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第1章 女騎士と共に
7話 団長
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「メルリーヌ、探したよ。」
「だ、団長…」
あの男の人が団長…ってことは役職的に副団長のメルリーヌよりも強いのか?
もし、そうだとしても、俺はどうすればいいんだ?
戦わずに済む方法は何か無いか?
「ピュイッピューヴヴヴ」
ダイアがうなる。
場は少し硬直した。
しかし、その硬直は男の発する言葉によって消え去った。
「メルリーヌ、久しぶりにやらないか?」
「そうですね。やりましょうか。もうそろそろあなたとやりたかったんですよ。」
(……やっぱり戦うのか。戦えない俺は2人の戦いを見届けよう。)
そして、二人が地を蹴った。
「ウオォォォォ!!」
「やぁぁぁ!」
男団長が大きく跳び、、上から大剣を振り下ろす。
メルが剣を構えながら男の落下地点に駆ける。
勝負は一瞬で着いた。
メルリーヌが男団長の大剣を受け流し、男団長の首筋に剣を当てたからであった。
「降参。」
男団長は両手を挙げる。
「まだ、ローズ団長の足元にも及ばない。恥を知りなさい。」
メルリーヌはそう言って、剣を収めた。
…………………
試合後…
「俺はメルリーヌを捕まえる気はないよ。第一、彼女は強すぎて捕まえる事が出来ないからね。」
「そ、そうなのか。」
俺は安心した。
「ローズ団長の後釜なら、騎士道を歩んで欲しいです。後ろから不意打ちなんて絶対ダメですよ。」
メルは男団長を睨む。
「それは、済まなかった。メルリーヌを倒せるチャンスだったからつい…」
「それに、強くあるべきです。ローズ団長なら、私の受け流しを叩き壊しますから。期待してますよ。トロス団長。」
「あ、ああ。いつか絶対倒すからな覚悟しろよ。」
2人の間で火花が散る。
俺はその間から質問する。
「ローズ団長って誰なんですか?」
「…………」
「…………」
少し沈黙が続いた。
俺は何か聞いちゃダメな事を言っただろうか。
そして、トロス団長は口を開いた。
「ローズ団長はな、俺の姉であり、元団長なんだよ。」
続いてメルも口を開いた。
「ああ、私の親友であり、師匠でもあり、ライバルでもあった存在だ。」
「あっ、俺はこれから、いない2人を探す仕事があるからな。またな!」
そう言ってトロス団長は去って行った。
「そういえば………ここも追手が来てるのか……違うところに行くか。」
「…………」
「メル、どうした?」
「いや、なんでもない。」
そう言ったメルの顔は、なんだか懐かしそうな、悲しそうな、嬉しそうな。
そんな顔をしていた。
「だ、団長…」
あの男の人が団長…ってことは役職的に副団長のメルリーヌよりも強いのか?
もし、そうだとしても、俺はどうすればいいんだ?
戦わずに済む方法は何か無いか?
「ピュイッピューヴヴヴ」
ダイアがうなる。
場は少し硬直した。
しかし、その硬直は男の発する言葉によって消え去った。
「メルリーヌ、久しぶりにやらないか?」
「そうですね。やりましょうか。もうそろそろあなたとやりたかったんですよ。」
(……やっぱり戦うのか。戦えない俺は2人の戦いを見届けよう。)
そして、二人が地を蹴った。
「ウオォォォォ!!」
「やぁぁぁ!」
男団長が大きく跳び、、上から大剣を振り下ろす。
メルが剣を構えながら男の落下地点に駆ける。
勝負は一瞬で着いた。
メルリーヌが男団長の大剣を受け流し、男団長の首筋に剣を当てたからであった。
「降参。」
男団長は両手を挙げる。
「まだ、ローズ団長の足元にも及ばない。恥を知りなさい。」
メルリーヌはそう言って、剣を収めた。
…………………
試合後…
「俺はメルリーヌを捕まえる気はないよ。第一、彼女は強すぎて捕まえる事が出来ないからね。」
「そ、そうなのか。」
俺は安心した。
「ローズ団長の後釜なら、騎士道を歩んで欲しいです。後ろから不意打ちなんて絶対ダメですよ。」
メルは男団長を睨む。
「それは、済まなかった。メルリーヌを倒せるチャンスだったからつい…」
「それに、強くあるべきです。ローズ団長なら、私の受け流しを叩き壊しますから。期待してますよ。トロス団長。」
「あ、ああ。いつか絶対倒すからな覚悟しろよ。」
2人の間で火花が散る。
俺はその間から質問する。
「ローズ団長って誰なんですか?」
「…………」
「…………」
少し沈黙が続いた。
俺は何か聞いちゃダメな事を言っただろうか。
そして、トロス団長は口を開いた。
「ローズ団長はな、俺の姉であり、元団長なんだよ。」
続いてメルも口を開いた。
「ああ、私の親友であり、師匠でもあり、ライバルでもあった存在だ。」
「あっ、俺はこれから、いない2人を探す仕事があるからな。またな!」
そう言ってトロス団長は去って行った。
「そういえば………ここも追手が来てるのか……違うところに行くか。」
「…………」
「メル、どうした?」
「いや、なんでもない。」
そう言ったメルの顔は、なんだか懐かしそうな、悲しそうな、嬉しそうな。
そんな顔をしていた。
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