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4章:偽装結婚を提案されました

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「あと高梨さんなら、その薪に火をつけるのも向こうでのやり方をイメージするとできると思うんだよね」
「松田、そんな事を言って、他と違う事をさせるんじゃない」

 もやもやしていたら、松田さんに提案されたけれど、すぐさまキルギスさんに止められました。キルギスさんからしたら、松田さんの方法は目をつけられて危険だもんね。けれど、松田さんは何事も勉強だという。

「下手にイメージして暴発しても困るでしょ。今なら目を欺く結界使ってるし、どんなことがどんな事象になるのか知っておかないと逆に危ないでしょ?」
「それは…そうかもしれないが」
「じゃあ実践しよう。こっちに薪だすからやってみて。こっちは鍋でスープを作る用にすればいいから」

 そう言って、松田さんは薪を出したけど、ロープのようなものでまとめられた物が出てきた。これはアイテムボックスの中でまとめられてた物を取り出したのかな。
 そのロープを解いて、燃えやすい様に組んで…

「松田さん、このロープって…燃やせるんですか?」
「うん、この世界の物だし問題ないよ」

 この世界の物ってことは、こういう状態で売られてた物を入れてたのかな。許可が出たのでそのロープを燃えやすい素材として使う事に。そうして一本の薪の皮や薪そのものを割って細い木にしたいのだけど…それをキルギスさんに伝えれば、小型のナイフを取り出して作業してくれたのでそのままお任せする。だっていつもは手袋とか用意するしね…そもそも、着火剤使うし。
 準備不足は否めないけど、今日は来ていきなりだったもんね。そうして、キルギスさんが作ってくれた皮や細い木を組んでから、その上に薪を組んで着火するイメージをする。

「…うわぁ…できちゃった」
「できたねぇ…ほらね、こんなにゆるいんだよこの世界の魔法って」

 えぇ…じゃあ、まさかとは思うけど、薪まで出てきちゃったり?と、イメージしてみたけれど、出てこなかった。薪っていう存在が不確かなのかな。もともとは木から木を切り倒して小さくして乾燥後の木が薪だから…
 …って、これもだめか。うーん、イメージしてることは一緒なんだけど何が違うんだろう。

「高梨さん、何かしようとしてる?」
「あ、はい。薪って出せるのかなと思って」
「薪かぁ…そういうのはなんかダメなんだよね。なんだろ、命があるものっていうのかな。もしできるなら、お肉とか小麦とかそういう物も無限に生み出せちゃうわけだから、人間動かなくなるからかもね?」
「どちらかというと、生命の複製がだめなんじゃ?」
「あー…お肉だと死んでる訳だけど、まぁそっちの方かな。元がなんなのかっていう問題というか」

 と、なんでできないのかを勝手に結論づける。あの神様、発展させるため~とか言ってるけど…これだけ何でもありの状態では発展もなにもないような。不便を感じてこういうものがあれば便利になる、って考えに考えて地球は発展したしね…

「とりあえず色々やってみようか」

 松田さんに言われて、あれもこれもと指示の元、本当に色々させられましたよ。その横でキルギスさんが黙々と料理をしてましたけどね。
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