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新魔王ゴクドの攻撃(1)
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「ゴクド様、少々面倒な情報があります」
ここは魔王国の魔王城のとある一室。
真剣な面持ちで魔王ゴクドに進言するのは、四星二席、いや、ゴクドが魔王となった今は四星筆頭となったジスドネアだ。
「なんだ?フレナブルでも見つかったか?」
何の気なしに、失踪した元四星のフレナブルの名前を出したゴクドだが、その言葉が肯定される。
「その通りです。流石はゴクド様。既に掴んでおりましたか。あの女、あろうことか人族領地、ジャロリア王国の【癒しの雫】と言うギルドで冒険者登録をして活動しているようです。中途半端な強さですが、人族にしてみれば有り得ない戦力なのでしょう。Sランク冒険者として大々的に宣伝されていました」
Sランク認定されてしまうと国家最大戦力として十分認められるため、認定を出した各国家で大々的に御触れを出すのが一般的で、フレナブルも例外ではない。
【癒しの雫】での生活が楽しく、クオウ以外が目に入らなかった性格も大きく変貌したのが原因か、すっかり自分達の存在を隠すように動いていた事は忘れ去っているフレナブル。
同じように、【癒しの雫】のために積極的に活動しているクオウやアルフレドと言った存在も、ジャロリア王国では有名になってきている。
当然そこまで大々的な宣伝が行われれば、魔王国にもその情報は容易に届く。
「ハン、それで?まさか連れ戻すなんてことは無いだろう?どう始末する?」
「もちろん勝手に失踪した時点で四星としての立場は失っておりますから、最早仲間でも何でもありません」
以前から仲間意識はなかったため、迷いなく切って捨てる事を即断した二人。
「どうやら随分と人族、ジャロリア王国での生活に馴染んでいるようなので、周辺国家はさておき、あの国家に対しての集中攻撃を行いましょう」
「あそこには【勇者の館】のルーカスがいたな。そう言えば、レゼニアから始末できたとは報告がない……という事は無事なのだろうな」
レゼニアに対応させていたルーカス一行の抹殺については、ゴクドの意図は正確にレゼニアには伝わっておらず、結果、彼らをダンジョンで抹殺できていなかった。
「はい。あのルーカスと言う男の生存は確認できております」
ジスドネアが追認する事で、呆れたように首を振るゴクド。
戦力としては十分だが、頭が弱く思った通りに動かす事ができないレゼニアに呆れていた。
「今の所、フレナブルとルーカスは所属ギルドの仲も悪く、手を組む事はなさそうですが、あの二人に手を組まれると少々厄介になるかもしれません」
人族の最大の脅威は、やはり先代魔王を始末して見せたルーカス。
そこに元四星のフレナブルが加わってしまえば、盤石な体制とは言えなくなると考えたジスドネア。
両者が手を組んでいないこの時に攻め込むべきだと進言しに来たのだ。
「確かにその通りだ。ルーカスとか言うカスも、ここぞと言う時の一撃は先代を始末できる程の一撃だったからな。そこにフレナブルが加わっては、負けないにしても確かに手を焼く事は間違いないだろう。その任、お前に全て任せる」
「ははっ」
その後自室に戻ったジスドネア。
先ずは得られている情報、フレナブルとルーカスが所属しているギルドが敵対、いや、一方的にルーカス側がフレナブル側を敵視しているのだが、両者が協調する事はほぼ無いという事を確認する事にした。
その任には、一応同僚ではあるが、ある意味今回の任務を失敗したと思っているレゼニアに押し付ける事にして、指令を与える。
再び同じような事が無いように、指示を明確にする事を意識しつつ、命令する。
「レゼニア、あのフレナブルが【癒しの雫】にいる事は知っていますね?あの女が【勇者の館】と組むと少々厄介です。先ずは、【勇者の館】を潰しましょう。貴方も四星なのですから、当然できますね?」
「……はい」
【勇者の館】を潰す際に、フレナブルが出てこなければ協調関係に無いと判断できると踏んでいたジスドネア。
彼は既に四星筆頭となっており、自分が格上だと知らしめる目的で話し方も無駄に穏やかに、諭す様になっている。
だがその内容はハッキリ言って、暴論ではある。
ジャロリア王国内に存在するAランクギルドは二つ、【勇者の館】と【癒しの雫】だけだ。
そしてSランカーも各ギルドに一人の計二人だけ。
その国内最高ギルドの片方を潰している最中にもう片方が出てこなければ協調関係に無いと判断できるとは、やはり人族とは意識が大きくかけ離れている。
国王の命令によって協調関係がなくとも助力する場合もあるからだ。
そしてもう一つ。
ジスドネアは、レゼニアに対する指示を明確にしたつもりだったのだが、ここもジスドネアの力不足、レゼニアに対する理解不足が出てしまっている。
ここは魔王国の魔王城のとある一室。
真剣な面持ちで魔王ゴクドに進言するのは、四星二席、いや、ゴクドが魔王となった今は四星筆頭となったジスドネアだ。
「なんだ?フレナブルでも見つかったか?」
何の気なしに、失踪した元四星のフレナブルの名前を出したゴクドだが、その言葉が肯定される。
「その通りです。流石はゴクド様。既に掴んでおりましたか。あの女、あろうことか人族領地、ジャロリア王国の【癒しの雫】と言うギルドで冒険者登録をして活動しているようです。中途半端な強さですが、人族にしてみれば有り得ない戦力なのでしょう。Sランク冒険者として大々的に宣伝されていました」
Sランク認定されてしまうと国家最大戦力として十分認められるため、認定を出した各国家で大々的に御触れを出すのが一般的で、フレナブルも例外ではない。
【癒しの雫】での生活が楽しく、クオウ以外が目に入らなかった性格も大きく変貌したのが原因か、すっかり自分達の存在を隠すように動いていた事は忘れ去っているフレナブル。
同じように、【癒しの雫】のために積極的に活動しているクオウやアルフレドと言った存在も、ジャロリア王国では有名になってきている。
当然そこまで大々的な宣伝が行われれば、魔王国にもその情報は容易に届く。
「ハン、それで?まさか連れ戻すなんてことは無いだろう?どう始末する?」
「もちろん勝手に失踪した時点で四星としての立場は失っておりますから、最早仲間でも何でもありません」
以前から仲間意識はなかったため、迷いなく切って捨てる事を即断した二人。
「どうやら随分と人族、ジャロリア王国での生活に馴染んでいるようなので、周辺国家はさておき、あの国家に対しての集中攻撃を行いましょう」
「あそこには【勇者の館】のルーカスがいたな。そう言えば、レゼニアから始末できたとは報告がない……という事は無事なのだろうな」
レゼニアに対応させていたルーカス一行の抹殺については、ゴクドの意図は正確にレゼニアには伝わっておらず、結果、彼らをダンジョンで抹殺できていなかった。
「はい。あのルーカスと言う男の生存は確認できております」
ジスドネアが追認する事で、呆れたように首を振るゴクド。
戦力としては十分だが、頭が弱く思った通りに動かす事ができないレゼニアに呆れていた。
「今の所、フレナブルとルーカスは所属ギルドの仲も悪く、手を組む事はなさそうですが、あの二人に手を組まれると少々厄介になるかもしれません」
人族の最大の脅威は、やはり先代魔王を始末して見せたルーカス。
そこに元四星のフレナブルが加わってしまえば、盤石な体制とは言えなくなると考えたジスドネア。
両者が手を組んでいないこの時に攻め込むべきだと進言しに来たのだ。
「確かにその通りだ。ルーカスとか言うカスも、ここぞと言う時の一撃は先代を始末できる程の一撃だったからな。そこにフレナブルが加わっては、負けないにしても確かに手を焼く事は間違いないだろう。その任、お前に全て任せる」
「ははっ」
その後自室に戻ったジスドネア。
先ずは得られている情報、フレナブルとルーカスが所属しているギルドが敵対、いや、一方的にルーカス側がフレナブル側を敵視しているのだが、両者が協調する事はほぼ無いという事を確認する事にした。
その任には、一応同僚ではあるが、ある意味今回の任務を失敗したと思っているレゼニアに押し付ける事にして、指令を与える。
再び同じような事が無いように、指示を明確にする事を意識しつつ、命令する。
「レゼニア、あのフレナブルが【癒しの雫】にいる事は知っていますね?あの女が【勇者の館】と組むと少々厄介です。先ずは、【勇者の館】を潰しましょう。貴方も四星なのですから、当然できますね?」
「……はい」
【勇者の館】を潰す際に、フレナブルが出てこなければ協調関係に無いと判断できると踏んでいたジスドネア。
彼は既に四星筆頭となっており、自分が格上だと知らしめる目的で話し方も無駄に穏やかに、諭す様になっている。
だがその内容はハッキリ言って、暴論ではある。
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そしてSランカーも各ギルドに一人の計二人だけ。
その国内最高ギルドの片方を潰している最中にもう片方が出てこなければ協調関係に無いと判断できるとは、やはり人族とは意識が大きくかけ離れている。
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