アース神話

時を経た未来の果て

新世界

しかし、そんな時ある声が聞こえた。というより、頭の中に響く声。
さぁ、小鳥よ、羽ばたきなさい。時は熟されました。さぁ、見て。貴方を待っている者達がいる世界へ。
と、海の中から大きな渦が現れた。光の渦は次第に近づいてきた。自分はもう終わりだと観念したのか逃げようとしない。彼は光の渦に飲み込まれてしまった。
彼は妙な夢を見た。どこかの軍事施設の様な場所で男が指示している。男が着る服のロゴは剣がドラゴンを貫いたロゴだった。雰囲気から中年の男性。だが、不気味な雰囲気も持っていた。男は不気味な笑みを浮かべて去った。男は去り際にこちらを見つめてくる。その目が次第にブルーから赤くなっていったのを見てしまった。
驚き、目を覚ますと広大な緑豊かな土地のど真ん中にいた。また、動物らしき生き物もいたが見たこともない生物ばかりだった。鳥なのにウサギの顔だったり、訳分からない生き物ばかり。
何があったのか彼は思い出してみようとするが思い出そうとしても頭が痛くなるだけで何も思い出せない。自分の名前すら。ただ、なんとなく覚えているのは誰か男性の声だけ。
だが、何を言ってるかは覚えていない。と、向こうの丘から貧しそうな格好した男性が現れた。角が生えた馬の様な生き物を連れてその生物に荷物を乗せてやってきた。
何か話しかけてきたが全く理解出来ない。よく見ると、その男もなんか変だ。耳がとんがっている上肌の色が茶色。すると、また頭痛が酷くなった。頭が割れる様な痛さで気を失った。また、目を覚ますとベッドにいた。目の前に似たような生き物がだがついさっきの男でなかった。
茶色のヒゲを生やしている。ヒゲを生やしている老人は、近づいてきた。
一瞬彼はビクッとするが老人は安心なされよ。村のものが君をクレイフォールの丘付近で見つけてきたんじゃ。見た所、君はここら辺の者じゃないな。初めて見るタイプの生き物じゃ。だが、もしかすると特徴的に言うならアース人ではあるまいな。だとすると、大発見だ。なんて言ったって神話の中のおとぎ話の中に登場するだけだからな。お前さんの名前を聞いてなかったな。名はなんというのかの？と聞いてきた。
彼は、思い出そうとするが自分の名前が分からない。また、軽い頭痛が起きた。と、老人はそうか、どうやら記憶がないんじゃな。では、お主が見つかったのはクレイフォールの丘付近だから、思い出すまではエデンクレイフォールの名を使いなさい。
さて、エデンよ、まずは自己紹介しよう。君を見つけてくれたのはガイウス・マリオンズフィールドだ。後でお礼を言っておきなさい。そして、私はこの村の村長のナサニエル･クレイフォールだ。とりあえず、地理や歴史や魔科学を勉強せねばこの暮らしはできないぞ？後、お主は、アース神話学を学びなさい。きっと何か思い出すはずじゃ。
まずは、ノルランディエル帝国の歴史からじゃ。特に、ノルランディエル帝国で起きたウィリアム王が亡き後の子息を巡る王権争いについては君にとって重要だ。