【男装歴10年】異世界で冒険者パーティやってみた【好きな人がいます】

リコピン

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ロカール日常シリーズ ▶️50話

【シングラント鉱石の採掘】#4 うちの魔導師の危機管理能力の無さ(ルキ視点)

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無表情に、自信満々で親指を立てて去って行ったセリを、呆然と見送った。

「…シオン。」

「えー?俺?このタイミングで俺?もー、本当、帰って寝たいんだけどー。」

「…お前な?セリの教育、どうなってんのあれ?…あの女、どう見てもセリ狙いだろ?それを疑いもせず、ホイホイついてったんだが?」

「あははー☆ルキが面白いこと言ってるー!セリが一番危機感持たないといけない相手のくせにー☆」

「なんで、そうなる。…話進まねぇから、エルはちょっと黙っとけ。」

「ひどい!横暴!」

舌打ちしたくなる事態。ただ、ああ見えて一応成人済みのセリに、これ以上、口出しするのも─

「…エル、腹減ってるだろ?」

「え?ううん、別に?」

「よし、おごってやる。…飯、食いにいこうぜ。」

「えーっ!?いや、僕、今日は早く帰ってシャワー浴びたい、」

「んじゃな、シオン。さっさと帰って、寝ろよ。」

「んー。まぁ、俺に被害が及ばない限りは。…エル、頑張って。」

「えーっ!?」

まだ、ゴチャゴチャと五月蠅いエルを引っ張って歩き出す。セリ達の姿は既に視界から消えていた。焦って走り出したくなる気持ちを何とか抑える。

(…大丈夫だ。『追跡』はかけてある…)

後は、セリにもあの女魔導師にも気づかれないように、接近出来れば─





「…ねぇ、ルキはさ、この状況は気にならないわけ?」

「…エル、しゃべるな。『遠耳』、あんま得意じゃねぇから。セリの声が拾えなくなる。」

「あー、はい、もう、いいです。気にしません。『カップルばっかりの店に美少年と二人☆』状態のルキを、一応、心配してあげたんだけどね?僕は。」

「…」

止まらないエルのおしゃべりを、意識して耳に入れないようにする。少し離れた席、背を向けて座る女魔導師の向かい側、こちらに顔を向けて座るセリ。緊張した様子もなく、リラックスした雰囲気で会話をしているが、スキルを使ってもその声は途切れ途切れにしか聞こえない。

(クソッ!駄目か。…セリの声、元からちっせぇからなぁ。)

セリは、一拍間を置いてから、落ち着いた声で話す。頭の中で色々考えてから、言葉を選んで口にしているのが分かる喋り方、それが実は結構好きだったりする。

自分が、考え無しに直ぐに言葉にする方だから、余計に。

それで、今までに数々のトラブルを引き起こしてきた身としては、セリの話し方には好感しか持てない。

(ただ、今はな。エルくらい五月蠅きゃ、もう少し拾えんのに。)

単語レベルで拾える会話からは、「魔導師」、「師匠」などの言葉が聞こえてくる。恐らく、魔導師仲間としての会話、だとは思うが。

(クッソ!やっぱ、『読唇』もマスターしとくべきだった。)

後悔しても遅い。

さっきから、セリが浮かべている油断しきった笑顔に、落ち着かない気分にさせられている。




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