転生したら悪役令嬢になっていましたが、婚約者が推しなので全力でフラグをへし折ろうかと思います!(改稿版)

七宮 ゆえ

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一章

15. 早急に対応しましょう

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「あの、お母様」
「どうしたの、リリーちゃん?」

 意を決して私がお母様を改めて呼ぶと、お母様は不思議そうに首を傾げて私を見つめ返してくる。
 うぅー、そのまま切り出しちゃった方が話は早いよね。でもそれだと余計に気を悪くするっている可能性も否めないし……
 ノアのことを聞こうとしてるのはいいけれど、この先をどう切り出すべきかは全く決めてなかった!!
 意を決して口を開いたは良いけれど、その先の言葉が続けられずに、私は何度も何度も口を開いては閉じてを繰り返すことになった。
 あーもう、早く言わないと。でも直球で聞くの?遠回しに聞く?そもそもノアとはもう会ってるってことでいいのよね!?
 頭の中でぐるぐるとそんな考えが駆け巡らされていく。けれども、そんなことを延々と考えていたところで解決することなどない。
 だから私は、聞き方を考えて置かなかった過去の自分を恨みつつ、結局お母様にノアのことを直球で聞くことにしてしまったのだった。

「あの、お母様はもうノアに会いましたか?」
「……ええ、会ったわ。とても良い子よね、ノアくん」

 一瞬曇った表情を見せたお母様だが、すぐに笑みを浮かべてそう答えた。
 ああ、その反応を見る限りお母様はやっぱり誤解をしているのね。ノアの名前を聞いた時の反応と、その後答える前に少しだけ間が空いたのも何よりの証拠だ。
 やっぱりここはお父様にきちんとノアのことを説明してもらわないと。それも、大至急に!!
 だってそうしないと夫婦仲は拗れにこじれて最終的にお母様が自殺をしかねないから!
 今のお母様を見ていると、とても気が弱くて悲しみにくれて自殺をしてしまうような人では無いように見えるけれど、この先どうなってしまうのかなんて分からないわけなのだし。
 取り敢えず今日の夜にでも私はお父様の元へ行ってみよう。うんそうしましょう。
 私はそう内心で決心しながら、「私もノアくんはとても良い子だと思います」とお母様の言葉に当たり障りのない様な返事をしておく。今私が誤解しているお母様に向かって何かを言ったところで、私の言葉ではきっと駄目だと思うから。誤解を解くのなら、一番は本人の口からきちんと一から十まで聞いた方がいいだろう。

「それじゃあ、私はもうそろそろでサロンの方へ戻りますね。あんまり長居するのは今は良くないと思うので」
「そうね。その方が良いわ。今日はリリーちゃんが主役なんですもの」

 席を立ちながらそう告げた私に、お母様もゆっくりと頷きながら肯定の意を示す。

「ミル、行こう」
「うん。フォリア様はお大事にして下さい」
「ありがとう、ミルくん。残りの時間も楽しんでいってくれたら嬉しいわ」

 そういうお母様にもう一度ミルはペコリと頭を下げ、それから私達はお母様に見送られながら廊下へと出た。
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