今回は必ず守り抜く

ボタニカルseven

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ナターシャ・グロリア第一皇女

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「ナターシャ様、早朝鍛錬のお時間でございます」
「あぁすぐ行くよ」

 私は扉の向こうから聞こえたその声に対して、軽く返事をする。

「ナターシャ、かもうそう呼ばれてから5年が経つな」

 私は、ナターシャ・グロリア。グロリア帝国第一皇女だ。どうやら私は生まれ変わりというものをしたらしい。前世、と呼ぶべきなのだろうか。そこではルージュと呼ばれダリテール王国の第二王子殿下、シルヴァン・ル・ダリテール様の剣として生を全うしていた。そのルージュという名前も殿下がつけてくださった名前だ。だからその名前が大切だったし、今の名前で他人から呼ばれるのが少し、心地が悪い。だからといってナターシャという名前が気に入っていないわけではない。両親はとてもいい方々だ、と感じるし。それにしても……

「人は輪廻転生をするとは聞いていたが…では私は――」

 死んでしまったのだな、と誰にも聞こえないほどの小さい声でつぶやいた。しっかりと殿下を弔うことができなかった現実が私に重くのしかかる。私はこうやって転生をしたが、殿下は、殿下はどうなのだろうか。もし殿下もこの時代に転生しているのだとしたら、今度こそ、今度こそ守り抜きたい。だからそのためにも、この国で鍛錬を積まなければ。きっと私はそれをするためにこの国に生まれたのだろう。ここランチェード大陸にある国の中で頭ひとつ抜けた武力をもつグロリア帝国に。

 


 生まれてからの五年間、日々環境に感謝しながら鍛錬を続けてきた。ルージュの時は生きるのに必死で武力なんて磨いている暇はなかった。だから今のこの環境はとても恵まれている。一つ不満を言うのであれば、私のそばに殿下がいないことだろうか。私が生きる理由は、殿下を守るためだったから、今の私にはそれができていない。うまく言えないが体に穴が開いてしまっているようだ。

「生きていらっしゃるのであれば早く探さなくては」

 もうすでにこの生を受けてから5年が経っている。殿下の声、お姿が私の記憶から完全に抜け落ちる前に探さなくてはならない。だが、私の記憶を頼りにしても私と同じように何もかも違う可能性がある。殿下の地位も、お姿も、声も、違うかもしれない。私は、果たして殿下を見つけられるのだろうか。この大陸中の中からたった一人を探し出せるのか。そもそもこの大陸には生きていないかもしれない。はたまた殿下は……。



 いや、そのような考えはやめだ。きっと生きていらっしゃる。たとえお姿が変わったとしても探し出すのが私の役目、使命だろう。見つけ出した暁になんとしてでもおそばに、そして今度こそ守り抜くんだ。ルージュができなかったことを、ナターシャ・グロリアとして使命を全うするんだ。



 

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