異世界転移ストーリー旅、的な物語（）

第1章 女騎士と共に

2話 逃亡

「王よ！命を粗末にするのは許しません！」

「女騎士カッケー！」

　女騎士は俺を守るようにして前に立つ。

「女騎士よ、そなた、何をしたか分かってるのか？国家反逆罪じゃぞ！」

「ええ、わかっています。私はこの者を守り、王の命令に背いた……。しかし！たとえ、王の命令だとしても！騎士道に反する行動はしません！」

「そなたは一旦、頭を冷やす必要があるようじゃの。皆の者！こやつらを捕らえるのじゃ！」

「ぉぉおおおお！！」

兵士達が襲いかかろうとしてくる。

「おおっ！スゲー迫力？！」

「おい、お前！感心している場合ではない！逃げるぞ！」

「おわっ！」

　俺は女騎士に担ぎあげられた。

………………………………

　後ろから兵士に追いかけられる中、一直線の廊下を走っている。

　担ぎあげられている俺は冷静に周りを見る。

「後ろから兵士達が追っている。そして、前にも兵士達がいる。………これ詰みじゃね？」

「ああ、そうかもな。」

　女騎士は止まり俺を下ろした。このまま走れば前の兵士に捕まるからだ。

　かと言って、このまま留まっていれば後ろの兵士に捕まる。まさに絶体絶命だ。

「やばそうだな……女騎士このまま捕まるのと死ぬの、どっちがいい？」

「えっ………」

　女騎士は少し戸惑い、そして応えた。

「弱き人を守れず生きる伸びるくらいなら、死ぬほうがマシだ！！」

「わかった。」

「パシッ」

「なっ！」

　俺は女騎士の腕を掴み、廊下の“窓”へ突進した。

「ﾊﾟﾘｨｨﾝ!」

「痛っ｣

粉々になったガラスの破片が俺に刺さる

　そして重力に従って下に勢い良く落ちていった。

………………………………

　それほど高い場所では無かったようだ。足が動かなくなる程の軽傷(？)で済んだ。

「……よく窓から出るあんなところから降りようとしたな。」

「挟み撃ちにされたときに、窓から逃げるのはテンプレなんだよ。ってかあんな場所から降りて怪我は無いか？」

「私にとって、あんなところから降りるのは雑作もないこと。しかし、私はお前が心配なんだが……」

「俺は大丈夫だ。」

俺はそう言って、プルプルの足で立ち上がった。こけた。

「どうやら大丈夫じゃなさそうだな」

　女騎士は笑いながら、俺を担ぐ。

「まだ、追手が来そうだ。逃げるぞ。」

　俺を担いだ女騎士は、地を蹴った。