38 / 53
3巻
3-3
しおりを挟む
咄嗟に吐き捨て、ソフィアの表情を窺う。
彼女は変わらぬ泣き顔で真剣な瞳を向けていた。自身の婚約者を止める様子はない。
「……冗談などではないさ」
アレクシスが鷹揚に告げる。
「王家としては、タールベルクの転移陣開発に早めに介入しておきたい。彼の家主導の開発を、いずれは王家のものとするつもりだ」
勝手かつ無謀な宣言に、奥歯をギリと噛みしめて問う。
「……なぜ、私なのですか? 他に適任はいくらでもいるでしょう」
「ソフィアの提案だ。お前ほど魔法に優れ、王家への忠義篤い者はいないというからな」
(馬鹿なっ!)
王家への忠義など糞食らえだ。
睨みつけると、正面の男は不敵に笑った。
「少なくとも、ソフィアの力にはなってくれるのだろう? ……私もそれだけは信じられるんだよ、ボルツ先生」
瞬間、頭に血が上る。
ソフィアへの想いを見透かされている屈辱。「嵌められた」という思いが強くなる。
始めから、ソフィアは餌だったのだ。
彼女を餌に己を駒にする。アレクシスの奸計を、ソフィアはどこまで理解し受け入れているのだろうか。
縋る思いで彼女の名を呼ぶ。
「ソフィア――」
「ボルツ先生なら絶対に大丈夫です!」
ソフィアが椅子から身を乗り出した。
「パウル君が教えてくれたんです。『クリスティーナ様が魔導師を探してる』って。だから、絶対上手くいきます。ボルツ先生は最高の魔導師だもの!」
こちらを見つめる熱く浮かされたような瞳。
だが、少しも心に響くものはなかった。ただ、虚しさが心を埋め尽くす。
「……そうか」
「ボルツ先生?」
――ソフィアにとって、自分はもう、「最高の魔導師」という肩書でしかないのか。
己の意志など関係ない。ただただ、「可能だから」という理由で役目を押しつけられる。
いつからなのだろう。彼女が己を「個」としてではなく、肩書で見るようになったのは。
(もしかして、最初から――)
その先を考えるのが恐ろしく、思考を止める。
「どうだ、オズワルド・ボルツ? ソフィアたっての願いだ。聞き入れてくれるだろう?」
最早、抗う気力はなかった。黙したまま頭を垂れる。
まるで道化のようだ。
自嘲しても気は晴れない。
ただただ、ソフィアを泣かせるのが怖かった。彼女に「不要だ」と切り捨てられるのが恐ろしい。
下げた頭の向こうで、彼女が嬉しげに礼を言う。
アレクシスが淡々と告げた。
「なに、案ずるな。縁談は陛下経由で持ち込む。あちらも拒否などできんさ」
(――何が、『案ずるな』だ……)
不愉快な言葉を思い出し、独り言ちる。
足を止めて空を仰いだ。
澄んだ碧が、先ほど目にした少女の瞳を想起させる。
(トリシャ・タールベルク。辺境の箱入りお嬢様、か……)
こちらを見上げる真っ直ぐな瞳。教えを請うものの無垢な眼差し。
それを利用しようとしている。
自分がひどく薄汚い存在になり下がった気がした。
いっそのこと、釣書など破棄されてしまえばいい――
ならば己の非とはならず、ソフィアに咎められることもないだろう。
だが、地を見下ろす。口からため息が零れ落ちた。
◇ ◇ ◇
学園から戻る道すがら、なんだかずっとソワソワしていた。
ウェスリーのもの言いたげな視線に気づいてはいたが、言葉にしないのをいいことに最後までやり過ごした。
(……本当に、あるのかしら?)
鞄の中身が「大量の釣書」とは教えられたが、「誰のもの」という話はまったく聞いていない。
屋敷に戻ると、義姉への挨拶もそこそこに自室へ向かう。途中から、ウェスリーがついてくるのも気にならなくなった。
部屋の扉を開け、真っ直ぐ部屋の隅へ向かう。置きっぱなしの旅行鞄を持ち上げようとして、あまりの重さにすぐに断念した。
(どれだけ入ってるの!?)
仕方なく、一旦鞄を開けて重ねられた封筒のいくつかを持ち上げる。
欲張りすぎた重さにふらついて、机の上にドシンと音を立てて置いてしまった。弾みで、開きっぱなしにしていた魔法学の教科書が落ちる。
「あ」と思う間もなく、背後から近づいたウェスリーが拾い上げ、こちらに差し出す。
「えっと……」
釣書の山が崩れてしまわないよう、未だ手は塞がったまま。
目線で本棚を示して、お願いする。
「ごめんね、ウェスリー。本棚に戻しておいてくれる?」
無言で頷いた彼は本棚に向かい、教科書をしまった。すぐに戻ってくると、私の代わりに釣書の山を支えてくれる。
「ありがとう、ウェスリー」
これでようやく中身を確認できる。
一番上、キラキラの箔押しがされた封筒に手を伸ばす。
(……違う)
家紋に見覚えがあった。
どこぞの伯爵家の封筒を横に置き、次の封筒に手を伸ばす。上質な紙の手触り、家紋の刻印、目を皿のようにして探していく。
「……トリシャ」
「ん?」
作業に夢中で、ウェスリーの呼びかけに上の空で答えた。
減った釣書の山から手を離した彼が、私の弾いた封筒を持ち上げて確かめる。
「何を、……誰を探しているんですか?」
「うん。えっと、さっき、『自分のものもあるから』って言われて……」
見覚えのない家紋に手を止める。封を切り、派手な飾り縁のついた二つ折りの台紙を出す。開くと、最初に飾り文字で書かれた人物名が躍っていた。
「……オズワルド・ボルツ。彼を選ぶんですか?」
不穏な声音。
珍しく不機嫌を晒すウェスリーに慌てて「違う」と首を横に振る。
「別に、ボルツ先生がいいとかそういうんじゃなくて、ただ……」
――俺なら、お前の助けになれる。
あの言葉の真意を知りたかった。
「ほ、ほら、一度お話しするくらいはいいと思わない? 魔法科の先生とお話しする機会なんてそうそうないし」
彼に対し、胸のときめきを覚えたわけではない。
けれど、もし仮に誰かを選ばないといけないとしたら。
(現実的に考えて、『悪くない選択肢』よね……)
ウェスリーの考えが知りたくて、彼の答え――反応を待った。
けれど、いつまでたっても彼は口を開かない。ただ、ガラス玉のような感情の見えない瞳で、ボルツの釣書にじっと視線を落としていた。
釣書を抱えて部屋を出る。
小走りに向かうのはサロン――今なら義姉が寛いでいるはずの部屋だ。ウェスリーは黙ったまま、いつも通りに後をついてくる。
サロンの扉を開けると、鼻腔をくすぐる紅茶の香りと共に、予想外の声が聞こえてきた。
「……お兄様?」
領地に戻ったはずの兄が義姉の隣で寛いでいる。ピッタリと隙間なく寄り添うのを「寛いでいる」と言っていいのならだが。
義姉の澄ました顔と対象的に相好を崩しっぱなしの兄が、こちらを向いた。
「なんだ、二人とも帰ってきてたのか」
笑顔で言った彼の視線が、私が胸に抱き込んだものに向けられる。途端、その顔が絶望に染まった。
「ト、トリシャ、それはもしや!」
弾かれたようにソファから立ち上がった兄が大股に近づいてくる。
咄嗟に、釣書を背中に隠した。
目の前に迫った巨体が伸ばしかけた手の行き先を失い、ワタワタと宙を彷徨わせる。
兄の視線がウェスリーに向かう。「どういうことだ」と無言で視線で問うているが、ウェスリーは何も答えなかった。
「……お義姉様」
兄の存在は置いておき、義姉に声を掛ける。
薄い笑みを浮かべた彼女が「なぁに?」と小首を傾げた。兄のように大騒ぎしない彼女の態度に安堵して、気になっていた問いを口にした。
「お義姉様は、お兄様に初めて会われた時、お兄様のことをどう思われましたか?」
「え?」
珍しく、義姉が虚を衝かれた表情を浮かべた。
彼女の視線が兄に向かう。つられてそちらを向くと、兄が抑えきれない好奇の眼差しを彼女に向けていた。
義姉が鮮やかな笑みを浮かべる。
「あのね、トリシャ。人の第一印象なんて当てにならないものなのよ?」
「そう、なのですか?」
「ええ」
頷いた義姉の笑みに、なぜだか言い知れぬ圧を感じる。
「最初の出会いでその人の全てを知るなんて無理でしょう? 時間をかけて付き合ううちに、相手の好ましい面も好ましくない面も見えてくるものよ」
兄に向けられた義姉の笑みが深まる。
「……ただ、私はまだフリード様の好ましくない面を見つけられていないのだけれど」
「クリスティーナッ!」
義姉の言葉に感極まった兄が、彼女のもとに駆け寄る。そのまま、ソファに座る彼女を抱きしめた。
「俺もだっ! 俺もっ、クリスティーナの全てが好ましい! 愛おしいと思っている!!」
「まぁ、ありがとうございます」
兄の巨体に覆われた義姉の表情は窺い知れないが、その声には明らかなら温度差があった。
(……なんだかなぁ)
結局、義姉の答えからは兄の第一印象がどうだったのか、全く分からない。
だが、もしも、だ。
もしも、義姉が第一印象で兄を好んでいなかったとしたら――
(そんなに好きじゃない相手でも、夫婦になれば上手くいく、のかな……?)
目の前の二人を見る限り、可能性はゼロではなさそうだ。
背中に隠した釣書を胸に抱え直し、ギュッと抱きしめた。
「……お兄様、お義姉様。私、ボルツ先生にお会いしてみようかと――」
「なっ! 駄目だ、絶対に駄目だ!」
盛大に拒絶反応を見せた兄がこちらに歩み寄ってくる。
目の前で何かをまくしたてる兄の向こうで、義姉が僅かに眉をひそめた。暫く思案した後、彼女が「そうね」と呟く。
「貴女が決めたことだもの。会ってみたいのなら、そうなさい」
言って、ニコリと笑みを浮かべた彼女は「但し」と言葉を続ける。
「一つだけ、条件があるわ」
「条件?」
義姉の紅い唇が、深い弧を描いた。
数日後。
善き日を選んで設けられたお見合いの当日。私は屋敷の応接室で微動だにできずにいた。
部屋の中、壁には天井まで届く花の飾り。真新しい絹のカーテン。これでもかと磨き上げられたテーブルは鏡のよう。茶会を超えた豪華な食事と菓子が繊細な器に盛りつけられ、部屋一杯に贅沢な茶葉の香りが立ち上っている。
そして、部屋の中央。主役のために用意された席には、めかしこんだドレス姿の私が座っている。
(……どうしてこうなったのかしら?)
ボルツとの見合いを希望した際には、まさかここまで仰々しいものになるとは思ってもいなかった。
学園で会う延長とまではいかずとも、「王都のお店でお茶でもしながら」という想定は完全に裏切られた。
タールベルクの総力を結集した。そうとられてもおかしくない様相に――ドレスの重さも相まって、私は動けない。
不意に、ノックの音が聞こえて扉が開かれる。
「……失礼します。お客様をお連れしました」
現れたのはウェスリーだった。侍従のお仕着せに身を包み、髪をきちんと整えている。いつもより硬い表情の彼が頭を下げた。
その後ろから、背筋を伸ばしたボルツが現れる。スーツを纏っている。教壇に立つ姿とは異なる彼に、否応なく緊張が増す。
部屋に足を踏み入れた彼が頭を下げようとして、ピタリとその動きを止めた。
「辺境伯閣下? ……夫人も。王都にいらっしゃるとは存じませんでした」
彼の視線が私の両隣を交互に見る。
右隣で、両腕を組んだ兄が胸を張る。
「妹の一大事だ。兄として同席しないわけにはいかないだろう」
左隣で、紅茶のカップに口をつけた義姉がホゥと吐息を漏らす。
「申し訳ありません、ボルツ先生。夫が我儘を言いまして」
カップが音も立てずにソーサーに戻され、テーブルに置かれる。
「ですがまぁ、見合いの席に当主が立ち会うのは自然なこと。あまりお気になさらず、どうぞお座りください」
義姉にすすめられ、ボルツがぎこちない動きで席に着く。苦虫を噛み潰したような顔で、ため息を吐いた。
「失礼した。閣下は辺境を離れられんと聞いていたからな。まさか、この場におられるとは思わなかったんだ」
「フフ。それはまぁ、おっしゃる通りですわね。ですが、幸いなことに、魔法陣の構築も順調。試験的な運用段階に入っておりますので、行き来も随分と楽になりました」
「……試験運用は公的な用途に限られるのではなかったか?」
「あらあら。……辺境伯領主として、将来家門に入る可能性のある人物を見定めるのも務めの一つですから」
黙り込んだボルツに、義姉がフフフと笑い声を零す。義姉とボルツの視線が絡み合った。
刹那、空気が張り詰める。
二人の間に言葉はないが、確かに「何か」が交錯するのを感じた。
ボルツを見つめたまま、義姉が口を開く。
「……さて、タールベルクの意志はお伝えできたでしょうから、後は二人でお話をなさるとよろしいわ」
顔をこちらに向けた義姉が微笑んだ。
「トリシャ。ボルツ先生にお庭を案内してさしあげて?」
「は、はい!」
慌てて立ち上がる。
ドレスの重さに一瞬ふらつきそうになったが、いつの間にか背後に立っていたウェスリーに支えられ、事なきを得る。
「……ありがとう」
小さな声で伝え、ボルツに向き直った。
既に立ち上がっていた彼が――エスコートのためだろう、差し伸べてきた腕に手を添える。
そのまま二人で扉へ向かう途中、背後で義姉がウェスリーの名を呼んだ。振り返ると、彼がこちらに向かってくるのが見えた。
一緒に来てくれるのか。
ウェスリーの同行にホッとし、ボルツと並んで部屋を出た。
「……過保護だな」
庭に出て歩き始めてすぐ、ボルツの第一声に思わず顔が熱くなる。
「す、すみません。先生。兄はいつものことなんですが、今日は義姉まで……」
「ああ。……しっかり伝わったさ」
「え?」
顔を上げて隣を見上げる。
暗く沈んだ表情のボルツが皮肉げに口元を歪めた。
「言ってただろ? 『タールベルクの意志』ってな。……お前を泣かせたらただじゃすまさんってことだろ」
「え?」
言われて振り返る。
今日の歓待――ボルツは茶に手さえつけていないのでそう呼べるかは疑問だが――には、そういう意図があったのかと改めて感じる。
(脅し、牽制、……じゃないけれど、家の威信を見せつけたってこと、よね?)
今、自分が纏うこの豪奢なドレスにも「タールベルクの守護」が込められているのだろう。
日が傾きかけた庭を並んで歩く。
会話もなく、聞こえるのは二人分の足音と、それから少し遅れて聞こえるもう一つの足音。
居心地の悪い沈黙が続く中、咲きかけの薔薇の花が風に揺れて香りを運ぶ。
真っ赤な薔薇。兄が義姉のためにと選んだ花だ。
ふと足を止めたボルツが薔薇の花に視線を落とした。
「……トリシャ。お前、なんで俺を選んだ?」
ボソリと呟かれた問いは、こちらの何かを確かめるようだった。
その「何か」が分からないまま、答えを返す。
「それは、あの、図書館で先生が……」
口にしてから、我ながらあやふやな理由だと呆れた。
(これじゃあ、他人任せ、流されただけみたいに聞こえる)
思い直し、ずっと胸の奥に抱えている苦しさを口にした。
「……私の周りの人達は、みんな私に優しいんです」
兄と義姉。ウェスリーに領地のみんな。
思い出す時、彼らは皆、笑っている。それだけで、自分がどれだけ大切に育てられてきたかが分かる。
なのに――
「ご存知のように、私は魔法が使えません。剣も全く駄目です。……でも、それを責める人は誰もいなくて、私は守ってもらうばかりなんです」
「……そんなやつぁ、他にいくらでもいるだろ」
「はい。ですが、私はそれを許される立場にありません」
領主の妹。領民を守り導く義務がある。
私が義務を放り出せば、背負うのは兄一人。今は義姉もいてくれるが、それで私の責務がなくなるわけではない。
それに、逃げ出したいわけではない。
背負うものの大きさに尻込みしたくなるが、それが領地の皆の笑顔に繋がるのであれば、私の選択は一つだ。
「……以前、お義姉様が言ってくださったんです。『貴女のために頑張れる人がいる。素敵なことじゃないか』って」
ボルツの顔が僅かに歪む。眉間に寄った皺の意味を考えつつ、言葉を続けた。
「言われた時はすごく嬉しかったんです。ああ、そんなふうに思ってくれる人がいるんだなって。救われた気がして」
一呼吸置いて、「でも」と口にする。
「よく考えたら怖くなりました」
「なぜ?」
ボルツの問いに、胸に巣食う不安を吐露する。
「『みんなが守ってくれようとする私』ってどんなだろうって」
彼が首を傾げる。
苦しさを紛らわすために、私は笑った。
「だって、私は今まで何もしてこなかったんですよ? 周りは今、大きな変化の中にあるのに、私だけが何も知らないまま、何もしないまま。本当にそれでいいのかって……」
黙って耳を傾けるボルツに「それに」と続ける。
「ずっと同じ自分でい続ける、皆が守ってくれる自分であり続けるのも難しいなって思うんです」
「……言えばいいだろ。その不安をお前の周りの人間に伝えりゃいい」
「言えません」
彼の言葉に、小さく首を横に振る。
「こんな弱音。ボルツ先生は聞き流してくれるから言えますけど、お兄様たちに伝えたら、どんな大騒ぎになるか」
想像して、クスリと笑いが零れ落ちる。
(大騒ぎして、最後には『心配するな』、『そのままでいい』って言われるんだろうな)
分かっていて口にするのは卑怯だ。子どもみたいで格好悪すぎる。
思いを口にして、いくらかすっきりした気分でボルツを見上げた。こちらをジッと見つめた彼が、口を開く。
彼女は変わらぬ泣き顔で真剣な瞳を向けていた。自身の婚約者を止める様子はない。
「……冗談などではないさ」
アレクシスが鷹揚に告げる。
「王家としては、タールベルクの転移陣開発に早めに介入しておきたい。彼の家主導の開発を、いずれは王家のものとするつもりだ」
勝手かつ無謀な宣言に、奥歯をギリと噛みしめて問う。
「……なぜ、私なのですか? 他に適任はいくらでもいるでしょう」
「ソフィアの提案だ。お前ほど魔法に優れ、王家への忠義篤い者はいないというからな」
(馬鹿なっ!)
王家への忠義など糞食らえだ。
睨みつけると、正面の男は不敵に笑った。
「少なくとも、ソフィアの力にはなってくれるのだろう? ……私もそれだけは信じられるんだよ、ボルツ先生」
瞬間、頭に血が上る。
ソフィアへの想いを見透かされている屈辱。「嵌められた」という思いが強くなる。
始めから、ソフィアは餌だったのだ。
彼女を餌に己を駒にする。アレクシスの奸計を、ソフィアはどこまで理解し受け入れているのだろうか。
縋る思いで彼女の名を呼ぶ。
「ソフィア――」
「ボルツ先生なら絶対に大丈夫です!」
ソフィアが椅子から身を乗り出した。
「パウル君が教えてくれたんです。『クリスティーナ様が魔導師を探してる』って。だから、絶対上手くいきます。ボルツ先生は最高の魔導師だもの!」
こちらを見つめる熱く浮かされたような瞳。
だが、少しも心に響くものはなかった。ただ、虚しさが心を埋め尽くす。
「……そうか」
「ボルツ先生?」
――ソフィアにとって、自分はもう、「最高の魔導師」という肩書でしかないのか。
己の意志など関係ない。ただただ、「可能だから」という理由で役目を押しつけられる。
いつからなのだろう。彼女が己を「個」としてではなく、肩書で見るようになったのは。
(もしかして、最初から――)
その先を考えるのが恐ろしく、思考を止める。
「どうだ、オズワルド・ボルツ? ソフィアたっての願いだ。聞き入れてくれるだろう?」
最早、抗う気力はなかった。黙したまま頭を垂れる。
まるで道化のようだ。
自嘲しても気は晴れない。
ただただ、ソフィアを泣かせるのが怖かった。彼女に「不要だ」と切り捨てられるのが恐ろしい。
下げた頭の向こうで、彼女が嬉しげに礼を言う。
アレクシスが淡々と告げた。
「なに、案ずるな。縁談は陛下経由で持ち込む。あちらも拒否などできんさ」
(――何が、『案ずるな』だ……)
不愉快な言葉を思い出し、独り言ちる。
足を止めて空を仰いだ。
澄んだ碧が、先ほど目にした少女の瞳を想起させる。
(トリシャ・タールベルク。辺境の箱入りお嬢様、か……)
こちらを見上げる真っ直ぐな瞳。教えを請うものの無垢な眼差し。
それを利用しようとしている。
自分がひどく薄汚い存在になり下がった気がした。
いっそのこと、釣書など破棄されてしまえばいい――
ならば己の非とはならず、ソフィアに咎められることもないだろう。
だが、地を見下ろす。口からため息が零れ落ちた。
◇ ◇ ◇
学園から戻る道すがら、なんだかずっとソワソワしていた。
ウェスリーのもの言いたげな視線に気づいてはいたが、言葉にしないのをいいことに最後までやり過ごした。
(……本当に、あるのかしら?)
鞄の中身が「大量の釣書」とは教えられたが、「誰のもの」という話はまったく聞いていない。
屋敷に戻ると、義姉への挨拶もそこそこに自室へ向かう。途中から、ウェスリーがついてくるのも気にならなくなった。
部屋の扉を開け、真っ直ぐ部屋の隅へ向かう。置きっぱなしの旅行鞄を持ち上げようとして、あまりの重さにすぐに断念した。
(どれだけ入ってるの!?)
仕方なく、一旦鞄を開けて重ねられた封筒のいくつかを持ち上げる。
欲張りすぎた重さにふらついて、机の上にドシンと音を立てて置いてしまった。弾みで、開きっぱなしにしていた魔法学の教科書が落ちる。
「あ」と思う間もなく、背後から近づいたウェスリーが拾い上げ、こちらに差し出す。
「えっと……」
釣書の山が崩れてしまわないよう、未だ手は塞がったまま。
目線で本棚を示して、お願いする。
「ごめんね、ウェスリー。本棚に戻しておいてくれる?」
無言で頷いた彼は本棚に向かい、教科書をしまった。すぐに戻ってくると、私の代わりに釣書の山を支えてくれる。
「ありがとう、ウェスリー」
これでようやく中身を確認できる。
一番上、キラキラの箔押しがされた封筒に手を伸ばす。
(……違う)
家紋に見覚えがあった。
どこぞの伯爵家の封筒を横に置き、次の封筒に手を伸ばす。上質な紙の手触り、家紋の刻印、目を皿のようにして探していく。
「……トリシャ」
「ん?」
作業に夢中で、ウェスリーの呼びかけに上の空で答えた。
減った釣書の山から手を離した彼が、私の弾いた封筒を持ち上げて確かめる。
「何を、……誰を探しているんですか?」
「うん。えっと、さっき、『自分のものもあるから』って言われて……」
見覚えのない家紋に手を止める。封を切り、派手な飾り縁のついた二つ折りの台紙を出す。開くと、最初に飾り文字で書かれた人物名が躍っていた。
「……オズワルド・ボルツ。彼を選ぶんですか?」
不穏な声音。
珍しく不機嫌を晒すウェスリーに慌てて「違う」と首を横に振る。
「別に、ボルツ先生がいいとかそういうんじゃなくて、ただ……」
――俺なら、お前の助けになれる。
あの言葉の真意を知りたかった。
「ほ、ほら、一度お話しするくらいはいいと思わない? 魔法科の先生とお話しする機会なんてそうそうないし」
彼に対し、胸のときめきを覚えたわけではない。
けれど、もし仮に誰かを選ばないといけないとしたら。
(現実的に考えて、『悪くない選択肢』よね……)
ウェスリーの考えが知りたくて、彼の答え――反応を待った。
けれど、いつまでたっても彼は口を開かない。ただ、ガラス玉のような感情の見えない瞳で、ボルツの釣書にじっと視線を落としていた。
釣書を抱えて部屋を出る。
小走りに向かうのはサロン――今なら義姉が寛いでいるはずの部屋だ。ウェスリーは黙ったまま、いつも通りに後をついてくる。
サロンの扉を開けると、鼻腔をくすぐる紅茶の香りと共に、予想外の声が聞こえてきた。
「……お兄様?」
領地に戻ったはずの兄が義姉の隣で寛いでいる。ピッタリと隙間なく寄り添うのを「寛いでいる」と言っていいのならだが。
義姉の澄ました顔と対象的に相好を崩しっぱなしの兄が、こちらを向いた。
「なんだ、二人とも帰ってきてたのか」
笑顔で言った彼の視線が、私が胸に抱き込んだものに向けられる。途端、その顔が絶望に染まった。
「ト、トリシャ、それはもしや!」
弾かれたようにソファから立ち上がった兄が大股に近づいてくる。
咄嗟に、釣書を背中に隠した。
目の前に迫った巨体が伸ばしかけた手の行き先を失い、ワタワタと宙を彷徨わせる。
兄の視線がウェスリーに向かう。「どういうことだ」と無言で視線で問うているが、ウェスリーは何も答えなかった。
「……お義姉様」
兄の存在は置いておき、義姉に声を掛ける。
薄い笑みを浮かべた彼女が「なぁに?」と小首を傾げた。兄のように大騒ぎしない彼女の態度に安堵して、気になっていた問いを口にした。
「お義姉様は、お兄様に初めて会われた時、お兄様のことをどう思われましたか?」
「え?」
珍しく、義姉が虚を衝かれた表情を浮かべた。
彼女の視線が兄に向かう。つられてそちらを向くと、兄が抑えきれない好奇の眼差しを彼女に向けていた。
義姉が鮮やかな笑みを浮かべる。
「あのね、トリシャ。人の第一印象なんて当てにならないものなのよ?」
「そう、なのですか?」
「ええ」
頷いた義姉の笑みに、なぜだか言い知れぬ圧を感じる。
「最初の出会いでその人の全てを知るなんて無理でしょう? 時間をかけて付き合ううちに、相手の好ましい面も好ましくない面も見えてくるものよ」
兄に向けられた義姉の笑みが深まる。
「……ただ、私はまだフリード様の好ましくない面を見つけられていないのだけれど」
「クリスティーナッ!」
義姉の言葉に感極まった兄が、彼女のもとに駆け寄る。そのまま、ソファに座る彼女を抱きしめた。
「俺もだっ! 俺もっ、クリスティーナの全てが好ましい! 愛おしいと思っている!!」
「まぁ、ありがとうございます」
兄の巨体に覆われた義姉の表情は窺い知れないが、その声には明らかなら温度差があった。
(……なんだかなぁ)
結局、義姉の答えからは兄の第一印象がどうだったのか、全く分からない。
だが、もしも、だ。
もしも、義姉が第一印象で兄を好んでいなかったとしたら――
(そんなに好きじゃない相手でも、夫婦になれば上手くいく、のかな……?)
目の前の二人を見る限り、可能性はゼロではなさそうだ。
背中に隠した釣書を胸に抱え直し、ギュッと抱きしめた。
「……お兄様、お義姉様。私、ボルツ先生にお会いしてみようかと――」
「なっ! 駄目だ、絶対に駄目だ!」
盛大に拒絶反応を見せた兄がこちらに歩み寄ってくる。
目の前で何かをまくしたてる兄の向こうで、義姉が僅かに眉をひそめた。暫く思案した後、彼女が「そうね」と呟く。
「貴女が決めたことだもの。会ってみたいのなら、そうなさい」
言って、ニコリと笑みを浮かべた彼女は「但し」と言葉を続ける。
「一つだけ、条件があるわ」
「条件?」
義姉の紅い唇が、深い弧を描いた。
数日後。
善き日を選んで設けられたお見合いの当日。私は屋敷の応接室で微動だにできずにいた。
部屋の中、壁には天井まで届く花の飾り。真新しい絹のカーテン。これでもかと磨き上げられたテーブルは鏡のよう。茶会を超えた豪華な食事と菓子が繊細な器に盛りつけられ、部屋一杯に贅沢な茶葉の香りが立ち上っている。
そして、部屋の中央。主役のために用意された席には、めかしこんだドレス姿の私が座っている。
(……どうしてこうなったのかしら?)
ボルツとの見合いを希望した際には、まさかここまで仰々しいものになるとは思ってもいなかった。
学園で会う延長とまではいかずとも、「王都のお店でお茶でもしながら」という想定は完全に裏切られた。
タールベルクの総力を結集した。そうとられてもおかしくない様相に――ドレスの重さも相まって、私は動けない。
不意に、ノックの音が聞こえて扉が開かれる。
「……失礼します。お客様をお連れしました」
現れたのはウェスリーだった。侍従のお仕着せに身を包み、髪をきちんと整えている。いつもより硬い表情の彼が頭を下げた。
その後ろから、背筋を伸ばしたボルツが現れる。スーツを纏っている。教壇に立つ姿とは異なる彼に、否応なく緊張が増す。
部屋に足を踏み入れた彼が頭を下げようとして、ピタリとその動きを止めた。
「辺境伯閣下? ……夫人も。王都にいらっしゃるとは存じませんでした」
彼の視線が私の両隣を交互に見る。
右隣で、両腕を組んだ兄が胸を張る。
「妹の一大事だ。兄として同席しないわけにはいかないだろう」
左隣で、紅茶のカップに口をつけた義姉がホゥと吐息を漏らす。
「申し訳ありません、ボルツ先生。夫が我儘を言いまして」
カップが音も立てずにソーサーに戻され、テーブルに置かれる。
「ですがまぁ、見合いの席に当主が立ち会うのは自然なこと。あまりお気になさらず、どうぞお座りください」
義姉にすすめられ、ボルツがぎこちない動きで席に着く。苦虫を噛み潰したような顔で、ため息を吐いた。
「失礼した。閣下は辺境を離れられんと聞いていたからな。まさか、この場におられるとは思わなかったんだ」
「フフ。それはまぁ、おっしゃる通りですわね。ですが、幸いなことに、魔法陣の構築も順調。試験的な運用段階に入っておりますので、行き来も随分と楽になりました」
「……試験運用は公的な用途に限られるのではなかったか?」
「あらあら。……辺境伯領主として、将来家門に入る可能性のある人物を見定めるのも務めの一つですから」
黙り込んだボルツに、義姉がフフフと笑い声を零す。義姉とボルツの視線が絡み合った。
刹那、空気が張り詰める。
二人の間に言葉はないが、確かに「何か」が交錯するのを感じた。
ボルツを見つめたまま、義姉が口を開く。
「……さて、タールベルクの意志はお伝えできたでしょうから、後は二人でお話をなさるとよろしいわ」
顔をこちらに向けた義姉が微笑んだ。
「トリシャ。ボルツ先生にお庭を案内してさしあげて?」
「は、はい!」
慌てて立ち上がる。
ドレスの重さに一瞬ふらつきそうになったが、いつの間にか背後に立っていたウェスリーに支えられ、事なきを得る。
「……ありがとう」
小さな声で伝え、ボルツに向き直った。
既に立ち上がっていた彼が――エスコートのためだろう、差し伸べてきた腕に手を添える。
そのまま二人で扉へ向かう途中、背後で義姉がウェスリーの名を呼んだ。振り返ると、彼がこちらに向かってくるのが見えた。
一緒に来てくれるのか。
ウェスリーの同行にホッとし、ボルツと並んで部屋を出た。
「……過保護だな」
庭に出て歩き始めてすぐ、ボルツの第一声に思わず顔が熱くなる。
「す、すみません。先生。兄はいつものことなんですが、今日は義姉まで……」
「ああ。……しっかり伝わったさ」
「え?」
顔を上げて隣を見上げる。
暗く沈んだ表情のボルツが皮肉げに口元を歪めた。
「言ってただろ? 『タールベルクの意志』ってな。……お前を泣かせたらただじゃすまさんってことだろ」
「え?」
言われて振り返る。
今日の歓待――ボルツは茶に手さえつけていないのでそう呼べるかは疑問だが――には、そういう意図があったのかと改めて感じる。
(脅し、牽制、……じゃないけれど、家の威信を見せつけたってこと、よね?)
今、自分が纏うこの豪奢なドレスにも「タールベルクの守護」が込められているのだろう。
日が傾きかけた庭を並んで歩く。
会話もなく、聞こえるのは二人分の足音と、それから少し遅れて聞こえるもう一つの足音。
居心地の悪い沈黙が続く中、咲きかけの薔薇の花が風に揺れて香りを運ぶ。
真っ赤な薔薇。兄が義姉のためにと選んだ花だ。
ふと足を止めたボルツが薔薇の花に視線を落とした。
「……トリシャ。お前、なんで俺を選んだ?」
ボソリと呟かれた問いは、こちらの何かを確かめるようだった。
その「何か」が分からないまま、答えを返す。
「それは、あの、図書館で先生が……」
口にしてから、我ながらあやふやな理由だと呆れた。
(これじゃあ、他人任せ、流されただけみたいに聞こえる)
思い直し、ずっと胸の奥に抱えている苦しさを口にした。
「……私の周りの人達は、みんな私に優しいんです」
兄と義姉。ウェスリーに領地のみんな。
思い出す時、彼らは皆、笑っている。それだけで、自分がどれだけ大切に育てられてきたかが分かる。
なのに――
「ご存知のように、私は魔法が使えません。剣も全く駄目です。……でも、それを責める人は誰もいなくて、私は守ってもらうばかりなんです」
「……そんなやつぁ、他にいくらでもいるだろ」
「はい。ですが、私はそれを許される立場にありません」
領主の妹。領民を守り導く義務がある。
私が義務を放り出せば、背負うのは兄一人。今は義姉もいてくれるが、それで私の責務がなくなるわけではない。
それに、逃げ出したいわけではない。
背負うものの大きさに尻込みしたくなるが、それが領地の皆の笑顔に繋がるのであれば、私の選択は一つだ。
「……以前、お義姉様が言ってくださったんです。『貴女のために頑張れる人がいる。素敵なことじゃないか』って」
ボルツの顔が僅かに歪む。眉間に寄った皺の意味を考えつつ、言葉を続けた。
「言われた時はすごく嬉しかったんです。ああ、そんなふうに思ってくれる人がいるんだなって。救われた気がして」
一呼吸置いて、「でも」と口にする。
「よく考えたら怖くなりました」
「なぜ?」
ボルツの問いに、胸に巣食う不安を吐露する。
「『みんなが守ってくれようとする私』ってどんなだろうって」
彼が首を傾げる。
苦しさを紛らわすために、私は笑った。
「だって、私は今まで何もしてこなかったんですよ? 周りは今、大きな変化の中にあるのに、私だけが何も知らないまま、何もしないまま。本当にそれでいいのかって……」
黙って耳を傾けるボルツに「それに」と続ける。
「ずっと同じ自分でい続ける、皆が守ってくれる自分であり続けるのも難しいなって思うんです」
「……言えばいいだろ。その不安をお前の周りの人間に伝えりゃいい」
「言えません」
彼の言葉に、小さく首を横に振る。
「こんな弱音。ボルツ先生は聞き流してくれるから言えますけど、お兄様たちに伝えたら、どんな大騒ぎになるか」
想像して、クスリと笑いが零れ落ちる。
(大騒ぎして、最後には『心配するな』、『そのままでいい』って言われるんだろうな)
分かっていて口にするのは卑怯だ。子どもみたいで格好悪すぎる。
思いを口にして、いくらかすっきりした気分でボルツを見上げた。こちらをジッと見つめた彼が、口を開く。
243
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。