逃げてもいいですか?…ダメ?…なら契約を…

ねこママ

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問題発生!?

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お兄様とヴェルド殿下の会話が聞こえて来て、何の事だろうと気になって尋ねてみた。

「ヴェルド殿下。2人とは、クロード様とシルグランド様の事ですの?」

「あぁ。2人で、ある女生徒にかまけてしまってな…側近の役目を果たしていなかったんだ」

私は思わずゲイルを見た。

(その女生徒がヒロインかも知れないわね)

『トリスタンが図書室に居るならば、一緒に居る可能性が高いな。
今から行って顔だけでも確認して来た方が良さそうだ。フェリシアはここで待っていろ』

(分かったわ)

私はヴェルド殿下の方へ向き直り、会話を続けた。

「だから彼等は騎士団でしごかれているのね」

「あ、俺忘れ物したみたいだ…取って来るから待っててくれ」

「ええ。行ってらっしゃい」

ゲイルは、殿下に聞こえる様に言いながらヒロインを確認しに行った…

クロード達が騎士団から戻って来るのに1週間かかる筈だから、魅了に掛かっていたとして…どれくらい解けているかしらね…

「ヴェルド殿下の側近2人と、クィンザ殿下の御友人…その女生徒は随分と殿下方に近しい者達と親しくしているのですねぇ」

「何か意図いとがあると思うか?」

私はお茶をひと口飲んでカップを置く。

「分かりませんが…いくら学園内で身分は関係ないとは言っても、殿下方は別ですわ。 ましてやその殿下方に近しい者へ近付くならば、警戒はしておいた方が宜しいと思いますわ」

「シアの言う通りだね。僕等はその為にこのピアスをしているのだから」


隣国の第2王子はどうなっているのかしら…?

「トリスタン様もそうだとして…3人だけですの? その令嬢が近付いているのは」

私の問い掛けに、お兄様が微妙な顔をしていますわ…

「それがね…僕の友人とも交流があるらしいんだ」

「まあ! お兄様の!?」

まさか…

「隣国の第2王子なんだけどね…」

「それは…」

やはり隣国の第2王子…
というか…お兄様と友人関係でしたのね…知らなかったわ。

でもそうなると…殿下方やお兄様は、私の魔力で作った指輪があるから、余程強力でない限り魅了には掛かりにくい。

あとの3人も疾風はやての影響があるから、完全に魅了に落ちるには時間が掛かる筈よね…


「隣国のとはいえ、第2王子が市井で育った令嬢と懇意にするのはどうかと思うけどね…」

「そうだな…確かまだ男爵に引き取られて二月ふたつきほどだったな」

「…この学園では、確かに身分は平等ですわ。 ですが、聞けばその御令嬢は貴族になってまだ日が浅い…礼儀をわきまえた子息令嬢の平等と、その御令嬢のかかげる平等は全く異なる物だと思いますわ」

「フェリシアの言う通りだ…ジルベール、忠告はしたのだろう?」

「しましたが…僕もずっと付いている訳ではありませんから…」

ヒロインが本当に魅了魔法を使っているなら、他人の忠告など意味が無いでしょうね…しかも、疾風はやての影響を全く受けていない第2王子では…


『フェリシア! ヒロインらしき女子おなごとトリスタンが一緒に居るのを見てスザンヌがキレたぞ!』


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