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第四章 永遠の凍雨
落陽
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車から降り、ロープウェイ乗り場へと向かう。
冬の山という事もあり、コートにマフラーを巻いただけでは、寒さが身に染みる。
悴む手を擦り合わせていれば、樹さんの大きな手がその手を取り、優しく包み込むように握られる。
「──!」
地元を随分と離れ、田舎の寂れた観光地とはいえ……人がいない訳じゃない。
一年に一度の特別な日──クリスマス・イヴともあって、それなりに駐車場は車で埋まっているし、カップルや家族連れが疎らながらにいる。
そんな中、男同士で手を繋いで歩くなんて……やっぱり恥ずかしい。
「………大丈夫。周りはそんなに気にしていないから」
「……」
僕の心情を察したのか。スッと肩を寄せた樹さんが、そっと耳元で囁く。
その吐息や声、肩が触れる程の距離の近さに……耳が熱くなり、繋いだ手のひらがじわりと汗ばんでいく。
最終に近い事もあり、ゴンドラに乗ったのは、僕達を含めて3組のみ。
ゴンドラ上部の小窓が開いていて、風通しを良くしているものの、外にいるよりは随分と寒さを凌げる。
後方のシートに並んで座り、少しスモークがかったガラスの向こうを眺める。
遠くに薄ぼんやりと見える、形の良い山の陰。その脇に掛かる、鮮やかな橙色をした夕陽。じっと眺めていれば、秒単位で沈んでいく様子が覗えた。
「着くまでに、全部隠れちゃいそうだね」
穏やかながら少し寂しそうな声がした後、膝の上にある僕の手に、樹さんの手がそっと重ねられる。
「………うん」
トクトクと高鳴る心臓。
きゅっと握られる手。
導かれるように隣を見上げれば、それに気付いた樹さんが、弱々しくも優しい視線を僕に向けてくれる。
「……」
……だけど。
夕陽に照らされたその顔は、何処か憂いを帯びていて。堪らなく僕を不安にさせた。
冬の山という事もあり、コートにマフラーを巻いただけでは、寒さが身に染みる。
悴む手を擦り合わせていれば、樹さんの大きな手がその手を取り、優しく包み込むように握られる。
「──!」
地元を随分と離れ、田舎の寂れた観光地とはいえ……人がいない訳じゃない。
一年に一度の特別な日──クリスマス・イヴともあって、それなりに駐車場は車で埋まっているし、カップルや家族連れが疎らながらにいる。
そんな中、男同士で手を繋いで歩くなんて……やっぱり恥ずかしい。
「………大丈夫。周りはそんなに気にしていないから」
「……」
僕の心情を察したのか。スッと肩を寄せた樹さんが、そっと耳元で囁く。
その吐息や声、肩が触れる程の距離の近さに……耳が熱くなり、繋いだ手のひらがじわりと汗ばんでいく。
最終に近い事もあり、ゴンドラに乗ったのは、僕達を含めて3組のみ。
ゴンドラ上部の小窓が開いていて、風通しを良くしているものの、外にいるよりは随分と寒さを凌げる。
後方のシートに並んで座り、少しスモークがかったガラスの向こうを眺める。
遠くに薄ぼんやりと見える、形の良い山の陰。その脇に掛かる、鮮やかな橙色をした夕陽。じっと眺めていれば、秒単位で沈んでいく様子が覗えた。
「着くまでに、全部隠れちゃいそうだね」
穏やかながら少し寂しそうな声がした後、膝の上にある僕の手に、樹さんの手がそっと重ねられる。
「………うん」
トクトクと高鳴る心臓。
きゅっと握られる手。
導かれるように隣を見上げれば、それに気付いた樹さんが、弱々しくも優しい視線を僕に向けてくれる。
「……」
……だけど。
夕陽に照らされたその顔は、何処か憂いを帯びていて。堪らなく僕を不安にさせた。
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