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昔のままではいられない
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恐怖すら覚えさせる激怒を身体でビリビリと感じて、シュリは一気に目が覚めた。昔はとても優しくて、何をしても甘やかしてくれた男だったので、彼女が受けた衝撃たるや凄まじいものがある。
『それは、い、いやっ!』
シュリはもう無我夢中である。色々思い悩んだ事など頭から吹っ飛んで、ただただ必死で翼を広げる。
飛ばなければいけないけれど、怖い。飛ばなくたって、カイゼルの傍にはいられるんだから良い。そんな子供の頃の甘えは、もう許されない。
今、飛ばなければ、カイゼルが死ぬ。自分が弱かったから、彼を守れなかったことを思い知っている。
彼は自分に多くの事を求めていない。
ただ、飛べと言う。「お前もいつか飛べる」と、カイゼルだけは昔も今も信じてくれていた。
――カイゼルが言うなら。
シュリは翼に力を込めた。
ぐんっと風を手で掴むような感覚がして、落下する一方だった体が止まる。その感覚を覚えた瞬間、シュリは自信を持てた。更に力を込めて翼を動かして、空を舞い上がると、落ちてきた彼の身体を背で受け止める。
彼の体重が背にかかり、少しばかり高度が下がったが、すぐに上空を目指した。
崖の上には、地竜がいる。突如舞い戻って来た飛竜を見て、怒り狂ったように吠えた。地竜は、空に逃げられてしまうと手出しができない。飛び去って行く姿を、虚しく見送るしかないのだ。
そんな地竜を見上げ、カイゼルはシュリに伝えた。
「⋯⋯⋯。シュリ――」
シュリは一気に崖上まで飛び出すと、己を見上げ空しく咆える地竜を見下ろす。カイゼルもまた、彼女の背の上に座し、剣を握り締め、宿敵ともいえる地竜を冷然と見据える。
そして、カイゼルは優しくシュリの身体を撫でた。
「大きくなったな」
カイゼルがシュリを見つけた時、彼女はまだ子供だった。両腕に抱きしめられるくらいの痩せた小さな竜は、親に捨てられたせいで、初めは全く心を開いてくれなかった。でも、本当は寂しがり屋で、可愛がっていたら懐いてくれた。
竜は子供でもあっという間に大きくなる。五年も経つと、シュリはあっという間にカイゼルの背を越すくらいの大きさになったが、やはり同じ年の竜に比べて一回りも二回りも小さかった。
カイゼルはそれでもシュリが可愛くて仕方が無かったし、彼女もいつも擦り寄ってくれた。
一緒に軍に入った後も言葉は交わせなかったが、背に乗れと言いたげな時もあった。その想いは嬉しかったし、ありがたかったのだが、「大きくなったらな」と、はぐらかした。
ただでさえ空を飛べずにいるシュリに、武装した男は重いだろうと思ったのだ。
僅かなことでも、彼女を落ち込ませたくない。
そもそも、飛竜はプライドが高い生き物だった。軍属の竜は一緒に戦ってはくれはしたが、人を乗せるものなどいなかった。だから、飛べないシュリがそんな事をしたら、また仲間内でいじめられかねないと危惧した。
傍にいてくれるだけで十分だと、カイゼルは当時思っていた。
だが、今や祖国が滅亡し、飛竜が住む地を失った。
ならば――もう、昔のままではいられない。
『逃げる気か!』
罵倒するしかない地竜を見据え、シュリは一気に急降下した。カイゼルは何も言わない。竜の言葉は彼には分からないからだ。だが、彼の意図は先ほど十分聞いていた。
誘い出されたと思ったのか、地竜が嘲笑した。鋭い牙が覗き、シュリは怯えた。自分よりも遥かに大きな相手で、怖くて仕方がない。
それでも、無我夢中で牙を剥く。噛みつかれる直前で身を翻し、思いっきり足で鼻先を蹴りつける。噛みつかれたら引きずり倒される恐怖はあったが、今はただカイゼルを信じた。
地竜は飛竜へと全ての注意を向けていた。
だから、その背から小さな人間が飛び降りて、鋭い剣の切っ先を己の首に向けていたことに、気付かなかった。無防備にあいた地竜の急所を、カイゼルは容赦なく突いた。
地竜は短い悲鳴を上げてよろけ、大きく体勢を崩した。崖に身が傾いたが、そのまま立て直すことはできず、巨躯の身体は奈落の底へと落ちて行った。
カイゼルは既に地竜の背から飛びのいて、易々と着地している。硬い皮を破った剣を鞘に納めながら、冷然と呟いた。
「――てめえごときが、シュリに挑めると思うな。俺で十分だ」
溺愛する飛竜を殺そうとした地竜に、一切の情けをかけるはずはなかった。
カイゼルの凄まじい殺気は、シュリが地に降り立って竜から人へと変わった事で消えたが、その眼は今度は違う意味で鋭くなった。
服が全て破けてしまったので、シュリは全裸のままだ。なんとも気まずげに身体を手で隠す彼女の元に歩み寄り、カイゼルは上着を脱ぐと、身体にかけてやった。
「俺に言うことは?」
冷ややかに尋ねられ、シュリはうつむいた。
たくさんあったが、言えない。代わりに涙が出てきて、止まらない。
百回くらい、ごめんなさいと言いたい。
シュリはぼろぼろと大粒の涙を流し嗚咽の声を必死で堪えていたが、カイゼルは一切慰めようとしなかった。
本当は、ものすごく抱きしめたいし、泣かなくていいと言ってやりたい。
昔、まだ小さな竜だった時のように、よしよしと頭を撫でてやりたい。
しょうがねえな、の一言で済ませたくなるほど、竜でも人でもシュリはいじらしくて可愛い。
落ち込んだ様子を見ただけで、怒りなんてどこかに吹っ飛んでしまった。
だが、黙って勝手にいなくなったから、少し反省させなければと心を鬼にする。
シュリが口を開くまでの時間はそう長くはなかったが、カイゼルには実は地獄でしかない。
挙句に、彼女は相変わらず頑固だった。
「⋯⋯ないわ」
「あぁ?」
「なにも⋯⋯ない⋯⋯」
彼への思慕も、醜い嫉妬も、行き場のない番への執着も。
言ったところで、お互い苦しいだけだ。人化の力を手に入れた時、カイゼルと結ばれる身体になれたと喜んだが、とんだ思い違いだった。自分は醜い生き物になっただけだ。
悲しみがこみ上げてきて、シュリはまた竜になった。そんな彼女を見て、カイゼルはなんとも苦々しくなった。
「⋯⋯おい。それは、反則だ」
カイゼルには竜の言葉が分からないから、姿を変えられると会話が出来ない。彼女は一声哀し気に鳴いただけで、うつむいてしまう。
「シュリ。人の姿に戻れ、な? こっちも可愛いが、あっちも可愛いぞ?」
――――俺は何を言っている。これじゃ説得にならねえ。
焦るカイゼルだが、彼女は答える代わりにくるりと背を向けて、とぼとぼと森に向かって歩き出した。
「待てよ! あぁくそ⋯⋯っ」
カイゼルは慌てて後を追った。
彼女がとんでもなく落ち込んでいるのは分かるし、怒ったのは自分だ。でも、また一緒にいると誓ってくれたのに、いつの間にかいなくなって、挙句に地竜に殺されそうになっていた。
――――俺は寿命が縮んだぞ、どうしてくれる。お前と少しでも長く生きていたいのに。
だが。
悔しい事に、揺れる尻尾が、相変わらずどうしようもなく可愛い。
久々に竜の姿を見たが、思った以上に首が太くなっていた。特注した例の特大のリボンは、尻尾につけたほうがいいだろうか。痕がつかないと宥めれば、可愛い物が大好きだった彼女はつけてくれるかもしれない。
理由をつけて彼女に服や髪飾りを選ばせたから、シュリの好みは全て把握済みである。
そして、可愛い竜にはリボンをつける。これは竜の国の新常識だ。
異論は認めない。
ティナ王女ともシュリがいかに愛らしい飛竜かで意気投合したから、生きていたら間違いなく同意するはずだ。
――――いや、そんなことを本気で考えている場合じゃねえ。だめだ、気が散る。
カイゼルは盛大なため息をつき、なんとか邪念を振り払うと、シュリに声をかけた。
「なぁ、シュリ⋯⋯一人で行こうとするな」
「⋯⋯⋯⋯」
「お前は飛竜の中では弱い方かもしれない。でも、お前には俺がいる。俺と一緒に戦えばいい」
「⋯⋯⋯⋯」
「俺はお前の番なんだろう?」
シュリがようやく足を止めてくれたので、カイゼルはほっと胸を撫で下ろす。そのまま彼女の前に回って、顔を見つめ、目を和らげる。
泣き虫な飛竜の瞳から、ぼろぼろと涙が落ちていた。その雫を、カイゼルは竜紋が刻まれた手で優しく拭った。
「これを見て、俺がどれだけ嬉しかったか分かるか? お前が傍にいてくれたから、死ぬ時も怖くはなかった。生まれ変わっても孤独じゃなかった」
王都が陥ち、王女がルーフス軍に囚われたのは百年も昔だ。
騎士だったカイゼルもまた、激しい戦闘の末に、ルーフス兵の手によって殺された。四方を敵兵に囲まれ、多勢に無勢だった。仲間の騎士達も倒れ、飛竜も空から落とされていた。
カイゼルの傍に最後までいたのが、シュリだった。
『それは、い、いやっ!』
シュリはもう無我夢中である。色々思い悩んだ事など頭から吹っ飛んで、ただただ必死で翼を広げる。
飛ばなければいけないけれど、怖い。飛ばなくたって、カイゼルの傍にはいられるんだから良い。そんな子供の頃の甘えは、もう許されない。
今、飛ばなければ、カイゼルが死ぬ。自分が弱かったから、彼を守れなかったことを思い知っている。
彼は自分に多くの事を求めていない。
ただ、飛べと言う。「お前もいつか飛べる」と、カイゼルだけは昔も今も信じてくれていた。
――カイゼルが言うなら。
シュリは翼に力を込めた。
ぐんっと風を手で掴むような感覚がして、落下する一方だった体が止まる。その感覚を覚えた瞬間、シュリは自信を持てた。更に力を込めて翼を動かして、空を舞い上がると、落ちてきた彼の身体を背で受け止める。
彼の体重が背にかかり、少しばかり高度が下がったが、すぐに上空を目指した。
崖の上には、地竜がいる。突如舞い戻って来た飛竜を見て、怒り狂ったように吠えた。地竜は、空に逃げられてしまうと手出しができない。飛び去って行く姿を、虚しく見送るしかないのだ。
そんな地竜を見上げ、カイゼルはシュリに伝えた。
「⋯⋯⋯。シュリ――」
シュリは一気に崖上まで飛び出すと、己を見上げ空しく咆える地竜を見下ろす。カイゼルもまた、彼女の背の上に座し、剣を握り締め、宿敵ともいえる地竜を冷然と見据える。
そして、カイゼルは優しくシュリの身体を撫でた。
「大きくなったな」
カイゼルがシュリを見つけた時、彼女はまだ子供だった。両腕に抱きしめられるくらいの痩せた小さな竜は、親に捨てられたせいで、初めは全く心を開いてくれなかった。でも、本当は寂しがり屋で、可愛がっていたら懐いてくれた。
竜は子供でもあっという間に大きくなる。五年も経つと、シュリはあっという間にカイゼルの背を越すくらいの大きさになったが、やはり同じ年の竜に比べて一回りも二回りも小さかった。
カイゼルはそれでもシュリが可愛くて仕方が無かったし、彼女もいつも擦り寄ってくれた。
一緒に軍に入った後も言葉は交わせなかったが、背に乗れと言いたげな時もあった。その想いは嬉しかったし、ありがたかったのだが、「大きくなったらな」と、はぐらかした。
ただでさえ空を飛べずにいるシュリに、武装した男は重いだろうと思ったのだ。
僅かなことでも、彼女を落ち込ませたくない。
そもそも、飛竜はプライドが高い生き物だった。軍属の竜は一緒に戦ってはくれはしたが、人を乗せるものなどいなかった。だから、飛べないシュリがそんな事をしたら、また仲間内でいじめられかねないと危惧した。
傍にいてくれるだけで十分だと、カイゼルは当時思っていた。
だが、今や祖国が滅亡し、飛竜が住む地を失った。
ならば――もう、昔のままではいられない。
『逃げる気か!』
罵倒するしかない地竜を見据え、シュリは一気に急降下した。カイゼルは何も言わない。竜の言葉は彼には分からないからだ。だが、彼の意図は先ほど十分聞いていた。
誘い出されたと思ったのか、地竜が嘲笑した。鋭い牙が覗き、シュリは怯えた。自分よりも遥かに大きな相手で、怖くて仕方がない。
それでも、無我夢中で牙を剥く。噛みつかれる直前で身を翻し、思いっきり足で鼻先を蹴りつける。噛みつかれたら引きずり倒される恐怖はあったが、今はただカイゼルを信じた。
地竜は飛竜へと全ての注意を向けていた。
だから、その背から小さな人間が飛び降りて、鋭い剣の切っ先を己の首に向けていたことに、気付かなかった。無防備にあいた地竜の急所を、カイゼルは容赦なく突いた。
地竜は短い悲鳴を上げてよろけ、大きく体勢を崩した。崖に身が傾いたが、そのまま立て直すことはできず、巨躯の身体は奈落の底へと落ちて行った。
カイゼルは既に地竜の背から飛びのいて、易々と着地している。硬い皮を破った剣を鞘に納めながら、冷然と呟いた。
「――てめえごときが、シュリに挑めると思うな。俺で十分だ」
溺愛する飛竜を殺そうとした地竜に、一切の情けをかけるはずはなかった。
カイゼルの凄まじい殺気は、シュリが地に降り立って竜から人へと変わった事で消えたが、その眼は今度は違う意味で鋭くなった。
服が全て破けてしまったので、シュリは全裸のままだ。なんとも気まずげに身体を手で隠す彼女の元に歩み寄り、カイゼルは上着を脱ぐと、身体にかけてやった。
「俺に言うことは?」
冷ややかに尋ねられ、シュリはうつむいた。
たくさんあったが、言えない。代わりに涙が出てきて、止まらない。
百回くらい、ごめんなさいと言いたい。
シュリはぼろぼろと大粒の涙を流し嗚咽の声を必死で堪えていたが、カイゼルは一切慰めようとしなかった。
本当は、ものすごく抱きしめたいし、泣かなくていいと言ってやりたい。
昔、まだ小さな竜だった時のように、よしよしと頭を撫でてやりたい。
しょうがねえな、の一言で済ませたくなるほど、竜でも人でもシュリはいじらしくて可愛い。
落ち込んだ様子を見ただけで、怒りなんてどこかに吹っ飛んでしまった。
だが、黙って勝手にいなくなったから、少し反省させなければと心を鬼にする。
シュリが口を開くまでの時間はそう長くはなかったが、カイゼルには実は地獄でしかない。
挙句に、彼女は相変わらず頑固だった。
「⋯⋯ないわ」
「あぁ?」
「なにも⋯⋯ない⋯⋯」
彼への思慕も、醜い嫉妬も、行き場のない番への執着も。
言ったところで、お互い苦しいだけだ。人化の力を手に入れた時、カイゼルと結ばれる身体になれたと喜んだが、とんだ思い違いだった。自分は醜い生き物になっただけだ。
悲しみがこみ上げてきて、シュリはまた竜になった。そんな彼女を見て、カイゼルはなんとも苦々しくなった。
「⋯⋯おい。それは、反則だ」
カイゼルには竜の言葉が分からないから、姿を変えられると会話が出来ない。彼女は一声哀し気に鳴いただけで、うつむいてしまう。
「シュリ。人の姿に戻れ、な? こっちも可愛いが、あっちも可愛いぞ?」
――――俺は何を言っている。これじゃ説得にならねえ。
焦るカイゼルだが、彼女は答える代わりにくるりと背を向けて、とぼとぼと森に向かって歩き出した。
「待てよ! あぁくそ⋯⋯っ」
カイゼルは慌てて後を追った。
彼女がとんでもなく落ち込んでいるのは分かるし、怒ったのは自分だ。でも、また一緒にいると誓ってくれたのに、いつの間にかいなくなって、挙句に地竜に殺されそうになっていた。
――――俺は寿命が縮んだぞ、どうしてくれる。お前と少しでも長く生きていたいのに。
だが。
悔しい事に、揺れる尻尾が、相変わらずどうしようもなく可愛い。
久々に竜の姿を見たが、思った以上に首が太くなっていた。特注した例の特大のリボンは、尻尾につけたほうがいいだろうか。痕がつかないと宥めれば、可愛い物が大好きだった彼女はつけてくれるかもしれない。
理由をつけて彼女に服や髪飾りを選ばせたから、シュリの好みは全て把握済みである。
そして、可愛い竜にはリボンをつける。これは竜の国の新常識だ。
異論は認めない。
ティナ王女ともシュリがいかに愛らしい飛竜かで意気投合したから、生きていたら間違いなく同意するはずだ。
――――いや、そんなことを本気で考えている場合じゃねえ。だめだ、気が散る。
カイゼルは盛大なため息をつき、なんとか邪念を振り払うと、シュリに声をかけた。
「なぁ、シュリ⋯⋯一人で行こうとするな」
「⋯⋯⋯⋯」
「お前は飛竜の中では弱い方かもしれない。でも、お前には俺がいる。俺と一緒に戦えばいい」
「⋯⋯⋯⋯」
「俺はお前の番なんだろう?」
シュリがようやく足を止めてくれたので、カイゼルはほっと胸を撫で下ろす。そのまま彼女の前に回って、顔を見つめ、目を和らげる。
泣き虫な飛竜の瞳から、ぼろぼろと涙が落ちていた。その雫を、カイゼルは竜紋が刻まれた手で優しく拭った。
「これを見て、俺がどれだけ嬉しかったか分かるか? お前が傍にいてくれたから、死ぬ時も怖くはなかった。生まれ変わっても孤独じゃなかった」
王都が陥ち、王女がルーフス軍に囚われたのは百年も昔だ。
騎士だったカイゼルもまた、激しい戦闘の末に、ルーフス兵の手によって殺された。四方を敵兵に囲まれ、多勢に無勢だった。仲間の騎士達も倒れ、飛竜も空から落とされていた。
カイゼルの傍に最後までいたのが、シュリだった。
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