逃げてもいいですか?…ダメ?…なら契約を…

ねこママ

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会えないまま日は過ぎて

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夕食をって自室へ戻り、侍女のジェシカにお茶の用意をして貰う。

「ありがとう。 れるのは自分でやるわ」

「畏まりました。 では、失礼します」

ジェシカが部屋を出てからゲイルが話しかけて来た。

「ジルベールが居なかったな」

「うん、用があるって言うから先に帰って来たけど…夕食には間に合うと思ってたわ」

「2日前にクロード達が戻って来てからは、生徒会の仕事も無くなってたんだけどな…」

「明日から試験休みに入るから、今週中に第2王子と会いたかったわね」

この間、お兄様にお友達である隣国の王子に会ってみたいと言ったら、今ちょっと忙しくて時間が取れないと言われたらしいのよね…

「ジルベールもここ数日、何か忙しそうにしていたが…」

「出来る事があれば手伝おうかって言ったんだけどね、断られちゃった」

「落ち着いた頃に会えないか、また聞いてみるよ」

クッキーをひとつ口に入れる。

(あ、これ美味おいしいわ)

「ゲイル…本当に1人で会うつもりなの?」

「ああ。 お前は会わない方がいい。何かあった時、俺1人の方が対処がしやすいからな」

「ふぅ…分かったわ」

ゲイルはお茶をひと口飲んで、少し目を見開く。

美味うまい……オレンジ…?」

「あ、うん。 あとからジャムを入れても良いけど、それだと甘すぎるじゃない? だから先にポットへオレンジを入れてみたの」

「いいね。 俺これ好きだわ」

「気に入って貰えて良かったわ」

私もお茶を飲んでホッと息をく。

「そう言えば、この間お父様の書斎に入った時、興味深い本があったわ」

「へぇ、どんな?」

「魔法についての記述があったのだけど、魔力の多い人って魔法に掛かりにくいのね?」

「あゝそうだな。魔力の多さにも依るけどな。 でも余程多くなきゃ無理だぞ?」

「どれくらい?」

「まぁ、最低でも1万以上でないとな…お前くらい有れば完璧だが。そんな奴滅多に居ないだろ」

成程。 普通の人の魔力が100なら、そんなに多い魔力を持ってる人なんて中々居ないかもね。

「だが、魔法に掛かりにくいという事はある意味諸刃の剣だぞ」

「どうして?」

「掛かりにくいって事は、逆に言えば解除魔法も効きにくいって事だからな」




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