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第二章 戌騎士は、今日もお怒りです
春の聖都
駐屯所から離れると、ビアンカは足を速めた。
日暮れになって周囲は薄暗くなってきており、一刻も早く家に帰ろうと、家まで最短距離となる広い公園を横断した。
だが、茂みの奥の方から聞こえてきた物音に思わず足が止まり、女性の悲鳴のような声に視線が彷徨う。
――――こ、これはどっちかしら。
助けを求められているとしたら、見て見ぬ振りはできない。道から外れて茂みの中に入り、ビアンカはそっと覗き込んで、死ぬほど後悔した。
若い男女が睦みあってからだ。
幸いにして二人とも服は着ていたが、うつ伏せになった女性の後ろから男性が覆いかぶさり、互いの名前を甘い声で呼び合っていた。強引なことをされているという訳でもなさそうだ。相手の夢中の彼らはビアンカに気付く様子もない。
ビアンカは自分の方が悲鳴をあげそうになるのを必死で堪え、慌てて道へと戻って駆け出した。
しばらく走って十分な距離を取ってから足を止めたものの、ふと周りを見回してみれば、どこもかしこもいちゃつく恋人達だらけだ。
さもあらんと、ビアンカは遠い目になった。
ただいま、春真っ盛り。
戌の一族の雌は『発情期』の時期だ。
ビアンカが住む大陸は、十二種の『支族』と呼ばれる獣の一族が等しく土地を分配して収めている。ビアンカはその内の一つ、『戌』の獣人の一族だ。
種族によって特性は様々あるが、幼少の頃は獣の姿で、十八歳の成人を迎える頃には人の姿に変態が出来るようになることは共通している。
手が使えることもあり、大多数の獣人は人型を取って生活しており、ビアンカもその例に洩れない。
戌の一族の特徴としては優れた嗅覚を持つ者が多いという点だ。ビアンカは特にその傾向が強く、国境警備隊に居た時には、持ち込み禁止の物が入り込まないか神経を尖らせていたものである。
そして、雌は成人を迎える年頃になると春と秋に発情期を迎えるようになることも特徴として挙げられた。
この頃になると身体が成熟し、交わると子ができやすい。
発情期を迎えた雌は、雄を誘う独特の甘い『匂い』を放ち、若い雄の欲望を刺激した。
聖都は今、数多の雌が放つ甘い香りで充満し、あちこちで大騒ぎだ。
年齢と共に匂いが落ち着くこともあり、年を重ねた者達はこの『若気の至り』とも言える騒動を、生暖かい目で見てはいるが、昔は自分達も同じであったため見て見ぬ振りである。
だが、ビアンカは年齢的には申し分ないはずだというのに、いつまで経っても発情期を迎える兆しがなかった。
今年の春は発情するだろうと思ったのだが、ちっともその気配がない。
シグバードとは婚約破棄した身であるし、相手もいないから別に待っている訳では無かったが、いざその時になると自分はどうなるのだろうかと心配にもなってくる。
悩みながらも、ビアンカは自宅に帰った。
借りている部屋は三階建ての二階で、五つある内の真ん中の部屋だ。布団を敷いたら部屋の半分を占めてしまう狭さで荷物も最低限だが、格安物件であるし、職場も目と鼻の先というのも大きかった。
一休みをしていると来客を知らせる鈴の音がして、時計を見上げて腰を上げる。扉を開けると、そこには仕事を終えて私服姿になったシグバードが立っていた。
国境警備隊は残業続きで寝不足だったが、職員用の食堂が完備されており昼食は提供されていた。
食費をギリギリまで削るため、朝と夕は非常に質素にしていたし、昼食も一番安い定食を頼んでばかりだったので偏ったが、大切な栄養補給源だった。
だが、今の職場は食堂がなく、格安の部屋には台所が無いこともあって、ビアンカは食事に困ってしまった。
そもそも料理はたいして出来ないし、かと言って買ってきてばかりではお金がたまらない。
悩んでいたときに、助け舟を出してくれたのが、ビアンカの向かいの集合住宅に住むシグバードだった。広い道を一本挟んでいるだけなので、目と鼻の先だ。
ただ、優秀な者しか入隊できないと言われる近衛隊に引き抜かれただけあって彼の給金は高いらしく、住んでいる部屋も綺麗なものだ。
台所に居間、寝室に客間まであり、当然ながらトイレや浴室も別でどれも広い。
一人暮らしには広過ぎるくらいではないだろうかと思ったが、シグバードは長身でもあるし、稼いでいる身でもあるから、これが丁度良いのだろう。
いつものようにシグバードに連れて来られたビアンカは、促されてそのまま居間のソファーに座ったものの、台所に向かおうとした彼に声をかけた。
「ねえ、シグバード。今日こそ手伝わせて」
「断る。俺はまだ死にたくない」
「失敬ね! 材料を切ることくらい出来るわよ⁉」
「そう言って、この間、思いっきり指を切っただろうが」
ビアンカはぐっと詰まり、頑として譲らない様子の彼に渋々頷いた。
「休んでろ。できたら起こす」
「いいえ、今日こそは起きているわ⋯⋯毎日夕食を作ってもらっているのに、寝て待っているなんて、いけないことだと思うのよ。材料費だってかかるのに、お金も受け取ってくれないし」
戌の一族の特性として、睡眠時間が非常に長いことが挙げられる。
仕事中でも何度か昼寝の時間があるのはそのためだ。激務から解放されて、ビアンカは以前よりも良く寝られるようになったのだが、シグバードは事あるごとに寝かせようとしてくる。
固辞するビアンカに、シグバードはくすりと笑った。
「じゃあ今日は家事を少し手伝ってもらうか」
「えぇ、何をしたらいいかしら?」
「洗濯物を畳んでくれるか」
「任せておいて! 洗濯は得意よ」
「言っておくが、畳むのは服やタオルだけじゃないぞ」
そう言って、彼は窓際に置かれたままの籠に入っている洗濯物を指さしたが、衣服に混じって見えたものに、ビアンカは一気に顔を真っ赤にした。
彼はくすくすと笑って手を振った。
「寝てろ。そこに掛けてある毛布も洗濯済みだから、好きに使え」
あしらわれたと分かりビアンカは悔しくなったが、かと言って堂々と男物の下着を畳む勇気はない。言われた通りソファーにかけられていた毛布を引き寄せて寝転がると、目を閉じた。
毛布からは僅かに洗剤とお日様の香だけしかしなかったが、匂いに敏感なビアンカは、部屋の至る所から彼の匂いを嗅ぎ取る。
相変わらず彼と自分だけの匂いしかしない室内に密かに胸を撫で下ろして、ゆっくりと目を閉じた。
よく寝る種で知られることもあり、ビアンカが眠りに落ちるのは早かった。
日暮れになって周囲は薄暗くなってきており、一刻も早く家に帰ろうと、家まで最短距離となる広い公園を横断した。
だが、茂みの奥の方から聞こえてきた物音に思わず足が止まり、女性の悲鳴のような声に視線が彷徨う。
――――こ、これはどっちかしら。
助けを求められているとしたら、見て見ぬ振りはできない。道から外れて茂みの中に入り、ビアンカはそっと覗き込んで、死ぬほど後悔した。
若い男女が睦みあってからだ。
幸いにして二人とも服は着ていたが、うつ伏せになった女性の後ろから男性が覆いかぶさり、互いの名前を甘い声で呼び合っていた。強引なことをされているという訳でもなさそうだ。相手の夢中の彼らはビアンカに気付く様子もない。
ビアンカは自分の方が悲鳴をあげそうになるのを必死で堪え、慌てて道へと戻って駆け出した。
しばらく走って十分な距離を取ってから足を止めたものの、ふと周りを見回してみれば、どこもかしこもいちゃつく恋人達だらけだ。
さもあらんと、ビアンカは遠い目になった。
ただいま、春真っ盛り。
戌の一族の雌は『発情期』の時期だ。
ビアンカが住む大陸は、十二種の『支族』と呼ばれる獣の一族が等しく土地を分配して収めている。ビアンカはその内の一つ、『戌』の獣人の一族だ。
種族によって特性は様々あるが、幼少の頃は獣の姿で、十八歳の成人を迎える頃には人の姿に変態が出来るようになることは共通している。
手が使えることもあり、大多数の獣人は人型を取って生活しており、ビアンカもその例に洩れない。
戌の一族の特徴としては優れた嗅覚を持つ者が多いという点だ。ビアンカは特にその傾向が強く、国境警備隊に居た時には、持ち込み禁止の物が入り込まないか神経を尖らせていたものである。
そして、雌は成人を迎える年頃になると春と秋に発情期を迎えるようになることも特徴として挙げられた。
この頃になると身体が成熟し、交わると子ができやすい。
発情期を迎えた雌は、雄を誘う独特の甘い『匂い』を放ち、若い雄の欲望を刺激した。
聖都は今、数多の雌が放つ甘い香りで充満し、あちこちで大騒ぎだ。
年齢と共に匂いが落ち着くこともあり、年を重ねた者達はこの『若気の至り』とも言える騒動を、生暖かい目で見てはいるが、昔は自分達も同じであったため見て見ぬ振りである。
だが、ビアンカは年齢的には申し分ないはずだというのに、いつまで経っても発情期を迎える兆しがなかった。
今年の春は発情するだろうと思ったのだが、ちっともその気配がない。
シグバードとは婚約破棄した身であるし、相手もいないから別に待っている訳では無かったが、いざその時になると自分はどうなるのだろうかと心配にもなってくる。
悩みながらも、ビアンカは自宅に帰った。
借りている部屋は三階建ての二階で、五つある内の真ん中の部屋だ。布団を敷いたら部屋の半分を占めてしまう狭さで荷物も最低限だが、格安物件であるし、職場も目と鼻の先というのも大きかった。
一休みをしていると来客を知らせる鈴の音がして、時計を見上げて腰を上げる。扉を開けると、そこには仕事を終えて私服姿になったシグバードが立っていた。
国境警備隊は残業続きで寝不足だったが、職員用の食堂が完備されており昼食は提供されていた。
食費をギリギリまで削るため、朝と夕は非常に質素にしていたし、昼食も一番安い定食を頼んでばかりだったので偏ったが、大切な栄養補給源だった。
だが、今の職場は食堂がなく、格安の部屋には台所が無いこともあって、ビアンカは食事に困ってしまった。
そもそも料理はたいして出来ないし、かと言って買ってきてばかりではお金がたまらない。
悩んでいたときに、助け舟を出してくれたのが、ビアンカの向かいの集合住宅に住むシグバードだった。広い道を一本挟んでいるだけなので、目と鼻の先だ。
ただ、優秀な者しか入隊できないと言われる近衛隊に引き抜かれただけあって彼の給金は高いらしく、住んでいる部屋も綺麗なものだ。
台所に居間、寝室に客間まであり、当然ながらトイレや浴室も別でどれも広い。
一人暮らしには広過ぎるくらいではないだろうかと思ったが、シグバードは長身でもあるし、稼いでいる身でもあるから、これが丁度良いのだろう。
いつものようにシグバードに連れて来られたビアンカは、促されてそのまま居間のソファーに座ったものの、台所に向かおうとした彼に声をかけた。
「ねえ、シグバード。今日こそ手伝わせて」
「断る。俺はまだ死にたくない」
「失敬ね! 材料を切ることくらい出来るわよ⁉」
「そう言って、この間、思いっきり指を切っただろうが」
ビアンカはぐっと詰まり、頑として譲らない様子の彼に渋々頷いた。
「休んでろ。できたら起こす」
「いいえ、今日こそは起きているわ⋯⋯毎日夕食を作ってもらっているのに、寝て待っているなんて、いけないことだと思うのよ。材料費だってかかるのに、お金も受け取ってくれないし」
戌の一族の特性として、睡眠時間が非常に長いことが挙げられる。
仕事中でも何度か昼寝の時間があるのはそのためだ。激務から解放されて、ビアンカは以前よりも良く寝られるようになったのだが、シグバードは事あるごとに寝かせようとしてくる。
固辞するビアンカに、シグバードはくすりと笑った。
「じゃあ今日は家事を少し手伝ってもらうか」
「えぇ、何をしたらいいかしら?」
「洗濯物を畳んでくれるか」
「任せておいて! 洗濯は得意よ」
「言っておくが、畳むのは服やタオルだけじゃないぞ」
そう言って、彼は窓際に置かれたままの籠に入っている洗濯物を指さしたが、衣服に混じって見えたものに、ビアンカは一気に顔を真っ赤にした。
彼はくすくすと笑って手を振った。
「寝てろ。そこに掛けてある毛布も洗濯済みだから、好きに使え」
あしらわれたと分かりビアンカは悔しくなったが、かと言って堂々と男物の下着を畳む勇気はない。言われた通りソファーにかけられていた毛布を引き寄せて寝転がると、目を閉じた。
毛布からは僅かに洗剤とお日様の香だけしかしなかったが、匂いに敏感なビアンカは、部屋の至る所から彼の匂いを嗅ぎ取る。
相変わらず彼と自分だけの匂いしかしない室内に密かに胸を撫で下ろして、ゆっくりと目を閉じた。
よく寝る種で知られることもあり、ビアンカが眠りに落ちるのは早かった。
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