私が今までで1番人間だった1週間

しゅん

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第1話 青天の霹靂

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「どうしてお前は…。どうしてお前はこんなにダメなんだ!」
「…ぁっ…。」
父親に殴られると同時に、喉の奥から死にかけの猫のようなかすれた声が漏れる。
「お前はなぜ笑わない!なぜ皆と同じようにできない!なぜ学校にすら通えない!」
馬乗りになった父から、右、左、右、左、と拳が降り注ぐ。
怒りという感情すら持っていなかった私は、涙を流すことしか出来なかった。
「…っ…。ぅっ………。」
涙を流しているうちに、父は憤慨しつつも1人でパチンコをしに行った。

なんで。なんで。なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。なんで!
悲しみですらない何かが沸き上がる。
大きな声で泣き叫ぼうとしたその時だった。
「おい…大丈夫…か?」
声が聞こえた方向に目を移す。
窓から幼馴染の玲於が身を乗り出していた。 
私が家から出なくなった7歳の頃から16際になる今まで、何故か毎日のように家に来ている。
「れ…お…。」
「どうした。話聞くから。落ち着いて。」
玲於に宥められ、落ち着きを取り戻した私はたった今あったことを話す。
「…また…か…。」
「うん。」
何故かもう、冷静な私を取り戻している。
「………なぁ凛」
「家出…しないか?」
「え?」
予想だにしない言葉が玲於から飛び出す。
「なん…で?」
「いやほら。お前感情がないってことを理由にあんま外でたりしてないじゃん。だからさ、楽しいところに行ったりしたら感情取り戻せるんじゃないのかな。」
「…わからない。というか、そんなことをしたら家に帰った時親に殺されてしまう。」
「大丈夫だよ。お前の父ちゃん、お前に感情がないからあんなに辛く当たってると思うんだよ。多分。」
「多分って…。」
「wwで、いいのか?悪いのか?」
「…わからない。私は自分がどうしたいのか。」
思いのままを玲於に告げる。
「…わかった。1週間後までに決めてくれ。」
玲於は元きた窓に身を乗り出し、姿を消した。
それに連続するかのように、私は部屋の電気を消して、特に何か考えることも無く眠りについた。
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