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例のブツ
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半泣きになるロディネだが、彼女の泣き言を思い出したアルベルトはいささか気まずい。
「⋯⋯まあ、酔って訳の分からん事ばかり言っていたから、ずっと適当に聞き流してはいたが⋯⋯」
――――あいつの方はな。
友人が何を愚痴っていたかは今更興味もわかないが、ロディネははっきりと『失恋』を口にしていた。さりとてそれを言っていいものかどうか迷う。
ただ、ロディネは深く追求するつもりはないらしく、
「本当に⋯⋯申し訳ありませんでした」
と深々と頭を下げた。
ますます落ち込んだ顔をした彼女に、アルベルトは少し焦った。昨夜の切なげに泣いていた彼女の顔がちらついたからだ。
「それで、何を気に病んでいる? 店内に誰かいたのか」
――――まさか、別れた恋人でもいたのか?
そう危惧したが、ロディネは散々視線をさ迷わせた後、正直に告白した。
「⋯⋯人の目が⋯⋯気になって」
「⋯⋯なに?」
「私、昔から沢山の人の視線を受けると怖くなって、血の気が引いてしまうんです。何も言えなくて、立っているのがやっとになる事もあります。慣れた人達なら、そうでもないんですが⋯⋯」
「入職した時、挨拶の場で眼鏡を外していたのもそのせいか?」
「⋯⋯はい。何も見えないから⋯⋯。その場しのぎなんですが」
半べその彼女に、アルベルトは呆気にとられた。
彼女は人前に出て挨拶をさせられた時や、大勢に取り囲まれていている時によく外していたようだが、何のことはない。見知らぬ他人の視線が怖かったらしい。
「⋯⋯本当に何も見えないのか?」
「はい。ひどい近眼で、外すと目先の僅かなものしか見えません。あとは世界がぼやけて見えます。でも、相手の方に失礼ですし⋯⋯仕事になりませんから、なんとか克服しようと思っています」
「まあ、お前はまだ新入りだし、仕事も書類の管理が多いだろうから、急ぐ必要もないとは思うが――」
治すべきは視線への恐怖よりも、酒癖の方が優先順位は先だろうと、つい思いつつ、アルベルトは微笑んだ。
「――――でも、俺の目を見て話せているな?」
「それは⋯⋯お一人だからです。大勢になると、全然だめですよ」
「いや? 俺と目を合わせながら話せるだけでも大したものだ」
アルベルトは断言できる。自分の身分もあるのか、日ごろ鍛錬で厳しくしているせいか騎士団員達は怖がる者も多い。言い寄ってくる女達は媚びるのに夢中で、話をすることに重きをおかない。
でも、ロディネはずっと一生懸命、自分の話を聞いていた。それがアルベルトには新鮮で、やはり心地が良い。
「そう⋯⋯ですか?」
「ああ。出来ていない事ばかり見てどうする。今、出来ている良い所だってあるんだ。そういう所も認めて、自分の中でしっかりかみ砕いて、誉めてやれ。なにも焦る必要はない」
ロディネは目を見張り、そして薄っすらと頬を赤く染めて、嬉しそうに頷いた。ちょうどそこに店員が料理を運んできて、彼女の顔がますます綻ぶ。
それは、職場ではけして誰も目にしたことのない、ロディネの素顔そのものだった。そしてアルベルトが促した事もあってか、ロディネは心置きなく食事を始め、それもまた幸せそうに頬張っていくものだから、見ていて気持ちが良い。
――――素直だな。可愛いじゃねえか。
アルベルトは何の気なしに心の中で呟き、はっと我に返る。ずっとロディネを見ていたことに気づいたが、彼女は料理に夢中だ。これ幸いと、自分の手元に置かれた珈琲のカップに口をつければ。
すっかり冷めている。
全く美味しくなくなった珈琲を、なんとも苦々しく飲んでいると、食事を終えたロディネがようやく彼に視線を向けた。
「あの⋯⋯一つ気になっていることがあるんですが」
「なんだ」
「私の泣き言に一時間も付き合ってくださったのは⋯⋯一体、どこででしょう」
当たり前の問いである。遅いくらいだ。
アルベルトは誤解されても困るから、慎重に説明した。
「お前が中に入っていったから、鍵を郵便受けに入れておくと言ったら、突然お前が悲鳴をあげたんだ。見たくないものを見たようだな?」
「⋯⋯ああ⋯⋯ええ、まあ⋯⋯覚えはありませんが、何かは⋯⋯推測がつきます」
例のブツだ。
私はいったいどれだけ色んなものを上司に見られれば済むのだろうと、ロディネは絶望する。
「だろうな。あえて何とは言わないが⋯⋯分かるだろう? お前も泣きながら、その事をずっと言っていたしな」
「う⋯⋯っ」
今にも泣きだしそうな顔をしたロディネに、アルベルトは小さくため息をつく。
「ソファーに座ったお前に隣にこいと言われて、そこから延々一時間は泣いていたぞ。その後、疲れてソファーの上で寝たから、鍵をかけて、郵便受けにいれて帰ったんだ」
ちゃんと家に帰って来たと、自画自賛した自分を殴ってやりたいとロディネは思ったが、今はそれどころではない。酔っぱらったせいで、よりにもよってアルベルトに見られてしまったのだ。
――――私の秘密が明るみに!
「やっぱり⋯⋯見てしまったんですね⋯⋯」
謎めいた問いかけだったが、アルベルトはもう分かっている。
――――別れた彼氏の服だろう。
「⋯⋯わざとじゃないぞ?」
別に、見たくてみたわけじゃない。
そう思って淡々と返したが、ロディネは恥ずかしそうに頬を薄っすらと赤く染め、今にも泣きそうな顔をした。それを見ていると、何だか心の奥がチリッとした。
昨夜、ロディネは本当に切なそうに泣いていた。見かねてハンカチを貸してやったが、すぐに濡れてしまったので、部屋にあった鼻紙を渡してやったら、ゴミ箱いっぱいになるくらいだった。
どこの誰だか知らないが、こんなに女を泣かせるな、と思ったものだ。
「大丈夫だ。誰にも言ったりしない」
「本当ですね」
「そんなに見られたくなかったのか」
ロディネは真顔で、すぐに大きく頷いた。
なにしろ、あの恋愛漫画はいわゆる《大人向け》の描写が多用されている。それだけならまだしも、ロディネが大好きだった《彼》に関わるグッズは片っ端から集めて、本と一緒に置いてあった。
中には、かなり際どい姿になっている彼の絵もあった。
それを彼そっくりの《男》に見られた上に、なんとも気まずい思いをさせたかと思うと、いたたまれない。迷惑に迷惑を重ねてどうする。
引き出しを完全に閉めていなかった事を猛省したいが、今さらだ。
「こ、これからは箱にしまっておきます。もし私が死んだら、開封せずに一緒に埋めてくださいと遺言しておきますから、許してください!」
「そこまでか⁉」
「はい! 秘密と終わった想いを胸に抱えて、私は逝きます。どうか、止めないでください!」
「⋯⋯止めないが、命は大事にしろ?」
多額の金を貢がせた挙句、ほかの女に走ったような男なんぞ止めておけとアルベルトは思ったが、それは大きなお世話だろうと言葉を呑みこんだ。
「⋯⋯まあ、酔って訳の分からん事ばかり言っていたから、ずっと適当に聞き流してはいたが⋯⋯」
――――あいつの方はな。
友人が何を愚痴っていたかは今更興味もわかないが、ロディネははっきりと『失恋』を口にしていた。さりとてそれを言っていいものかどうか迷う。
ただ、ロディネは深く追求するつもりはないらしく、
「本当に⋯⋯申し訳ありませんでした」
と深々と頭を下げた。
ますます落ち込んだ顔をした彼女に、アルベルトは少し焦った。昨夜の切なげに泣いていた彼女の顔がちらついたからだ。
「それで、何を気に病んでいる? 店内に誰かいたのか」
――――まさか、別れた恋人でもいたのか?
そう危惧したが、ロディネは散々視線をさ迷わせた後、正直に告白した。
「⋯⋯人の目が⋯⋯気になって」
「⋯⋯なに?」
「私、昔から沢山の人の視線を受けると怖くなって、血の気が引いてしまうんです。何も言えなくて、立っているのがやっとになる事もあります。慣れた人達なら、そうでもないんですが⋯⋯」
「入職した時、挨拶の場で眼鏡を外していたのもそのせいか?」
「⋯⋯はい。何も見えないから⋯⋯。その場しのぎなんですが」
半べその彼女に、アルベルトは呆気にとられた。
彼女は人前に出て挨拶をさせられた時や、大勢に取り囲まれていている時によく外していたようだが、何のことはない。見知らぬ他人の視線が怖かったらしい。
「⋯⋯本当に何も見えないのか?」
「はい。ひどい近眼で、外すと目先の僅かなものしか見えません。あとは世界がぼやけて見えます。でも、相手の方に失礼ですし⋯⋯仕事になりませんから、なんとか克服しようと思っています」
「まあ、お前はまだ新入りだし、仕事も書類の管理が多いだろうから、急ぐ必要もないとは思うが――」
治すべきは視線への恐怖よりも、酒癖の方が優先順位は先だろうと、つい思いつつ、アルベルトは微笑んだ。
「――――でも、俺の目を見て話せているな?」
「それは⋯⋯お一人だからです。大勢になると、全然だめですよ」
「いや? 俺と目を合わせながら話せるだけでも大したものだ」
アルベルトは断言できる。自分の身分もあるのか、日ごろ鍛錬で厳しくしているせいか騎士団員達は怖がる者も多い。言い寄ってくる女達は媚びるのに夢中で、話をすることに重きをおかない。
でも、ロディネはずっと一生懸命、自分の話を聞いていた。それがアルベルトには新鮮で、やはり心地が良い。
「そう⋯⋯ですか?」
「ああ。出来ていない事ばかり見てどうする。今、出来ている良い所だってあるんだ。そういう所も認めて、自分の中でしっかりかみ砕いて、誉めてやれ。なにも焦る必要はない」
ロディネは目を見張り、そして薄っすらと頬を赤く染めて、嬉しそうに頷いた。ちょうどそこに店員が料理を運んできて、彼女の顔がますます綻ぶ。
それは、職場ではけして誰も目にしたことのない、ロディネの素顔そのものだった。そしてアルベルトが促した事もあってか、ロディネは心置きなく食事を始め、それもまた幸せそうに頬張っていくものだから、見ていて気持ちが良い。
――――素直だな。可愛いじゃねえか。
アルベルトは何の気なしに心の中で呟き、はっと我に返る。ずっとロディネを見ていたことに気づいたが、彼女は料理に夢中だ。これ幸いと、自分の手元に置かれた珈琲のカップに口をつければ。
すっかり冷めている。
全く美味しくなくなった珈琲を、なんとも苦々しく飲んでいると、食事を終えたロディネがようやく彼に視線を向けた。
「あの⋯⋯一つ気になっていることがあるんですが」
「なんだ」
「私の泣き言に一時間も付き合ってくださったのは⋯⋯一体、どこででしょう」
当たり前の問いである。遅いくらいだ。
アルベルトは誤解されても困るから、慎重に説明した。
「お前が中に入っていったから、鍵を郵便受けに入れておくと言ったら、突然お前が悲鳴をあげたんだ。見たくないものを見たようだな?」
「⋯⋯ああ⋯⋯ええ、まあ⋯⋯覚えはありませんが、何かは⋯⋯推測がつきます」
例のブツだ。
私はいったいどれだけ色んなものを上司に見られれば済むのだろうと、ロディネは絶望する。
「だろうな。あえて何とは言わないが⋯⋯分かるだろう? お前も泣きながら、その事をずっと言っていたしな」
「う⋯⋯っ」
今にも泣きだしそうな顔をしたロディネに、アルベルトは小さくため息をつく。
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謎めいた問いかけだったが、アルベルトはもう分かっている。
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「⋯⋯わざとじゃないぞ?」
別に、見たくてみたわけじゃない。
そう思って淡々と返したが、ロディネは恥ずかしそうに頬を薄っすらと赤く染め、今にも泣きそうな顔をした。それを見ていると、何だか心の奥がチリッとした。
昨夜、ロディネは本当に切なそうに泣いていた。見かねてハンカチを貸してやったが、すぐに濡れてしまったので、部屋にあった鼻紙を渡してやったら、ゴミ箱いっぱいになるくらいだった。
どこの誰だか知らないが、こんなに女を泣かせるな、と思ったものだ。
「大丈夫だ。誰にも言ったりしない」
「本当ですね」
「そんなに見られたくなかったのか」
ロディネは真顔で、すぐに大きく頷いた。
なにしろ、あの恋愛漫画はいわゆる《大人向け》の描写が多用されている。それだけならまだしも、ロディネが大好きだった《彼》に関わるグッズは片っ端から集めて、本と一緒に置いてあった。
中には、かなり際どい姿になっている彼の絵もあった。
それを彼そっくりの《男》に見られた上に、なんとも気まずい思いをさせたかと思うと、いたたまれない。迷惑に迷惑を重ねてどうする。
引き出しを完全に閉めていなかった事を猛省したいが、今さらだ。
「こ、これからは箱にしまっておきます。もし私が死んだら、開封せずに一緒に埋めてくださいと遺言しておきますから、許してください!」
「そこまでか⁉」
「はい! 秘密と終わった想いを胸に抱えて、私は逝きます。どうか、止めないでください!」
「⋯⋯止めないが、命は大事にしろ?」
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