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第7章:未来への学びと絆
第217話「灯された信頼の火」
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研究塔を後にしたエルヴィンとカトリーヌは、塔の外に広がる緑の小径をゆっくりと歩いていた。苔むした石畳には淡い陽光が差し込み、花壇に咲くラナンキュラスが風に揺れている。季節の移ろいを感じさせるその風景は、塔内の緊張感とは対照的だった。
「……ねえ、エルヴィン様。少し、驚きましたわね。」
カトリーヌが静かに口を開く。その横顔には、まだどこか複雑な思いが残っている。
「うん。まさか研究塔が、王宮の魔道炉とそんな形で繋がっていたなんて……。正直、想像してなかった。」
エルヴィン・シュトラウスは、そっと手を胸元に当てながら、塔の高い天辺を見上げた。
「でも、主任さん……いや、あの人の言葉には、ちゃんとした想いがあった気がする。ただ秘密を話したかったんじゃなくて、僕たちに未来を託したかったんじゃないかな。」
「ふふ、確かに。途中からずいぶん饒舌になられていましたものね。」
カトリーヌは、さりげなくエルヴィンを覗き込む。
「けれど、“期待している”なんて言葉を向けられると……責任が重いですわ。」
「それでも、僕たちが選んだ道だから。」
エルヴィンはにこりと笑った。
「魔力を“誰かのもの”から“みんなのもの”にする。それが僕たちの目標だし……それに、こうやって仲間がいてくれるから、きっとできると思ってる。」
その言葉に、カトリーヌは柔らかな笑みを浮かべる。
「……ええ、私も信じておりますわ。貴方と、皆となら。」
そこへ――
「おーい、エルヴィンーっ!」
少し離れた場所からレオンの声が響いた。彼の後ろから、リヴィアも落ち着いた足取りで近づいてくる。
「ようやく終わったみたいだなー。こっちは魔力測定室で装置の確認してたけど、そっちはどうだった?」
「お疲れさまでした。二人とも。こちらも、一応の話は終わったわ。」
カトリーヌがにっこりと微笑む。
「へぇ? ってことは、主任の話も聞いたんだな。」
レオンは肩を回しながら近づいてきて、塔を振り返る。
「……すごいよな、あの規模の魔道炉。あんなの、そうそう見られるもんじゃねぇ。」
「内部構造はとても精密でした。王宮の供給線と繋がっていたのも……記録に残しておきます。」
リヴィアは控えめに頷きながら、すでに手帳に何かを書き込んでいる。
「うん。今回のことは、僕たちにとって大きな意味がある。技術的にも、信頼の面でもね。」
エルヴィンがそう締めくくると、一同は自然と歩き出した。
「それで、次はどこ行くんだ? まだ旧市街の件も残ってるよな?」
レオンの問いかけに、エルヴィンは真っ直ぐ前を見つめながら答える。
「そう。旧市街は特に魔力供給が不安定って聞いてるから、まずは現地調査から始めよう。」
「準備が整い次第、私たちで向かいましょう。古い魔力設備の記録も確認しておきますわ。」
「はい。現地の方の声も、ちゃんと聞かないといけませんね。」
夕刻の陽が傾く道を、四人の足音が並んで響く。
それはただの実験や研究ではない、王都全体を巻き込んだ、新しい未来のための一歩だった。
「……ねえ、エルヴィン様。少し、驚きましたわね。」
カトリーヌが静かに口を開く。その横顔には、まだどこか複雑な思いが残っている。
「うん。まさか研究塔が、王宮の魔道炉とそんな形で繋がっていたなんて……。正直、想像してなかった。」
エルヴィン・シュトラウスは、そっと手を胸元に当てながら、塔の高い天辺を見上げた。
「でも、主任さん……いや、あの人の言葉には、ちゃんとした想いがあった気がする。ただ秘密を話したかったんじゃなくて、僕たちに未来を託したかったんじゃないかな。」
「ふふ、確かに。途中からずいぶん饒舌になられていましたものね。」
カトリーヌは、さりげなくエルヴィンを覗き込む。
「けれど、“期待している”なんて言葉を向けられると……責任が重いですわ。」
「それでも、僕たちが選んだ道だから。」
エルヴィンはにこりと笑った。
「魔力を“誰かのもの”から“みんなのもの”にする。それが僕たちの目標だし……それに、こうやって仲間がいてくれるから、きっとできると思ってる。」
その言葉に、カトリーヌは柔らかな笑みを浮かべる。
「……ええ、私も信じておりますわ。貴方と、皆となら。」
そこへ――
「おーい、エルヴィンーっ!」
少し離れた場所からレオンの声が響いた。彼の後ろから、リヴィアも落ち着いた足取りで近づいてくる。
「ようやく終わったみたいだなー。こっちは魔力測定室で装置の確認してたけど、そっちはどうだった?」
「お疲れさまでした。二人とも。こちらも、一応の話は終わったわ。」
カトリーヌがにっこりと微笑む。
「へぇ? ってことは、主任の話も聞いたんだな。」
レオンは肩を回しながら近づいてきて、塔を振り返る。
「……すごいよな、あの規模の魔道炉。あんなの、そうそう見られるもんじゃねぇ。」
「内部構造はとても精密でした。王宮の供給線と繋がっていたのも……記録に残しておきます。」
リヴィアは控えめに頷きながら、すでに手帳に何かを書き込んでいる。
「うん。今回のことは、僕たちにとって大きな意味がある。技術的にも、信頼の面でもね。」
エルヴィンがそう締めくくると、一同は自然と歩き出した。
「それで、次はどこ行くんだ? まだ旧市街の件も残ってるよな?」
レオンの問いかけに、エルヴィンは真っ直ぐ前を見つめながら答える。
「そう。旧市街は特に魔力供給が不安定って聞いてるから、まずは現地調査から始めよう。」
「準備が整い次第、私たちで向かいましょう。古い魔力設備の記録も確認しておきますわ。」
「はい。現地の方の声も、ちゃんと聞かないといけませんね。」
夕刻の陽が傾く道を、四人の足音が並んで響く。
それはただの実験や研究ではない、王都全体を巻き込んだ、新しい未来のための一歩だった。
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