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2章

神代紗理奈

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美化委員会の活動が始まった。

この委員会、学年主任の先生が担当でやたら張り切っている。
他の委員会と違い学校外のイベントが多いので、是非ともその場で学校をアピールをしたいらしい。
仕事熱心なことだ。

対して学生はというと俺を含めテンションはだいぶ低い。
俺と同じようにはずれを引かされた奴ばかりなのだろう。

「さて、まずは美化委員の具体的な活動について説明していく。活動は隣のクラス同士でペアだ。まずはペアになってくれ」

俺は1組だから…2組の奴とペアか。

「ねー。君1組の子?」
どんな奴とペアになるかと思ってたら、金髪ギャルに声を掛けられた。

「ああ、1組の村井悠斗だ。よろしく」
「うち、2組の神代紗理奈。よろしくね!」

にかっと笑って隣の席に腰を下ろす。
「うち君のこと知ってる。陰キャボッチ君でしょ?意外と普通だね」
「…誰情報だコラ」

俺は別に普通だよ。
ただあいつらとつるむのが嫌だからボッチをしてるだけだ。

「普通に1組の友達に聞いたよ?何考えるかわかんないって。あと暗いし前髪うざいって」
「…お前、ずいぶんあけすけにしゃべるな」

ボッチ生活は覚悟してる。
が、人から色々言われるとやっぱり心にくるものがある。

「そう?まあ、こうして喋ると聞いてた感じと違うね!でも前髪は本当にうざい。切ったほうがいいよ?」
「…」

なんだこいつ。
初対面なのに距離感バグってない?
あ、そもそもうちのクラスの奴と友達ならこいつも民度低い奴か…。
ならおかしくても当然か。

関わり合いになるのも委員会活動中だけだ。
我慢、我慢。



委員会活動はペアで基本週一の活動。
1組から順に活動となるので俺達のペアは明日から一週間の活動となる。

植物の水やり、清掃活動…色々とやることを教えて貰った。

問題はここからだ。
委員長、副委員長決めである。
なってしまうと通常の仕事に加えて新しい植物の購入や予算管理、企画の立案などしないといけなくなる。…負担重すぎない?

これは絶対に選ばれないようにしないといけない。


「では委員長と副委員長を決めたい。誰かやりたい奴はいるか?」

ここから長丁場になりそうだ…と思っていたが

「はい!うちがやります!」
勢いよく挙手する神代。

「おお、神代。やってくれるか。じゃあ委員長は神代で。頼んだぞ」

驚いた。こんなメリットの無い仕事やりたい奴がいるのか。
あまりにも驚いたのでつい聞いてしまった。

「…お前、なんで手上げたの?なんかメリットあるの?」

神代はきょとんとして
「メリット?ううん。うち、なんか楽しそうかなーって!…メリットが無いとしちゃいけない?」

「いや…変わってるなと思って」
「…うち、ボッチ君には言われたくない」

その後、立候補の無かった副委員長はじゃんけんで決められた。
俺は何とか難を逃れることが出来て安心した。副委員長になった奴はがち泣きをしていたが。

変な奴。それが、神代紗理奈に対する俺の第一印象だった。
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