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そして………真相…
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「皆、卒業という祝いの場でこの様な茶番に付き合わせてしまい、すまなかった」
サイラス様は謝罪しますが……
「いいんですよ」
「劇だと思って楽しんでましたから」
「さっき、ライアン様とルシウス様に前以って聞いておりましたし」
皆さん、快く許して下さいます。
「茶番ってどういうことよっ!!何であたしが捕まんなきゃなんないのよっ!!」
あらあら、淑女が大声で…はしたないですわね。
「君が僕の大事なティナを陥れようとしたからだよ」
「あら、フェルナンお兄様」
「半年前から僕が調べ上げてた調査資料も、役に立ったみたいだね?」
お兄様が、ちらりとリリア嬢を見て、わたくしの腰に手を添えられます。
彼女、生徒会役員じゃないとは思いましたが、お兄様の部下でしたか。
「調査って何よっ! あたしは悪い事なんかしてないわっ!」
「君がやったのは、自分で制服を汚したり? 自分で教科書を隠したり?」
「そうよ――っ!?」
「ティナが手洗い場から出た後で、自らずぶ濡れになって、態々ティナの名を呟いたり?」
「そうよ――っ?? ちょっ…なんでっ!?」
お兄様がヒロインさんの左手首を指差します。
「その腕輪……ティナが伯父上から頂いた贈り物で、着けると聞かれた事に正直に答える様になる魔道具なんだよ。1週間位は外れないらしいね」
「はあっ?」
「自分で装着すると誰に問われても正直に答える様になるから、殿下に預けたのさ」
「そうだ。 昨日フォスティナから受け取った。 大勢から注目されている時に渡せば喜んで着けると思ってな…」
「サイラスっ!アンタ、あたしを愛してるんじゃなかったの!?」
「……愛していたさ………お前の本性に気付いた後も……心が引き裂かれる程に………」
「なら何でっ!!」
「さっき迄はな―――――」
わたくしがサイラス様に提案したのは、ヒロインが望むエンディングを終わらせる事。
つまり、悪役令嬢フォスティナ・ヴァリスの断罪と国外追放。
そして、第二王子とヒロインが抱き合い、物語が終わる。
そうすれば、乙女ゲームの強制力も無くなり、サイラス様は自由になると思いましたのよ……
貴女がサイラス様を愛してさえいれば、物語が終わった後に2人は結ばれていたでしょうにね。
「君は、明確な悪意を持ってティナを罪人に仕立て上げようとした。 そうでしょう?」
「そうよっ!けどフォスティナが悪いのよっ!」
「ティナの何処が悪いのさ」
「あたしに何もしてこないからよっ!あの女が何もしないから、あたしがやるしかなかったのよ!!」
「ふぅん?……まぁ、後でじっくり取り調べてもらうよ。 因みに君が罪人にしようとしたのは……」
お兄様はそう言うと、それはそれは美しい笑みを浮かべて言いました。
「グランシェヴィア帝国の、次期女帝なんだよ―――――」
サイラス様は謝罪しますが……
「いいんですよ」
「劇だと思って楽しんでましたから」
「さっき、ライアン様とルシウス様に前以って聞いておりましたし」
皆さん、快く許して下さいます。
「茶番ってどういうことよっ!!何であたしが捕まんなきゃなんないのよっ!!」
あらあら、淑女が大声で…はしたないですわね。
「君が僕の大事なティナを陥れようとしたからだよ」
「あら、フェルナンお兄様」
「半年前から僕が調べ上げてた調査資料も、役に立ったみたいだね?」
お兄様が、ちらりとリリア嬢を見て、わたくしの腰に手を添えられます。
彼女、生徒会役員じゃないとは思いましたが、お兄様の部下でしたか。
「調査って何よっ! あたしは悪い事なんかしてないわっ!」
「君がやったのは、自分で制服を汚したり? 自分で教科書を隠したり?」
「そうよ――っ!?」
「ティナが手洗い場から出た後で、自らずぶ濡れになって、態々ティナの名を呟いたり?」
「そうよ――っ?? ちょっ…なんでっ!?」
お兄様がヒロインさんの左手首を指差します。
「その腕輪……ティナが伯父上から頂いた贈り物で、着けると聞かれた事に正直に答える様になる魔道具なんだよ。1週間位は外れないらしいね」
「はあっ?」
「自分で装着すると誰に問われても正直に答える様になるから、殿下に預けたのさ」
「そうだ。 昨日フォスティナから受け取った。 大勢から注目されている時に渡せば喜んで着けると思ってな…」
「サイラスっ!アンタ、あたしを愛してるんじゃなかったの!?」
「……愛していたさ………お前の本性に気付いた後も……心が引き裂かれる程に………」
「なら何でっ!!」
「さっき迄はな―――――」
わたくしがサイラス様に提案したのは、ヒロインが望むエンディングを終わらせる事。
つまり、悪役令嬢フォスティナ・ヴァリスの断罪と国外追放。
そして、第二王子とヒロインが抱き合い、物語が終わる。
そうすれば、乙女ゲームの強制力も無くなり、サイラス様は自由になると思いましたのよ……
貴女がサイラス様を愛してさえいれば、物語が終わった後に2人は結ばれていたでしょうにね。
「君は、明確な悪意を持ってティナを罪人に仕立て上げようとした。 そうでしょう?」
「そうよっ!けどフォスティナが悪いのよっ!」
「ティナの何処が悪いのさ」
「あたしに何もしてこないからよっ!あの女が何もしないから、あたしがやるしかなかったのよ!!」
「ふぅん?……まぁ、後でじっくり取り調べてもらうよ。 因みに君が罪人にしようとしたのは……」
お兄様はそう言うと、それはそれは美しい笑みを浮かべて言いました。
「グランシェヴィア帝国の、次期女帝なんだよ―――――」
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