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領地アルダ
<アルダ>建国へ向けて・・<フラウス王国>との国交樹立
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<フラウス王国>の事情は分かった。
異世界から<シータ王国>に強制召喚された彼は、<シータ王国>にこき使われたが逃げ出し、強大な力を使って<フラウス王国>を立ち上げ現在に至る・・と。
「ジン殿、君に異世界の記憶があることは分かっているが、まさか<シータ王国>に強制的に召喚されたわけではあるまい?このように素晴らしいお父上やご家族がいるのだからな・・」
「はい、その通りでございます。私はつい先日にあるきっかけで前世の記憶を取り戻したのです。もちろん今世の記憶も消えてはおりません」
「そうか、そうすると我が国を起こしてくれた祖先のように強制送還時に得られる強大な力は得られていないか・・。実は、祖先の力である錬金術もこの王国内で発展はしており主要産業となってはいるのだが、ここのところは新しい技術が生まれていないため、なにか風を入れたかったのだ。貴国には巨大な地下迷宮があると聞く。我が国にもあるが、とても小さく、最大でも4階層までしか確認されていない。なので、そこのドロップも大したことはなく・・技術が停滞してしまっているのだよ」
俺は思わず父さんを見てしまった。
父さんも俺を見ていたので同じ名前を思い浮かべているだろう。
「「ガジム」」
いや、しかしいきなり彼と直接交流を持つのは危険では?いろんな意味で・・
そうだ、お土産はまさにリンデム王の期待に添える物になっている。
俺はそっと父さんに指輪を二つ手渡した。
「リンデム王、これは我ら友情の証として貴国に献上したいと考えている物で、我が国の国宝です。先ほどリンデム王の話に合った巨大地下迷宮産出のドロップになります」
そして指輪を二つリンデム王に差し出した。
リンデム王はその指輪を受け取ったとたん、周りの小煩かった重鎮が一斉に彼に群がり、また煩くなった。
ここの王も、父さんと同じく部下などとあまり垣根を作らないタイプの様だ。
「王よ、これは素晴らしいですぞ・・なんとスキルを付与、いやLvアップか?とにかく素晴らしい」
「全くだ、スキルは・・風魔法と・・・土魔法か・・」
「なんだと、俺にも見せろ・・」
「あん?俺が先に決まってんだろ・・」
ギャーギャードタンバダンととても煩いが悪い気がしない人たちだ。
そしてすごいのが、<鑑定眼>を使っているようには見えないが、指輪の効果を言い当てているところだ。
これはやはりガジムと馬が合いそうだ。
この煩い中から少しまともな一人が歩み出て・・・さっきの争いで少し頬に真新しい傷が見えるがそこは放っておくが・・ こう述べた。
「ダン王よ、これほどの国宝をいただき、我ら感謝の念に堪えません。これがあればリンデム王の懸念事項も解消できるきっかけになるかもしれません。是非とも我らの方から同盟を結ばせて頂き、交換留学等一気に親睦を深めてはいかがでしょうか?」
あれ?少しまともかと思ったら。話が飛躍してきたぞ。そもそも同盟はリンデム王が決めるのでは??
とそんな疑問もお構いなしに他の重鎮が
「私も全面的に賛成だ。ただし交換留学に行くのは私だがな・・」
「何を?俺の発案だぞ・・」
「俺も同じことを思っていたぞ・・」
「俺もだ「俺もだ」・・」
ざわざわ・・がやがや・・
もう収取が付かなくなってきた。やはりガジムと同じ匂いだ。
リンデム王も、いつもの事なのか若干呆れ気味に笑いながらこちらに来て、
「申し訳ない、こいつらは錬金術関連の事になると、もうどうしようもなくなるんだ」
わかります!!同じようなのがウチにもいます。 と言いかけたが失礼に当たるかもしれないので、苦笑いで返しておいた。
「いや、しかしダン王、我ら<フラウス王国>が貴国と同盟を組み、交流を深めたいという思いは私も同じなため、前向きに検討していただけないだろうか?」
「リンデム王、願ってもないことです。私は友好は期間ではなく相性が重要であると考えます。貴国とならば素晴らしい同盟となり、互いに切磋琢磨してより高みに行けるでしょう」
とんとん拍子に話が進みすぎている気はするが、良い人たちなので問題ないだろうな。と思ったら、少し父さんが否定的な意見を言い始めた。
「しかし、実は我が<アルダ王国>は先ほど申し上げた通り建国したばかりで、元の、<シータ王国>と揉めているところです。我らが諜報部隊によれば、この一か月以内に<シータ王国>は<アルダ王国>に攻めてくるという情報を得ております。リンデム王よ、我らは決して<シータ王国>には屈しません。そのことが証明できた暁には改めて同盟を結んでいただけませんか?」
やはり父さんは父さんだった。きちんと不利になる要素も説明し、自らの力で解決してから同盟を締結すると宣言したのだ。
それに対してリンデム王が話そうとしたところ、がやがや煩い重鎮、いやもはや「連中」が話し始めた。
「ダン王よ何を言う。そもそも元の貴国をこういうのも申し訳ないが、<シータ王国>は我ら<フラウス王国>の敵国である。ましてやこれから最大の友好国となる<アルダ王国>に牙を向けようとしているのだ。到底許せることではない」
「そうだぞ、それに俺たちは一刻も早く貴国に留学したいのだ」
「俺もだ「俺もだ」・・」
ざわざわ・・がやがや・・
また全く同じパターンだよ。ついにリンデム王も少し声を荒げた。
「お前ら煩いぞ、客人の前という事を忘れるな。そしてダン王。我らを見くびってもらっては困る。そもそも彼らが言う通り<シータ王国>は共通の敵なのだ。貴国がよくても我らとしても参戦しなければ納得できない。よって、今、この場で同盟を組んでは頂けないだろうか」
そしてリンデム王は右手を差し出した。
父さんは俺を含め家族を見回したが、皆一様に頷いていた。
それを確認した父さんは、右手を出しリンデム王と力強く握手するのだった。
正直嬉しいが、少し後ろめたい状態になっている。
というのも、影に潜んでいる護衛については、まだ秘匿したままなのだ。
この短い時間に<フラウス王国>の状態や気概は理解できたと思っているが、こちらの手の内を先に全て公開するのはどうなのだろう?
この辺は、もちろん前世も含めて経験がないので父さんに任せるしかないのだが、今のところ説明する気配はない。
「リンデム王、我ら<アルダ王国>は忠義に熱い者達であふれており、我らも例外ではありません。貴国のありがたい申し出受けさせていただき、共に発展してきましょう」
そういって、王同士の挨拶は終わってしまい、あっという間に調印とその後のパーティーに突入することとなった。
リンデム王曰く、同盟後初の戦闘となる、<シータ王国>との闘いについて話を進める時間が必要になるため、早く正式に同盟を結んで懇親を深めるべき・・とのことだった。
パーティー会場では、<シータ王国>時代にも目にかかることがなかった日本の食事に似た食べ物、例えば鳥のから揚げ?実際には魔獣のから揚げだろうが・・その他にもおにぎりや麺類まで並んでいた。材料がとても気になる所だが、それは良い。
きっと無理やり召喚された人というのは日本人だったのだろう。
前世の記憶がある俺としてはとてもありがたく、是非このレシピや材料を持ち帰って<アルダ王国>でも食卓に並べるようにしたいものだ。
王たちは食事もそうだが、相当お酒が好きらしく、既にヘベレケになっている。
こんな姿をみると、調印までの凛々しい姿を思い浮かべるのは不可能で、単純に自分たちが飲みたいだけで懇親会を急遽開催したのではないだろうか?と疑ってしまう程だ。
かくして、ここにこ後世に長らく伝えられる最強国家同盟が生まれたのだった。
異世界から<シータ王国>に強制召喚された彼は、<シータ王国>にこき使われたが逃げ出し、強大な力を使って<フラウス王国>を立ち上げ現在に至る・・と。
「ジン殿、君に異世界の記憶があることは分かっているが、まさか<シータ王国>に強制的に召喚されたわけではあるまい?このように素晴らしいお父上やご家族がいるのだからな・・」
「はい、その通りでございます。私はつい先日にあるきっかけで前世の記憶を取り戻したのです。もちろん今世の記憶も消えてはおりません」
「そうか、そうすると我が国を起こしてくれた祖先のように強制送還時に得られる強大な力は得られていないか・・。実は、祖先の力である錬金術もこの王国内で発展はしており主要産業となってはいるのだが、ここのところは新しい技術が生まれていないため、なにか風を入れたかったのだ。貴国には巨大な地下迷宮があると聞く。我が国にもあるが、とても小さく、最大でも4階層までしか確認されていない。なので、そこのドロップも大したことはなく・・技術が停滞してしまっているのだよ」
俺は思わず父さんを見てしまった。
父さんも俺を見ていたので同じ名前を思い浮かべているだろう。
「「ガジム」」
いや、しかしいきなり彼と直接交流を持つのは危険では?いろんな意味で・・
そうだ、お土産はまさにリンデム王の期待に添える物になっている。
俺はそっと父さんに指輪を二つ手渡した。
「リンデム王、これは我ら友情の証として貴国に献上したいと考えている物で、我が国の国宝です。先ほどリンデム王の話に合った巨大地下迷宮産出のドロップになります」
そして指輪を二つリンデム王に差し出した。
リンデム王はその指輪を受け取ったとたん、周りの小煩かった重鎮が一斉に彼に群がり、また煩くなった。
ここの王も、父さんと同じく部下などとあまり垣根を作らないタイプの様だ。
「王よ、これは素晴らしいですぞ・・なんとスキルを付与、いやLvアップか?とにかく素晴らしい」
「全くだ、スキルは・・風魔法と・・・土魔法か・・」
「なんだと、俺にも見せろ・・」
「あん?俺が先に決まってんだろ・・」
ギャーギャードタンバダンととても煩いが悪い気がしない人たちだ。
そしてすごいのが、<鑑定眼>を使っているようには見えないが、指輪の効果を言い当てているところだ。
これはやはりガジムと馬が合いそうだ。
この煩い中から少しまともな一人が歩み出て・・・さっきの争いで少し頬に真新しい傷が見えるがそこは放っておくが・・ こう述べた。
「ダン王よ、これほどの国宝をいただき、我ら感謝の念に堪えません。これがあればリンデム王の懸念事項も解消できるきっかけになるかもしれません。是非とも我らの方から同盟を結ばせて頂き、交換留学等一気に親睦を深めてはいかがでしょうか?」
あれ?少しまともかと思ったら。話が飛躍してきたぞ。そもそも同盟はリンデム王が決めるのでは??
とそんな疑問もお構いなしに他の重鎮が
「私も全面的に賛成だ。ただし交換留学に行くのは私だがな・・」
「何を?俺の発案だぞ・・」
「俺も同じことを思っていたぞ・・」
「俺もだ「俺もだ」・・」
ざわざわ・・がやがや・・
もう収取が付かなくなってきた。やはりガジムと同じ匂いだ。
リンデム王も、いつもの事なのか若干呆れ気味に笑いながらこちらに来て、
「申し訳ない、こいつらは錬金術関連の事になると、もうどうしようもなくなるんだ」
わかります!!同じようなのがウチにもいます。 と言いかけたが失礼に当たるかもしれないので、苦笑いで返しておいた。
「いや、しかしダン王、我ら<フラウス王国>が貴国と同盟を組み、交流を深めたいという思いは私も同じなため、前向きに検討していただけないだろうか?」
「リンデム王、願ってもないことです。私は友好は期間ではなく相性が重要であると考えます。貴国とならば素晴らしい同盟となり、互いに切磋琢磨してより高みに行けるでしょう」
とんとん拍子に話が進みすぎている気はするが、良い人たちなので問題ないだろうな。と思ったら、少し父さんが否定的な意見を言い始めた。
「しかし、実は我が<アルダ王国>は先ほど申し上げた通り建国したばかりで、元の、<シータ王国>と揉めているところです。我らが諜報部隊によれば、この一か月以内に<シータ王国>は<アルダ王国>に攻めてくるという情報を得ております。リンデム王よ、我らは決して<シータ王国>には屈しません。そのことが証明できた暁には改めて同盟を結んでいただけませんか?」
やはり父さんは父さんだった。きちんと不利になる要素も説明し、自らの力で解決してから同盟を締結すると宣言したのだ。
それに対してリンデム王が話そうとしたところ、がやがや煩い重鎮、いやもはや「連中」が話し始めた。
「ダン王よ何を言う。そもそも元の貴国をこういうのも申し訳ないが、<シータ王国>は我ら<フラウス王国>の敵国である。ましてやこれから最大の友好国となる<アルダ王国>に牙を向けようとしているのだ。到底許せることではない」
「そうだぞ、それに俺たちは一刻も早く貴国に留学したいのだ」
「俺もだ「俺もだ」・・」
ざわざわ・・がやがや・・
また全く同じパターンだよ。ついにリンデム王も少し声を荒げた。
「お前ら煩いぞ、客人の前という事を忘れるな。そしてダン王。我らを見くびってもらっては困る。そもそも彼らが言う通り<シータ王国>は共通の敵なのだ。貴国がよくても我らとしても参戦しなければ納得できない。よって、今、この場で同盟を組んでは頂けないだろうか」
そしてリンデム王は右手を差し出した。
父さんは俺を含め家族を見回したが、皆一様に頷いていた。
それを確認した父さんは、右手を出しリンデム王と力強く握手するのだった。
正直嬉しいが、少し後ろめたい状態になっている。
というのも、影に潜んでいる護衛については、まだ秘匿したままなのだ。
この短い時間に<フラウス王国>の状態や気概は理解できたと思っているが、こちらの手の内を先に全て公開するのはどうなのだろう?
この辺は、もちろん前世も含めて経験がないので父さんに任せるしかないのだが、今のところ説明する気配はない。
「リンデム王、我ら<アルダ王国>は忠義に熱い者達であふれており、我らも例外ではありません。貴国のありがたい申し出受けさせていただき、共に発展してきましょう」
そういって、王同士の挨拶は終わってしまい、あっという間に調印とその後のパーティーに突入することとなった。
リンデム王曰く、同盟後初の戦闘となる、<シータ王国>との闘いについて話を進める時間が必要になるため、早く正式に同盟を結んで懇親を深めるべき・・とのことだった。
パーティー会場では、<シータ王国>時代にも目にかかることがなかった日本の食事に似た食べ物、例えば鳥のから揚げ?実際には魔獣のから揚げだろうが・・その他にもおにぎりや麺類まで並んでいた。材料がとても気になる所だが、それは良い。
きっと無理やり召喚された人というのは日本人だったのだろう。
前世の記憶がある俺としてはとてもありがたく、是非このレシピや材料を持ち帰って<アルダ王国>でも食卓に並べるようにしたいものだ。
王たちは食事もそうだが、相当お酒が好きらしく、既にヘベレケになっている。
こんな姿をみると、調印までの凛々しい姿を思い浮かべるのは不可能で、単純に自分たちが飲みたいだけで懇親会を急遽開催したのではないだろうか?と疑ってしまう程だ。
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