Rain -拗らせた恋の行く末は…-

真田晃

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第一章 梅雨の幻影

初対面

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僕の心情を知ってか、知らずか……雨はまだ、しとしとと降り続いている。

待ち合わせ場所は、学校の最寄り駅からひと区間先の駅。多分、10分もしない。
改札を抜けて西口の階段を下りると直ぐ目に付く、ファーストフード店。

その店の二階。窓際のカウンター席。
その端っこに座り、濡れたガラス越しに映る雨の景色をぼんやりと眺めていた。




「こんにちは」

背後から聞こえる、優しげな男性の声。
雨の滴が不規則に伝って流れ落ちるガラス壁に、ぼんやりと男性の輪郭が映って、僕のと重なる。

「アメくん……だよね?」

振り返って、驚いた。
そこに居たのは、大人の雰囲気が漂う、スーツ姿の男性だった。
勝手に僕は……本当に勝手に、二十歳前後の大学生だとばかり、思っていたから。

「……ミキ、さん……?」
「うん、そうだよ。……ごめんね。こんなオジサンで、幻滅したでしょ」

ミキさんは、笑顔を見せながら申し訳なさそうに視線を下げる。

「……」

今年三十五歳の父より、少し若い感じ……かな。
思ってた以上に年上だけど、整った顔立ちは格好良くて。笑った時の表情や声質が、何処となく大空に似ていた。

「い、いえ……」

ドキッとして顔を逸らす。
俯いたままでいれば、コトン…とカウンターにトレイが置かれた。

「……隣、いいかな?」
「は、はい……」


さらさらと降りしきる、細い雨。
灰色の世界に、行き交う人々のシルエット。赤、青、緑、白……色鮮やかなアンブレラ。
ふわりと漂う、コーヒーの香り。

チラリと隣を見れば、カップをソーサーに戻すミキさんが、此方に気付いて視線を向ける。

「……あの、すみません。
仕事中……だったんですか?」
「ああ。気にしないで。今日はもう、このまま直帰だから」
「……」
「それより、急に会いたいって。どうしたの?
……ソラくんと、何かあった?」

柔らかく微笑むミキさんは、僕の話を受け止めようとしてくれていた。
その姿勢は、ネット世界のミキさんそのもので。
とても誠実で。優しくて。
少しも、イヤラシさを感じない。

会いたいって言ったら、そういう目的なんじゃないかって思われても、仕方がないのに。
あの出会い系サイトは、元々、そういう目的の場所だから。


「………」

……違う。

ミキさんから、そんな雰囲気が一切感じないのは……

最初から、子供の僕なんかに……興味が無かったから……

それとも。実際に会って……幻滅した……とか……


「……あの、」

胸が、ざわざわする。
必要となんか、されていない……
……僕は、誰にも……

「僕のこと……実際に見て……どう、ですか……?」

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