木曽義仲の覇業・私巴は只の側女です。

水源

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嘉応2年(1170年)

地獄の訓練弓兵編

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 さて歩兵に関してまず重要なのは行軍能力でその上に戦闘能力ですが、まだ槍や薙刀などの基本的な訓練は難しい方ではありません。

 無論達人と言われるレベルにまで扱えるようになるには長時間の鍛錬が必要ですが。

 しかし弓兵はさらに弓の扱いに長けて居ないといけません。

 なおかつ強弓を引きことができるようになるためには全身の筋力が必要です。

 私は弓兵や軽装弓騎兵になる予定の人達に話します。

「結局弓を扱うにも馬を扱うにもきたえ上げた柔軟な筋肉が必要なのですよ.
 ですのであなた方の食事をふやすことにします」

「おお、それはありがたい」

「そのかわり弓をひく練習を毎日きちんとやってもらいます。
 下半身のお安定も重要なので走りこみやもです」

「やっぱり……うまい話なんて無いと思ってましたよ」

「それから狩人出身で弓の扱いに慣れてる人もそうでない人も型からやり直していただきます」

「なんでですか?」

「我流が正しいとは限りませんからね、無駄のない動作を覚えるのは大事です」

「そういうものですか?」

「そういうものです」

 弓兵の訓練はまず弓を引く際の正しい動作の形を体に覚えさせます。

 これは毎日行わせます。

 脚の開き方とか上体のおきかたとかの正しい姿勢や正しい構え方などですね。

 のちで言う射法八節です。

 その後動作が身についたら素引き、矢をつがえず小弓を引いて実際の動作を覚えさせつつ、弓を射るときに使う筋肉などを鍛えさせます。

 槍や刀を使うときに使う筋肉と弓を使う時の筋肉は違いますので。

「巴様、筋肉痛で腕が上がりません……」

「最初はそうでしょうね。
 しばらくは一日置きに弓引き、形と走りこみ、休息日として体を壊さぬように、筋肉がつきやすいようにしてください」

 休養を取らずに鍛錬ばかりしていると疲労骨折したり筋を痛めたりしますからね。

 素引きで筋肉痛が起きなくなったら巻藁へ向かっての投射訓練をへて的への訓練になります。

 的への命中率が9割を超えたら弓を強いものに変えてゆきます。

 小さな雀小弓(すずめこゆみ)からはじめ、満足に引けるようになれば小弓(小弓)半弓(はんきゅう)一人張りの大弓とだんだん強くしてゆきます、一人張りの弓がが引けるようになったら二人張りです。

 最低限この程度は引けないとあまり意味が無いですからね。

 一人張りの弓力がおおよそ25kg程度、二人張りの弓力が30Kg、三人張りの弓力が35Kg、四人張りの弓力がおおよそ40kg程度、五人張りの弓力が45Kg、六人張りの弓力が50Kgですが、本来の私が五人張り、全盛期の源為朝が五人張りもしくは六人張りの弓と言われています。

 この時代二人張りを引けて一人前と言われていますが義経は一人張りの弓であったため屋島の戦いの時に弓を落とした時必死にそれを取り戻そうとして郎党を失っています。

 弩が弓より優れているのは時間のかかる肉体鍛錬をさほど必要としないことです。
 逆に言えば十分に訓練時間をとった弓兵はそれらより強い場合もあります。

 それぞれの長所短所を大雑把に書けば

 弓の長所
 ・弓力によるが弓力が高ければ、矢の威力は火縄銃と比べてもそれほど遅れはとらない。
 ・曲射もできるので、障害物や味方越しにや矢の雨を降らせることができる。
 ・曲射での射程は火縄銃より長い。
 ・銃と弾丸に比べれば重量が軽い。
 ・弓と矢の製造コストが安い。
 ・矢の再利用が可能。
 ・天候にかかわらず使用できる。(ただし弓の接着剤はにかわなのであんまり濡らすのは良くない)
 ・毒矢、矢文、火矢、ロープを対岸に渡すなどの応用が可能

 弓の短所
 ・射手の養成が大変で非常に時間が掛かる。
 ・連射したり、狙撃には相当な腕力と体力が必要。

 弩の長所
 ・弓力によるが弓力が高ければ、矢の威力は火縄銃と比べてもそれほど遅れはとらない。
 ・狙撃がしやすい
 ・銃と弾丸に比べれば重量が軽い。
 ・弓程ではないが弩と矢の製造コストが安い。
 ・天候にかかわらず使用できる。

 弩の短所
 ・曲射ができないので、障害物や味方ごしに攻撃できない。
 ・弓力が強いものほど弓をつがえるのに時間がかかり大変。
 ・弦を引くのにはそれなりに体力が必要
 ・構造が複雑なので故障が多い
 ・動物の角や筋腱を使うので弓に比べると入手・維持が大変。
 ・構造的に火矢などには使えない。

 などですね。

 時間がある位置は弓兵をきちんと育成し、後は状況に応じて弩や火縄銃がうまく作れれば火縄銃も配備しましょうか。

 信濃は金銀などの鉱山はあまりありませんが鉄鉱石や褐鉄鉱、銅の鉱山はありますし。
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