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その日の午後…2人のメイドが来たと言われ、レイに連れられてきたその二人は、双子だった。そして…メイド服ではあるものの…
「…騎士、ですか?」
『いいえ、メイドです』
双子だと二人同時に話す、というのは聞いたことあるけど…本当にそうだとは。いえ、そうではなくて。その二人は、腰に小ぶりの剣を下げていた。メイドが剣は持たないんじゃないのかな…
「その、剣は…」
「その二人は、戦闘メイドでございます。…筆頭の女版と思っていただければよろしいかと」
筆頭の女版だとレイにそう言われて思い出す。そういえばラクシュ様、貴族服で剣持ってたわね。しかも、お茶とか入れるのすっごい所作が綺麗だったし…
「でも、話し相手にと…」
「話し相手で構いませんよ。私達メイドは、王都へのお引越し準備をさせていただきますので、その間はその二人が私共の代わりに様々な事を行いますので、遠慮なくお申し付けください」
「私はレッド。赤いリボンが目印です。よろしくお願いします」
「私はブルー。青いリボンが目印です。よろしくお願いします」
「はい。よろしくお願いします」
確かに、黒髪をサイドテールにして、幅広のリボンで目立つように結わいているわね。レイは、二人が挨拶をすると、衣装室に行ってしまった。後で、いるもの、いらないものを選別するけれど、今はまだいいそうで。
「所で…二人とも、座ってくださる?」
『かしこまりました』
話し相手、という事なら、立っていてもらうのはちょっと嫌だから、座ってもらう。…返事も一緒だし、動作も同じように見えて、双子ってすごいなぁと思ってしまった。
「所で…名前…本当にその名前なのですか?」
そう。いくらなんでも安直すぎない!?と、思ったから聞いてみると、二人で目を合わせる。
「双子だったので」
「分かりやすい様にしようと両親が」
「リボン、だけですわよね?」
「時々変えたりして遊びます」
「でも、すぐバレます」
「そうなのね。ご両親はすごいわね」
『はい』
ご両親の事が本当に好きなのか、にこ~っと、本当にうれしそうに笑うその笑顔に癒されるわ…いえ、だって、ついさきほどまで、笑顔が兵器の人がいたもので…そう、私の婚約者で旦那様予定の人よ…
「?ネルア様、どこか具合悪いですか?」
「い、いえ、大丈夫ですわ」
「でも、えぇと、困った顔、しています」
「そうかしら」
「はい。…両親、の、話ですか?」
「いえ、そうではないのよ。婚約者の騎士様が…」
笑った顔で腰砕けになるとか、今日初めて会った人に言える訳がない。多分…レイなら察してくれる、
「筆頭、会えなくて寂しいですか?」
「いえ、」
あ、これ、寂しくないと言っても角が立つんじゃ…それとも、照れてると思われるか…!?そう考えてしまうと、何も言えなくなってしまった。
「がおーたべちゃうぞ~」
「きゃーたすけてぇ…って、配役一人足りませんね、ネルア様が街娘役やっていただけませんか」
「…え?」
「昨日、読み聞かせしたのでしょう?演じましょう」
なんでいきなりそういう話になるのかしら!?
「…騎士、ですか?」
『いいえ、メイドです』
双子だと二人同時に話す、というのは聞いたことあるけど…本当にそうだとは。いえ、そうではなくて。その二人は、腰に小ぶりの剣を下げていた。メイドが剣は持たないんじゃないのかな…
「その、剣は…」
「その二人は、戦闘メイドでございます。…筆頭の女版と思っていただければよろしいかと」
筆頭の女版だとレイにそう言われて思い出す。そういえばラクシュ様、貴族服で剣持ってたわね。しかも、お茶とか入れるのすっごい所作が綺麗だったし…
「でも、話し相手にと…」
「話し相手で構いませんよ。私達メイドは、王都へのお引越し準備をさせていただきますので、その間はその二人が私共の代わりに様々な事を行いますので、遠慮なくお申し付けください」
「私はレッド。赤いリボンが目印です。よろしくお願いします」
「私はブルー。青いリボンが目印です。よろしくお願いします」
「はい。よろしくお願いします」
確かに、黒髪をサイドテールにして、幅広のリボンで目立つように結わいているわね。レイは、二人が挨拶をすると、衣装室に行ってしまった。後で、いるもの、いらないものを選別するけれど、今はまだいいそうで。
「所で…二人とも、座ってくださる?」
『かしこまりました』
話し相手、という事なら、立っていてもらうのはちょっと嫌だから、座ってもらう。…返事も一緒だし、動作も同じように見えて、双子ってすごいなぁと思ってしまった。
「所で…名前…本当にその名前なのですか?」
そう。いくらなんでも安直すぎない!?と、思ったから聞いてみると、二人で目を合わせる。
「双子だったので」
「分かりやすい様にしようと両親が」
「リボン、だけですわよね?」
「時々変えたりして遊びます」
「でも、すぐバレます」
「そうなのね。ご両親はすごいわね」
『はい』
ご両親の事が本当に好きなのか、にこ~っと、本当にうれしそうに笑うその笑顔に癒されるわ…いえ、だって、ついさきほどまで、笑顔が兵器の人がいたもので…そう、私の婚約者で旦那様予定の人よ…
「?ネルア様、どこか具合悪いですか?」
「い、いえ、大丈夫ですわ」
「でも、えぇと、困った顔、しています」
「そうかしら」
「はい。…両親、の、話ですか?」
「いえ、そうではないのよ。婚約者の騎士様が…」
笑った顔で腰砕けになるとか、今日初めて会った人に言える訳がない。多分…レイなら察してくれる、
「筆頭、会えなくて寂しいですか?」
「いえ、」
あ、これ、寂しくないと言っても角が立つんじゃ…それとも、照れてると思われるか…!?そう考えてしまうと、何も言えなくなってしまった。
「がおーたべちゃうぞ~」
「きゃーたすけてぇ…って、配役一人足りませんね、ネルア様が街娘役やっていただけませんか」
「…え?」
「昨日、読み聞かせしたのでしょう?演じましょう」
なんでいきなりそういう話になるのかしら!?
応援ありがとうございます!
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