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第2章 王立ロンデルネス修道学園
第27話 どうだ、史上最速記録だろう?
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「あの、今日はよろしくお願いします」
SとAのクラス合同学期試験の当日。
俺は学園側が選んだパーティメンバーと初顔合わせしていた。
「僕たち、あんまり成績が良くなくって……足を引っ張っちゃうかもしれない……」
どうやら各パーティの戦力は、できるだけ平均化されるよう編成されたらしい。
パーティはAクラスの成績最下位4名に、Sクラス最上位の俺を加えた5人。
「なんとか頑張って、Aクラスを維持したいの。だから、あたしたちカインくんの指示に従うわ。お願い、あたしたちを導いて!」
学期試験の成績が悪ければ、下位クラスへ容赦なく落とされる。
入学当初はSクラスだった者が、卒業までSクラスでいられることも珍しいそうだ。
そもそも他力本願するような者が、クラスを維持できるとは思えない。ただ実力相応のクラスに落ち着くだけだと思うが……。
「まあいい。お前たち、運が良かったな。俺の言うことを聞いておけば、クラスを維持できるどころか、Sクラスへの昇格も夢じゃないぞ」
「おお、頼もしい!」
顔合わせを済ませたあとは、学園の人工ダンジョン前に整列する。
総勢22名、4パーティ。レナやグレンは、それぞれ別のパーティだ。
試験官は、もはやお馴染みのエミリー教師。
「試験内容については事前に説明したとおりです。最深部にある攻略メダルを回収して帰還してください。早ければ早いほど良い点数になりますし、中にいる敵を倒しても点数は加算されます。でも、途中で倒れてしまったら失格になりますので、気をつけてくださいね」
失格者は、のちほど追試を受けられるそうだが、もちろん点数的に不利になる。
「それと! 強調しておきますが! 魔法生物発生装置は、壊しちゃダメですよ! 倒しきれない敵が出てくるダンジョンを攻略するのが主旨なので! というか、修理費がめちゃくちゃ高いので! 先生、この前、ものすっごく怒られました!」
エミリー教師は涙目で訴えてから、きっ、と俺に目を向けた。
「特にカイン・アーネストくん! 絶対ですよ、絶対壊しちゃダメですからね!?」
「わかった、そういう主旨なら壊さない。約束する」
「はい、素直でよろしいです。なにか質問はありますか?」
俺はさっそく手を上げる。
「他の物なら壊してもいいのか?」
「えぇと……まあ、はい。大丈夫です。地形を利用して戦うこともあるでしょうから、天井や壁を壊すくらいは許容範囲です」
「わかった」
他に質問はなかった。エミリー教師の指示で、各パーティは突入準備を整え、それぞれに指定されたダンジョン入口前で待機する。
「みなさん準備は良いですね? くれぐれも気をつけて! 試験を開始します!」
各パーティは、よどみなくダンジョンへ入っていく。俺のパーティだけは、出発しない。
「カインくん、僕たちも行かないと遅れちゃうよ」
「まあ待て。俺に任せておけ」
俺は入口の前に立ち、魔力を集中。探査魔法を発動する。
魔力の波動を放出して、反射してきた波を感知して地形を読み取る魔法だ。人間や魔法生物、魔力を発する物質などの位置も特定できる。
この程度の広さのダンジョンなら、数秒ほどですべてを克明に把握できる。
「よし、そこか。お前たち、下がっていろ!」
今度は両腕で魔力を練り上げる。両足を踏ん張る。
「閃爆魔砲!」
高熱を伴う魔力の塊を発射。魔力はダンジョンの壁を融かしながら突き進む。
数秒後には、遠くから爆発音が届いた。遅れて、わずかな地響き。
パーティメンバーも、エミリー教師も、目を丸くしてポカンとしている。
「なにを呆けてる。道を作ったぞ、最深部まで一直線だ。行くぞ」
もちろん他のパーティや、魔法生物発生装置は避けている。
「えっ、えぇえー……」
驚愕から立ち直れないメンバーを促して、ダンジョンへ走る。
「ち、ちょっ、こ、こらぁあ! カイン・アーネストくん!」
我に返ったエミリー教師の叫びが背中を叩いたが、俺たちは立ち止まらない。
そして10分足らずで、攻略メダルを回収して帰還した。
「どうだ。史上最速記録だろう?」
パーティを代表して、攻略メダルをエミリー教師に提出する。
「まあ、確かにそうなんですけどね……」
「約束通り、魔法生物発生装置は壊していない。他の連中の邪魔にもならん程度の穴だ。見事な攻略法だったろう?」
「いやまあ、壁や天井くらいは壊してもいいと言いましたけどね……?」
エミリー教師は、がっくりと肩を落とす。
「あああ、もう~……。また修理費が……予算がッ、予算がもたない……」
「ふふん、称賛しても構わんぞ」
エミリー教師は、こめかみの辺りに青筋を浮かばせつつ、にっこりと笑った。
「カイン・アーネストくん。あとで学園長に会ってもらいますね。お姉さんも一緒に」
「いいだろう。会ってやる」
翌日。
学園長室に呼び出された俺とアリアは、試験の好成績を称賛されると思っていたのだが……。
「備品や施設壊すのマジやめろや」
学園長はガチギレしていた。
SとAのクラス合同学期試験の当日。
俺は学園側が選んだパーティメンバーと初顔合わせしていた。
「僕たち、あんまり成績が良くなくって……足を引っ張っちゃうかもしれない……」
どうやら各パーティの戦力は、できるだけ平均化されるよう編成されたらしい。
パーティはAクラスの成績最下位4名に、Sクラス最上位の俺を加えた5人。
「なんとか頑張って、Aクラスを維持したいの。だから、あたしたちカインくんの指示に従うわ。お願い、あたしたちを導いて!」
学期試験の成績が悪ければ、下位クラスへ容赦なく落とされる。
入学当初はSクラスだった者が、卒業までSクラスでいられることも珍しいそうだ。
そもそも他力本願するような者が、クラスを維持できるとは思えない。ただ実力相応のクラスに落ち着くだけだと思うが……。
「まあいい。お前たち、運が良かったな。俺の言うことを聞いておけば、クラスを維持できるどころか、Sクラスへの昇格も夢じゃないぞ」
「おお、頼もしい!」
顔合わせを済ませたあとは、学園の人工ダンジョン前に整列する。
総勢22名、4パーティ。レナやグレンは、それぞれ別のパーティだ。
試験官は、もはやお馴染みのエミリー教師。
「試験内容については事前に説明したとおりです。最深部にある攻略メダルを回収して帰還してください。早ければ早いほど良い点数になりますし、中にいる敵を倒しても点数は加算されます。でも、途中で倒れてしまったら失格になりますので、気をつけてくださいね」
失格者は、のちほど追試を受けられるそうだが、もちろん点数的に不利になる。
「それと! 強調しておきますが! 魔法生物発生装置は、壊しちゃダメですよ! 倒しきれない敵が出てくるダンジョンを攻略するのが主旨なので! というか、修理費がめちゃくちゃ高いので! 先生、この前、ものすっごく怒られました!」
エミリー教師は涙目で訴えてから、きっ、と俺に目を向けた。
「特にカイン・アーネストくん! 絶対ですよ、絶対壊しちゃダメですからね!?」
「わかった、そういう主旨なら壊さない。約束する」
「はい、素直でよろしいです。なにか質問はありますか?」
俺はさっそく手を上げる。
「他の物なら壊してもいいのか?」
「えぇと……まあ、はい。大丈夫です。地形を利用して戦うこともあるでしょうから、天井や壁を壊すくらいは許容範囲です」
「わかった」
他に質問はなかった。エミリー教師の指示で、各パーティは突入準備を整え、それぞれに指定されたダンジョン入口前で待機する。
「みなさん準備は良いですね? くれぐれも気をつけて! 試験を開始します!」
各パーティは、よどみなくダンジョンへ入っていく。俺のパーティだけは、出発しない。
「カインくん、僕たちも行かないと遅れちゃうよ」
「まあ待て。俺に任せておけ」
俺は入口の前に立ち、魔力を集中。探査魔法を発動する。
魔力の波動を放出して、反射してきた波を感知して地形を読み取る魔法だ。人間や魔法生物、魔力を発する物質などの位置も特定できる。
この程度の広さのダンジョンなら、数秒ほどですべてを克明に把握できる。
「よし、そこか。お前たち、下がっていろ!」
今度は両腕で魔力を練り上げる。両足を踏ん張る。
「閃爆魔砲!」
高熱を伴う魔力の塊を発射。魔力はダンジョンの壁を融かしながら突き進む。
数秒後には、遠くから爆発音が届いた。遅れて、わずかな地響き。
パーティメンバーも、エミリー教師も、目を丸くしてポカンとしている。
「なにを呆けてる。道を作ったぞ、最深部まで一直線だ。行くぞ」
もちろん他のパーティや、魔法生物発生装置は避けている。
「えっ、えぇえー……」
驚愕から立ち直れないメンバーを促して、ダンジョンへ走る。
「ち、ちょっ、こ、こらぁあ! カイン・アーネストくん!」
我に返ったエミリー教師の叫びが背中を叩いたが、俺たちは立ち止まらない。
そして10分足らずで、攻略メダルを回収して帰還した。
「どうだ。史上最速記録だろう?」
パーティを代表して、攻略メダルをエミリー教師に提出する。
「まあ、確かにそうなんですけどね……」
「約束通り、魔法生物発生装置は壊していない。他の連中の邪魔にもならん程度の穴だ。見事な攻略法だったろう?」
「いやまあ、壁や天井くらいは壊してもいいと言いましたけどね……?」
エミリー教師は、がっくりと肩を落とす。
「あああ、もう~……。また修理費が……予算がッ、予算がもたない……」
「ふふん、称賛しても構わんぞ」
エミリー教師は、こめかみの辺りに青筋を浮かばせつつ、にっこりと笑った。
「カイン・アーネストくん。あとで学園長に会ってもらいますね。お姉さんも一緒に」
「いいだろう。会ってやる」
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