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第1話 知らない世界
しおりを挟むみんなは棒人間というのを知っているだろうか。
そう、骨組みの身体と球体の頭。最低限、これだけで出来てしまう代物だ。
この話は、そんな棒人間になってしまった主人公の話である。
「はぁはぁ・・・ここはどこだよ!」
確か、俺の家に届いた一通の手紙・・・あれを開いたらいつの間にか棒人間のような姿になったんだった・・・。
「待てぇー!」
後ろからも棒人間が追いかけて来ている・・・。なぜ追いかけられているかは俺にも分からない。ただただ、追いかけられているのだ・・・。
「くっ・・・かれこれ1時間ほど追いかけている・・・。このままじゃ捕まるぞ・・・」
俺は森の中で必死に助けを求めた。
「だっ、誰かー!助けてくれー!!」
俺は叫びながら森の中をひたすら走っている・・・。すると目の前に三人・・・。
一人は長身で細い剣を持つ棒人間・・・。一人は手が巨大な拳になっている棒人間・・・。そしてもう一人は、剣と盾を持ち、マントを羽織った棒人間・・・。
俺は無我夢中に助けを求めた。
「そこの人!助けてくれ!!」
「おいッ!お前ら!そこの小僧を渡せッ!!」
俺は彼らの後ろに隠れた。と言っても、棒だから隠れた事にはなってないのだが。
「ふぅん・・・、人さらいか・・・」
「ラビリンス様、どうしましょう。奴らはキルル盗賊団の者です」
「なるほど・・・。目を付けられたら厄介だな・・・。こいつは諦めよう・・・」
剣と盾を持った棒人間が言った。
・・・は?諦める?
「ちょっと!助けてください!俺はこの世界が何なのか!この姿は何なのか!分からないままなのです!とにかく、今を助けて!!」
「ふむ・・・、そこまで言うのなら・・・」
彼はスっと腕を上げた。
「シルフェ、テッキ、キルル盗賊団でも構わない。殲滅だ」
「・・・了解」
「承知した」
シルフェとテッキという棒人間は俺を追っていた棒人間に向かって行った。
「・・・居合切り」
一瞬にして敵の棒人間が切られた。
「あぁ・・・あ・・・」
切られた棒人間は砂状になり、地面の上に積もった。
他の盗賊も少し引いたものの、直ぐに向かってきた。
「リプロック!せぇぇい!!」
もう一人の棒人間・・・テッキは地面を叩きつけ、それと同時に地面から岩が敵に向かってせり出した。
「ぐはッ・・・!」
尖ったその岩は二人の盗賊を真っ二つにし、彼らも同じく、砂状になり、地面に積もった。
「さてと、こんなもんかな」
「あっ・・・ありがとう、ございます」
俺は三人に深く礼をした。
「君、どこの者かね」
俺は聞かれた言葉の意味が分からなかった。どこの者・・・?出身地を言えばいいのか・・・?
深く悩む俺を見て、更に質問を重ねた。
「名前はなんだね?」
俺は本名を言いかけたが、止めた。理由は分からないが、とにかく、俺の中の何かが言うのを躊躇った。
「もしかして、記憶喪失かね・・・」
「そうみたい・・・ですね」
「ひとまず、我々で保護するとしましょう」
俺は彼らに連れて行かれた。このままどこに連れていかれるのだろう・・・。俺はどうなるのだろう・・・。
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