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反乱軍(2)
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男に案内された小屋へと入る。
するとそこには武器を持った数人の男たちがいた。
彼らは俺が入った途端に睨みをきかせてくる。
「誰だ、お前は?」
「あぁ、突然の来訪、済まなかった。俺はアイン。この国を救う者だ」
「アイン? 聞いたことないな。お前たちはどうだ?」
「いや、聞いたことがない」
ヒソヒソとはなしあう。
しかし、俺の存在は知らないようだ。そもそも知られないように行動しているのだ。
知っているほうが驚く。
「そうだな。むしろ隠れて行動していて知られている訳がないな。それよりやった活動を教えたほうが早いだろう」
「――いいだろう。聞かせてみろ」
「魔女の森で起こったことは知ってるよな? その程度の情報も入ってないとは言わないよな?」
「あぁ、冒険者が魔女を殺そうと襲い掛かったが、何者かによって防がれた、と……ま、まさか!?」
ようやく気づいたようだな。
俺はニヤリと微笑んで見せる。
「そうだ、あれは俺が止めた」
「いや、証拠が何もないだろ?」
「むしろ、俺が動いて証拠を残すとでも?」
男たちがじっくりと俺のことを見てくる。
しかし、俺は動じることなく腕を組んだまま留まる。
「……わかった。まずはその仮面をとってくれないか?」
「――それはできない」
流石に反乱軍ともなると俺の顔を見て、公爵子息と判断することができるだろう。
流石に顔を見せることはできない。
「なに? それだと流石に信用できないな」
「……わかった。見せよう」
「あぁ、顔を見せてくれ」
「いや、見せるのは顔ではなく俺自身の力を見せてやる。こんなところで燻っている原因を取り除いてやろう」
「……そんな簡単にできるものか」
「だからこそ、力の証明になるだろう?」
「――わかった。委細を伝えよう」
そこで男から教えてもらったのは、この村が飢餓に陥った原因だった。
それは信じられないくらい不作だった畑の他にも畑を襲う凶暴な魔物の存在と高すぎる税金があった。
魔物は倒してしまえばいい。
税金の不正は俺が直々にここの税を取り締まる補佐官に会いに行けばいい。
おそらくひどい中抜きがあるはずだ。
不毛な畑は今はどうすることもできないな。
一時的に食料を与え、次の作物ができるまで耐えてもらうしかできない。
「なるほど、それを解決したらいいんだな」
「……っ!? そんなに簡単にできるわけが――」
「俺ならできる! 数日後にまた来る」
それだけいうと俺は小屋を出ていった。
◇
「よう、アイン。待たせちまったな」
村の入り口に戻ってくるとブライトたちがちょうどやってきたタイミングだった。
「いや、気にするな。それよりもまたお前には働いてもらいたい」
「まかせろ! 何をしたらいい?」
「また畑に現れた魔物討伐だ。なかなか強力な相手らしい」
「お、おう、任せろ! アインはどうするんだ?」
「俺はもう一つの問題をどうにかしてくる」
「もう一つ?」
「あぁ、そっちは俺しか出来ないことだからな」
「……?」
ブライトは首を傾げていたが、俺はそれ以上は言わなかった。
◇
早速俺は補佐官の館へと向かった。
「どちら様ですか?」
「ヴァンダイム公爵子息が来たといえば分かってもらえるはずだ」
「か、かしこまりました。こちらでお待ち下さい」
速攻で応接間へと案内される。
やはり公爵の名は大きいな……。
改めて自分の立場について思い知らされる。
「お待たせいたしました。私はこちらの補佐官を仰せつかっております……」
「前置きはいい。俺が想定してるより多くの税を国民から取っているようだな?」
「はて、なんのことにございましょうか?」
首を傾げる補佐官。
しかし、そこで俺はさらに畳み掛ける。
「もう調べはついている。こんなに増やしてどうする! 国に調べられると俺が咎められるんだぞ!」
実際はそんなことないだろうけど、ここは毅然とした態度で言うと、補佐官は少し表情を歪めていた。
「しかし、我々も必要なだけの税を取っておりますゆえに……」
手をコネコネと動かしながら俺に対して小袋を渡してくる。
……賄賂か。
つまり、税をあげていることは認めるようだな。
まぁ、せっかくくれると言うのだからこれは返してもらっておこう。
その小袋を受け取ると俺は補佐官に告げる。
「まぁ、勘違いということはあるだろう。あまりに高すぎる税だと咎められかねないと思っただけだからな。もう少し下げてくれたらそれで構わないんだ」
「ははーっ、かしこまりました。おっしゃる通りにさせていただきます」
「ではこれで俺は失礼させていただく」
館を後にする。
所詮口約束でどこまで下げてくれるのかはわからないが、でもその代わりに一部の金は取り戻すことができた。
これで上出来だろう。
あとはこの金を村の人に返して……。
するとそこには武器を持った数人の男たちがいた。
彼らは俺が入った途端に睨みをきかせてくる。
「誰だ、お前は?」
「あぁ、突然の来訪、済まなかった。俺はアイン。この国を救う者だ」
「アイン? 聞いたことないな。お前たちはどうだ?」
「いや、聞いたことがない」
ヒソヒソとはなしあう。
しかし、俺の存在は知らないようだ。そもそも知られないように行動しているのだ。
知っているほうが驚く。
「そうだな。むしろ隠れて行動していて知られている訳がないな。それよりやった活動を教えたほうが早いだろう」
「――いいだろう。聞かせてみろ」
「魔女の森で起こったことは知ってるよな? その程度の情報も入ってないとは言わないよな?」
「あぁ、冒険者が魔女を殺そうと襲い掛かったが、何者かによって防がれた、と……ま、まさか!?」
ようやく気づいたようだな。
俺はニヤリと微笑んで見せる。
「そうだ、あれは俺が止めた」
「いや、証拠が何もないだろ?」
「むしろ、俺が動いて証拠を残すとでも?」
男たちがじっくりと俺のことを見てくる。
しかし、俺は動じることなく腕を組んだまま留まる。
「……わかった。まずはその仮面をとってくれないか?」
「――それはできない」
流石に反乱軍ともなると俺の顔を見て、公爵子息と判断することができるだろう。
流石に顔を見せることはできない。
「なに? それだと流石に信用できないな」
「……わかった。見せよう」
「あぁ、顔を見せてくれ」
「いや、見せるのは顔ではなく俺自身の力を見せてやる。こんなところで燻っている原因を取り除いてやろう」
「……そんな簡単にできるものか」
「だからこそ、力の証明になるだろう?」
「――わかった。委細を伝えよう」
そこで男から教えてもらったのは、この村が飢餓に陥った原因だった。
それは信じられないくらい不作だった畑の他にも畑を襲う凶暴な魔物の存在と高すぎる税金があった。
魔物は倒してしまえばいい。
税金の不正は俺が直々にここの税を取り締まる補佐官に会いに行けばいい。
おそらくひどい中抜きがあるはずだ。
不毛な畑は今はどうすることもできないな。
一時的に食料を与え、次の作物ができるまで耐えてもらうしかできない。
「なるほど、それを解決したらいいんだな」
「……っ!? そんなに簡単にできるわけが――」
「俺ならできる! 数日後にまた来る」
それだけいうと俺は小屋を出ていった。
◇
「よう、アイン。待たせちまったな」
村の入り口に戻ってくるとブライトたちがちょうどやってきたタイミングだった。
「いや、気にするな。それよりもまたお前には働いてもらいたい」
「まかせろ! 何をしたらいい?」
「また畑に現れた魔物討伐だ。なかなか強力な相手らしい」
「お、おう、任せろ! アインはどうするんだ?」
「俺はもう一つの問題をどうにかしてくる」
「もう一つ?」
「あぁ、そっちは俺しか出来ないことだからな」
「……?」
ブライトは首を傾げていたが、俺はそれ以上は言わなかった。
◇
早速俺は補佐官の館へと向かった。
「どちら様ですか?」
「ヴァンダイム公爵子息が来たといえば分かってもらえるはずだ」
「か、かしこまりました。こちらでお待ち下さい」
速攻で応接間へと案内される。
やはり公爵の名は大きいな……。
改めて自分の立場について思い知らされる。
「お待たせいたしました。私はこちらの補佐官を仰せつかっております……」
「前置きはいい。俺が想定してるより多くの税を国民から取っているようだな?」
「はて、なんのことにございましょうか?」
首を傾げる補佐官。
しかし、そこで俺はさらに畳み掛ける。
「もう調べはついている。こんなに増やしてどうする! 国に調べられると俺が咎められるんだぞ!」
実際はそんなことないだろうけど、ここは毅然とした態度で言うと、補佐官は少し表情を歪めていた。
「しかし、我々も必要なだけの税を取っておりますゆえに……」
手をコネコネと動かしながら俺に対して小袋を渡してくる。
……賄賂か。
つまり、税をあげていることは認めるようだな。
まぁ、せっかくくれると言うのだからこれは返してもらっておこう。
その小袋を受け取ると俺は補佐官に告げる。
「まぁ、勘違いということはあるだろう。あまりに高すぎる税だと咎められかねないと思っただけだからな。もう少し下げてくれたらそれで構わないんだ」
「ははーっ、かしこまりました。おっしゃる通りにさせていただきます」
「ではこれで俺は失礼させていただく」
館を後にする。
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これで上出来だろう。
あとはこの金を村の人に返して……。
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