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京香さんと話をする
京香さんと話をする①
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「さあ、何から話しましょうか」
「え」
どうしてこんなことになっているのだろう……。
食事も進み、みんなが和やかな雰囲気で談笑し始めたので、私は席を立ち、レストルームへ向かった。
用を足して、レストルームを出たところで京香さんにばったり出会ったのだ。
いや、ばったり出会ったというのは少し違う。
この様子では、私が席を立った後、つけて来たのだろう。
「ちょっとそこに座ってお話でもしない?」と誘われ、今に至る。
ちょっとお話って……?
宴会場のエスカレーター付近にあるソファセットに座り、ソワソワしながら京香さんの動向を探る。
幸い、このフロアは披露宴に出席するお客さんでごった返していて、私たちが何を喋ろうと気にする人はいないだろう。
でもこんなところで話し込んでいたら、みんな心配しないかしら。
「あ、あの……戻らなくてもいいのでしょうか」
「いいのよ。今人生ゲームが始まったところだから」
「人生ゲーム!?」
それって、あの昔ながらのボードゲーム?
「うちの旦那様の趣味なの」
「趣味!?」
「あの人、人生ゲームで銀行をするのが好きでね、もう家でもしょっちゅうさせられてるのよ。
汐宮の両親も一真も飽き飽き。
でもお客様がいる時は別。
いつもと違うメンバーならそれなりに楽しめるのよ。
双子ちゃんたちやったことないのね。
興味津々だったわよ。
ご両親も何十年ぶりかしらって言ってらしたわ」
そりゃそうだろう。たしか昔はうちにもあった気がする。まだ祖母が生きていた頃だ。
でも双子はきっとボードゲーム自体見たことがないはず。
こんなところまで持ってきているなんて、よっぽど好きなのね、お兄さん。
「人数が多いし、30分位は時間があると思うの。
その間に、叶恋ちゃんとどうしても話がしたかったから」
そう言って、京香さんはにっこり笑った。
ひえっ…………話って、何!?
「何も取って食おうとしているわけじゃないのよ。
でも私たち、話すことがあるわよね?」
「え、えっと……?」
「聞いているんでしょう? 永真と私のこと」
「!!」
やっぱりその話か……。どうしよう!
「何も言わないってことは知ってるのよね?
私と永真がほんの少しの間付き合ってたこと」
「…………はい」
「ふぅ…………そうよね。
どういう風に聞いたのかはわからないけど、それは多分全部事実だと思う。
一度は付き合うと言ったのに、私が心変わりしたの。
それも永真の実の兄に」
「……」
「自分でも酷い女だと思う」
どうやらこの人は、あの酷い話を否定する気はなさそうだ。
「え」
どうしてこんなことになっているのだろう……。
食事も進み、みんなが和やかな雰囲気で談笑し始めたので、私は席を立ち、レストルームへ向かった。
用を足して、レストルームを出たところで京香さんにばったり出会ったのだ。
いや、ばったり出会ったというのは少し違う。
この様子では、私が席を立った後、つけて来たのだろう。
「ちょっとそこに座ってお話でもしない?」と誘われ、今に至る。
ちょっとお話って……?
宴会場のエスカレーター付近にあるソファセットに座り、ソワソワしながら京香さんの動向を探る。
幸い、このフロアは披露宴に出席するお客さんでごった返していて、私たちが何を喋ろうと気にする人はいないだろう。
でもこんなところで話し込んでいたら、みんな心配しないかしら。
「あ、あの……戻らなくてもいいのでしょうか」
「いいのよ。今人生ゲームが始まったところだから」
「人生ゲーム!?」
それって、あの昔ながらのボードゲーム?
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「趣味!?」
「あの人、人生ゲームで銀行をするのが好きでね、もう家でもしょっちゅうさせられてるのよ。
汐宮の両親も一真も飽き飽き。
でもお客様がいる時は別。
いつもと違うメンバーならそれなりに楽しめるのよ。
双子ちゃんたちやったことないのね。
興味津々だったわよ。
ご両親も何十年ぶりかしらって言ってらしたわ」
そりゃそうだろう。たしか昔はうちにもあった気がする。まだ祖母が生きていた頃だ。
でも双子はきっとボードゲーム自体見たことがないはず。
こんなところまで持ってきているなんて、よっぽど好きなのね、お兄さん。
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その間に、叶恋ちゃんとどうしても話がしたかったから」
そう言って、京香さんはにっこり笑った。
ひえっ…………話って、何!?
「何も取って食おうとしているわけじゃないのよ。
でも私たち、話すことがあるわよね?」
「え、えっと……?」
「聞いているんでしょう? 永真と私のこと」
「!!」
やっぱりその話か……。どうしよう!
「何も言わないってことは知ってるのよね?
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「…………はい」
「ふぅ…………そうよね。
どういう風に聞いたのかはわからないけど、それは多分全部事実だと思う。
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「自分でも酷い女だと思う」
どうやらこの人は、あの酷い話を否定する気はなさそうだ。
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