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2章 村での生活
29話 重い物には気を付けよう……
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焼き芋を作るなら、焼くための設備が必要だが……
俺は目だけで周囲を見回すと、まず目に入ってきたのはレンガでできたかまどだ。
他に使えそうなものは……立て掛けてある焼き網、鉄板、フライパン辺りか。
ここにある設備で焼き芋を作るなら、メインはかまどになりそうだが……芋の下に敷く石が欲しいところだ──
「あの……先生? おこってますか……?」
「……えっ?」
無言で考え込んでいたら、どうやら怒っていると思われてしまったらしい。
「いや、怒ってなんかないぞ?」
「でも……私がさっき先生の言ったことをうたがって、それからだまっちゃったし……」
「あ~……それはごめん」
実際は考え込んだりブレンと相談していただけなんだが……
なんとなくだが、ブレンと相談していたことは黙っておこう。
「ちょっと俺も不安になって考え込んでいただけなんだ。 とりあえず、作るだけ作ってみてもいいかな?」
「もちろんです! あと、うたがっちゃってごめんなさい……」
「それはもういいよ。今までサツマノイモを食べて甘さを感じたことがないなら、誰だって疑うさ」
俺は謝るラベンダーをなだめつつ、ラベンダーに対しての態度と言葉には気を付けようと改めて誓った。
「そうだ、近くで石が拾えそうな所はないかな? 料理を作るのに使いたいんだけど」
「えっ、石を料理に……?」
おー……すごく微妙な顔してるなぁ……
「正確には石を焼いて、その石の熱で芋を焼きたいんだ。直火で焼くと芋がすぐに焦げちゃうからさ」
「石にそんな使い方が……! やっぱり先生はすごいです!」
「いや……俺が思い付いた使い方って訳じゃなくて、こっちには昔からあるやり方で──」
と説明してはみたが、ラベンダーは瞳をキラキラと輝かせながらこちらを見ている……
こりゃ、俺の発案じゃないと伝わってなさそうだな……
「──と、ちょっと話がずれたけどそんな訳で使えそうな石が欲しいんだ。出来れば、丸くて小さめの石があるといいんだけど……」
このままだといつまで経っても終わらないし、改めてラベンダーに確認してみた。
「この辺りで丸くて小さめの石……ですか。……うーん……」
まあ、本来丸い石は川などが近くに無いとあまりなさそうな感じではあるんだけど……
最悪、平べったい石でも出来なくはないはずだが。
「あっ! そう言えばお母さんが……! 先生、ちょっと待ってて下さい!」
何かを思い出したのか、ラベンダーが部屋から飛び出していった。
かなりの勢いで出ていったのに、ドアを閉めるときに音がしないとは……いろんな意味ですごいな……
とりあえず、ラベンダーが戻ってくるまでに簡単な準備をしておこうかな。
ストレージに入れたサツマノイモは、洗ってないのに何故か土が全く付いてない。
だがなんとなく習慣で水洗いして、かまどの状態を確認。
見た感じ詰め込みすぎない程度にするなら、一回に焼けそうなのはいいところ10本位か。
……ミドリサツマノイモは数が少ないし、まずはサツマノイモだけを焼いてみよう。
無事に美味しく焼けたら、次はミドリサツマノイモも焼いてみればいいだろう。
……やることの確認は済んだが、ラベンダーはまだ戻ってこない。
──と、その時女将さん達の声が少しだけ聞こえた。
「──本当に手伝わなくて大丈夫かい?」
「うん! 大丈夫……!」
なんとなく不安になったリョウがキッチンのドアを開けようとすると──
ドンッ!!
「うわっ!?」
開けようとしたドアから突然大きい音がして、思わず飛び上がってしまった。
……びっくりして心臓が飛び出すかと思ったぞ……
俺が息を整えていると、ドアの向こうから微かにラベンダーの声が──
「先生……ドアを、開けてくれませんか……?」
息も絶え絶えな感じのラベンダーの声に、あわててドアを開ける。
そこには疲れきった様子のラベンダーが、両手に大きな袋を持って立っていた……
「大丈夫か!?」
重そうに見える袋を急いでラベンダーの手から受けとる。
……が、予想を超えた重さに片手……しかも、不安定な持ち方では到底支える事ができず──
「うごっ!?」
……袋を自らの足に落としてしまった……
い、痛すぎる……!
「せ、先生! 大丈夫ですか……?」
《リョウさん! 大丈夫ですか!?》
「だっ……大丈夫!」
実はズキズキしていてとても大丈夫ではないし、涙もにじんでいたが……根性でなんともないフリをした。
……バレてるかもだけど。
《もう……バレバレですよ? ちゃんと後でポーションを飲んでくださいね?》
え……そこまで酷い状態なのか……?
「どちらの袋も石の大きさが違うので、どうせなら一緒に見せたくて……頑張っちゃいました!」
……そうだったな。ラベンダーは頑張りすぎちゃう娘なんだった……しっかり評価してあげなければ!
「そっか……頑張ってくれてありがとな。こんな重いものをまとめて持ってくるなんて、ラベンダーはすごいな!」
「えへへ……」
照れたようにはにかむラベンダーに、内心でほっとする。
褒められたくて頑張ったのに、危ないからと真っ先に叱るのは精神的にダメージが大きいからな……
「でもな? さすがにこんなに重いのは一人じゃ危ないから、次は俺を呼んでくれよ?」
頭をそっと撫でながら優しくそう諭す。
「はい! 分かりました!」
元気に返事をするこの様子なら、心にダメージはなさそうだな。
あとは……俺の足、どうやら状態異常の〖骨折〗になってるようだから……
ブレンの言うようにポーションを使って、こっそり治しておこう……
俺は目だけで周囲を見回すと、まず目に入ってきたのはレンガでできたかまどだ。
他に使えそうなものは……立て掛けてある焼き網、鉄板、フライパン辺りか。
ここにある設備で焼き芋を作るなら、メインはかまどになりそうだが……芋の下に敷く石が欲しいところだ──
「あの……先生? おこってますか……?」
「……えっ?」
無言で考え込んでいたら、どうやら怒っていると思われてしまったらしい。
「いや、怒ってなんかないぞ?」
「でも……私がさっき先生の言ったことをうたがって、それからだまっちゃったし……」
「あ~……それはごめん」
実際は考え込んだりブレンと相談していただけなんだが……
なんとなくだが、ブレンと相談していたことは黙っておこう。
「ちょっと俺も不安になって考え込んでいただけなんだ。 とりあえず、作るだけ作ってみてもいいかな?」
「もちろんです! あと、うたがっちゃってごめんなさい……」
「それはもういいよ。今までサツマノイモを食べて甘さを感じたことがないなら、誰だって疑うさ」
俺は謝るラベンダーをなだめつつ、ラベンダーに対しての態度と言葉には気を付けようと改めて誓った。
「そうだ、近くで石が拾えそうな所はないかな? 料理を作るのに使いたいんだけど」
「えっ、石を料理に……?」
おー……すごく微妙な顔してるなぁ……
「正確には石を焼いて、その石の熱で芋を焼きたいんだ。直火で焼くと芋がすぐに焦げちゃうからさ」
「石にそんな使い方が……! やっぱり先生はすごいです!」
「いや……俺が思い付いた使い方って訳じゃなくて、こっちには昔からあるやり方で──」
と説明してはみたが、ラベンダーは瞳をキラキラと輝かせながらこちらを見ている……
こりゃ、俺の発案じゃないと伝わってなさそうだな……
「──と、ちょっと話がずれたけどそんな訳で使えそうな石が欲しいんだ。出来れば、丸くて小さめの石があるといいんだけど……」
このままだといつまで経っても終わらないし、改めてラベンダーに確認してみた。
「この辺りで丸くて小さめの石……ですか。……うーん……」
まあ、本来丸い石は川などが近くに無いとあまりなさそうな感じではあるんだけど……
最悪、平べったい石でも出来なくはないはずだが。
「あっ! そう言えばお母さんが……! 先生、ちょっと待ってて下さい!」
何かを思い出したのか、ラベンダーが部屋から飛び出していった。
かなりの勢いで出ていったのに、ドアを閉めるときに音がしないとは……いろんな意味ですごいな……
とりあえず、ラベンダーが戻ってくるまでに簡単な準備をしておこうかな。
ストレージに入れたサツマノイモは、洗ってないのに何故か土が全く付いてない。
だがなんとなく習慣で水洗いして、かまどの状態を確認。
見た感じ詰め込みすぎない程度にするなら、一回に焼けそうなのはいいところ10本位か。
……ミドリサツマノイモは数が少ないし、まずはサツマノイモだけを焼いてみよう。
無事に美味しく焼けたら、次はミドリサツマノイモも焼いてみればいいだろう。
……やることの確認は済んだが、ラベンダーはまだ戻ってこない。
──と、その時女将さん達の声が少しだけ聞こえた。
「──本当に手伝わなくて大丈夫かい?」
「うん! 大丈夫……!」
なんとなく不安になったリョウがキッチンのドアを開けようとすると──
ドンッ!!
「うわっ!?」
開けようとしたドアから突然大きい音がして、思わず飛び上がってしまった。
……びっくりして心臓が飛び出すかと思ったぞ……
俺が息を整えていると、ドアの向こうから微かにラベンダーの声が──
「先生……ドアを、開けてくれませんか……?」
息も絶え絶えな感じのラベンダーの声に、あわててドアを開ける。
そこには疲れきった様子のラベンダーが、両手に大きな袋を持って立っていた……
「大丈夫か!?」
重そうに見える袋を急いでラベンダーの手から受けとる。
……が、予想を超えた重さに片手……しかも、不安定な持ち方では到底支える事ができず──
「うごっ!?」
……袋を自らの足に落としてしまった……
い、痛すぎる……!
「せ、先生! 大丈夫ですか……?」
《リョウさん! 大丈夫ですか!?》
「だっ……大丈夫!」
実はズキズキしていてとても大丈夫ではないし、涙もにじんでいたが……根性でなんともないフリをした。
……バレてるかもだけど。
《もう……バレバレですよ? ちゃんと後でポーションを飲んでくださいね?》
え……そこまで酷い状態なのか……?
「どちらの袋も石の大きさが違うので、どうせなら一緒に見せたくて……頑張っちゃいました!」
……そうだったな。ラベンダーは頑張りすぎちゃう娘なんだった……しっかり評価してあげなければ!
「そっか……頑張ってくれてありがとな。こんな重いものをまとめて持ってくるなんて、ラベンダーはすごいな!」
「えへへ……」
照れたようにはにかむラベンダーに、内心でほっとする。
褒められたくて頑張ったのに、危ないからと真っ先に叱るのは精神的にダメージが大きいからな……
「でもな? さすがにこんなに重いのは一人じゃ危ないから、次は俺を呼んでくれよ?」
頭をそっと撫でながら優しくそう諭す。
「はい! 分かりました!」
元気に返事をするこの様子なら、心にダメージはなさそうだな。
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