園芸店店長、ゲーム世界で生産にハマる!

緑牙

文字の大きさ
140 / 143
2章 村での生活

93話 森熊に襲われるサラ親子

しおりを挟む
 震えているタンジーの頭を撫でつつ、今出来ることを考えてみる。

 まずはタンジーを避難させる事。

 次は森熊からの防衛に参加することだが、他の冒険者がいるならうまく連携を取らないと逆に足手まといになってしまう可能性もある。

 自分の装備を改めて見れば、武器と装飾品以外は初期装備のままだしな……

 とは言え、作ったポーションを配ることで支援も出来るわけだし、まずは様子を見に行かないとな……!

 
「とにかく! あんた達も早く避難しな! あたしも鍵を閉めたらすぐ行く!」

「分かりました! 行こう、二人とも」

「うん……」
《はい!》


 素材等を俺とブレンで手分けしてストレージに放り込み、すぐさま宿屋に向かう。

 宿屋が村での避難所として機能しているなら、サラさんとセージ君も避難してきてるはずだ。

 ……そうでないなら、すぐ迎えに行くつもりではあるが。


「お兄さん、お兄さんはフォレストベアとたたかいに行くの?」

「勿論。村が襲われてるのに、冒険者である俺が隠れてる訳にはいかないからな」

「じゃあわたしも行く」
「それは駄目だ! 森熊の数も多いし、とてもタンジーを守りきれるとは思えないからな」

「わたしはだいじょうぶだよ。こわい人はにがてだけど、まものならこわくないもん!」
 
「いや、怖いかどうかじゃなくてな──」


「駄目っ! セージ逃げて!!」
「グォォオオ!!」
「っ!? 二人とも行くぞ!」


 今の声はサラさんだ。咆哮は恐らく森熊だろう。

 だとしたら森熊が村の中に入ってきて、避難途中のサラさん達に襲いかかって来たのかも知れない。

 くそっ……! 間に合ってくれ……!!


 二人を引き離して全力で走ると、視界には涎を垂らしながらセージ君に爪を振り下ろす森熊の姿が、そして──

 ドッ……


 という鈍い音と共に、セージ君の右の拳が森熊の腹部に突き刺さった。


「グォォ!?」
「おかあさんを……なかせるな! この、ばかぐまーー!!」


 セージ君は、叫び声と共に左の拳で森熊の胸部を殴りつけた。


「グォ……」
《えっ!?》
「なっ!?」


 予想もしていなかったセージ君の強烈な攻撃に、森熊は腹部を押さえながらよろよろと後ずさった。

 一体どれほどの威力があったのか、森熊の口からは涎以外に血も出ていた。

 そして何より異常なのはセージ君の両腕だ。

 拳を含めた両腕の筋肉がパンパンに膨れ上がり、足よりも太くなっている……


「……おかあさんを、なかせたら……おこる……」
「セージ!!」


 セージ君は、サラさんの前に立ったまま動きを止めてしまった。


「……立ったまま、気絶、してるのか……?」
「セージ!」


 あまりの展開についていけず、俺は呆けてしまったが、タンジーはすぐにセージ君のところに駆け寄った。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

1人生活なので自由な生き方を謳歌する

さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。 出来損ないと家族から追い出された。 唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。 これからはひとりで生きていかなくては。 そんな少女も実は、、、 1人の方が気楽に出来るしラッキー これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。

この子、貴方の子供です。私とは寝てない? いいえ、貴方と妹の子です。

サイコちゃん
恋愛
貧乏暮らしをしていたエルティアナは赤ん坊を連れて、オーガスト伯爵の屋敷を訪ねた。その赤ん坊をオーガストの子供だと言い張るが、彼は身に覚えがない。するとエルティアナはこの赤ん坊は妹メルティアナとオーガストの子供だと告げる。当時、妹は第一王子の婚約者であり、現在はこの国の王妃である。ようやく事態を理解したオーガストは動揺し、彼女を追い返そうとするが――

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思うので、第二の人生を始めたい! P.S.逆ハーがついてきました。

三月べに
恋愛
 聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思う。だって、高校時代まで若返っているのだもの。  帰れないだって? じゃあ、このまま第二の人生スタートしよう!  衣食住を確保してもらっている城で、魔法の勉強をしていたら、あらら?  何故、逆ハーが出来上がったの?

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

WIN5で六億円馬券当てちゃった俺がいろいろ巻き込まれた結果現代社会で無双する!

TB
ファンタジー
小栗東〈おぐりあずま〉 二十九歳 趣味競馬 派遣社員。 その日、負け組な感じの人生を歩んできた俺に神が舞い降りた。 競馬のWIN5を的中させその配当は的中者一名だけの六億円だったのだ。 俺は仕事を辞め、豪華客船での世界一周旅行に旅立った。 その航海中に太平洋上で嵐に巻き込まれ豪華客船は沈没してしまう。 意識を失った俺がつぎに気付いたのは穏やかな海上。 相変わらずの豪華客船の中だった。 しかし、そこは地球では無かった。 魔法の存在する世界、そしてギャンブルが支配をする世界だった。 船の乗客二千名、クルー二百名とともにこの異世界の大陸国家カージノで様々な出来事はあったが、無事に地球に戻る事が出来た。 ただし……人口一億人を超えるカージノ大陸と地球には生存しない魔獣たちも一緒に太平洋のど真ん中へ…… 果たして、地球と東の運命はどうなるの?

処理中です...