社畜さん、ヒモになる〜助けた少女は大富豪の令嬢だった〜

空野進

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25.

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 祭りが行われてる神社までやってくると、その前はたくさんの人が行き来していた。


「さすがにこれだけ人が多いとはぐれたら大変だな。手を繋いでおくか?」


 さりげなく莉愛に手を差し出すと彼女は驚いた表情を浮かべていた。


「んっ、どうした?」


 いつも繋いでるのに、どうして今更驚いてるんだと不思議に思い聞き返す。


「いえ、有場さんから繋ごうとしてくれたのが珍しいので……」


 ゆっくり手を繋ぎ返してくると、嬉しそうに上目遣いを見せてくる。

 そういえばいつもは莉愛からだったか?
 別に意識していたわけじゃないが、莉愛が嬉しそうにしてくれるならこれからは俺からつなぐ回数も増やしてみるか。


「えへへっ、たまにはこういうのもいいですよね」


 莉愛の頬が緩み、幸せそうな表情を見せてくる。
 手をつないだ後は莉愛の歩調に合わせながらゆっくり進んでいく。

 意外とこの祭りは近所では有名なのか、境内に入ると人がかなりいた。
 こんなところでバラバラに動いたらすぐに迷子になってしまいそうだ。

 まぁ莉愛の場合は勇吾さんが護衛とかを付けていそうなので危険はないだろうが……。


「やっぱり手を繋いでいてよかったな。ただすごい人だな……」
「えぇ、やっぱりお祭りは行きたくなりますから」
「まぁ、そうだよな」


 時刻が夕方ということもあってか、どちらかといえば中高生などが多い。しかも、側から見てもわかるくらいにイチャイチャとしている男女のペアばかりなので、ほとんどが恋人同士なのだろう。

 それを見た莉愛は顔を真っ赤にしていた。


「えっと、その……。私たちも恋人に見えるのでしょうか?」
「そうだろうな……」


 どちらかといえば兄妹に見えそうだが、ここは頷いておく。
 すると、莉愛は嬉しそうに笑みをこぼしていた。


「そうですよね。有場さんと恋人か……えへへっ」


 再び頬が緩んでくる莉愛。
 そこまで喜んでもらえると俺も少し嬉しくなってくる。

 ◇

「それにしてもいろんな屋台が出てるんだな」


 たこ焼きや焼きそば、チョコバナナやりんご飴といった定番の食べ物や金魚すくいや射的、くじ引きやヨーヨーすくいなどの屋台が出ている。


「有場さん、あれを見て下さい!」


 莉愛が目を輝かせながら指さしたのはお面が売っている屋台だった。


「あ、あれを買って良いですか?」


 ただのお面に対して、まるで子供のようにはしゃぐ莉愛。
 そんな彼女を見ていると苦笑が浮かんでくる。


「あぁ、良いぞ。どのお面を買うんだ?」
「もちろんペンギンのやつです!」


 莉愛が一番上にあった青いペンギンのお面を指さしてくる。


「すみません、お面を一つもらえますか?」
「一つ千円だよ。どのお面が良いんだい?」
「あのペンギンをお願いします」


 意外と高いな……。

 お面が値が張ることを知り、思わず驚いてしまう。
 ただ、よく考えるとお面はあまり自分で買うことがなかったな。
 それで単に相場がどのくらいかわからなかっただけかもしれない。

 莉愛はお面を頭の上に付けると嬉しそうに微笑んでいた。
 まぁ、この笑顔が買えるなら安いものか……。

 満足そうな莉愛を見ていると俺も嬉しくなる。


「有場さん、このお面どうでしょうか?」
「あぁ、莉愛に似合ってるぞ」
「本当ですか? 少し子供っぽくないですか?」


 不安そうに聞いてくる。
 たしかに子供っぽい……。お面ではしゃいでる莉愛はとても高校生には見えない。
 中学生……、いや、小学生に見えてもおかしくないだろう。

 ただ、それはお面を買った時点でわかることなのに……。
 真剣そのものの莉愛の顔を見ると思わず笑いがこみ上げてくる。


「…………ぷっ」
「あーっ、今笑いましたね。私のこと、子供っぽいって思ったんですね!」


 頬を膨らませて怒ってくる莉愛。


「すまんすまん、でも、すごく可愛らしいと思うぞ」
「……卑怯ですよ、有場さん。そう言われたら怒れないじゃないですか……」


 莉愛が口を尖らせながら、それでいて恥ずかしそうにうつむいた。


「……わかりました。では、あれを一緒に食べてくれたら許してあげます」


 莉愛が側にあったたこ焼きの屋台を指さしてくる。


「あぁ、わかったよ。たこ焼きで良いんだな?」
「はいっ!」


 たこ焼きは八個で三百円。十二個で五百円だった。

 なんだろう……。百円という値段を見るとホッとしてしまう。
 ここ最近の買い物は桁が違うものばっかだったからな。

 なんだか久々に硬貨を見た気がする……。


「どうかしましたか、有場さん」
「いや、なんでもないよ」


 他にもいろんな屋台があることも考えて俺は八個入りの方を選んでおく。

 ◇

 できたてのたこ焼きをもらうと俺は莉愛の側に戻ってくる。


「待たせたな」
「いえ、全然待ってませんよ。それよりも熱々を食べましょう」


 莉愛が嬉しそうに言ってくる。

「それじゃあ莉愛はこっちを使うといいぞ」


 莉愛に爪楊枝を渡すと彼女は会釈をしてくる。


「ありがとうございます」
「それじゃあ俺は……」


 自分の爪楊枝を使い、たこ焼きを食べようとする。
 すると何を思ったのか、莉愛がたこ焼きを指した爪楊枝を俺の方に近づけてくる。


「有場さん、あーん……」


 周りにたくさん人がいるにもかかわらず、莉愛がそのたこ焼きを俺の口へと差し出してくる。

「あのな、莉愛。流石にここは人が多いから……」
「あーん……」


 聞く耳を持たないといった感じにずっとたこ焼きを差し出したままだった。

 はぁ……仕方ないな……。

 流石に莉愛も恥ずかしいようで、その顔は少し赤く染まっていた。

 いつまでもこうしてるわけにはいかないので、俺はさっと莉愛のたこ焼きを口に入れる。


「うん……、まぁ普通のたこ焼きだな……」
「それならもう一つ……」


 莉愛がたこ焼きを食べさせて来ようとするので、逆に俺が差し出す。


「ほらっ、あーんだ」
「うぅ、恥ずかしいですよ……」


 逆にやられたら恥ずかしいようで莉愛が恥ずかしそうに顔をうつむける。


「だろう? 流石にこれだけ人がいるとな……」


 周りの人から微笑ましい目つきで見られていた。


「で、でも、いただきます」


 莉愛はパクッとたこ焼きを食べる。


「とっても美味しいですね……」
「ただのたこ焼きだぞ?」
「はい、でも、こういうところで有場さんと二人、食べるからでしょうか。とっても美味しいです」
「まぁ、莉愛が喜んでくれるならそれでいいが……、少しだけ場所を移動しないか?」


 流石にさっきから注目の的になっているのは耐え難いものがあった。
 すると莉愛も今の状況を思い出したようで、顔を真っ赤にして、小さく二回頷いていた。

 ◇

 少しだけ露店が並ぶ場所から逸れるとあまり人がいない場所に出てきた。


「ここから少し落ち着けるか……」
「そうですね……」


 少し小走りで抜けてきたからか、莉愛は息が上がっている様子だった。


「大丈夫か?」
「はい……、でも、ちょっとこの格好は走りにくいですね……」


 苦笑する莉愛。
 俺もそうだが、莉愛も浴衣姿だ。
 このまま走るのはなかなか大変だった。


「とにかく一旦休もうか」


 俺は木にもたれかかる。
 するとそのすぐ隣に莉愛がくると俺の方へ頭を付けてくる。


「莉愛、どうかしたか?」
「いえ、こうやって有場さんと二人でお祭りに来られるなんて嬉しいなって……」
「まだ来たばかりだぞ? 他にもよるところはたくさんあるんだし……」
「そうですね。とりあえずまずはそのたこ焼きを食べてしまいましょうか?」


 俺の手にはすっかり冷めてしまったたこ焼きがあった。
 小走りで持ってきたのによく落ちなかったなと我ながら感心してしまう。


「そうだな。ただ、すっかり冷めてしまっているな」


 こういったものはできたてをその場で食べるから美味いんだ。冷めてしまっては――。


「いえ、大丈夫ですよ。有場さんが食べさせてくれるなら」


 莉愛がにっこりと微笑む。
 そういえば食べさせ合うのが恥ずかしくなって逃げてきたんだったな。

 莉愛が冷めたたこ焼きを爪楊枝で刺すとゆっくり俺へと持ってくる。


「はいっ、有場さん、あーんしてください」


 まぁここなら人がいないから安心してできるな。

 俺はそのたこ焼きを食べる。
 やっぱりすっかり冷めてしまって出来立てを食べた時ほどうまくない。


「どうですか、有場さん。美味しいですか?」


 莉愛が笑みを浮かべながら聞いてくる。
 その表情を見ると今まで味気ないと思っていたたこ焼きが、途端に味わい深くなった気がした。

 いや、ただのたこ焼きだな。

 それは理解しているのだが、噛み締めていると心の中がほのかに暖かくなるのを感じる。

 これを言葉で表すなら――。


「そうだな、たしかに美味いな」
「ですよね」
「それじゃあ次は莉愛の番だな」
「えっ? わ、私はもういいですよ」


 困った表情を浮かべながら首を横に振ってくる莉愛。
 しかし、たこ焼きが目の前に差し出されると断り切れずにそのまま食べてくれる。

 そして、たこ焼きを全て食べ終わると次の屋台へと向かっていく。



「あっ、有場さんに莉愛ちゃん、こっちこっち!」


 再び屋台が建ち並ぶ境内の中央にやってくると大家さんが手招きをして呼んでくる。


「大家さん、こんばんは」
「そういえば大家さんも屋台を出すって言ってましたね」
「そうですよ。ヨーヨーすくいですけど、一回していきませんか?」


 目の前には俺が新しく買ったビニールプール。
 そこにはいくつもの色とりどりの水風船が浮かべられていた。


「どうする、莉愛?」
「私はしてみたいです。有場さんも一緒にしませんか?」
「そうだな。それじゃあ一回ずつお願いできますか?」
「わかりました。釣り針は切れやすいからうまく掬ってね」


 大家さんが俺たちに一つずつ釣り針を渡してくれる。

 それを早速プールの中に垂らしてみる。
 すると莉愛も見よう見まねでプールに釣り針を入れていた。

 そのたどたどしい動きを見ていると莉愛があまりヨーヨーすくいをしたことがないのだとわかる。


「もしかして、初めてか?」
「はい、だからどうしたら良いのかもわからなくて……」
「やるのは簡単だぞ。この針をヨーヨーの輪っかの部分に入れるだけだからな」


 俺が実際に一つ、ヨーヨーを取ってみせる。
 すると莉愛が目を輝かせながら見ていた。


「す、すごいです。私もやってみますね」


 莉愛も同じようにヨーヨーを掬おうとする。
 なんとか輪っかに針の部分を入れるところまでは出来たのだが、それを持ち上げようとするとそこで紙の部分がちぎれてしまう。


「あっ……」
「残念だね、莉愛ちゃん」


 悔しそうな表情を浮かべる莉愛は大家さんに人差し指を立ててみせる。


「もう一回お願いします!」
「わかったよ。それじゃあ今度は切れないように頑張ってね」


 大家さんから釣り針を受け取ると再びヨーヨーを掬いにかかる。
 しかし――。


「と、取れないです……」


 莉愛は今にも地面に手をつきそうになりながらうな垂れていた。
 あれから数回挑戦したのだが、莉愛が取れることは一回もなく、俺だけが複数取っていた。


「大丈夫か、莉愛。俺が取ったものをあげようか?」
「い、いえ、それは有場さんがご自身で取られてたもの。私は自分で取って見せます! 大家さん、もう一回お願いできますか?」


 珍しく莉愛の目に炎が見える。
 ここまで熱中してくるのは予想外だった。
 ただ、このままだと莉愛がヨーヨーを取れることはなさそうだ。

 仕方なく俺は大家さんの耳に小声で伝える。


「大家さん、もう少し紙の強いものはありませんか?」
「えっと、あるにはあるんだけど……」
「それを莉愛に渡してもらうことは出来ますか?」
「本当なら子供に渡すものなんだけどね……。わかりました。莉愛ちゃん、今度は頑張ってね」


 大家さんが紙の部分が強くなっている釣り針を莉愛に渡してくれる。
 ただ、莉愛はその違いに気づいておらず、その視線はヨーヨーの方を向いていた。


「今度こそ……、今度こそ取って見せます……」


 まるでヨーヨーの動きを図っているかのように集中する莉愛。
 そして、ヨーヨーの輪っかをめがけてゆっくり針を下ろしていった。

 輪っかには無事に引っかかる。あとはそれを引き上げるだけ……。
 ただ、莉愛は今までここで失敗していた。

 手の震えで小刻みに揺れる紙。
 莉愛の額には汗が流れる。

 覚悟を決めて莉愛はそのヨーヨーを引き上げる。
 すると、今度はちぎれることなくヨーヨーが持ち上がった。

 それを受け止めると一瞬莉愛の表情が固まる。
 でも、すぐにその顔に笑みがこぼれ、俺の方に駆け寄ってくる。


「あ、有場さん、見て下さい! ヨーヨー取れましたよ!」
「そうだな、頑張ったな」
「えへへっ……」


 頑張った莉愛の頭をなでてあげると彼女は嬉しそうに目を細めていた。


「うん、青春してるね……」


 大家さんは俺たちを見ながらにやりと微笑むとぽつり呟いていた。
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