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一章
9.王子の密告2
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「ローネイン公爵家?それって確かお兄様の派閥の……」
「筆頭貴族だな。俺の母の生家でもある」
ローネイン公爵家。
それは第二王子レオンハルトの派閥の筆頭貴族であり、第二側妃ロザリアの生家でもある有力貴族だった。
「それはまた、……とんでもない大物ね」
「そうだろ?だからこそ、この話はここだけのものだ」
その言葉にミルフィは黙って頷いた。
「それで、そのローネイン公爵家がどうかしたのかしら?」
「それがだな……どうやら現当主はとんでもないことをしているらしいんだ」
「現公爵が?……それって貴方の叔父よね?」
「そうだけど」
それがどうしたと言いたげな視線を送られる。
ミルフィは自分が聞いていいのかどうか今更ながら悩んでしまった。
(流石にお兄様にとっての家族でもある人の話をお兄様本人から聞くことになるとは……それに、密告をしたところでお兄様の徳になんてならないはずなのにどうして……?)
「……お兄様。それは本当にわたしが聞いてもいいことなの?ローネイン公爵当主は貴方の叔父でもある。わたしはその問題を聞いてしまったら最後その証拠を掴んで捕らえなければならないのよ?それに、それを言ったところで貴方の徳になんてならないはずなのに」
ミルフィがそう言ったところで、レオンハルトの纏う雰囲気が少しだけ変化した。
レオンハルトはミルフィの言葉に目を細める。
「……ミルフィは犯罪を見て見ぬ振りするつもりなのか?」
「そ、れは……」
何の感情も込められることのない、淡々とした話し方に、ミルフィは知らずのうちにほんの少しの恐怖心を抱いてしまった。
「俺は、たとえ自分と血が繋がっていようと罪を犯したものには容赦しない。それ相応の罰を与えるつもりでいる。……それがたとえ自分にとって親のような存在でも、な」
その瞬間ミルフィは背後がぞくりとするのを感じる。レオンハルトはミルフィがぞっとするほどに無表情だった。
いつもへらりと笑っている自分の兄のそんな表情は、どこか切羽詰まったもののようにも感じた。
ミルフィは言葉に詰まる。
(お兄様は、……きちんと覚悟をしているのね。それならわたしからは何も言うことはない)
ミルフィは自分を見つめるレオンハルトに同じく視線を返して、そして頷いた。それにレオンハルトは、ほっとしたような表情を浮かべた。
「それなら話して」
ミルフィが促すと、頷いてからレオンハルトは口を開いた。
「まだ証拠がある訳ではないんだ。でも、限りなく黒に近いと思っている」
そう前置きをしてから説明を始めた。
「ローネイン公爵家は、人身売買をしているという情報を偶然手に入れたんだ」
「え?……なんですって!?」
人身売買、という言葉にミルフィは反応した。
(前回ではそんな話聞いた時ない……人身売買していたのは教会ではなかったの?)
シルバート王国には神を信仰する為に作られた教会があった。
前回ミルフィは人身売買の被害者になりかけたことがある。その時は連れ去られる前にアルベルトに助けられ、その犯人を捕らえる事が出来たのだが、その時に明らかになったのは教会が関与していたということだけだった。
(つまり、あの時も教会の裏には公爵家が……黒幕はローネイン公爵家だったということ?)
ミルフィが考え込んでいる間にもレオンハルトの話は進んでいく。
「この国では人身売買は違法とされ、見つかり次第即牢獄行きとなっているが、他国では罪に問わないところもある。その中でローネイン公爵家は西大陸にあるハーバル帝国と裏で繋がっているらしいんだ。そこで珍しい色彩を持つ子供や不思議な力を持つ子供、それから“加護”を持つ子供が色々なところに売られているらしい」
ミルフィは眉間に皺を寄せた。
「ハーバル帝国と裏で繋がっているなんて、それが本当ならばとてつもなくやっかいね」
ハーバル帝国は西大陸を統べる大国であり、シルバート王国とは決して友好国とはいえない国だった。
一昔前までは戦争をしていた仲であるのだ。
ミルフィはこめかみに手を当てて沈痛な溜め息をつく。
「これは……穏便に済まされるようなことではないわね。頭が痛いわ……」
「その噂を調べる為に俺はついこの間まで王宮を留守にしていたんだ」
そこまで聞いてミルフィは漸く合点の言ったという風に頷いた。
「だからわたしの誕生会の為の夜会に出席していなかったのね」
「そうなるな」
「それで、調査してきた結果が限りなく黒に近かったと?」
レオンハルトはその通りだと満足そうに頷く。
「そういうことだ。色々と伝手を辿って調べていた結果だからそこは信用してくれて構わない」
そこまで言ってから、レオンハルトは背もたれにもたれかかった。
そして天を仰ぐ。
ミルフィはその様子を視界の隅で捉えながらカップの中に入っている琥珀色の紅茶を眺める。カップの中では自分の姿がゆらゆらと揺れてた。
(さて、どうしたら証拠を掴めるのかしら?お兄様が調査を取りやめて戻ってきたということはそれ以上の情報を集める事が困難ということ。……つまり状況は厳しいということね)
ミルフィは一つ確認する為に口を開く。
「お父様はなんて?」
「親父殿はこの件に関しては大っぴらに動く事が出来ない。どこに内通者がいるとも限らないからだと。だから今回の件は此方に任せるとも言っていた」
その言葉を聞いてミルフィは、決意を固めることにした。
「それならば今回のその調査はわたしが引き受けることにするわ。貴方だと色々大変なこともあるだろうし」
それに、その為にわたしに話したのでしょう?と告げると、レオンハルトは目をぱちぱちと瞬かせたからニヤリと笑う。
「さすがミルフィ。話が早くて助かる」
「ただし、一つだけ条件があるわ」
ミルフィはピンっと手入れの行き届いている人差し指を立てる。
「この問題を片付ける事が出来たなら、一つだけわたしの願いを叶えること。それを約束してくれるなら協力は惜しまない」
その言葉にレオンハルトは一瞬呆気に取られたようにポカン…として、一拍おいてから苦笑した。
「ただより安いものはない、か。それならば約束をしようか。レオンハルトの名に誓って」
ミルフィは満足そうに頷く。
「交渉成立ね」
「交渉成立だな」
そしてその話はひと段落ついた、と思ったその時。
「俺は反対だ」
ミルフィの背後に今まで黙って控えていたアルベルトが声を上げた。
突然のことにミルフィは声を出せずにいると、レオンハルトが眉をひそめてアルベルトを見た。
「これはミルフィと俺の問題だぞ?アルが話を突っ込むようなことじゃない」
「それでも俺は反対だ。俺は殿下を守る為に殿下の騎士になる事が正式に決定した。それならば殿下を守る為に危険なことから遠ざかることも騎士としての役目だ」
その言葉は確かにその通りで、それ故にレオンハルトはそれ以上何も言い返すことが出来なかった。
しかし、それに首を振るものがいた。
———それはミルフィ本人だった。
ミルフィはアルベルトの方を振り返りその顔を見つめ、問いかけた。
「貴方にとって騎士とは、なにかしら?」
その発言にアルベルトは一瞬面食らう。
それから少しだけ考える素振りを見せてから口を開いた。
「……騎士とは、主君を命に代えてでも守るもの。そして、何があっても主君の命に従い、そして主君と共にあることだと思っている」
ミルフィは頷いた。
「そう思うのならばわたしの決めたことに従うのが貴方のいう騎士なのではなくて?」
「っ……」
思わぬ反撃にアルベルトはたじろぐ。
「質言はとったわよ?それとも貴方は自分の言ったことを間違えましたとでも言うつもり?」
何も言えずにあるアルベルトを見ながらミルフィは気持ちは分からないでもないけれど、と呟いた。
(たしかに主君に従うことは大事なこと。けれども主君を危険から守るのも立派な騎士の仕事だものね。悩むのも分かる。けれども今回は折れてもらわないと)
騎士って面倒ね、と思わず漏らしそうになる言葉を溜め息と共に呑み込んだ。
「……分かった」
暫くしてからアルベルトは渋々頷いて、でもと付け足した。
「殿下には俺もついていく。流石に一人で調査させるのだけは反対だ」
(本当は一人の方が色々と都合がいいのだけれど。……まあ、許容範囲ね)
アルベルトの言葉にミルフィは頷いた。
「それでいいわ。……それじゃあお兄様、今日のところは失礼するわ。まだ残っている仕事を片付けなければならないし、この件についてしっかりと考えたいの」
レオンハルトはそれに了承する。
ミルフィは扉に向かっていって、ふと足を止めてレオンハルトを振り返った。その様子を見ていたレオンハルトは怪訝そうにミルフィを見る。
「どうかしたか?」
「……本当にいいの?」
訊こうかどうか躊躇いつつも、結局ミルフィは訊くことにした。
「もしこれが本当ならお兄様の派閥では筆頭貴族であるローネイン公爵家の没落は免れない。そうなれば貴方の派閥は一気に衰えることになるのよ?」
戸惑いを隠しきれていない声音でそう告げると、レオンハルトは笑みを浮かべて首を振った。
「構わない。そもそも俺には王の器は無いからな。それに俺は出来るだけ自由でいたい」
「そう。……それならいいのだけれど」
躊躇いながらもその言葉に頷いて、ミルフィは今度こそ部屋を出ていった。
「筆頭貴族だな。俺の母の生家でもある」
ローネイン公爵家。
それは第二王子レオンハルトの派閥の筆頭貴族であり、第二側妃ロザリアの生家でもある有力貴族だった。
「それはまた、……とんでもない大物ね」
「そうだろ?だからこそ、この話はここだけのものだ」
その言葉にミルフィは黙って頷いた。
「それで、そのローネイン公爵家がどうかしたのかしら?」
「それがだな……どうやら現当主はとんでもないことをしているらしいんだ」
「現公爵が?……それって貴方の叔父よね?」
「そうだけど」
それがどうしたと言いたげな視線を送られる。
ミルフィは自分が聞いていいのかどうか今更ながら悩んでしまった。
(流石にお兄様にとっての家族でもある人の話をお兄様本人から聞くことになるとは……それに、密告をしたところでお兄様の徳になんてならないはずなのにどうして……?)
「……お兄様。それは本当にわたしが聞いてもいいことなの?ローネイン公爵当主は貴方の叔父でもある。わたしはその問題を聞いてしまったら最後その証拠を掴んで捕らえなければならないのよ?それに、それを言ったところで貴方の徳になんてならないはずなのに」
ミルフィがそう言ったところで、レオンハルトの纏う雰囲気が少しだけ変化した。
レオンハルトはミルフィの言葉に目を細める。
「……ミルフィは犯罪を見て見ぬ振りするつもりなのか?」
「そ、れは……」
何の感情も込められることのない、淡々とした話し方に、ミルフィは知らずのうちにほんの少しの恐怖心を抱いてしまった。
「俺は、たとえ自分と血が繋がっていようと罪を犯したものには容赦しない。それ相応の罰を与えるつもりでいる。……それがたとえ自分にとって親のような存在でも、な」
その瞬間ミルフィは背後がぞくりとするのを感じる。レオンハルトはミルフィがぞっとするほどに無表情だった。
いつもへらりと笑っている自分の兄のそんな表情は、どこか切羽詰まったもののようにも感じた。
ミルフィは言葉に詰まる。
(お兄様は、……きちんと覚悟をしているのね。それならわたしからは何も言うことはない)
ミルフィは自分を見つめるレオンハルトに同じく視線を返して、そして頷いた。それにレオンハルトは、ほっとしたような表情を浮かべた。
「それなら話して」
ミルフィが促すと、頷いてからレオンハルトは口を開いた。
「まだ証拠がある訳ではないんだ。でも、限りなく黒に近いと思っている」
そう前置きをしてから説明を始めた。
「ローネイン公爵家は、人身売買をしているという情報を偶然手に入れたんだ」
「え?……なんですって!?」
人身売買、という言葉にミルフィは反応した。
(前回ではそんな話聞いた時ない……人身売買していたのは教会ではなかったの?)
シルバート王国には神を信仰する為に作られた教会があった。
前回ミルフィは人身売買の被害者になりかけたことがある。その時は連れ去られる前にアルベルトに助けられ、その犯人を捕らえる事が出来たのだが、その時に明らかになったのは教会が関与していたということだけだった。
(つまり、あの時も教会の裏には公爵家が……黒幕はローネイン公爵家だったということ?)
ミルフィが考え込んでいる間にもレオンハルトの話は進んでいく。
「この国では人身売買は違法とされ、見つかり次第即牢獄行きとなっているが、他国では罪に問わないところもある。その中でローネイン公爵家は西大陸にあるハーバル帝国と裏で繋がっているらしいんだ。そこで珍しい色彩を持つ子供や不思議な力を持つ子供、それから“加護”を持つ子供が色々なところに売られているらしい」
ミルフィは眉間に皺を寄せた。
「ハーバル帝国と裏で繋がっているなんて、それが本当ならばとてつもなくやっかいね」
ハーバル帝国は西大陸を統べる大国であり、シルバート王国とは決して友好国とはいえない国だった。
一昔前までは戦争をしていた仲であるのだ。
ミルフィはこめかみに手を当てて沈痛な溜め息をつく。
「これは……穏便に済まされるようなことではないわね。頭が痛いわ……」
「その噂を調べる為に俺はついこの間まで王宮を留守にしていたんだ」
そこまで聞いてミルフィは漸く合点の言ったという風に頷いた。
「だからわたしの誕生会の為の夜会に出席していなかったのね」
「そうなるな」
「それで、調査してきた結果が限りなく黒に近かったと?」
レオンハルトはその通りだと満足そうに頷く。
「そういうことだ。色々と伝手を辿って調べていた結果だからそこは信用してくれて構わない」
そこまで言ってから、レオンハルトは背もたれにもたれかかった。
そして天を仰ぐ。
ミルフィはその様子を視界の隅で捉えながらカップの中に入っている琥珀色の紅茶を眺める。カップの中では自分の姿がゆらゆらと揺れてた。
(さて、どうしたら証拠を掴めるのかしら?お兄様が調査を取りやめて戻ってきたということはそれ以上の情報を集める事が困難ということ。……つまり状況は厳しいということね)
ミルフィは一つ確認する為に口を開く。
「お父様はなんて?」
「親父殿はこの件に関しては大っぴらに動く事が出来ない。どこに内通者がいるとも限らないからだと。だから今回の件は此方に任せるとも言っていた」
その言葉を聞いてミルフィは、決意を固めることにした。
「それならば今回のその調査はわたしが引き受けることにするわ。貴方だと色々大変なこともあるだろうし」
それに、その為にわたしに話したのでしょう?と告げると、レオンハルトは目をぱちぱちと瞬かせたからニヤリと笑う。
「さすがミルフィ。話が早くて助かる」
「ただし、一つだけ条件があるわ」
ミルフィはピンっと手入れの行き届いている人差し指を立てる。
「この問題を片付ける事が出来たなら、一つだけわたしの願いを叶えること。それを約束してくれるなら協力は惜しまない」
その言葉にレオンハルトは一瞬呆気に取られたようにポカン…として、一拍おいてから苦笑した。
「ただより安いものはない、か。それならば約束をしようか。レオンハルトの名に誓って」
ミルフィは満足そうに頷く。
「交渉成立ね」
「交渉成立だな」
そしてその話はひと段落ついた、と思ったその時。
「俺は反対だ」
ミルフィの背後に今まで黙って控えていたアルベルトが声を上げた。
突然のことにミルフィは声を出せずにいると、レオンハルトが眉をひそめてアルベルトを見た。
「これはミルフィと俺の問題だぞ?アルが話を突っ込むようなことじゃない」
「それでも俺は反対だ。俺は殿下を守る為に殿下の騎士になる事が正式に決定した。それならば殿下を守る為に危険なことから遠ざかることも騎士としての役目だ」
その言葉は確かにその通りで、それ故にレオンハルトはそれ以上何も言い返すことが出来なかった。
しかし、それに首を振るものがいた。
———それはミルフィ本人だった。
ミルフィはアルベルトの方を振り返りその顔を見つめ、問いかけた。
「貴方にとって騎士とは、なにかしら?」
その発言にアルベルトは一瞬面食らう。
それから少しだけ考える素振りを見せてから口を開いた。
「……騎士とは、主君を命に代えてでも守るもの。そして、何があっても主君の命に従い、そして主君と共にあることだと思っている」
ミルフィは頷いた。
「そう思うのならばわたしの決めたことに従うのが貴方のいう騎士なのではなくて?」
「っ……」
思わぬ反撃にアルベルトはたじろぐ。
「質言はとったわよ?それとも貴方は自分の言ったことを間違えましたとでも言うつもり?」
何も言えずにあるアルベルトを見ながらミルフィは気持ちは分からないでもないけれど、と呟いた。
(たしかに主君に従うことは大事なこと。けれども主君を危険から守るのも立派な騎士の仕事だものね。悩むのも分かる。けれども今回は折れてもらわないと)
騎士って面倒ね、と思わず漏らしそうになる言葉を溜め息と共に呑み込んだ。
「……分かった」
暫くしてからアルベルトは渋々頷いて、でもと付け足した。
「殿下には俺もついていく。流石に一人で調査させるのだけは反対だ」
(本当は一人の方が色々と都合がいいのだけれど。……まあ、許容範囲ね)
アルベルトの言葉にミルフィは頷いた。
「それでいいわ。……それじゃあお兄様、今日のところは失礼するわ。まだ残っている仕事を片付けなければならないし、この件についてしっかりと考えたいの」
レオンハルトはそれに了承する。
ミルフィは扉に向かっていって、ふと足を止めてレオンハルトを振り返った。その様子を見ていたレオンハルトは怪訝そうにミルフィを見る。
「どうかしたか?」
「……本当にいいの?」
訊こうかどうか躊躇いつつも、結局ミルフィは訊くことにした。
「もしこれが本当ならお兄様の派閥では筆頭貴族であるローネイン公爵家の没落は免れない。そうなれば貴方の派閥は一気に衰えることになるのよ?」
戸惑いを隠しきれていない声音でそう告げると、レオンハルトは笑みを浮かべて首を振った。
「構わない。そもそも俺には王の器は無いからな。それに俺は出来るだけ自由でいたい」
「そう。……それならいいのだけれど」
躊躇いながらもその言葉に頷いて、ミルフィは今度こそ部屋を出ていった。
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