【男装歴10年】異世界で冒険者パーティやってみた【好きな人がいます】

リコピン

文字の大きさ
32 / 174
ロカール日常シリーズ ▶️50話

【シングラント鉱石の採掘】#6 お酒で失敗してしまいました

しおりを挟む
何だかフラフラするなーとは思うけど、ちゃんと自分で歩けてるから大丈夫。うん。私、立派な足があるから。

(…あれ?歩いてる?なんで?)

確か、ザーラさんと楽しく女子会をしてたはず、と思って、隣、支えてくれるように歩いてる人を確かめる。

「…エル?」

「そうです!エルちゃんです☆…ルキかと思った?期待した?」

「…」

図星だし、ニヤニヤするエルにイラッと来たので、エルの方に思いっきり体重をかける。

「ちょっとちょっと!倒れる!体重、そんなに変わんないんだから!ちゃんと歩いて!」

「…その見解には、意義を唱えます。」

「何言ってんの?身長も大して変わんないんだから、体重も変わんないでしょ?」

「…乙女としての、抗議。」

「何ー?未だにそんな恰好しといて、こんな時だけ女の子扱いしろってー?」

「…」

言い返せずに、ちょっと黙った。

「女の子扱いして欲しいんだったら、セリちゃんは、その恰好ソロソロなんとかしないとだからね?」

「…」

「敢えて誤解させてるのはセリちゃんなんだから。」

「分かって、ます…」

大人になって、強くなって、自己防衛の意味の薄くなった男装。それでも、今、なかなか止められないのは─

「…騙してたって思われる。」

「ああ。まぁ、それはね?事実だし。」

「…嫌われるのは、嫌。」

「あー、うん、そっちはねー?どうだろう?嫌われるはないだろうけど、うーん、どういう反応になるか、ちょっと読めないよねー、ルキって。」

エルの言葉に、意識が少しだけ覚醒した。

「…ルキと兄さんはどこですか?何でエルしかいないんですか?」

「ん?今更ソレ?ちょっとは、酔い覚めてきた?」

「酔い…。あ!ザーラさん!」

思い出して、焦って今来た道を戻ろうとして、エルに止められた。

「はい。どうどう。…ザーラさんなら大丈夫だよ。ルキが送ってったからね?」

「ルキが?」

「そう。セリがお店で酔っ払って困ってたから、僕がセリを送って、ルキがザーラさんを送ることになったの☆」

「…それは、非常に申し訳ないことを。」

ちゃんとエスコートして、お家まで送るつもりだったのに。

「うーん?まぁ、いいんじゃない?ルキも、セリに送らせるよりは自分で送った方がマシだろうから。」

「マシ…?」

「まぁ、僕が彼女の方を送ってっても良かったんだけどね?…この状態のセリをルキに任せて万一があったらさ…」

「?」

ひっくーい声で、でも、ちょっと楽しそうに話すエル。どういうことかと尋ねようとして、目が合った。

「…ていうか、その前。そもそも、何で僕らがこんなタイミング良く現れたのかとか、その辺は気にしないの?」

「?…プライベートのお時間を邪魔してしまい、誠に、」

「ちがうなー。そういうことじゃないなー。うーん、ザーラさんは気づいてたっぽいけど。…やっぱり、その辺、自分で気づけるようになるまでは、まだまだ僕がセリちゃんのナイトかな☆」

「?…ありがとうございます?」

「どーいたしまして☆」

まだ、ちょっと、頭がちゃんと働いてないみたい。でも、エルが楽しそうに笑ってるからいいのかな。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

転生幼女は追放先で総愛され生活を満喫中。前世で私を虐げていた姉が異世界から召喚されたので、聖女見習いは不要のようです。

桜城恋詠
ファンタジー
 聖女見習いのロルティ(6)は、五月雨瑠衣としての前世の記憶を思い出す。  異世界から召喚された聖女が、自身を虐げてきた前世の姉だと気づいたからだ。  彼女は神官に聖女は2人もいらないと教会から追放。  迷いの森に捨てられるが――そこで重傷のアンゴラウサギと生き別れた実父に出会う。 「絶対、誰にも渡さない」 「君を深く愛している」 「あなたは私の、最愛の娘よ」  公爵家の娘になった幼子は腹違いの兄と血の繋がった父と母、2匹のもふもふにたくさんの愛を注がれて暮らす。  そんな中、養父や前世の姉から命を奪われそうになって……?  命乞いをしたって、もう遅い。  あなたたちは絶対に、許さないんだから! ☆ ☆ ☆ ★ベリーズカフェ(別タイトル)・小説家になろう(同タイトル)掲載した作品を加筆修正したものになります。 こちらはトゥルーエンドとなり、内容が異なります。 ※9/28 誤字修正

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします

未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢 十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう 好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ 傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する 今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった

【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません

ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。 文化が違う? 慣れてます。 命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。 NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。 いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。 スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。 今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。 「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」 ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。 そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。 死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。

処理中です...