉岡ミホ

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家族でUSパーク!

家族でUSパーク!①

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 9月最後の週末、約束通り汐宮先生が、双子をUSパークに連れて行ってくれた。

 USパークに行けるとわかった時の双子の喜びようったら……! 
 いつもなら時間のかかる宿題を一気に仕上げて、ずっとパークの話をしていた。

 しかも、汐宮先生は両親まで一緒に連れ出してくれた。
 父が倒れてから家族全員で遊びに行くのは初めてのことだった。
 やろうと思えば出来たことかもしれない。
 でも私も母も、そこまで心の余裕がなかったのだ。



「ゴーカートだ!」
「ゴーカートだ!」

 双子が急な坂道を走りながら下りていった。
 お目当てのキャラクターゴーカートを見つけてしまったからだ。

「司馬! 生馬! 走っちゃダメよ! 転ぶでしょう~」

「俺がいく」

 あっという間に坂を駆け下りていった双子を、汐宮先生が追いかけてくれた。

 はしゃぐ双子の面倒を当たり前のようにみてくれる汐宮先生には感謝しかない。

 父にはエントランスで車椅子を借り、広いパーク内を無理なく回れるようにしてくれた。

「叶恋、私はお父さんの車椅子を押しながら二人でゆっくり回るわ。
ここの街並みを歩けるだけでも楽しいから! 
双子のことお願いしていい?」

「ああ、お父さんと一緒だと双子が思いっきり遊べないだろう」

「そんなこと言ってー。
二人っきりでデート気分を味わおうって魂胆ね」

「あら、お父さんバレてるわ」

「叶恋、たまにはいいだろう? 
父さんたちだってデートしたいんだ」

「ふふふっ、じゃあ二人も楽しんでね!」

 今の父の状態では、動きの活発な双子と一緒に回ることは出来ない。
 自分たちは邪魔にならないようにという両親なりの配慮だろう。

 母は車椅子を押しながらパーク内をゆっくり散歩し、カフェやショップを見て回ると言う。

 でも、二人のこんなに楽しそうな顔を見るのは久しぶりだ。一緒に来られただけでも満足。
 偽装恋人を引き受けただけなのに、こんなに良くしてもらっていいのだろうか。
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