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第十章 入学した
Side F
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ここ最近は側に居るのが当たり前で、ずいぶんとその気配に馴染んでしまっていたから、
「…陛下、どちらへ?」
「ちょっと、ローザを見てくる」
「…」
無言の抗議を流して、彼女の居る場所へと跳んだ。
存在を希薄にし、軽く幻術をまとって歩けば、学院内においてもこちらを気にする者はない。
目的の場所、手当たり次第かと思えるほどの本の山に埋もれている、彼女の姿を見つけた。
真剣な表情で、字を追う姿を遠目に眺める。泣いて、笑って、怒って。側に居る時に見せるのとは、違う顔。そんな顔もするのだなと初めて知った。
けれど、それもまた『己のため』に臨む姿だというのだから―
ここ最近は側に居るのが当たり前で、ずいぶんとその気配に馴染んでしまっていたから、
「…陛下、どちらへ?」
「ちょっと、ローザを見てくる」
「…」
無言の抗議を流して、彼女の居る場所へと跳んだ。
存在を希薄にし、軽く幻術をまとって歩けば、学院内においてもこちらを気にする者はない。
目的の場所、手当たり次第かと思えるほどの本の山に埋もれている、彼女の姿を見つけた。
真剣な表情で、字を追う姿を遠目に眺める。泣いて、笑って、怒って。側に居る時に見せるのとは、違う顔。そんな顔もするのだなと初めて知った。
けれど、それもまた『己のため』に臨む姿だというのだから―
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