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2章:日本へ戻ってきました

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 すっきりと目が覚めた時と似たような感覚で、ぱちりと目を開けた。むくりと起きれば、松田さんがおかえりと声を掛けて来る。

「コーヒーでいい?」
「いただきます…」

 座席と自分の足の間に手をやって、持ち上げるとコーヒー缶。なるほど、足元に何か置いてある風なのね…と感心しながら温かいコーヒーをありがたくいただく。

「どうだった?問題なく消せた?」
「はい。ただ、ちょっと気になる事が」

 と、いう事であの薄い表示の職業を言えば。

「そうだね、向こうでの職業かな。後は…スキルが付きそうな場合にもそうなるかな」
「そうなんですね…ありがとうございます。色々と…活用できそうです」
「その割に余り嬉しそうじゃないね」
「…ネガティブなモノがありまして」

 と、伝えれば、あー俺もあるわ…と言って、後で消そう。という。消しちゃう方なのね…

「とりあえず心配事はなくなったかな~あ、キルギスさんにもこのことは言わない様にね」
「え…」
「どこから漏れるか分からないし。俺もちょっと問題だけど、秘匿情報は漏らさない様にっていう精神系の魔法かけてるから安心して」
「それ、どう安心していいのか分かりません…」

 本当に魔法が掛かってるのかどこで判断しろと!?

「こればっかりは確認のしようがないよねぇ…高梨さんがその魔法使えれば、俺に掛ければ安心できるとは思うんだけど」
「一応属性魔法ありますけど、属性魔法なんですか?」
「違うかなぁ…どっちかっていうと、催眠術的なやつ」

 催眠術って胡散臭いやつじゃない?

「それがねぇ。あっちの魔法の緩さが上手く作用するんだよね…だから、本とか…あとは実際に催眠療法受けて見たりとかして、魔法で使えるようにしたというか」
「流石全魔法を使いこなす者」

 すこし茶化す感じに言えば、笑われた。

「でも、高梨さんも俺が考えた理論を覚えれば、全魔法位なら出そうだよね」
「そう、なんでしょうか」
「だって、練習とかすればスキル出て来るモノだし」

 子供の頃は5個しかなかったけど、大人になったら増えた、なんてことは普通にある事らしい。そういえばスキルが付きそうな時にうっすら表示されるともいってましたね。

「意外と脳科学とか神経科学とかも使えるよ。それをうまく魔法に転化できるかっていう問題はあるけど」

 脳科学…!専門的だなぁ…

「魔法で何をしたいかにもよるけどねぇ。単純に属性魔法なら科学の勉強をしたほうがいいし」

 確かにね。酸素で火が燃えるとか、水の元素が。とか…ソッチの方が重要そう。
 と、考え込んでいると、ご飯いこう、ご飯。と言われて、車を動かす。あっちの世界に行く気ないのに…どうして気になってしまうんだろう。



 松田さんが選んだ、豚肉と野草を使った丼物屋へとナビしてもらいながら行って、ガソリン代替わりという事でごちそうになった。野草の香りが良くて美味しかった。
 …これだけじゃなんだからとお肉貰ったりもしたけど。調理法は後でURL送ると言われてしまった。料理苦手じゃないけど、流石にジビエ肉を料理は敷居が…
 そう言ったら、煮込みでOKだからと…キャンプで使った鍋まで貰ってしまった。IHもガスもオーブンもOKな鉄鋳物…!

「圧力なべがあるともっと楽にできるんだけどね~」

 という言葉と共に…圧力なべを買えという事か…!
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